歴史・風土に根ざした郷土の川懇談会 -日本文学に見る河川-
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-日本文学に見る河川- 第十一回議事録
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平成17年5月31日(火) |
歴史・風土に根ざした郷土の川懇談会 -日本文学に見る河川- 第十一回議事録 |
1.開会の挨拶 |
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○事務局 | |
まだちょっとおくれておられる先生がいらっしゃるんですけれども、予定の時間になりましたので、これから第11回の歴史・風土に根ざした
郷土の川懇談会を開催させていただきます。 まず最初に、土屋河川局次長からあいさついただきます。 |
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2.河川局次長挨拶 | |
○河川局次長 | |
本日は、ご多忙のところご出席を賜りましてまことにありがとうございます。本懇談会は平成12年からきょうで第11回目になる
わけであります。これまで各委員の先生方から、日本あるいは外国の文学、芸術などを題材といたしまして、川と文化・歴史との関係ということにつ
いていろいろお話をいただいてまいったところであります。歴史と風土の観点から見た我が国の川とは何かとかいうことを考えるよりどころとさせて
いただいているところであります。 本日は、愛知淑徳大学教授の山田登世子先生を講師にお招きしているところでございます。フランス文化と 川のかかわりについてご講演をいただくこととしております。我が国とフランスは文化の違いがある。片や一方、川や清らかな水に対する人類共通の 感性というものがあるのかというような点を含めまして、我が国の川について改めて考える非常に重要な機会であろうかと思っております。この分野 にご造詣の深い山田先生のお話に期待を寄せているところでございます。よろしくお願いをいたします。 その後、前回2月のときでございます けれどもご了解をいただきましたように、本懇談会として歴史・文化の川づくりに関する提言を、これはさらに次回でございますけれども、次回を目 途に取りまとめていただくということにしております。本日は、提言に盛り込むべき内容についてあわせてご議論をいただければと思うところでござ います。 さらにその後でございますけれども、伏見堀川の川まちづくりの現地見学を予定しているところでございます。地元で案内活動に取り 組んでおられます伏見夢工房の永山恵一郎様にお話をいただくことを予定していたところでございますけれども、急遽どうしても出席のかなわない事 情が生じましたために、かわりに本日は近畿地方整備局の職員がご案内をさせていただきます。 本日は限られた時間ではございますが、ぜひ忌憚のないご意見、ご議論を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 |
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3.話題提供 | |
○事務局 | |
それでは、型どおりではございますが、お手元に配付しております資料の確認をお願いいたします。一番最初に式次第、それに
委員の皆様の出席者名簿。先ほどご連絡いただきまして、きょうは残念ながら坪内先生が急遽ご欠席なさるということになっております。それと山田
先生の紹介記事が書かれてあります「朝日新聞夕刊」という題目のつづったもの。それとA4判でカラーの資料。一番上に「ボランテ
ィアガイド登録」と書いてございます資料。あと一番大きなもので、「川に関わる歴史・文化」云々と書いてありまして、ボランティア団体等の活動
団体等を書いてある資料を配付してございます。またこれは後々ご議論の中で活用していただければと思います。 それでは芳賀先生、これから の進行をよろしくお願いします。 |
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○芳賀委員長 | |
きょうはわざわざ京都においでいただきましてありがとうございました。京都でこういう研究会をやるというのは今回が初めて ですね。今まで千曲川に行ったり東北の方に行ったりもいたしましたけれども、きょうは京都でということで、まず山田登世子先生に「印象派のセーヌ今 昔」ということでお話をいただいて、その後の永山先生のお話はなくなるわけですか。その分はどうなるんですか。 | |
○事務局 | |
その分圧縮になるという形でございます。 | |
○芳賀委員長 | |
そうですか。 ちょっといろいろと皆さん急なご欠席があったりしましてがらんとしておりますが。では、時間はたっぷりありますので、山田先生からセーヌ川の話を。 これはやっ ぱり前から、一度セーヌ川やライン川のお話も聞かなきゃということになっておりまして、前回はマーク・トウェインその他を中心としたミシシッピ 川のお話を聞いたんです。きょうはセーヌ川で。そのうちインドの川でしたか、そういう話も伺うということになっておりまして、だんだん日本の河 川だけじゃなくて、比較河川学になってきました。そのためにセーヌ川は非常に大事な意味を持ちますので、どうぞよろしく。 では、山田先生 、どうぞよろしくお願いいたします。そうか。山田先生は「リゾート世紀末」、こういう本も出してらっしゃるんですね。私、存じ上げませんで。 |
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○山田臨時委員 | |
何かだまされたみたいですね。芳賀先生が、セーヌについて何でもいいから話せというふうに。 | |
○芳賀委員長 | |
ええ、何でもいいんです。 | |
○山田臨時委員 | |
フランスに4大河川がありますけど、どの川でもと言ったらあれですけど、リヨンのローヌ川に1度だけ20年前ぐらいに行ったき
りで、セーヌしか知りませんので。セーヌも特によくは知らないんですけれども、そこにつけましたけれども、「リゾート世紀末」という本を随分前に
書いておりまして。リゾートといったら本当は南仏コート・ダジュールの方なんですけれども、あそこを個人研究しようと思ったらもうすごいお金がか
