Topics
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記者発表
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健全な水循環系構築に関する関係省庁連絡会議
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水は、地球上の限りある資源であり、生物の命を育み、私たちの生活や産業に不可欠な基本要素である。また、大気から大地、河川等を経て海域に向かう水の循環は、河川・地下水の水量の確保、水質の浄化、水辺環境や生態系の保全に大きな役割を果たす。一方、時には洪水等の災害をもたらす。さらに、水の循環過程における人との関わりは、他の活動や水循環系全体に影響をおよぼしている。 我が国における現在の水循環系は、治水、各種用水や再生可能なエネルギー源としての利用等、安全、快適で豊かな人間生活を目指して太古の昔より人の手により工夫が施され、長い時間をかけて人為的な水循環系と自然の水循環系とが有機的に結びついたものになっている。例えば、適切な農林業活動等を通じて発揮される森林や農地等のかん養機能や、下水道等の排水処理による汚濁負荷の軽減も、水循環系に大きな役割を果たしている。 その一方で、都市への急激な人口・産業の集中と都市域の拡大、産業構造の変化、過疎化・高齢化・少子化の進行、近年の気象の変化等を背景として、水循環系が急激に変化し、問題を引き起こしていることも事実である。 このようなことから、21世紀の持続可能な発展のためには、健全な水循環系の構築が重要な課題である。そのためには、安全で快適な生活及び健全な生産活動が実現するとともに環境の保全に果たす水の機能が確保されるなど、人間の諸活動と水循環系との調和を図っていくことが重要である。 水循環系を取り巻く状況変化と問題点
健全な水循環系とは、流域を中心とした一連の水の流れの過程において、人間社会の営みと環境の保全に果たす水の機能が、適切なバランスの下に ともに確保されている状態。
(1)流域の視点の重視
(2)水循環系の機構把握、評価及び関連情報の共有
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(1)水循環系の問題点ごとの主な要因 水循環系の問題点ごとの主な要因を、以下のように整理した。
○少雨化傾向、多雨・少雨の較差拡大 2)都市型水害の多発、洪水被害ポテンシャルの増大 ○都市への急激な人口・産業の集中及び都市域拡大 3)非常時の用水確保の困難化 ○水面・水辺空間・緑地空間の減少 4)水質汚濁の進行と新たな水質問題の発生 ○水質汚濁負荷の増大、汚濁物質の多様化 5)地下水位低下、湧水枯渇、地盤沈下 ○流域の涵養機能の低下 6)都市におけるヒートアイランド現象の一因 ○各種施設の整備等による水循環系の変化 7)生態系への悪影響 ○水質汚濁負荷の増大、汚濁物質の多様化 8)親水機能の低下、水文化の喪失 ○都市への急激な人口・産業の集中及び都市域拡大 (2)水循環系の問題点に対する対応策のイメージ 水循環系の問題点に対する対応策のイメージを、その主たる目的に応じて整理したものを以下に例示する。
○森林の適正管理による水源かん養機能の維持・向上 2)水の効率的利活用(水を上手に使う)
3)水質の保全・向上(水を汚さない・水をきれいにする) ○水質汚濁負荷の発生源対策の推進 4)水辺環境の向上(水辺を豊かにする) ○都市域、集落内の水面確保 5)地域づくり、住民参加、連携の推進(水とのかかわりを深める) ○治水・雨水対策と洪水被害が広がりにくい地域づくり等の推進 |
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