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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第4回豪雨災害対策総合政策委員会
(議事録)


2.議事
(1)今後取り組むべき具体的施策について

(委員長)本日は、委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは、議事に入ります。
 本日は、今後の総合的な政策提言の取りまとめを念頭に置きながら、今後、取り組むべき具体的な施策について、前回に引き続いて審議を行いたいと思います。
 それでは、事務局より説明をお願いいたします。
(事務局) 事務局の○○でございます。
 お手元に、先ほど資料説明がございましたが、今回の委員会に関係しますことにつきまして、ご報告も含めてご紹介をさせていただきたいと思います。まず1つは、水防法及び土砂災害防止法の改正の関係でございます。お手元の資料−1をごらんいただきたいと思いますが、今回、昨年の各種豪雨災害を踏まえまして、水防法を改正しようと、これは、この委員会で緊急提言をいただきましたものを受けまして、幾つか具体的な改正をこの国会でお諮りしているところでございます。
 かいつまんだお話をさせていただきますと、1つは、1番とございます浸水想定区域の指定対象を主要な中小河川に拡大ということでございまして、新潟の刈谷田川や五十嵐川の絵がかいてございますが、従前、こういう県が管理している中小河川につきましては、洪水の警報はあまり行われておりませず、またいわゆるハザードマップというものも、法律的には予測、予報の河川との関係がございますので整備されておりません。一番下にございますが、すべての川ではございませんが、堤防があって、周りに市街地があるような川につきましては、必需品としてハザードマップは最低つくっていただこうということでございます。
 下のほうにブルーの改正内容がございますけれども、現在は、現行の大河川。これは洪水予報河川ということで、洪水予報がある程度可能な河川については、こういうマップをつくるとなっていたのでございますが、洪水予報ができるできないにかかわらず、水位の情報等が提供できる川につきましては、候補で約2,200河川ぐらいがございます。すべてということではございませんが、こうした川につきまして浸水想定区域図と、それに防災情報を入れましたハザードマップの作成を義務づけたいというものでございます。
 あわせて一番下にございますように、そういう費用に関しましての補助規定も、この法律の中に設けようというものでございます。
 1枚おめくりいただきますと、上のほうは、どういう洪水が来ましたときに、どの程度の浸水深、深さで水がつくかという検討をいたしまして、下のほうはイメージ図でございますけれども、それをベースに各種避難所その他の情報を入れたものです。上のほうは河川管理者、下の絵は、これを踏まえた市町村が作成主体になりますけれども、こういうものをつくっていただこうというものでございます。
 3ページでございますが、今のは平面的なマップでございますけれども、洪水に関します情報の提供を、先ほど申し上げました洪水の予報河川につきましては、3時間後ぐらいをめどに、水位がどんなふうになるかという予報を出しているんですけれども、そういう予報ができない川につきましても、特別警戒水位――これは法令用語で一般にわかりづらい言葉でどうかとは思いますけど、特別警戒水位のところに黒字で書いてございますように、避難等の目安になる水位として、計画高水位とか危険水位というこれを超えますと危ないという水位から、一応避難に要します時間なんかを加味して、この水位になれば避難をしようという水位を定めておりまして、そのもとになる水位でございますが、そういうものが来ましたときに情報提供をするという仕組みを、法律の中に義務化してつくろうというものでございます。
 3番目は、大河川における洪水予報の充実というので、ちょっと昨年の中小河川等を中心にします洪水から言うと話題が外れますが、右下は、利根川と東京あたりまでの絵をかいたものです。ちょっとわかりづろうございますが、真下のほうに東京湾がございます。左上から右の真ん中ぐらいまでに青い線で流れているのが利根川でございまして、昭和22年のカスリーン台風のときに、栗橋のところで堤防が切れました。もともと利根川は、東京湾に流れ込んでいた川を、江戸時代に銚子のほうへ切りかえてきております川ですので、正直に地形どおり、16日、17日、18日というふうに日を追って、はんらんした水がもとの流路のほう、低いほうへ流れております。
 例えば、17日というところでかいている地域につきましては、その1日前からでも、こういうところはこのぐらいの浸水になるかもしれないということが想定できます。18日のところはそれなり、19日にはそれなりでございますので、こういうあふれました水につきましても、洪水の浸水の予報という情報を出していこうというものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、これもちょっと観点が変わりますが、水防につきましては、水防団がございます。水防団、消防団をあわせた格好で、水防法に基づいた活動をされているわけでありますが、下のグラフのように、年々、団員の数は減ってきてございますのと、高齢化もしてきてございます。また、地域のコミュニティーも変わってきて、今までの土地に付随した方に加えて、もう少し広いネットワークで地域を助けるということも、災害のボランティアをはじめ、なされ始めております。改正内容にございますが、そういう災害のボランティアだとか、財団法人、NPO等々という団体がいろいろございますけれども、そうしたところの方が水防についてもやりたいというときに、水防というものは、やり方を間違えますと他に迷惑をかけることもございますので、しっかりした水防体制の中でおやりいただこうということで、そういう機関を水防協力団体と位置づけて、これをきちんと申請・指定という行為を経ました格好であります団体につきましては、実際の水防のときに一緒に活動をお願いしようという仕組みをつくろうというものであります。
 その下の退職報償金の支給規定につきましては、消防団につきましては、おやめになったとき、そんなに大きな金ではございませんが、制度がございますものを、水防団にはございませんでしたので横並びに規定を設けようというものでございます。
 5は、昨年もそうでございますが、ここ近年、福岡、名古屋、横浜、東京など、地下街、地下鉄その他、不特定多数の方がご利用されるところで浸水の被害を生じてございます。一部死者も発生をしておりますし、不特定多数の方がうまく避難されるための避難確保計画というものを地下街の管理者の方につくっていただこうというものでございます。こういう計画ができますと、計画だけにとどまらず、それに基づいて防災訓練だとかいろいろなものもなされるきっかけになりますので、これも一つ一つの地下街の必需品としてつくっていただこうというものでございます。
 さらに1枚おめくりいただきますと、昨年の出水では、お年寄りの方、それから保育園児なんかも孤立をしております。こういう災害時要援護者、いわゆる災害弱者の施設につきまして、少し前から、だれがどんな情報を伝えるべきかということをちゃんと定めまして、それを地域防災計画の中に書いていただこうというものでございます。
 大きな黄色のU番、土砂災害のほうでございます。今、お話ししましたのは水防法関係でございますが、最近できました土砂災害防止法につきましても同じ観点で附則しますと、これにつきましては追加の改正をしようというものです。改正内容の一つは、先ほどのようなハザードマップにつきまして義務化をしようということと、最後にお話ししました、弱者の方に対しての情報伝達等の体系を地域防災計画に書いていただこうというものでございます。
 こういうのが、今国会でご審議をいただいているところでございまして、先ほどの作成費用の補助がございますので、予算関連法案ということで、一応年度内前後で成立すべく、今、対応がされているところでございます。
 委員の方のお席だけでございますが、水防法と土砂災害防止法の改正の本文その他につきましては、別途詳しい条文等の資料もお手元に配付させていただいておりますので、またごらんをいただければと思います。
 次に資料−2でございますが、前々からこの委員会でもお話が出ておりましたが、昨年の集中豪雨等を踏まえまして、その他の関係の委員会がございます。1つは、資料−2でお配りをしておりますのは、内閣府、国土交通省、消防庁、それから厚生労働省等で、集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者等の避難支援に関する検討会というのが開かれてございます。少し状況のご説明をさせていただきます。
 最後のページに、検討会の大きな流れみたいなものを入れてございます。昨年末に第4回検討会とございますが、おおよそ骨子としてこんなことでまとめようというものが出ております。真ん中のところで見ますと、第1は避難情報の伝達でございます。1つ目の「○」にございますように、特に、先ほどの災害の弱者、要援護者の方に向けて、避難準備情報というものをつくって、そういう情報をお出ししようというものが1つです。それから、避難の判断のよりどころ、判断基準。それから、その次の「○」でございます避難情報の伝達の関係。それから、意思決定のための環境整備ということで、いろいろバックアップ体制等のことが、第1の避難情報の伝達の関係でございます。
 もう一つ大きなテーマで、災害時要援護者への支援。特に、最近のコミュニティーの状況からしますと、どこにどういったお年寄りがおられてとかいう情報も、プライバシーの関係も含めてなかなか難しゅうございますので、この辺につきましてひも解きをしようということで、情報伝達体制の整備。2つ目の「○」は、災害時要援護者情報を共有する仕組み。今のような個人情報もございますので、それの取り扱い。それから3つ目が、避難支援プランで、どんな支援をするかということを、今、取りまとめております。
 下にございますように、2つのテーマ、左側の避難勧告等の判断基準につきましては、もともとこれのマニュアルをつくろうというのが、この委員会のあれでございます。この作業をしておりますのと、右側のほうは、弱者につきまして避難支援のガイドラインをつくっているということで、大体年度内を目途におおよそまとめようというものであります。