かりますから、北の方の。一番後ろに大きい地図がついてありますけど、セーヌ川といっても、セーヌといったらすぐパリ、セーヌという感じなんです
けど、長い大きい河川で、それを水色にでもカラーで塗ればよかったんですけれども、パリから北西にずっとたどっていって、ル・アーヴという港で英
仏海峡に到達するんです。川を全部めぐったわけでは、もちろんありませんけれど。 私が特に興味を持った河川セーヌは、パリのセーヌではなく てその近郊です。パリのセーヌ川は風景としてかなり、今バトームーシュという遊覧船でしょっちゅう。私ももちろん乗りましたけれど。 |
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○芳賀委員長 | |
僕はまだ乗ったことはないですよ。あれは観光客が乗るものだと思って。 | |
○山田臨時委員 | |
いや、観光客として私はるんるんと。 | |
○芳賀委員長 | |
ああ、そうですか。るんるんと。 | |
○山田臨時委員 | |
結構楽しいです。2回ぐらい乗ったことがありますけれど。性懲りもなく。それは川というよりパリ市内観光なんですね。それ
を過ぎたところは今だれも観光客が行かない場所なんです。RERという交通手段と河川、あるいは河川の観光化とか河川の浄化とか、そういうこと
と大変大きくリゾートも。要するに、19世紀に鉄道網が発達したからリゾートが。簡単に言えばそういうことなんですけれど。 パリ近郊、ここ が行きにくいんですね。RERがあって今は何とか行けますけれど。例えば、ブージヴァルというところとシャトゥーというところとアルジャントゥ イユというところがある。そういうふうに、そこに1つ行こうと思ったら結構大変なんです。それで、何回か機会を分けて私は、シャトゥーといって 、それがこんな小さいところを言ったら大変見にくいんですけれど。私大変な方向音痴でして、さっき先生はホテルセントノームのことをおっしゃい ましたけども、ホテルセントノームにたどり着くのにきょう一番緊張しました。 |
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○芳賀委員長 | |
京都駅から。 | |
○山田臨時委員 | |
はい。至近距離で迷うんです。 | |
○芳賀委員長 | |
50メートルぐらいですか。 | |
○山田臨時委員 | |
ロンドンに行くつもりだったのがパリにいたとか、そういうことはないんですけど、至近距離で、学内で迷っている。まさに右
と左がわからないという典型的で、ここにたどり着いたときは、きょうはもうやったぜとか思ってほっとしていますけれど。 そういう私がパリ から、これは車を運転すれば陸続きで行けるんですけれど、大変行きにくいところが散在していますけれど、たまたまそこが船に乗ればずっとセーヌ 川沿いなんですね。 |
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○芳賀委員長 | |
何ていうところですか。 | |
○山田臨時委員 | |
シャトゥー。ルノワールに「シャトゥーの船遊び」というのがあるその絵を忘れてしまったんですけど。 | |
○芳賀委員長 | |
この地図だとどの辺ですか。 | |
○山田臨時委員 | |
もう1つあります。めくっていただきますと、どなたかが振ってくださった手書きの数字の4ページ。それは私の本につくった
略図なんですけれど、モーパッサンの時代。19世紀、20世紀、戦前までずっと船で水上交通として本当に利用されていたんです。これは各駅の名前で
もあるんですけど。 川をずっとたどっていってください。すると、S字型、M型に蛇行していってますけれど、一番近くにパリ市内から続いて 行けるところはグランド・ジャット島です。スーラが「グランド・ジャット島の日曜日の午後」。それからさらにそれを右上とかいうと怒られますが 、南西に上りますとアニエールというところがあります。これもスーラが「アニエールの水浴」と。そして、ざっと川をM字型にめぐりますと、アル ジャントゥイユ。これはモネが「アルジャントゥイユの橋」をかいた。それからずっと左下に行った、蛇行した川の一番南です。ブージヴァル。それ からそのすぐ上にラ・グルヌイエールというところがあります。それからそれをもうちょっと北に上ったところがシャトゥーというところになります 。 ここに全部まとめて行ったのではなくて、たまたま。車がないとまとめては行けないんですね。2000年に1度行きまして、それからその前に 1度また行きまして、別々に見たんですけれど、印象派を利用してというかゆかりの地ということで町おこしをやっているんです。ですから、きょう のお話もご参考になるのではないかと思って。まさしくたまたま行ったんですけれど。印象派といったら全部ここら辺をかいているんです。ちょうど 今見ていただいている地図のところにモネのかいた「サンラザール駅」という小さい絵がありますけれど、当時はサンラザール駅から乗って、今も当 時も25分だそうです。 |
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○芳賀委員長 | |
今も当時も。 | |
○山田臨時委員 | |
ええ。スピードが同じなんですって。 | |
○芳賀委員長 | |
昔は、モネのときはこれは蒸気機関車で煙がもわっと上がっているわけですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですね。 | |
○芳賀委員長 | |
今は電車でしょう。 | |
○山田臨時委員 | |
もちろんそうです。 | |
○芳賀委員長 | |
それでもスピードは同じですか。 | |
○山田臨時委員 | |
はい、歴史書に書いてあるんです。つい最近出た世紀末のハイテクを追究した歴史家の本ですけども。私も同じコースをサンラ
ザール駅から行きたいなと思いつつ果たせないままです。 サンラザール駅から、印象派の人たちは外交派ですから、きっと絵の具を持って出か けていって草の上で昼食をとる。 |
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○芳賀委員長 | |
そのころからこの今と同じ汽車の線路で走っているわけですか。モネの時代から。 | |