 この資料の前のほうは、そのうち、この委員会と非常に密接に関連いたします避難勧告等の判断基準・伝達マニュアルにつきましては、1枚目にございますが、市町村長さんはじめ、被災経験といいますか、いろいろな経験も、頻度も薄くなっておりますし、なかなかそういうところまでご精通をされているわけではないかもしれないということがございますので、今、くどくど書いてございますけれども、市町村長さんが実際、自分がどう判断したらいいかということのための必携といいますか、お手元にあって、このときはこうだというものを各市町村等でつくっていただくようにしてはどうかと。この委員会では、そのひな形と、それからそういうものをつくる場合のガイドラインを取りまとめようとしております。
 中身につきましては3ページでございますけれども、対象とする自然災害及び警戒すべき河川とその区間。どういう災害がそこに起きるかと。それから洪水の場合ですと、自分の市町村のところの川があふれるのもございますが、上流の市町村であふれたものがずっと流れてくる、はんらんが広がってくることもございますので、一体何を注意すべきかというのを、1番で明らかにしようと。
 それから2番は、避難勧告をやりますときに、どういう区域をというところが非常に大きな問題になります。浸水の状況だとか、破堤はんらんの破壊力と書いてございますけれども、この前の出水でもそうでございますが、もし堤防が壊れました場合は、相当な破壊のエネルギーでお寺も吹き飛ぶわけでございますので、最近、津波の恐ろしさも画像で大分見えておりますけれども、似たような現象が堤防の横では起きるわけでございます。こういったエリアとじわっと来るエリア、そういった特性を踏まえて、区域をどうすべきかと。
 3つ目は、避難勧告だとか避難指示だとか、先ほどの準備情報もございますが、どういう意味でどうすべきなのかということをはっきりしておく。その情報では、どういうふうに住民の方に行動を求めるか。
 4番目は、具体のそういうスイッチを、どういう判断で考えるべきかという内容、コンテンツでございます。
 4ページは、先ほどの水防法との関係もございますので、それを表にしてございます。横長の表でございますが、上のほうに洪水予報指定河川と水位情報周知河川というのがございます。先ほど申し上げました、左側が、今まで洪水の予報をやっている河川、それから右側が、そういう予測、予報はできないけれども、先ほどのようにハザードマップも整えて、きちんといろいろな体制をとっていただくべきだというものを、今回、出してきているわけでございます。このときに避難指示というのは、即座に対応しないといけないものとして、5つの点で書いてございますメニューを出そうとしております。この中に、危険水位の到達とか、そういうものもございます。それから、ポンプが停止になって、この前の豊岡ではございませんが、排水ポンプがとまると、急に水位が上がるということもございます。
 それから次の段で、避難勧告につきましては、避難のための時間みたいなものを少し加味して、速やかに避難をしていただくようなステージでございます。先ほどの特別警戒水位もそうでございますが、避難のためにこういう段階に情報を出して、それをもとに避難行動を開始しようというレベルでございます。
 ただ、米印でありますように、実際、予測が必要時間前にできるかどうかについてはいろいろございますので、必要な時間と、それから予測ができる時間と、いずれか短い時間ということになるかと思いますが、そういうものを整理しようと。
 一番下は、先ほど申し上げました避難準備情報ということで、少々情報の精度が悪くても、弱者の方には避難をしていただこうというものをさらに設けようというものでございます。
 次のページには、水位の関係の図がございます。左側が、今申し上げた洪水予報河川と、右側が水位情報周知河川という、予測はできないけれども、避難用の情報等を何とか出していくべきところというものでございます。左側に斜めの線でずっと点々と実線とがかいてありますが、警戒水位以上、指定水位になりますと、情報を個別に出していくわけでございますが、右側のほうは、そういう予測等がつかないというので、先ほどもございました特別警戒水位という、避難の目安としての情報を出そうというものでございます。
 その下の警戒水位や指定水位は、ある種、水防団の活動のための水位として、現在は設けられているものでございますが、今回、特別警戒水位というのは、水防団用というよりは一般の方、市町村長さんのご判断のために出そうというものになってきます。そういう状況がございますので、ちょっとご紹介をさせていただきました。
 それから、今回の本題でございますが、資料−3でございます。一番後ろのページに、カラーで横長のものを、再確認のためということでつけさせていただいておりますが、11月の終わりの委員会でご議論いただいて、12月初めにまとめていただきました緊急提言です。左側のような個別の緊急時の情報について、送り手から受け手とか、平時からの情報、それから減災を図るための施設の機能維持向上だとか危機管理体制、従前にこだわらない土地利用なんかも踏まえた新しい対策等々をしております。真ん中に黄色で書きましたのが、緊急提言でいただきましたもので、ある種、今後の検討という宿題レベルのものが、一番右側のブルーで書いているものでございます。ここを、今回ご提言をいただくに当たって、どういう構成で考えていくべきか、事務局なりに整理をしております。
 1ページに戻っていただきますと、最初に「はじめに」というのが、これまでの委員会の経緯等々を察していただけるかと思いますが、その後に、今回やろうとしていることが一体どういうことなのかという総括を1番。それから2番に、的確な判断行動の情報の提供。先ほどの避難勧告等の発令に役立つ情報とか、前回お話し申し上げました、必ずしも役所のほうから数字、情報が出て初めて動くというのでは、危機管理としてまずいのではないかということもあります。そういうときの情報のあり方。3番は、土地利用状況を踏まえた治水対策。4番が、管理の高度化。5番が、地域の防災力の向上。6番、防災教育、7番、その他でございます。
 さらっと中身を、こんなことでよろしいでしょうかというお話をさせていただきます。1枚おめくりいただきまして、「はじめに」のところは、今申し上げました、この委員会の設立趣旨だとか審議経緯、それから緊急提言を一度お出しいただいておりますので、ここで出てきているもの。それから、その続きということでございます。
 1番は、先ほど申し上げました、全体をとらえて、結局、最終提言はどういうことかということでありますが、1つは、前々からお話が出ています減災を図るということ。滅災とか防災というよりは、減災をということでございます。
 2つ目、これまでハードに附属するものとして扱われがちでございました情報とか地域の防災力みたいなソフトにつきまして、これを重要な柱として河川行政上も位置づけたいというものでございます。
 3つ目の「・」でございますが、防災施設の的確な機能維持と早期の安全度向上のため、ハードの整備・管理につきまして、土地利用状況ですとか施設の耐久性などから、後で出てきますが、ある種、漠としているといいましょうか、一連に同じような対応をしてきたものを、整備におきましても、管理におきましても、厳密解をといいますか、少し厳密にすると、一体どういうことは必ず確保、達成し、どういうものは、場合によっては壊れてから直してもいいとか、少しレベルを考えてもいいということを明確にしようと。そういうことによって、全体としての効果、効率性を追求しないと、早く安全性を高めることになかなか行かないのではないかということでございます。
 それからその他、そういうハード、ソフトの、それを支えます技術的検討とか、多分野も含む総合的な対応というものについても、これは、とりあえずこの委員会では問題意識にとどまるかもしれませんが、触れておく必要があるのかなというものでございます。
 2番から、先ほどもありました残された課題につきまして、具体的にどうかということかと思っております。1つは、的確な判断・行動につながる情報等の提供でございますが、1避難勧告等の発令に役立つ情報の提供ということで、これは、先ほどの内閣府その他の委員会との関係がございますが、特に、河川管理者としてはどうしたらいいかということをここで整理していただくべきかなと思っております。
 1つは、私どもの事務局的問題意識ですが、河川洪水注意報とか河川洪水警報、気象的な洪水注意報とか洪水警報ではなくて、河川に付随しました洪水注意報、警報がございますが、これはもともと水防団活動用で登場したもので、それを実際の一般の方の避難その他でどうやって活用していくべきか。
 2つ目は、先ほど申し上げました特別警戒水位だとかが登場してきますが、これにつきまして、どれをどんなふうに設定し、発信するか。
 3つ目、洪水到達時間など、身近な河川の特性を平常時から住民の方に周知をしていく。
 それから4つ目、河川水位の縦断的な変化など、線的・面的な情報提供が要るのではないかと。今、基準点の情報だけを出しておりますが、その他のところでどうかというのはなかなかわからない。
 それからハザードマップにつきましては、マップの作成はわっと出るんですが、単にマップをつくっておけばいいということではございませんので、それが実際の避難だとかいろいろな行動の中で、どう有効活用されていくべきかということをしていただければと思っております。ただ、この委員会で中身の詳細をすべて決定づけるわけにはなかなかいきませんので、どういう点でこういうことはやるべきだということを、ぜひご提言いただければと思っております。
 2は、避難勧告等の情報が入手できていない状況下でも、的確な判断・行動につながる災害情報等の提供で、問題意識にございますように、緊急時の行動の行政任せ、行政からこういう情報が来ればそれで動くんだということだけにしておきますと、何らかのことでつながらないとか、意味がわからないので、危機管理上には問題もあるということで、○○先生からも非常に強くこの辺のご指摘がございました。避難勧告等の情報の有無にかかわらず、みずからが判断・行動することが基礎としてあるのではないかと。そのため、自然現象や災害状況の程度や事態の逼迫度が理解できる情報が必要で、改善すべき方向と具体策ということで、施設能力の余裕の減少を示す情報、余裕がなくなっている部分。これもどなたかからご指摘がございましたが、水位がどうかというよりは、例えば堤防天端からあとどれだけだとか、あとどれだけ残っているのかという情報、それから災害の面的な拡大状況とか、全体像を知るような情報。
 それから次のページでございますが、ちょっとダブりますが、この川では過去、どんなことが起きたかという情報。それからその次は、これは手法論ではございますけど、画像とか図表とか、ビジュアルな工夫をしておく必要がある。
 それから3番でございます。これは土地利用状況を踏まえた治水対策で、別紙を用意してございますが、これまでの問題意識、治水対策が、はんらん域の土地利用状況にかかわりなく、上下流バランス等を考慮しながら連続堤方式、ずっとつながった堤防でやってきた。
 それから、水系全体の安全度を確実に、早急に向上させるという意味では、守るべき対象を明確にして、それに必要な安全度をというような選択と集中みたいなことが少し必要なのではないか。
 現況施設の能力を超過する洪水への減災を考えた適切な対応でございますが、刈谷田川とかああいうのを見ましても、堤防が市街地で切れると。農地のほうで切れたらいいということではございませんが、超過する洪水に対して、どういうカタストロフィーの迎え方とかは少し考えたほうがいいのか。それから、堤防にちょっと水がかぶれば壊れるということでいいのだろうか等々でございます。改善すべき方向として、連続堤によらない土地利用状況等とか、当然地域社会の中でも、そのほうが適切だという方法を幾つか考えていくべきではないかと。
 それからその次が、効果的な治水の観点から、ここの土地利用はどうあったほうがいいということをうまく発信していくことができないだろうかというものであります。当然、計画調整方策その他、合意形成の方策が必要になってきます。
 それから、施設能力を超過する洪水、計画面ではない施設面での超過洪水でございますが、こういうときでも被害が小さくなるよう、市街地部での破堤はしにくいような設計。
 それから、特に中小河川では非常に流域が小そうございますので、高い水位が短時間しか続けられないということを考えて、一時的に水位が上がっただけでは破堤しにくいということも考えられないかというものであります。
 4番、施設管理の高度化と危機管理体制の構築でございますが、防災施設の機能維持確保のための管理の基準化ということで、これも別に紙を用意してございますけれども、施設規模を超える外力の多発、これは高潮を含めてであります。それから、破堤によって大きな被害が生じて、管理の重要性みたいなものが再認識されております。
 地域の防災力や水防体制の弱体化、危機管理、それから限られた予算と管理体制での効率的な管理の要請みたいなものがございます。先ほどの施設のほうもございますが、管理のほうも、何を管理しないといけないか、壊れていいものと壊れてはいけないものと、壊れても少し直せばいいみたいなものをちゃんと区分して、そういうことをやることによって、最低限必要なものは何かが明確にできます。次のページでございますけれども、それをちゃんとやっていないことで、結果、今までサボっているわけではないと思いますけれども、きちっとやらないといけないことがどこか不足になっていたり、逆に、そんなにやらなくてもいいことをやっていてむだが生じているということがあったのではないかということです。これは二面ございまして、川のこういう区間は、こういう重要性からこうしたほうがいいという点と、構造物の詳細は、アセットマネジメントでございますけれども、部材としてもどれだけの耐久性が要るか、壊れてはいけないのか、壊れても直せばいいものかなどを明確化することによって、コスト削減も、それからきちっとやらないといけない管理も達成できないだろうかというものであります。
 改善すべき方向は、今申し上げたようなことを踏まえた基準をつくって、それから一つの「監視−評価−改善」の体系をちゃんとつくっていくことが要るのではないかと。
 それから、その場合ですが、当然、川の規模とかはんらん域の状況、いわゆる堀り込み河道で小さな川でしたらそんなに綿密な管理は要らないでしょうが、大堤防があって、大市街地があるようなところは、相当厳密な管理が要るみたいなランク分けが出てくるのではないか。
 それから、地域の理解のためのプロセス。それから構造物は、申し上げましたが、耐久性等から基準化。あと、それらがちゃんと確認されていく中での事後評価のあり方。
 それから、管理のお話。どちらかというと機能維持、維持管理のお話をしておりますが、河川整備基本方針とか整備計画という整備のシステムがございますように、河川管理方針だとか河川管理計画みたいなものも必要かもしれませんし、これが両方合わさった格好で総合化されるということも必要なのではないかというものであります。
 次は、整備途上段階でも被害の最小化を図る危機管理体制で、これらにつきましては、前、申し上げましたように、施設は壊れることがあるということ、それから壊れることがあるとすれば、どういうふうにそれに対してディフェンスするかという戦略を、河川管理者、それから市町村その他、大きな川でしたら国家レベルで迎える戦略みたいなものを立てておいてはどうかというものでございます。
 5番は、地域の防災力の向上と支援ということで、災害時における市町村への支援。被災経験がなかなかない等々がございます。
 改善すべき方向と具体策ということで、平常時から地域の危険性や緊急時の情報の意味を理解してもらうための、市町村も参画できる研修とか訓練の実施みたいなものがあるのではないか。
 それから、緊急時でございますが、市町村長さんが行う状況判断に役立ちますよう、各種情報の解説とか見通しをアドバイスするような、これは国や県の行政なのか、場合によっては学識者の方なのか等々がございますが、こういうアドバイスする仕組みみたいなものも設けておいたりする必要があるのではないかというものであります。
 2は、水防技術の向上と効率的な水防活動の推進ということで、昔からの水防技術等でございますので、少人数や未経験者でも効率的な水防活動ができますよう、水防工法の簡易化とか水防活動の今様の機械化・高度化みたいなものの技術開発と普及。
 それから、これは機器もございますが、現在の水防団等の活動も、結構高齢化もしてきたりとか、それから社会状況が変わったり、施設の交通状況なんかもいろいろ変わっています。それにあわせました水防資機材を検討いたしますとともに、それの広域的調達みたいなことも考えていくべきではないかというものであります。
 3番は、被災後の復旧・復興でございますが、これも改善すべき方向と具体策のところに飛ばしていただきますが、前に申し上げましたような救助・救援・生活支援・防災等に関します情報、それから支援を、被災者の目から見れば、あっち行ったりこっち行ったりではなくてワンストップサービスで、ここへ行けばこういうふうになると。これは、ワールドトレードセンターの後も、ファミリー・アシスタント・センターというものができましたが、そういったことについて河川行政としてもできないかと。
 それから、先日、委員の方からもご指摘がございましたが、広域支援の一環としまして、刈谷田川だとか足羽川なども、泥の始末だとかいろいろな後片づけ等が大変でございます。こういうことも踏まえて、いろいろ機器の調達。それから、例えば泥のバキュームみたいなものがあるのかどうかはありますが、そういった機器の開発。それから、ごみだとか泥をどこで一時処理するかとか、そういったこと等につきましての考えも整理をすべきではないかと。
 6番は、防災教育でございますが、減災体制の強化の一環としての防災教育の本格的な展開というか、それの支援を幾つかやっておりますが、少しキャンペーン的にしっかりやるべきではないかと。
 それから、子供を対象といたしました防災教育につきまして、ネットワークとかノウハウを共有するNPOとの連携。アメリカやイギリスなんかでも、材料なんかはかなりNGO等がつくったりしてきてございます。こういったところとの連携。
 それから、成人を対象とした防災教育という面では、職場とか自治会を単位としてロールプレーイング型のやつも、一部地震なんかではやられておりますが、そういった地域型の訓練その他でございます。
 あと、地域固有の歴史を重視したカリキュラムや教材の作成も効果的ではないか。
 その他といたしまして、大規模な自然災害が起きました後の原因究明等のための調査検討体制ということで、これは前もお話ししましたので改善すべき方向と具体策のところに行かせていただきますが、きちんと何が起きたのか、原因究明もございますが、いろいろ評価もあれば、それを全国でうまく共有していく仕組みをつくれないかと。これは例えばで、社会資本整備審議会などで常設して、委員にお願いしておいて、緊急時にすぐに評価ができるようなことができないか。当然、地域地域で個別の必要整理をやるものとバッティングするものではございませんので、いつも定式的にこういうものをやってはどうかと考えています。
 2は最後でございますが、孤立化を防止する施設の整備です。中越地震その他、四国あたりの豪雨災害でも孤立化が問題になってきてございますので、それに対する、どういうものを守って、ここだけは守られるということをやっていくべきではないかということでございます。
 資料−4へ行かせていただきますが、さっと簡単にお話しさせていただきます。今のとダブりますが、施設の管理の関係につきまして、後ろに、土地利用の関係を整理させていただいております。特に、管理内容の基準化とか土地利用を踏まえたものは、治水対策等の根底を変えていく部分かと思って、別途用意しております。前に、一体何を目指すのかわかりにくいというお話がございましたので、目的・意義ということで整理しておりますのが1ページです。
 まず、ここで管理として扱っておりますのは、機能維持としての狭い意味のものでございます。本来、河川管理というのは、法的に言いますと、整備も何も、みんな含んだのを管理と言ってはおりますが、機能をきちんと維持するという意味を、ここでは対象にしてございます。先ほども申し上げましたが、計画規模を超える洪水等の発生、破堤等が起こって、やはり管理の重要性が再認識をされております。社会変化の中で、防災力の低下や水防体制の脆弱化がございます。それから、中小洪水の経験が減ってきてございますし、管理ストックが増える、資金は不足しているという中で、昨年の水害を見ましても、特に中小河川で多うございましたが、どこまでどう管理するかというのがあやふやになってきている部分もございます。
 下の左側の四角は、これまでは、管理内容につきましては特段の基準を定めず、個々、個別の河川で必要な管理を、ある種漠然とというか、適宜しっかりとということで行われてきている部分がございます。そのため、最低限必要な管理は何かが不明確なため、結果として不足とかむだ、プラスもあればマイナスもあった可能性がございます。
 それから、これは河川の区間。ちょっと下のほうに区間のことが書いてございますが、河川のこの一連の区間はどういう状態かと監視・評価する。それから、それを維持する。例えば、土砂がたまればそれを除去するとか、草刈りをして、ものをちゃんと見ると。それから、施設を操作する。どこかが悪ければ直すというような、そういうものの内容とか頻度の明確化を図るべきではないかと。