○山田臨時委員 | |
それは大変複雑です。まず、今ちょうど名前も西部鉄道と同じ西部鉄道というんですけれど、国営化に全部整備されるのは大変
複雑な経路をたどっています。年表はしっかり頭の中に入っていませんけれど、西部鉄道、東部鉄道、7大鉄道会社があって、それが民営化と反対で
逆に。いろいろそれは大変複雑なんです。逆に統一されてなかったから各鉄道会社が競っていろいろ開発したんです。たまたま全部西部鉄道。西部鉄
道がセーヌ川のこの川沿いに行くからで、その西部鉄道に乗り込む駅がパリでいえばサンラザール駅。 私がたまたま行きましたところがシャト ゥーというところ。何が情報源だったかというと、パリに行くと一番熱心に読むフランス語はレストランのメニューです。あれほど真剣に読むものは なくて、あの熱意で本を読んだらどんなに頭に入るだろうと思うんですけど。もう一つは、日本でいいますと「ぴあ」に当たる「パリスコープ」とい うのがあるんです。例えば行事が、今週のイベントとかが毎週水曜日に出るんですけど、パリへ行ったらまずそれを買うんです。それで、眺めてみま す。 何かで知ったんですけれど、シャトゥーというところはモーパッサンの小説のほとんど舞台にしているところですから。モーパッサンはす ごいボートマンだったの。だから、シャトゥーというところは自分に大変覚えがありまして、そこにレストランを、元モーパッサンたちボートマンた ちがたまり場にしているところが、シャトゥー市の町おこし計画で復元されてレストランになったという知らせが何かに書いてあったんです。それは パリの近郊までずっと地下鉄で行って、一番最寄りのここら辺でいいだろうというところからタクシーで行きました。 それが12ページ。これは ルノワールの大変有名な「船遊びの昼食」。ボートマンたちの昼食です。これの拡大図が次のページになります。これがまさしくシャトゥーというと ころにあったんです。もちろん1880年代にかいたルノワールの大変有名な絵で、オルセー美術展があったときにもこの絵のことを話させていただいた 覚えがあるんですが、印象派というのは登場人物は全部自分の仲間をかくんです。それで、この名画の人物はほとんど全部わかっていて、向かって一 番左手にいる人がフルネーズというこのレストランの所有者です。そのすぐ下にいるのがアリーヌ。ルノワールの妻となる人です。 |
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○芳賀委員長 | |
アリーヌ。 | |
○山田臨時委員 | |
ええ。 | |
○芳賀委員長 | |
このレストランのオーナーが何ていうんですって。 | |
○山田臨時委員 | |
フルネーズという。このレストランをフルネーズというんです。オーナーの名前なんです。それから、次は名前も固有名詞も調
べていったら全部もうわかっていると思いますけど、全部は私も名前を覚えてないんですけど、次に端っこに見える女の人は女優です。それから、右
手にランニング一つでいる人、これは画家のカイユボットです。だけど、これは全部仲間内の。印象派というのはモデルたちがみんな自分の友達です
から。これは全く復元されてレストランになっているということを聞きつけて行ったんですけど、12月でした。ですから、ちょっと川の感覚が川辺の
という感じではなかったんですけど。 そのページを繰っていただいて14ページ。これは同じレストランフルネーズの一番端っこに座った、将来 ルノワールの妻になるアリーヌをモデルにかいた絵です。その次のページを繰っていただいて15ページ。これが現在復元された同じ建物なんです。こ こがレストランになってて、ここにタクシーで乗り込んだんです。ただ、残念ながらこのテラス席はもう満席で、思い立ってすぐでして日にちがあり ませんでしたから、その下で。 |
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○芳賀委員長 | |
このテラスは2階ですね。 | |
○山田臨時委員 | |
2階です。 | |
○芳賀委員長 | |
川の向かって左側の、15ページのレストランのね。 | |
○山田臨時委員 | |
ええ。同じ位置に建てるんですよ。全く当時の建物を復元しているんです。これはモーパッサンたちボートマンたちがたまり場 にしたんです。 | |
○芳賀委員長 | |
おいしいんですか。 | |
○山田臨時委員 | |
おいしかったです。さすがやっぱりフランス料理。 | |
○芳賀委員長 | |
何料理ですか。 | |
○山田臨時委員 | |
もちろんフランス料理。 | |
○芳賀委員長 | |
いやいや、でも、肉が専門とか魚が専門とか。 | |
○山田臨時委員 | |
魚がおいしいんじゃないじゃないですか。 | |
○芳賀委員長 | |
セーヌ川の魚は余り食べる気もしないですね。 | |
○山田臨時委員 | |
聞いたことないですね。 | |
○芳賀委員長 | |
アユがいるわけじゃないし、イワナがいるわけじゃないし。 | |
○山田臨時委員 | |
魚っていないです。 | |
○芳賀委員長 | |
とっても泥臭くて食べられないですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうでしょうね。 | |
○芳賀委員長 | |
スズとか銅とか何かを飲み込んでいるかもしれない。 | |
○山田臨時委員 | |
汚染されているのでは有名ですね。でも、風景としては、12月でもまだ川辺の感覚はありました。ただ、寒くてさすがにテラス
に出る気もしなかったです。12月でしたから。 ただ、こういう建物が復元されてレストランにしているというシャトゥー市。そのシャトゥー市 というのがどれぐらいの人口の規模のどんな市かというと、きちっと数字できょうまでに調べてくる暇がなかったんですけど、大したところじゃない ですよね。 |
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○芳賀委員長 | |
そうでしょうね。人口5万ぐらいかな。 | |
○山田臨時委員 | |
そんなにいないと思います。 | |
○芳賀委員長 | |
3万ぐらいかな。 | |
○山田臨時委員 | |
だから、頑張っているなと思ったんです。 | |
○芳賀委員長 | |
頑張ってますね。頑張っているとちゃんとお客も来るとね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。観光客が来ますね。 | |
○芳賀委員長 | |
京都だって、ヨシヒサの白川の宿とかああいうのをちゃんと本当はやればいいんですけどね。枕の下を水が流れる。ああいう宿をきちんと復元してちゃんとしたお水を通して。 | |
○山田臨時委員 | |
そしたらゆかりの人は行きますよね。 | |
○芳賀委員長 | |
うん。ただ、今はそうじゃなくなっちゃったでしょう。水の上に出っ張ってた部分がなくなっているじゃないですか。 | |
○山田臨時委員 | |
たしかこの近くに。 | |
○芳賀委員長 | |
幾らでもあるのにそういうところをむだにしている。早速これは河川局、都市局と。 | |
○山田臨時委員 | |
本当にそう思います。 | |
○芳賀委員長 | |
きょうこの会に京都市の人はだれもいないんですか。京都市役所とか。 | |
○事務局 | |
いないです。 | |
○山田臨時委員 | |
やる気さえあれば幾らでも。 | |
○芳賀委員長 | |
今は鴨川で夏の床ですね。今もうそろそろ準備して出していますけれども、あれがこれかな。まさにテラスですな。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですね。 | |
○芳賀委員長 | |
だから、あれをこれのつもりでやればいいんで。それで、床開きにはちゃんとどこかのおもしろい詩人とか小説家とか俳人とか 、そういう人を招いて鴨川の床開きをそれぞれの店がやればいいんですね。毎年決まってね。 | |
○山田臨時委員 | |
いいですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
それくらいのことを考えるといいですね。我々が行ったんじゃぱっとしないから、もうちょっと。 | |
○山田臨時委員 | |
芸能人でも。 | |
○芳賀委員長 | |
芸能人、そこまで行かなくてもいいですけど。吉本興業ですか、そこまで行かなくても。 | |
○山田臨時委員 | |
義経ですか。 | |
○芳賀委員長 | |
義経、そうかな。 | |
○山田臨時委員 | |
ただ、思ったのは、印象派を目いっぱい利用しているんですよね。印象派って、日本人にはもう印象派展がない土地がないぐらいですし。ここに行くまでの。帰りは近くでRERの駅があることを発見して。 | |
○芳賀委員長 | |
RERというのは要するにあれは何ですかね。中央線ですね。 | |
○山田臨時委員 | |
郊外線ですね。 | |
○芳賀委員長 | |
郊外線ね。パリの真ん中を東から西に向かってだあっと抜けて走っている。 | |
○山田臨時委員 | |
地下鉄から続いて、速いですしね。それで、歩いたときに見つけたんですけれど、印象派の散歩道というステッカーが、その写 真を撮ってくればよかったんですけど。そこをかいているその場にその絵の複製があって、それが何点かありました。だから、フランスってやっぱり そういうところはぬかりないんですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
そうね。商売熱心ですからね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
それから、それしか商売がないしね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。それで、さすがフランスというか、しっかり国家がやるんですね。 | |
○芳賀委員長 | |
そうですね。だから、もうちょっと日本も恥も外聞もなくそういうことをやればいいのに、建設省、国土交通省で幾らでもでき るじゃないですか。 | |
○山田臨時委員 | |
全く私もそう思います。 | |
○芳賀委員長 | |
いろんなところに何とか言うからというので、ちゃんと特定の決まったいいデザインのプレートをちゃんと立てて、余り邪魔に ならないいい工夫をしてね、石にはめるんでもいいしね。京都なんかそれをやり出したらもう至るところ石だらけになって、交通妨害になるかもしれ ないぐらい。 | |
○山田臨時委員 | |
私が見たのは石じゃなくて永久性がないんですって。木のキャンバスを。 | |
○芳賀委員長 | |
京都では、比叡山に登っていくとてっぺんに印象派の庭園があって、ゴッホの絵の複製が置いてあって、その後ろにゴッホがか いたような木が植わってたり、モネがあって、そこに蓮があったりとかするんです。 | |
○山田臨時委員 | |
では、全くそれは同じ。 | |
○芳賀委員長 | |
いや、でもそれは本当にちょこまかっとした庭の中にそういうものをつくってあって、それで客寄せをやっているのはあります 。比叡山のてっぺん。とんでもないとこに変なものをつくってね。 | |
○山田臨時委員 | |
でも、何でも利用できるものは利用した方がいいですよ。 | |
○芳賀委員長 | |
ええ。まあでも、比叡山のてっぺんで印象派に利用しても、今度はあほかと言われるので。もっと京都の町の中で、ヨシイさん もあるし、宇田荻邨でもいろんないい画家がたくさんかいているわけですしね。それから小倉百人一首があるわけだし。小倉百人一首は今度ようやく 始めました。百人一首記念館をつくって、全部が全部といかなくても、百人一首にゆかりの土地に1首歌碑を立てていくというのを京都商工会議所が 今始めているようです。百人一首めぐりですね。久保田さんにはご相談ないですか。 | |
○久保田教授 | |
ええ。何かパンフレットはもらいました。 | |
○芳賀委員長 | |
ああ、そうですか。僕はまだパンフレットを見てないんですけど。あっ、もらったかな。 何でそういうことをやらないの かな。 |
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○山田臨時委員 | |
そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
ね。だから、まだまだパリに学ぶべきことはありますね。 | |
○山田臨時委員 | |
フランスのスペシャル。それは先生もおっしゃったように、それしかやることがないんですね。そのかわり風景を大事にします