 もう一つ、個々の施設の部材レベルも含めましたものは、先ほど来申し上げていますような、壊れてはいけないものと少々壊れても復旧すればよいもの、例えば堤防は壊れてはいけない。簡単に申し上げておりますが、低水路という、川の一番下を、日ごろ流れている部分の護岸、横を固めている護岸がございますが、こういうものは、少々壊れても後で復旧すればいいものも、物によってはございます。そういうものを明確にして整理をしていくべきではないか。
 右のほうで、こういうことをやりますことで、管理内容のあるべき姿を最低基準等で明確化して、着実に効率的な管理を目指す。さらに、変化する河川の状況を監視し、その結果に基づいて施設の機能を適切に維持、それから必要な改善という一連のサイクルをやりますことで、従前より管理水準をきちんと向上させることをしたいというのが、私どもの問題意識でございます。
 次のページに、どうするかということを図式でかいてございます。河川管理の内容の基準化をまずやろうと。これは、どのような河川の区間であれば、どのような河川の機能を発揮すべきで、そのためにどのような管理をすべきか。先ほど申し上げましたような、どのぐらいのものをどのぐらいの回数できちんと把握し、どういうものは必ず毎年、例えば河床が高くなればきちんと維持・管理しないといけないとか、そういったものの最低基準を明らかにすると。当然ではございますが、洪水防御地域の状況、河川の規模、堀り込み河道で、かつ小さい川であれば、その被害は小さいものと、例えば荒川の、大都市東京を守っています、はんらんすれば大変な被害になるものとの、少しそういうものはランクで分かれるでしょうというものであります。
 これを一般基準化いたしまして、これに地域の理解を得るためのプロセスを踏まえて、各河川で、この最低基準に加え、個別の河川の特性を入れまして、どういう管理をするかという管理の方針とか計画をつくっていくのかなというものであります。これを踏まえて、何度も申し上げています状態の監視・評価−維持−操作−改善のサイクル管理をやっていくと。
 片や、下にございますが、あわせて事後評価システムの一環として、災害の有無にかかわらず、治水機能や施設状況について評価する体系を確立。あと、河川整備基本方針とか整備計画がございますが、これらもあわせて総合性の確保を考えるのか。
 ちょっと別の観点になりますが、施設、部材の管理基準につきまして、耐久性とか機能とかで、これはどの程度までやらないといけないかがはっきりしますことで、アセットマネジメントをしていこうというものであります。
 それから、その次でございますが、今度は土地利用状況を踏まえた治水対策ということで、ちょっとダブる部分がございますのでさっと行きますが、問題認識。これまでの治水対策の進め方は、土地利用状況にかかわりなく連続堤方式というもので、ずっと同じ連続した堤防をつくると。周りが、少々水がついてもというところとそうでないところが一緒になっていると。
 1−2は、そういうものを見ますと、投資余力が限られている中で、水系全体の安全度を確実に、早急に向上させる必要があります。片や、人口減とか開発圧力の減少みたいなこともしております。そういうことで、はんらん域内の土地利用状況を踏まえ、守るべき対象を明確化して、効果的・効率的な整備ができないだろうかと。
 1−3は、ちょっと概念が変わるかもしれませんが、施設能力を超える超過洪水が起きておりますが、刈谷田川みたいに市街地で切れるということは、やはりおかしいのではないかと。それから、計画の水位がちょっとでも上がればだめということもおかしいのではないかと。そういうものを直すべきじゃないか。
 目指す方向として、土地利用状況にあわせた必要な安全度の確保を、従来からの連続堤方式にかえて、土地利用状況や地域の意向にも適合した手法を、輪中堤、宅地のかさ上げ、それから施設をつくるのではなくて、守られるほうに移転するなどの方法も踏まえてやるべきではないかと。
 2−2は、土地利用方策につきまして、治水のほうからもちゃんと物を言っていくべきではないかというものでございます。
 それから2−3は、超過する外力に対しまして、ちょっとダブりますが、真ん中の下にございますが、施設能力を超過する洪水が発生した場合でも被害が小さくなるよう、市街地部ではなるべく破堤しにくいように、市街地部の堤防は強化するだとか、そういう施設設計とかをやるべきではないかと。また、中小河川では、洪水位が急激に上昇する一方、高い水位が短時間しか継続しない特性を有しておりますので、一時的な水位上昇にも堤防が壊れない工夫をしておくべきではないかというものであります。
 補足として参考資料−1に幾つか絵をかいてございます。例えば1ページは、農地はどうでもいいということではありませんが、はんらん域が農地のみというときに、この区間をどうするのかと。宅地が含まれているところと、少し細い線の堤防になっていますが、少々宅地のほうを先にやって、農地のほうはかなり後でということはできるのではないか。
 それから2枚目は、宅地と農地とが混在している中では、宅地だけを守っている輪中堤をつくったりして、とりあえずこういう対策を、それから将来的にも含めてやれないだろうかというものであります。
 後ろに、それらの幾つかの例がございます。3ページは、宅地だけ地盤をかさ上げした肱川の例。
 4ページは、そういう町並みだけを輪中堤で守って、その他は少しはんらんするというような、雄物川の強首という場所の例。
 5ページは、霞堤というので、大きな洪水がありますと一時はんらんをして、水が引けばすっとそれを逆に伝って、早く水が引く例。
 6番は、似たようなことでございますが、水位が上がればどこかにあふれ出すような水門みたいなものを設けてはどうかというもの。
 それから7ページは、特に、山間部の狭隘部のところですと土地が非常に狭うございますので、連続した堤防ではなくて、右側の絵のように、洪水があれば全部つかっちゃいますので、こういうところにつきましては、宅地だけを上げることができるかということで、8ページにそんな絵がかいてございます。
 最後の9ページは、先ほど来申し上げています刈谷田川とか五十嵐川を見ると、市街地のところで切れていて被害が出ていると。これは、どちらかというと市街地のところに橋梁だとかいろいろなものがあってネックが多うございますので、こういうところのほうが危なくなっていることもあるのかもしれない。それから、フェールセーフといいますか、万が一のときにどこで切れるべきかみたいなのをうまく地域合意の中でつくっていけないかということでございます。
 この後、委員長からいただいておりますのは資料−5でございますが、これは先ほどの土地利用の部分につきまして、全体の構成をお話しさせていただきまして、委員長のお話をいただこうということで別にさせていただきました。よろしくお願いいたします。
(委員長) ありがとうございました。ただいまの資料−3が、最終答申案に向けての骨格と考えていいですか。
(事務局) はい。

(2)その他

(委員長) きょうは、そういう意味で、最終答申案へ向けての材料をご披露いただいたということでございます。これから、これについて皆様方からご質問、ご意見等をいただきたいと思います。
 なお資料−5は、前回、事務局から興味ある課題がたくさん披露されましたので、短時間の間に議論し尽くせないままだったと思いまして、ちょっと私の興味のある点をペーパーにまとめました。先に紹介させていただきたいと思います。
 本音のところはよくわかりませんが、一般的に治水計画を立案している人は、ある計画流量に対して、すべての国土を100%完全治水にしようという計画を立てる。したがって、逆に言うと水に浸かるところは河川区域にして、全部きれいな形に整備したいと考えているのではないかと思います。
 これを河川区域にするということは、買収なり地役権設定によって補償するわけですけれども、自分の土地に本来たまっている水以外に他人の水を引き受けたときに、いわば公共目的のために氾濫水を引き受けたときに補償するというのが本来の理念だとすると、単に自分の土地が水に浸かったからといって、その人に対してまで河川事業で補償する必要はないのではないか。特に、こういう少子高齢化の時代に、国土を全部、100%からからにしてさしあげますという目標は、もう時代錯誤ではないかと思った次第であります。
 なぜそういう気になったか。2ページの3の治水事業の歴史的経緯にございますけれども、江戸時代あるいは明治時代においても、特に明治時代に、直轄事業で国が改修に着手しているわけですけれども、当時は、事業費を幾らと決めて、その範囲で仕事をしなさいという制度でした。ですから、その事業費の範囲を超えるものは、当然完全治水にはならないわけであります。戦後は、事業費枠もなくなって、そのかわりこういう工事実施計画とか、あるいは河川整備方針ができて、どれだけの理念でやるかというほうが先行したために、全部治水で完全に立派な国土に仕上げますよという思いにかられているのではないか。
 そこで、考えをもう一回昔の考え方、あるいは選択集中の考え方に戻してはどうかというのが、4番の少子高齢化時代の治水のパラダイムであります。具体的な例は3ページにございますが、右下の図をごらんいただきたいと思います。今まで改修していて、改修が及ばないところは、単に予算不足だったとかだけではなくて、改修を阻むいろいろな要因があったのではないか。私も全国の川を見ていていろいろ思いがあります。例えば上流で改修しているところの下流の区間というのは、少なくとも河川事業で、河川行政で何らかの手を打たないといけないところだと思います。上流にそういうところが何もないところは改修の義務が生じないので、現状でもいいではないか。あるいは、何らかのもっと低い水準の河川改修でも対応できるのではないか。
 上流で改修をしながら下流の区間が放置されている河川の区間には、何らかの理由がある。B、C、Dと判定条件をつけていますが、1つは、Bの「yes」と下の図がありますけれども、地形的に全く不可能なところですね。自然状況が全く渓谷状になっていて、そういうところでも人家があるところがあります。しかも、上流では堤防をつくって水を集めてきて、渓谷区間に流し込んでいるわけですから、先ほどの阿武隈川の丸森地区はこれに当たるわけですが、そういうところについては、当然水につかることが予想されておりますので、一定の計画水位以下の人には移転していただく。それから、移転していただいた後は、そこには居住しないような制限を課すると。この場合は補償するかしないかという議論がありますが、私は補償しなくてもいいのではないかと思います。
 それから、もう少し川の形状が広がってはいますが、堤防をつくって守ろうとすると、守るべきその家自体がなくなってしまうというCの「yes」の場合です。技術的に、防御対象がなくなっちゃうわけです。堤防は人家を守るためにやろうというもので、堤防をつくったら家がないのでは意味がないわけでありますので、そういうところは盛り土なり人家移転なりでいいのではないか。あるいは、ちょっと余裕のあるところに輪中堤を設けるということがいいと思います。その際に、そういう対策をとった残地に、また住宅ができるということは、事業が無意味になってしまって後追い的になりますので、居住制限を課す必要があり、その場合には補償は必要ないのではないか。
 それから、Eの「no」になります。これは、もうちょっと谷が広がっていて、堤防をつくることはできるんですけれども、堤防をつくると地域が半分ぐらいつぶれてしまう。したがって、田んぼもたくさんつぶれてしまって地域が成り立たないといってなかなか協力をいただけないところです。そんなところについては農地と住宅とをある程度分けて、住宅だけは輪中堤で守ることにして、農地は100%治水にはできないということで理解をいただく方法ではどうかと。そのかわり居住制限はかけることにしてはどうかと思います。
 そういうことによって、今まで、とにかく堤防で全部整備する。一部、盛り土、輪中堤の事業もやっているんですが、その跡地はどうするのかについては整理していません。そういうところに、また後から人が住み込んだら、治水対策を後追い的にやることもいかがかと。やはり土地利用との間にある一定の事業と土地利用規制とを組み合わせたような方式が必要なのではないか。
 例えば、河川事業をするかわりに災害危険区域に指定してくれということで、法律的、制度的には成り立つのではないかという考え方もあるんですが、実際に市町村に災害危険区域を指定させる、責任を持たせるということは、治水上のいろいろな技術的な知識を我々のほうから提供してお願いする方法もあります。実際にはなかなか難しい問題があって、現に、全国で災害危険区域指定の事例は20カ所ぐらいと聞いております。やはり河川行政の中でこういう土地は管理してはどうかということで、一応土地利用問題についての私なりの考え方を整理したものをご紹介いたしました。
 以上を含めまして、きょうの事務局から説明があった問題について、ご質問またはご意見がございましたらご発言を順次、お願いいたします。
 警戒避難の問題については、前回、昨年末に一応緊急提言いたしましたが、それからさらに何かつけ加えたものはありますか。きょうの特別警戒水位というのは、前回、入っていましたか。言葉としては新たな提案と考えていいですか。
(事務局) 前にも緊急提言を、いろいろな検討は並行してなされてはいるんですけれども、流れとしては、緊急提言をいただいた中身を踏まえて水防法の改正に行って、その中に、前は厳密解にはなっておりませんでしたが、特別警戒水位という言葉で整理が出てきております。
(委員長) はい。どうぞ○○委員、お願いします。
(委員) 今回の資料−3、それから今の委員長の土地利用の話を聞きながら、大事であるのでもうちょっと具体的に議論をするなり書き込むなりしたほうがいいんじゃないかと感じた点を述べます。
 それは、本文全体にかかわってくるんですが、書いてあるところは、施設管理の高度化と危機管理体制の構築、1の2)の3番目です。これは最低限行うべき管理の内容等を定量的かつ具体的に定めた最低基準を明らかにするとともに、幾つかに管理のランク分けをしていこうということなんですね。最低限行うべき管理の内容というのをどういうふうに考えるのかということです。
 私は、守るべき最低限の行うべき管理の内容をちゃんと議論しておかないで、言葉だけ出てしまうということを恐れます。私が具体的に何を考えているのかを述べさせていただきます。
 最低限行うべき管理の内容の中で最も大事だと思っていますのは、この会議でも何度も申し上げましたし、ほかの会議でも申し上げているんですが、洪水のたびごとに起こっている河道の縦断的な水面形がどんな形をしているのか。堤防の間隔が狭いとか、構造物があるとか、樹木がいっぱい生えているとか、それから非常に土砂がたまりやすいとか、これらの現象すべてが水面に、水位縦断形として出てくるわけです。それは、決して大洪水だから、小洪水だから水面形が異なるというのではなくて、高水敷きに水が来ると、同一の河道であれば、時間的にほとんど同じような水面形を描いて流れます。川幅が狭いとか広いとか、川底がどうだとか、あるいは樹木がどんな状態になってきたかというのは、全部水面形に出てくるんです。
 今後は縦断的な水位の管理もやるようにしますとか書いてあるんですが、ここの中の最低限行うべき管理というのは、水位というものを中心として、それに影響を及ぼすものがどんなもので、そういったものをほんとうに管理ができると思って、これを書いているのかどうか。そういうふうにやるつもりで、これを書いているのかどうかです。これが、私は一番大事に議論したいと思うし、このことが、全部にかかわっていることですので、この部分の書き方がこのままでいいのかどうかについてお伺いしたい。
(委員長) 事務局、答えていただけますか。
(事務局) この委員会で最後までということはなかなかできないかと思うんですけれども、一応そのほかも含めて、河川行政全体の中で、多分○○委員と同じ気持ちでみんな、思ってはいるんですけれども、そういうところをきちんとやるようなことをやろうと。だから、この後の委員会や別の場でおっしゃられていることの基準をつくる中で、しっかり議論がされて、ものができていくようにしようというつもりではあるんでございます。  だから、管理とは何なのか。我々とすると、機能をきちんと果たすというのが管理だとすると、そのために、今の水面がどこまでどうだというのを、その場で明らかにしていくことになるのかなとは思っています。
(委員) それでいいんですが、言いたかったことは、水面形にいろいろな、この場所は欠陥であるとか、この場所は安全であるとかというのがほんとうに出ているということを、河川管理の側でちゃんと見きわめながらやるような仕組みというか考え方を、私はぜひ提言の中にあらわれるようにしていただきたい。どうも洪水が出ても、洪水が安全に流れたとか流れないとかいうだけでなく、それぞれのデータの解釈をちゃんとしない限りにおいては、基準となる最低限行うべき管理とかが非常に甘くなるというふうに、いろいろな災害も見ながら感じています。今のお答えで結構ですけれども、ほんとうにこれをまとめるときには、私は、最低限行うべき管理というのはここだけ、すなわち管理基準のところだけじゃなくて、本文全部にかかわってくることなんだという意図でまとめていただきたいと思います。
 以上です。
(委員長) それぞれ書いてある言葉によって、それぞれの受け取り方もいろいろなんでしょう。今、お話を聞いていて、前に、天塩川を河川整備基本方針の河川分科会で通したときに、ある先生が非常に気にしておられて、天塩川の全流域人口が四、五万ぐらいでしょうか、延長は相当長い川ですね。ここで水防をやりなさいよとか、警報を出しなさいよと言っても、それこそ水防団が何人いるかよくわからないし、工事の箇所も延々と上下流で長くなっていて全て実施するのは困難です。やはりこれは、どことどこだけをしっかり守るということを決めたほうがいいんじゃないのかというのが、その先生のご意見でした。なるほど、ごもっともだというので、多少河川整備基本方針にもそういう趣旨のことが書いてあるんです。
 ですから、一般基準化すると、どうしても利根川とか荒川、淀川を皆さんは中心にしてがちがち書いていくんだけど、やはり流域を守る資産とか防災力とかに応じていろいろあるのかなと思います。例えばダムみたいなのは、最初から最後までしっかりコントロールすべきですけれども、流域の中では、あるいは水門を確実に閉められない場合もあるのではないかといろいろなことを考えると、やはり河川でそれぞれに住民との間でキャッチボールをして、ここはしっかり守りましょうと。そのかわり住民の人も協力してくださいとか、あるいは本来、ダムの計画は、計画流量に対して、定められた放流をする計画になっているんだけど、現状、それだけの能力がないとすれば、もう少しダムを中小洪水にきくような操作規則に変えていくとか、現時点で現能力で現防御施設の状況に応じて、現状ではどういう管理をしたらいいのかというのを、個別に定めるべきではないか。今、河川整備計画をつくらせているわけですけれども、やはり河川管理計画を個別河川ごとに、流域住民とのキャッチボールの中でつくっていくほうがいいのかなと思います。
 毎年1回は樹木を切って、ちゃんとやっていかなきゃいけない川もあれば、場合によっては仕方ない川もあり得るかなとかと思います。まして中小河川になると、県の今の財政力とかいろいろ考えると、何が一番肝要かというのを明確にして、それこそ県知事までわかっていただいて、事情はあるでしょうが、やはりここには管理費をちゃんとつけないといけないとか、決めるのがよいでしょう。一般基準のほうから入ったほうがいいのか、個別河川の特性でやっていったほうがいいのかと考えた場合、どうしても一般基準になると、やはり利根川、淀川系を基準に考えがちなので大変になるのかなと思います。
 何かご意見がありましたらお願いします。
(事務局) 実態を申し上げたいと思うんですけれども、昨年7月に、新潟で堤防があちこち決壊しまして、それから相次いで福井が今度、決壊したという実態を踏まえまして、緊急に都道府県管理の河川を含めて、堤防の目視点検をやってくれということでやったわけです。そのときに、幾つか課題が明らかになったのは、要するに通常、しっかりやっていただいていると思っていたんですけれども、実際やってみたら、除草が十分されていないために堤防の点検がしっかりできないというものとか、それから通路がつながっていないために一連区間の点検ができないとか、それから私どもは、洪水期の前には、定期的にしっかり点検していただいていると思っていたんですけれども、多くの、半分ぐらいの河川で、必ずしも定期的な点検はされていなくて、その都度必要に応じてやっているというのが大半だったんです。
 そういう実態を考えますと、直轄河川はそれなりの管理をやっていると思うんですが、都道府県管理のような中小河川において、全部の河川が同じレベルというのではなくて、少なくとも中小河川の中でも、大事なところは最低限の管理をしっかりやっていただく必要があるのではないかと。そういう観点で、管理の最低限これだけはやってほしいという整理が要るんじゃないかと。
 特に、今、地方財政が厳しい中で、なかなか河川管理の、例えば堤防の除草なんかはそうですけれども、そういったところに予算がつけにくいような実態もあるものですから、少なくとも河川を少し区分して、大事なところはしっかりした最低限の管理をやっていただけるような、そういう整理ができないかなということで議論しているところでございます。