ね。 ただ、印象派がスペシャルなのは、印象派で観光バスがばんばん出ているところ、さっきの一番後ろの地図のジベルニーですね。 |
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○芳賀委員長 | |
ジベルニー、そうですね。 | |
○山田臨時委員 | |
モネの睡蓮の池がある。それはもう観光バスに乗って1時間ぐらいで。 | |
○芳賀委員長 | |
パリから。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。去年初めて行ってきました。 | |
○芳賀委員長 | |
16ページの地図でいくと、右側のヴェルノンというところですよね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですね。 | |
○芳賀委員長 | |
僕はヴェルノンまで汽車で行って、そこからタクシーでジベルニーに行きました。 | |
○山田臨時委員 | |
私どもは観光バスで行きました。 | |
○芳賀委員長 | |
専ら日本人でしょう。 | |
○山田臨時委員 | |
いえいえ、各国。ちょうど今ごろでしたから、花のバラの季節ですごい人でした。 | |
○芳賀委員長 | |
モネのあの屋敷なんていらしたんですか。 | |
○山田臨時委員 | |
一番行きやすくて有名で。 | |
○芳賀委員長 | |
汽車で行くとサンラザール駅から1時間ぐらいでヴェルノンというところでおりて、そこでタクシーを拾って10分ぐらいかな。 | |
○山田臨時委員 | |
えっ。ストレートで。 | |
○芳賀委員長 | |
バスがあるんですか。 | |
○山田臨時委員 | |
それはもう幾らでも出てます。ジベルニー半日観光ということで。バスも満員ですし、着いたら花より人が多いというぐらい人 が多いです。 | |
○芳賀委員長 | |
まあ今はね。 | |
○山田臨時委員 | |
そこもよく行くんですけれど、あとはばらばらに点在してますから、印象派めぐりといったって。 | |
○芳賀委員長 | |
そうね。いいですね。 | |
○山田臨時委員 | |
いいんですけれど、セーヌ川で船を出してくれたら、こんな季節なんか、印象派が好きな人はいっぱいいますから、乗るんじゃ ないかと思うんですが、それはやってないんです。 | |
○芳賀委員長 | |
やってないと。ああ、そこまでまだ知恵は回りかねているんですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですね。採算がとれるかどうかわからないです。 | |
○芳賀委員長 | |
でも、日本人相手にして日本の旅行社がツアーでやればもうわんさか来ますよ。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですよねえ。 | |
○芳賀委員長 | |
もう50、60のあのおば様たちが、金があって暇があってどうしようもなくてというおば様たちが幾らでも行く。毎週50人ぐらい ずつ船に乗るんじゃないですか。 | |
○山田臨時委員 | |
先生、フランスにかけ合って知恵を授けて。 | |
○芳賀委員長 | |
そうね。日本人向けの印象派ツアーというのを。 | |
○山田臨時委員 | |
そしたら、ちょうどジベルニーを終点にしたら。 | |
○芳賀委員長 | |
そう。そこに飽きたら、今度は南に行ってゴッホの跡をめぐるとかね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです、そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
それからブルターニュへ行ってゴーガンとかね。 | |
○山田臨時委員 | |
そう一挙にはやってませんけど、ホテルに印象派の散歩道といって、いろいろ。OHPがあればよかったですね。 | |
○芳賀委員長 | |
はい、じゃ、回して。 | |
○山田臨時委員 | |
はい、回してください。こういうふうに現地に絵が立っているんです。 | |
○芳賀委員長 | |
絵と今のあれとを並べてこうあるんですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうなんです。ただ、一つ一つが場所は連続しては行けないです。 | |
○芳賀委員長 | |
うまくやっているね。 | |
○山田臨時委員 | |
車があればいいです。さすがフランス。 | |
○芳賀委員長 | |
うまくやっているね。 | |
○山田臨時委員 | |
季節がいいと歩いていて気持ちいいですし。 それから、ついでにそのときに私が撮りました私の下手な素人写真があるん ですけど。 では、次のポイントに移らせていただきます。それは2000年以前なんですけれど、2000年に朝日新聞に一番最初の記事を書きました けど、「1900年展」というのが2000年にオルセー美術館でありました。これに行きたくて行った余りの日程でやったことなんですけども、このお話を 聞いた途端に、この「1900年展」に自分が行ってこの記事を書いたことを思い出しました。 そのときに、またパリスコープです。パリへ行った らぴあみたいなんです。今度また別のものを発見したんです。それがブージヴァルというところなんですけど、ブージヴァルというところは、お渡し した資料の6ページ。どなたも一度はごらんになったことがあるのではないかと思います。3点絵がありますけれど、同じ場所です。モネとルノワー ルは友人同士ですから、同じ場所に2人できっと出かけて、そこがそのころ大変な行楽地だったんです。中之島みたいな島があります。これはちょう ど丸いから、丸いチーズでキャマンベールという一番ポピュラーなチーズがありますから、キャマンベールと呼び名をされてた。この絵はよく見るん ですけども、印象派といったらこの絵というほどよく見るんですけれど、次の7ページで、同じ場所をちょっと違う角度からかいたルノワール。 それで、印象派というと水と光、セーヌの水という感じで、それまでの肖像画とかいうのと違って外交派と言われて、手法のことは非常に言われる んですけど、かかれた場所がどんな場所だったのかというのは結構研究されてないんです。