(委員) 二、三点ありますが、短いものから申し上げますと、資料−1の特別警戒水位が最初です。これは避難等の目安になる水位とご説明があったんですが、この言葉だけではすぐに避難と結びつくイメージがやや弱いと感じます。先ほどのご説明では、法律的なということもあったのですが、例えば特別警戒(避難)水位とか、「避難」というのをどこかで入れておかないと、これを聞いて住民の方々が、特別警戒水位になりましたと言われてもわかりにくいのではないかと思いました。
 それから資料−3は、要点を整理していただいて大変わかりやすくなったと思います。例えば2ページのハザードマップの有効活用方針の検討という中では、これは防災教育のところにも出てきますが、ハザードマップを配布するときに、小中学校の生徒経由と、家庭に配布するのと二重に行うのがいいと思います。生徒にダイレクトに渡すわけですが、そうすると、社会科の教育の教材に使ってもらえるとか、それを家に持って帰って家族に説明するとか、意識を高めるとか、議論の場ができるとか、そういう意味で有効ではないかと思いました。
 それから、4ページ目の危機管理プログラムというのを、大河川では作成をしようということがあります。私が聞いている一つの例としては、プログラムという文字を使うのとそれ以外のものとは少し概念が違うといいます。プログラムというのは、まさに予算を伴って具体的に行うということの場合に使われている例が多いと思います。ここでプログラムと書いて、そのようにやっていただくのは大変いいのではないかと思いますので、そこまでを含めて考えていただくのがいいと思います。
 それから最後に、今、少し話題になりました洪水の現象なり、あるいは実際的に何が起こったのかというものが、なかなか記録としてまとまって集積していかないということは、実は私も災害の調査その他に当たった後の結果として感じているところです。例えば、流量年表というのがあります。それから雨量の年表とかは、まさに基準点における結果をまとめておられます。さらには、河道の状態がどうかという、これは年々変わっていくので、河道であるとか、今の水害というか高水のほうの速報というのは、内部資料としては存在していると私も聞いていますが、そういうものが一般の方にもわかるような、あるいは研究層にも用いていくことができるような集積が必要だと思うんですね。
 これについては、6ページにあります自然災害調査等検討委員会(仮称)というのがありますが、こういうものができるのが非常にいいのではないかと思います。こういうところが、そういった特性なり実際の記録を集積していくというわけです。例えば足羽川の水害なり五十嵐川の水害は、橋脚によってせき上げが確かに起こっているわけです。それが、こういう計算法であればこのぐらいになるし、計算法が違うと少し数値が違ってきますが、具体的にこういう量が起こるということが、河川の技術者を含めて、社会全体にきちんと伝わっていくためにも、先ほどの委員会というものが非常に有効に機能すると思います。
 以上です。
(委員) 緊急提言における施策の体系の6番の「土地利用状況に応じた異なる安全度の設定や施設整備に代わる住宅等の移転など、従前の計画にこだわらない多様な整備の手法」と書かれておりまして、委員長さんの資料等も見させていただきながら、なるほどなと思っていたのでございますが、私はどうしても関東地方に住んでいるという意味で、大河川の話しか頭に出てこないのでちょっと視点がずれてしまうのかもしれないんですけれども、今、家が建っているところ、特に首都圏において、どうしても条件の悪いところから家を建て出すという傾向があるんじゃないかなという感じがしているわけです。つまり、特に線引き前に行われたところから始まった住宅の立地というのが、どうしても低湿地に近いところから整備が始まってきてしまっているということがあるかなと。
 そのときに、まず新規のものについての、先ほど来から出ておりますが、立地規制という話がありましたが、これはだれがやっていくのかなと。河川サイドでやっていくのか、それとも都市計画の手法によるのか。都市計画の手法によるという形になりますと、ある意味においては、市町村がどう判断していくかという非常に難しい問題にまたかかわってきてしまう話にもなるのかなと、そんな感じがしております。新規立地の部分については、例えば高床にするとか盛り土をするとかということについて、それはそういう形で規制だけをかけておいて、誘導措置はどういうふうにしていくのかという点についてどうなのかなという点がちょっと気になるんです。
 新しく建てる建物以上に、今まで建てていた、既に建っちゃって、そこに人が住んでいるところの部分について、従来の考え方としては、防災という形で河川サイドでしっかり守っていきますよという考え方であった。現実がどうかは別にいたしても、その考え方を変えてしまって、なおかつ線を引っ張って、ここの部分はある意味では水がつかる場所になりますよと言っていくということが、法律論的にどういうふうな形でやっていくのかなというのがちょっとわからない点でございまして、逆にそこの点が、自治体の長といたしましては、どういうふうにやっていただくかによっては大変難しい問題になってしまうのかなと思っているのでございます。そこら辺について、私はよくわからないものですから、教えていただければありがたいなと思います。
(委員長) ペーパーを出した私から私なりの考え方を申し上げますと、今の首都圏みたいな土地利用が必須の地域は、全然予定していないんですね。事例で挙げましたのは、例えば資料3ページは肱川、でき上がっちゃうと何だかよくわかりませんけれども、実は大洲盆地という大きな盆地から山間狭窄部に入るところにこの地域があって、しかも鉄道が通っていて、堤防をつくるとこの人家連担地帯がつぶれてしまうというので、右のように住宅だけをかさ上げをいたしました。さっきで言うと、Cの「yes」になります。
 それから4ページが、雄物川の中流地域で、上流、湯沢とかいろいろな都市部、盆地が続いていて、それから下流の秋田へ入る中間地点にあるところですが、人家が集まっていて、ここへ連続的な堤防計画を持ち出したんだけど、人家の大移転があり、しかも田んぼが相当つぶれるので長い間懸案になっていました。したがって、今、こういうふうに赤い線で引いてあるのは、輪中堤をつくった場所です。そうすると、将来、今、住宅のない田園地帯にまた住宅が建ってきたら、次の対策はどうするのかというのが、私の疑問です。
 要は、輪中堤以外のところは、100年に1回の安全度にはならないけれども、一応地域としては、表向きではないでしょうけど、ご了解をいただいているような地域ですね。これがEの「no」です。
 それから、7ページの丸森のこの写真は、私の現地を見た経験で言うと、左の写真の田んぼの狭隘部のところに人家が幾つかありますね。こんなのが点在しているんですね。こういうところは、ある流量が来れば水につかってしまうわけで、しかも上流では郡山や福島を連続堤で守ってきて、この区間に水を注ぎ込んでいるわけですから、やはり河川事業者のほうにも、こういう人たちに対する何らかの対応が必要なんじゃないか。ところが、この辺は堤防をつくる計画がないからと長年、放置されています。これに対して、何らかの手を打つべきではないかというのが、Bの「yes」の案です。
 結構そういうところが全国で放置されているのに対して、しっかりした河川法上の手当てをする必要があるんじゃないかというのが、私が提言した背景です。
 事務局から何か補足がありますか。いいですか。
(委員) 先ほどから○○先生、委員長、それから事務局も答えられましたけれども、管理をどんなふうに考えられているのかなというのが、特に事務局のお話からすると、かなり本来発揮すべき堤防の点検等を管理と呼んでおられるんだけれども、そうすると少し現存の治水施設のストックみたいなのがどこに入るんだろうかなと。どこかには書いてあるんですけれども、例えば都市部のところの堤防のハイウオーターより上の、ちょっとぐらい水が上がっても切れないようにしましょうとか、それから先ほど少し議論された、ダムの放流の様式、操作ルールといったもの。すなわち、維持管理の面だけでなくて、既存の治水施設のストックを、この時代にどんなふうに利用するのかということを少し全面的に書いていただきたいなと。
 全体の中で、たしか議論してきた中にはそういう話、すなわち破堤が今年度の被害のかなりのショッキングな面であったし、ただし書き放流みたいな、ダムの容量が非常に少なくなって、放流しなければならないような操作の問題も少し問題になったと思うんですね。それをどう書くかというのは非常に難しいと思うんですけれども、やはりこの時代に治水施設の既存ストックの利用という形で、それも管理だと思うんですけれども、紛らわしくなく書いていただきたいなという気がいたします。
 そういうことをきちっと位置づけるためには、やはり骨子の一番最初で、減災のために一体何をすべきか。それをきちっと言わないと、避難がぽんと出てきて、管理が出てきて、技術的な問題が見えにくくなっているのが、少し気がかりだったんですね。大きな項目としては、ハードとソフトの一体化と言いながら、それが一体的に見えない。すなわちソフトだけ、避難だけのところがぽんとあったり、あるいは管理だけが走っていると。減災のためには、それがほんとうに一体化しないといけないということを緊急提言でも言ったわけだから、その辺の、ハードとソフトがお互いにどう補完するのか。それから、新しい治水施設をこれからもどんどんつくっていくんじゃなくて、ストックをどう利用するかという書き方を、ぜひ1番のところにきちっと書かないといけないなと。
 そのときにもう一つ気になるのは、超過洪水という言葉がたくさん使われているけれども、計画論上の超過なのか、現段階の施設の問題としての超過なのかが明確でないために、話が、それぞれの人にとって受け取り方が違っている可能性がある。例えば、計画論上の超過洪水ですと、現状のハザードマップでははんらんがゼロになっちゃいますから、一体どんなレベルのところを何で守ろうとしているかを、1できちっと書き込む必要があるなというのを非常に強く感じました。
 そういう意味では、委員長がおっしゃいましたように、現在進行中の整備計画を次から次につくっていくことと、今、考えていくこととの関係をどうするのかということをどこかで整理しておく必要があるのかなと。難しい問題だということは認識しているんですけれども、少し考え、あるいは議論する必要があるのかなという気がしております。
 以上です。