あんまり詳しくかいているところはないです。 たま たま私はモーパッサンを読んでおります。モーパッサンの小説の舞台と印象派がかいたところはほぼ重なり合っているんです。モーパッサンに「ポー ルの恋人」という小説がありまして、それを読んでいると、こんなこと言っていいのかな、レズビアンの話で、自分の恋人は女性なんですけど、本当 はもう一人の女性が好きだったというのを知って、絶望してセーヌへ飛び込むというちょっとした短編があります。その舞台になっているところがブ ージヴァルで、ここにかかれています。 ここは行きたいと思ってたんですけれど、ついに行くことはできなかったんです。ただ、これに関連し て6ページの左側の絵です。印象派を見ててもこういう資料はあんまり上がってこない。これは何かというと西部鉄道の宣伝のポスターです。毎木曜 日にダンスというキャッチで、ダンスする女が描かれている。グルヌイエールといいます。グルヌイエというのはフランス語でカエルという意味。カ エル娘というんです。ここは水浴場で有名だったんです。しかも毎木曜日のフレンチカンカンでも有名でした。 ここに絵の隅にかかれています けど、これは水浴場兼キャフェなんです。大変いかがわしいところです。いかがわしい様子をモーパッサンがありありと描きました。どういう女たち が集まるかというと、こういう女たちが集まってくると。そういうことは意外と知られてなくて、結局娼婦たちがいっぱい集まってきたとこなんです ね。今の感覚でいえば別に娼婦というわけじゃないですけど、臨海副都心という感じです。お台場という感じ。つまり。 |
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○芳賀委員長 | |
あそこは娼婦がいるんですか。 | |
○山田臨時委員 | |
娼婦はいない。でも、なんかヌーディーファッションのギャルたちがいっぱい大好きなとこですけどね。見ていて、娼婦でない
人たちもたくさん来る一番ポピュラーな、パリから近い、陽気がいいときには大抵女が外に連れていってほしいと思うような行楽地であり歓楽地だっ
たんです、ここブージヴァルは。ということが追究しているうちにわかってきて、西部鉄道のポスターのカラーがあります。思わしくない。いかにい
かがわしかったかということですよね。それで、すごいにぎわってたんです。だから、清らかなセーヌという感じでは全然ないです。 印象派と は風俗画家たちであって、自分もみずからその風俗の中の一人となって、さっきのボートマンたちの昼食というのも風俗画なんです。そこにグルヌイ エールというのに興味を持ってまして、2000年に行ったときに、また部屋にあったパリスコープでグルヌイエール美術館というのを発見したんです。 えっ、そんなのがあるんだと思ったら、小さい。またこれも観光局の方、河川局の方、お役人の方々に申し上げたいんですけど、パリ市もフランスも 、国家、官公庁がとにかくこういうことを熱心にやりますよね。グルヌイエール美術館というのは、シャトゥーという小さい町が町おこしのためにつ くっている美術館らしいんです。 ここに行ってきたのをお話の最後にしたいんですけれど。方向音痴で、京都駅をおりてからセントノームホテ ルにたどり着くのに苦労するような私が、こんなわけもわからないグルヌイエールという住所は極めて簡単なんです。パリからタクシーに乗ったって 、こんなの簡単過ぎて知っている人が少ないんですよね。しかも、小さい美術館ですから、ルーブルは月曜日以外は毎日やってますけれど、火、水、 金と週に3日で、しかも午後2時から5時までしかやってない。 それで、気がついたとき私が帰るその日しか残ってなくて、5時にシャルル・ ドゴール空港を立つエールフランスだったんです。2時から5時までしかあいてなくて、行き方もよくわからない美術館なんて、そんなの普通の人は 行かないですけど、無謀にも私は行ってみようと決意しまして、どこへ行ったんだと、どうやってたどり着いたんだかももう報告できませんけれど、 近郊までバスで行って、とにかく2時にスタンバイしてそこへ着いて1時間見て帰ってこようという計画で、ほうほうのていでたどり着いたのがこの 美術館なんですけれど、この美術館の大きいポスターがないのですが、こういう小さい美術館。これも回しますけども、そんなところまでちゃんと。 だから、美術館の館長さんもフランクな方でしたけど、そんなので食べていけるわけがないですよね。 それで、グルヌイエール友の会というの があって、友の会の会員になったら入場料もいろいろ安いよとか言われて、ついうかうかと。それはユーロになる前でして、100フランか何か払って、 写真もあるかないかの時代ですから、当時の絵がいろいろありまして参考にはなりました。それぐらいグルヌイエールというのは有名なところだった んです。 そこがもう1つ売りにしているところは、その美術館の後ろがまさしく田舎のセーヌ。いわゆるセーヌじゃなくて、自分がこうやって ずっと追究してやっているのは田舎のセーヌと勝手に呼んでますけど、それは4月のこと。その美術館といっても、小さい教会の一角なんです。それ の裏手に見えた。ああ、でも、印象派ってこれをかいたんだという、セーヌ川の下手な写真ですけれど、4枚ほど撮りましたから終わりにごらんくだ さい。 そこが偉いところだなと思ったのは、再び6ページの絵に戻りますけれど、キャマンベールと呼び名をされたこの島です。これは埋まっ てしまって今はないんです。それをこの友の会とシャトゥー市の町おこしの形でまた復元したんです。2時にそこにたどり着いて5時の飛行機でした から、当然復元した場所までは行けませんでしたけれど、復元した様子をかいた、こっちが復元されているんですね。残念ながら川の中ではないけど 、向こうの人はこういう努力を本当によくやってますよね。 |
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○芳賀委員長 | |
なるほどね、キャマンベールね。 | |
○山田臨時委員 | |
ええ。それを新たに復元しているんです。 | |
○芳賀委員長 | |
これはもう大したお金はかからなくてできますね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
人の個人のポケットマネーでできるぐらいで、30万円あればできるような。 | |