(委員) まず、土地利用の問題についてですが、委員長のペーパーを見て、河川治水の目的を初めて理解したわけですね。これを見て、私がとっさに思ったのは、三陸沖の津波防潮堤をせっかくつくったんですが、風化をしてしまったために、もう相当家が建っちゃった。津波防潮堤は、人が逃げられない防潮堤になってしまっているというのが実態なんですね。
 私的制限の問題と、それから河川事業の問題と、現状における土地の利用の状況を見たときに、減災の観点から非常に重要な課題であると思うんです。財政的に余裕がない状況になってきている中で、効率的なという。この問題は、私は事務局の整理である程度いいのかなと思うけど、問題が問題なだけに、今後社会的な議論ができる場で、これをきちっと問題提起するという書きぶりもあるのかなという感じはいたしました。
 特に、野田市長さんがおっしゃったように、行政の一時対応で、すぐにはなかなか難しい課題があって、地域のコンセンサスづくりのための問題点を整理する必要があるんじゃないかと。我々としては、こういう課題を整理して提示をして、今後さらにこれを深めるという議論をぜひしていただければありがたいと思いました。
 それから、ちょっと技術的なことでお尋ねしたいんですが、きょう、お配りになった法律の改正の中にハザードマップの例があるんですけれども、まず1点、お伺いしたいのは、例えば大都市の利根川がはんらんしたときのようなものはハザードマップになるのか。それから次のページにある、これが私がいつも疑問に思っていることで、きょう初めてお聞きしますが、例えば那珂川における浸水想定区域図を、どういう状況のときに、どこが壊れてどうなるのかというのがないままに、あるのはちょっと問題ではないかと思うんです。
 というのは、円山川を視察させていただいたとき、豊岡市長さんが言っていたのは、ここは越水がしょっちゅうあるんだよ、だけども、今回の規模はすごかったですよと。あの言葉がどうしても忘れられなくて、それなりに豊岡市ではハザードマップがあったらしいんですが、またあの程度かという市民が相当いたということなので、浸水想定区域の作成の仕方は、災害というのは、しょっちゅうあれば問題ないんですが、洪水がしょっちゅうないところなので、このイメージと具体的な災害のイメージにもしも乖離があったら、災害を助長することになりかねないと。この辺のところが常々気になっているところなので、ちょっと技術的なところをお伺いしたい。
 先ほどの、これを学校なんかで配ったらいいのかというので、例えばこの洪水のハザードマップを見たとき、子供たちが見たときのもの、それから地域防災リーダーが見たもの、それから市長さんが見たもの、全部を1つの絵にしてしまったら読めないですね。わからない。それから、逃げる方のためにはむだな情報で、どこに逃げてくださいだけでいいはずなので、ハザードマップの効果的な利用という形では、だれが利用する人なのかということを想定にした、幾つかのレイヤーになったハザードマップがいいのではないかなと思います。これは富士山のハザードマップをつくるときにも、その問題が出たわけでありまして、洪水についても同じ手法じゃないかな。
 それから、あえてちょっと申し上げたいんですが、集中豪雨による災害なので、洪水をずっと書いてきているんですが、ガイドラインをつくったりいろいろなことをつくったときに、土石流だとか土砂災害と、洪水だけではいけないのではないか。つまり、集中豪雨による発災というのは、洪水と土砂災害、土石流があるわけで様態が違うのと、発災までのリードタイムが違う。それを一つの様態で考えたら、河川局の所管の中で言うと、そこを総合的な切り分けをした上で、洪水はこうしましょう、土砂災害については、別のところなら別のところというのをきちっとやっておかないと、豪雨災害というキャプションでいったときに、やはり土砂災害は忘れてはいけない課題なのではないかと思います。
(委員長) 最初の土地利用のコンセンサスづくりはおっしゃるとおりで、先ほどお見せしたところはわりあい農村地域ですから、共同体として皆さんが河川事業者の計画に従っていただいたんでしょうけど、中にはおれは水に浸かってもいいよという人もいる地域を考えておかないとなりません。本質的には。コンセンサスは、100人中100人が合意の場合ではまだいいですけれども、中に10人ぐらいが嫌だというときはどうするんだと。やはり少し議論を深めて、場合によっては、法的な手段で取り決めるとか、いろいろな手続が必要なんでしょうね。ですから、この委員会報告でゴールということではなくて、さらに、あるいはそれを深めたものの審議も必要かと思います。
 2番目の問題については、ほんとうに専門家のご意見で、私が見ていても、円山川もいろいろ言われても、そう簡単にいきそうもないなというのがありました。出しているのは、湛水の可能性のある区域を全部出しているのをハザードマップと言っていますし、実際にここが破堤したときはどうなっているのかとか、利用者とかそれぞれの人の関心とか、常時浸水するとして管理しているところとか、場合によって大分違うんですね。
 土砂災害も含んでいるつもりなんですけれども。
(委員) 確かにおっしゃるとおり現象も違うし、発生の場も違うわけですから、それをどうするかというのは、また考えていただかなきゃいけないのかなと私も同感です。
 それから続いて、ちょっと議論が別の方向に行っちゃってもよろしいですか。私が関心があるのは、防災教育に関してですけれども、ここでの資料に幾つかの大事なポイントが挙げられているんですが、国土を愛するとか大事にするということは非常に大事なことだと思いますし、それから砂防とか治水とか、これも非常に大事な事業で昔よりずっとやってきているんだと思いますけれども、こういう気持ちをどうやって人に伝えていったらいいのか、広い意味での防災教育になるのかもわかりませんけれども、何とかならないかなと今、考えているんです。
 1つは、いろいろな教科書とかマニュアルみたいな教材はいっぱいあるんですけれども、知識を相手に伝達しようとするような教材とか材料はいっぱいありますが、心に訴えるというか、心にしみ込むようなものが意外と少ないのかなと思います。そういう意味で、教科書では、例えば昔の国語の教科書の中にそういう話が入っていましたが、またそれなりに我々の心に、大人になってもずっとしみついて残ってくるような気がします。そういうのができなかったらば、例えばお母さんが幼稚園の子供に、絵本でもいいから読み聞かせて、きれいな美しい文章できれいな絵で、子供に訴えるような教材というか材料があればいいと思います。また、小学生についても、同じようにあまり知識で教えるよりか、心の中に訴えていくようなものが必要です。大切なことは国、国土を愛するという気持ちの中で、こういう治水とか砂防のことを訴えていくような材料があればいいなと思っております。
 中学生ぐらいになると、かなり判断力というか行動力もあります。災害のときにも、あちこちで聞いてみますと、若い人の少ない田舎で災害が起こったときに、中学生の行動力は非常に頼りになり、非常に大事なことなのではないかなと思います。子供が言えば、親も年寄りも言うことをよく聞くと思うんですね。ですから、中学生にどのように教育していったらいいのか、考えていくことも大切です。
 それから、大人になってしまうと、私は大学で砂防とか治山の授業をしているんですけれども、そういうのに関心のある人は一生懸命聞いているんですが、それ以外の学生には、あまり関心がなくなってくる。ただ知識を得て、試験を受ければいいような感覚にだんだんなってくるのが大人じゃないかなと思います。
 ですから、そういう意味で、ここにありますように、子供用とかいろいろなレベルの教材で教育の仕方をいろいろ考えていただきたい。一番言いたいのは、もう少しきめ細かいというか、できればもっと小さいときに、きれいないい教科書ですね。いっぱい教材があっても、言葉は悪いですが、ごみ箱に捨てるようなパンフレットとかそういうのは要らないような気がするので、何とかしていただけないかなというのが1つあります。
 それから、土砂災害に関しては、○○先生がおっしゃったみたいに、大規模災害の原因究明のための調査委員会というか検討ですね。我々、斜面とか砂防関係ですと、時たま大きな予想外の大災害がありますけれども、そういうものに関しては、やはりお金をかけてきちんと調査していただかないと、大学みたいにお金のないところでちょこちょこやっているだけではなかなか答えができ切れないことがありますので、そういうこともぜひ積極的にやっていただけたらと思っております。
 ちょっと委員長の意向と違ったような話をしてしまいましたけれども、以上です。
(委員長) それでは、さっきのハザードマップに関連して、○○委員の後半の部分のお話に関係がありましたら、事務局から。
(事務局) まさに活用方策をきちんとしたいなという問題意識は、もともと今ある浸水想定区域図だとかハザードマップというのは、ある種計画の洪水に対して、もしあふれたらどうかということをかいたにすぎなくて、それで実際の地元の方がどれだけわかるか、どう使えるかというところをまさにやらないといけないなという問題意識です。先ほど富士山の話もありましたけど、そういう可能性を全部最大値で合わせたのが、富士山の可能性マップといったのと、河川で提供しているのは同じなんですが、実際は、もう一個ドリルマップとかいって、個別現象でどうなるということがないと、市町村の防災機関であろうがどこだろうがほとんど想像できないということなので、河川のほうはそういうことがまだうまくできていない段階です。一部、リアルタイムハザードマップという勉強もちょっとしているんですが、問題意識は全く同じでございます。かといって常備薬としては最低、これで100%100点がとれるという意味ではないけれどという意味のつもりでございます。
 それから、土砂災害と洪水のハザードマップというのは、一般の人にとって、物によっては、ひょっとしたら逆に区別がつかないのかもしれないので、例えば土石流と洪水というのは、今回の福井のやつを見ても、地元の人はわからないんですね。そうすると、雨が降ったときに用意されているものは、1つのマップにみんな一緒になっているほうがいいかもしれないという、私ども、ちょっとそういう認識が逆にありまして、今、新しくできる総合流域防災事業という制度の中では、あわせたマップをつくられる予算を確保しつつあるところです。
 それから、さっきの防災教育の話は全くおっしゃられるとおりでございますので、ほんとうにここの委員会だけではなくて何とかしないと、かなりすぐれた教材をつくらないと、役所かどこかが、たまたま振り仮名を平仮名で打てばわかりやすいものだと誤解しているものが結構あったりもしますので、そこはよく認識して、ここを機に逆に深めるような格好にしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