○山田臨時委員 | |
だから、ある意味、やるというのが偉いですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
そう、偉い。とにかくやってね。 | |
○山田臨時委員 | |
そしたら私のような者まで集まっていって、ふらふらと100フラン払って。 それで、どういうのを出しているかというと、 100フランを払ったわけですけど、友の会というのがこういう会誌を年に4回。 |
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○芳賀委員長 | |
へえ、年に4回。 | |
○山田臨時委員 | |
グルヌイエールの友の会ということで、これは当時のこの絵なんかを見ると大変迫力がありまして、いかにいかがわしいところ
だったか、私、印象派のイメージが変わりました。 それと中に、これが全く同じところをかいているんです。ジュールベルヌばっかり有名です けれど、もう一人アルベールロビダというSF作家があって、どんなに歓楽地だったかということがよくわかる。こういう絵がたくさん収納、展示さ れているところです。 |
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○芳賀委員長 | |
そのころの観光用チラシみたいなものですか。 | |
○山田臨時委員 | |
そのころの観光用チラシじゃなくて、アルベールロビダは画家であり作家です。 | |
○芳賀委員長 | |
ちゃんとした絵なんですか。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。ちゃんとした絵です。 | |
○芳賀委員長 | |
真ん中にキャマンベールがあってね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。グルヌイエールがあります。 | |
○芳賀委員長 | |
ああ、なるほど。あのあやしげな女のおしりとおっぱいをかいている。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。いかにもあやしげですね。 | |
○芳賀委員長 | |
こうやって泳いでいるのを見て、ああ、あいつとこう男が選ぶんでしょう。いかにもそういう感じですよ。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですね。選ばせるために泳いでいるんですね。 | |
○芳賀委員長 | |
そうそう。吉原では格子越しに座っていたけれども、こっちは水の中を泳いでいて。 | |
○山田臨時委員 | |
祇園、吉原という軽い感じですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
水中吉原という。 | |
○山田臨時委員 | |
そうそう、そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
それで、島でちょっとどこか木陰に行けばいいんでしょう。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです、そうです。それと印象派がちっとも結びつけて考えられてないですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
なるほどね。それはそうだね。そういうことがなきゃ、印象派の絵のあの何だかわけわかんない魅力はないかもしれませんね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですよ。 | |
○芳賀委員長 | |
ただきれいな風景をかいたりじゃなくてね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
雌のヒキガエルがいっぱいいるんですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです、そうです。グルヌイエールってメスのヒキガエルですよね。完璧にそうです。 あとはちょっと笑っちゃうんで すけど、友の会ってたくさんありますよね。 |
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○芳賀委員長 | |
はははは。それの友の会というのはまたおかしいね。吉原友の会とか。 | |
○山田臨時委員 | |
そういう方々が、シャトゥー市がちゃんとそれにお金を幾ばくか出して。あなたも来てくれとか言われたんですけど、何で私が 。これは100フランを出した領収証です。こういう当時の服装をして集まって楽しむと。 | |
○芳賀委員長 | |
あっ、当時の服装で。いや、恥ずかしいですよ。 | |
○山田臨時委員 | |
そういうのをみんな好きだなあという感じもありますけれど、でも、シャトゥー市がちゃんとそういうのを盛り立てて。 | |
○芳賀委員長 | |
でも、今の水の中のあの水着じゃないんですね。もうちょっと。 | |
○山田臨時委員 | |
先生は、それ言い過ぎですね。先生は余りに私に吹き込まれてしまって想像が飛んでしまって。 だけど、楽しみつつ町お こしをやるということで。 |
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○芳賀委員長 | |
でも、これはこんな泳げるぐらいこの辺は水はきれいだったんですかね。 | |
○山田臨時委員 | |
もちろんそうですよ。 | |
○芳賀委員長 | |
もちろんきれいと。 | |
○山田臨時委員 | |
もちろんそうだと思います。 | |
○芳賀委員長 | |
でも、パリの下水はあれはどこかでセーヌ川にみんな流していたそうですよ。19世紀の後半まで。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。そういう意味で衛生学的に美しくは決してないです。決してないですけれど。 | |
○芳賀委員長 | |
決してない。こんなこと言ったらもう大腸菌90%というのは。 | |
○山田臨時委員 | |
でも先生、すごいトレンディーだったんです。当時の船を出して船遊びをした。 | |
○芳賀委員長 | |