(委員) 今のことではなくて、特別警戒水位について、法律のほうも含めてですが、水位の予測ができない河川がありますね。このときに、計画水位を超えたら、要するにあふれるまであと何センチという、時々刻々のもの。つまり、計画水位が何とかじゃなくて、あと何センチになったら危ないという実況情報をぜひきめ細かく提供していただければ、さまざまなところで役に立つんじゃないかと思うんですね。予測のリードタイムがあまりなくなってきているので、予測自体はいわゆる流した外挿でもいいとは思うんですが、予測はしなくてもいいと思います。あと何センチしか余裕がないというような表現をぜひ使ってもらえないでしょうか。
(委員) 今の問題とも絡むのですけれども、多分今までのお話を伺っていると、ここでの審議の対象は、国の管理の河川だけではない、中小河川も含んでいるんだと。そういう前提で考えますと、先ほどの特別警戒水位も、危険水位からの余裕高で議論が設定されているわけですが、現実的には、危険水位が設定されていない中小河川はたくさんあるわけですね。
 逆に、ここでも少し仕分けをしていただければと思いましたのは、国管理のものとしてできる、あるいはやっているものと、中小に、あるいは県管理に広げていくときに何らかの仕組みが要るものと、2種類あるような気がするんですね。いつも霞が関での議論を見ると、国管理のものがますますチャンピオンとして高くなっていくのだけれども、どうももっと全般の体力を上げていかなければいけないという側面に関しては、もう少し手法というか、あるいは前提の環境を整えることを考えたほうがいいんじゃないかという気がいたしました。
 それから、ハザードマップに関しては、一つの見方としては、どこが破堤するとどうなるかという全部のケースを一般住民が追うことは不可能ですね。むしろそれよりも、どこが破堤してもここはだめなのねとか、ここが破堤すると、やはりかなり外力が働くねとか、そういう避難に結びつく情報の見方をできればいいという気もしています。
 もう一つは、単なるお願いというかひとり言と受けとめていただきたいのですけれども、住民合意の世界に入ってまいりますと、やはりダメージという概念とバルネラブルというんですかね、そこはかなり意識的に差があるんじゃないか。例えば、火災で工場が被災した場合、工場の再建が経営的にプラスに働くこともある。新しい施設が入って設備能力が上がっていきますので、その工場は結果としてもうかる。つまり、同じ被害を受けても、産業なり時期によって吸収できてしまうものと、全く吸収できないものがある。例えば、大都市で豊かな層であると家を再建できるんだけれども、ここはだめだというところもあり得るわけですね。多分その辺が観光地の問題とか農地の問題で、実ははっきり住民の方々はおっしゃらないけれども、そういう意識が働いているために、なかなか合意が難しいという印象を持っています。これは、だからどうしろという話ではなくて、そんなこともあるんだなというぐらいのひとり言として受けとめていただければと思います。
 以上です。
(委員) 1点、管理ということに関係しまして申し上げます。資料−4の2枚目ですが、整備方針とか整備計画をこの中に取り入れて、そこの関係を議論していただくのはいいんですが、実は、ここでは河川管理を非常に狭義にとらえるという定義がありました。先ほど○○委員の話もありましたが、実は、整備方針・計画というほうが、全体のいわゆる河川管理というすべてを含むものなので上位の概念です。ある意味では順番が逆で、そういうものとの関係を、先ほどのように最初に議論をしておいて、それで具体的な施設対応の河川管理はこうやりますよという順序になると思います。ですから、これは階層的には逆に書いていただいて説明をしていただいたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
(委員) 先ほど○○委員からも防災教育の話があったんですけれども、資料−3の提言の構成を拝見して思うことは、2項目目の的確な判断・行動につながる情報等の提供という項目と、6の防災教育の推進についての支援というところは非常に密接にかかわるもので、2番の情報等の提供については、これはこれで僕はいいと思うんですけれども、やはり6番の防災教育のほうが、それを受けるようなところが必要かなという感じを持っております。
 新潟の豪雨ですとか津波の避難とか、最近は避難関係の調査を幾つかやっていまして、共通して思うことは、住民避難の問題の中で、2つの特徴があるように思うんですね。それは1つは、住民が実際に逃げていないという現実がある。これは、情報があってもなくても逃げていないという現状があるように思うんです。それを見るときに、住民のそのときの心理を分析していくと、決して逃げないということを意思決定しているわけではなくて、逃げるという意思決定ができずにいるという状態。したがって、不安であるから情報を求めるという中で、非常に逃げるということを意思決定できない状態のまま過ごしてしまっているという状態にあるように思うんです。これが1点、大きな特徴であるということ。
 それからもう一つは、正常化の偏見等々が働くという、非常に人間の基本的な情報理解の特性の中で、自分は大丈夫と常に思う心情の中で、逃げなくていい理由を懸命に探すという特徴があるように思うんです。それはどんな理由でも結構で、前回の災害のときにうちは水につからなかったという理由であっても、隣が逃げていないという理由であっても、NHKが避難情報を伝えていないということであっても何でもいいんです。何か一つの理由を見つければ、自分が逃げないことを正当化するに足りる理由になっているという状況がある。そういった面において、逃げない住民を何とかするということの非常に大きな方向性としては、2番のような、自発的に逃げていただけるような情報を提供するという、提供する側の論理だけではなくて、これは多分受け側の論理で書いておられると思うんですけれども、もう一段重要なことは、逃げない人間の特性を教えていく。それをカバーして、非常に理性的な判断として避難できるような住民に教育していくという、そんな方向が非常に重要だなという感触を持っています。
 そういった面で、教材開発の必要性を○○委員もおっしゃったんですけれども、まさしくそういうところが重要で、それは単に、洪水だとか現象の知識を与えるだけではなく、わかりやすい情報を、その場の状況も含めて、それは住民にとっては情報ですので、伝えるということだけではなくて、それを理解する人間の基本的な、無視しようとする特性みたいなところまでを含めて教育していくような教材がないと、この辺はうまく機能しないなというのを、ここのところの幾つかの災害の住民の避難の特徴を見ながら思っております。
 基本的に、情報が伝わっても逃げていないという状況があるということ。とにかく逃げたくないというのが基本的にあって、逃げなくていい理由を探しているということ。だけど、そんな中で、逃げないことに腹をくくっているわけではない。不安の中で、逃げるという腹のくくりができずにいるんだというところに対して、住民を変えていくということだろうと思うんですけれども、どういうふうにここの部分に対処していくのかというのが、住民避難を促進させるための今最も重要な状況になっていると思います。
 1点、いつも言っていることですけれども、住民は逃げなくていいと思っているわけじゃないものですから、非常に不安な状態でいる。そんな中で、どういう状態があったら逃げたかという仮想的な問いをしてみますと、例えば隣が逃げているとか、隣から逃げようと声をかけられるとか、非常に中央からの情報だとかメディアを通じた情報よりも、隣のおばちゃんが逃げようと言ってくれると、自分だけ逃げないことが不安になってしまって、群集心理がうまく働いて、みんなぞろぞろと逃げるという状況がたくさん見受けられます。現に、隣近所から声をかけられるとたくさん逃げているという状況がありますので、自主防災組織の機能なんかも絡めて、逃げるときには率先避難民をつくって、声かけをして逃げてもらうという対応をとっていくと、効率的な避難が達成できるような気がいたします。
 そこまでを含めて、地域防災教育という形、もしくは学校教育という形の中に、そういったところを反映していただく、またそれに対応するようなテキストを開発していく。その必要性を非常に感じております。コメントです。
(委員長) ありがとうございました。予定した時間が参りまして、まだ議論は尽きないんでございますが、一応本日の議論はこれまでといたしまして、次回に提言の取りまとめを中心に審議いたしたいと思いますので、皆様方で言い足りないこと、あるいは本日出されました概要、資料−3、構成案の中で、ちょっと意見が違う点等がございましたら、また事務局のほうにお寄せいただきたいと思います。
 事務局におかれましては、本日の各委員の意見を踏まえ、提言の案について整理し、次回の会議で紹介するようお願いしたいと思います。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員のご確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することといたします。
 本日の議事は、以上でございます。
(事務局) 1点だけ。まとめるに当たって、先ほど幾つか出ています管理の話ですが、お話そのものは、広く河川管理というのを見れば整備も管理もあって当然ですけれども、狭い意味の管理というのを、今ここでしっかりしておかないと、整備、管理をあわせた管理論をいくと、お話が非常に広がってしまって、先ほど治水課長が申し上げましたような、実際上の管理のところで非常に危惧するところがあるので、そこはクリアにした上で総合性をというように考えています。書きぶりの中で、総合性のことを書くことは構わないとは思うんですけれども、そこの視点はずれないようにしたいなと思ってございます。
 同じように、先ほどありました危機管理も、計画上の管理というよりは、施設設計上の管理であるというところをまずクリアに、この中でも既にそう書いているわけでありますが、そうさせていただいた上で、加えて計画上のということもあればとしておきたいと思うんです。というのは、これも同じように、施設機能上の、設計としての超過洪水についてちょっと話が望洋になると、今回のものとしては非常に問題だなと思っておりますので、そういうことで一度素案を書かせていただければと思っております。
(委員長) そのように明確に書いてください。





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