それはにおいなんかした方がいいんですよ。 | |
○山田臨時委員 | |
モーパッサンなんかそれは気違いのように泳いでますよ。 ちょっと話は飛びますけど、名古屋の英傑行列がついこの間あ ったような気が。 |
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○芳賀委員長 | |
えっ、名古屋の何が。 | |
○山田臨時委員 | |
英傑行列。 | |
○芳賀委員長 | |
英傑。 | |
○山田臨時委員 | |
徳川と豊臣と。先生方は名古屋は全然御存じないから。 | |
○芳賀委員長 | |
いや、僕は岡崎は知ってますよ。 | |
○山田臨時委員 | |
名古屋まつりというのがあって、たしかあれは郷土の英雄を。必ずその当時の扮装をして。今、金のしゃちほこを万博でおろし
て。当時の扮装をして往時をしのぶというのを素人がやるわけですよね。 やる気さえあれば、シャトゥー市という大した市でもないところがこ れだけのことをやっている。印象派をどんどんもっと。私が行った最後が2000年ですから、もっとどんどん生気が出ていると思う。だから、やる気さ えあれば、水というのはやっぱり魅力的ですから。 |
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○芳賀委員長 | |
そうですね。 | |
○山田臨時委員 | |
セーヌなんか汚染されていてまだちっともきれいな川ではないですけれど、風景としてはやっぱり季節がいいといいですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
そうですね。ポプラ並木があり、柳があり。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。だから、お話を聞いたときに、文学でどう書かれているというよりも、そういう私が実際に見聞した町おこしの制度 のお話をするのがいいのかなと思って、話をうろうろいたしましたけれど、つたない話で。これで100フラン払ったかいがあったのかもしれません。 | |
○芳賀委員長 | |
はははは。100フランでね。100フランですね。100ユーロじゃないでしょう。 | |
○山田臨時委員 | |
今はもうユーロにかわってしまって。ユーロじゃない。 | |
○芳賀委員長 | |
100ユーロだったら高いよね。 | |
○山田臨時委員 | |
100ユーロだったら高いです。会員なんかならないです。 | |
○芳賀委員長 | |
100フランというと1ユーロにもならない。 | |
○山田臨時委員 | |
1ユーロが、えっと、頭が混乱しますね。 | |
○芳賀委員長 | |
1ユーロが今140円ぐらいですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
すると、昔の100フランというのはどれぐらいですか。 | |
○山田臨時委員 | |
100フランで2000円です。 | |
○芳賀委員長 | |
でも、2000円しますね。 | |
○山田臨時委員 | |
でも、ちゃんと2000円を取るというのが偉いですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
ええ、そうですね。それで、ちゃんと年に4回出すというのは相当大変です。 | |
○山田臨時委員 | |
そう、大変。そして外国に送ってくるわけですから。 | |
○芳賀委員長 | |
ほう、偉いね。 | |
○山田臨時委員 | |
偉いですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
うそ偽りなくちゃんと送ってくると。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです、そうです。 | |
○芳賀委員長 | |
きょうの午後の伏見でもちゃんとこういうのをやればいいんですね。 | |
○山田臨時委員 | |
だから、そういうことを考え出したら。 | |
○芳賀委員長 | |
現に、今風の漫画風のイラストマップ、あれはだめだね。ちゃんとこういう昔の絵を復元したり、古い写真を復元したりして。 今はすぐイラストマップで何かあの漫画みたいな、若者とか子供がこんなんしている絵がいっぱいあって道がかいてあるんですけど、あれはだめだ な。 | |
○山田臨時委員 | |
そうですか。当時の印象派と同時代で違う人がかいた同じ風景というのはめったに、やっぱりこういうとこまで行かないと手に 入らないですね。そういう意味では。 | |
○芳賀委員長 | |
印象派と同時代の人でしょう。 | |
○山田臨時委員 | |
全く同時代です。 | |
○芳賀委員長 | |
印象派の同時代のその風俗をもっとじかにかいているわけですね。 | |
○山田臨時委員 | |
そうです。絵画としてでなくかいてます。まあでも、ここまで同じ装束をしてあらわれれると、そこまで行くと好きものだなと いう感じもしますけど。 | |
○芳賀委員長 | |
でも、伏見あたりでやってもいいし。 | |
○山田臨時委員 | |
でも、上手な町おこしですよね。 | |
○芳賀委員長 | |
川を使っての町おこし。またそこがちょうど印象派が重なっていて、モーパッサンもいて。ね。 | |
○山田臨時委員 | |
ええ、そうです。日本人って印象派が大好きですから、ルイ・ヴィトンのバッグばっかり売ってなくて、印象派も日本人に売っ
たら大受けしますよね。 逆に、京都はまた全く逆の意味で、京都ってフランス人が好きですよね。だから、そういうふうにしたら今度フランス 人が来て。日本人ほど詰めかけないけど。 |
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○芳賀委員長 | |
そうですよ。日本にもフランス人がたくさん来たりするように。 | |
○山田臨時委員 | |
そう思います。 | |
○芳賀委員長 | |
イタリアでもね。 | |
○山田臨時委員 | |
まとまりのないお話でしたけど。 | |
○芳賀委員長 | |
今、これで終わりですね。どうもありがとうございました。 |
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