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河川審議会答申

「総合的な土砂災害対策のための法制度の在り方について」



2.土砂災害防止に関する法制度の現状と課題

土砂災害防止に関する現行法制度として、主要なものは以下のとおりである。

 1)
主に土砂災害の原因となる土砂移動現象の防止対策を講じるもの

砂防法、地すべり等防止法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(いわゆる砂防三法)

 2)
土砂災害の危険のある箇所についての開発行為や建築行為に対する規制 を行うもの

都市計画法(開発許可制度等)、建築基準法(災害危険区域制度)、宅地造成等規制法

 3)
災害発生時の対応について定めるもの

災害対策基本法

 しかしながら、これらの現行法制度には、土砂災害防止の観点から以下のような問題点があり、改善の必要性があると考えられる。

 1)
 自分の住んでいる土地が土砂災害の危険性のある地域であるかどうか、住民にとって明確になっていない。
 2)
 現行の制度体系における立地抑制策は、以下のような実態にある。
ア.
 急傾斜地法においては、急傾斜地崩壊危険区域の指定により、切り土、盛り土や樹木の伐採等がけ崩れの発生を誘発助長する行為を制限することができるが、直接的な立地抑制のための制度ではない。
イ.
 急傾斜地法の規定により、急傾斜地崩壊危険区域の指定がなされれば、建築基準法による災害危険区域を指定し、建築行為に対する制限の付加を行うこととされているが、急傾斜地崩壊危険区域の指定が現実には対策工事の実施を前提としたところでしか行われていないため、がけ崩れによる被害のおそれがある区域における立地抑制策として十分に機能していない。
 また、災害危険区域内における建築行為に対する制限の内容は条例で定めることとなっているが、その内容は各地方公共団体によりまちまちとなっている。
ウ.
土石流や地すべりによる被害のおそれがある区域については、砂防法や地すべり等防止法が災害危険区域の指定と連動していないため、災害危険区域の指定箇所は極めて少ない。
エ.
 開発許可制度では、開発区域に災害危険区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域を含まないことという許可基準を設定しているが、この基準は、自己用の開発には適用されず、また、社会福祉施設・医療施設等のための開発行為は開発許可制度の適用除外とされている。
 3)
 土砂災害に関する警戒避難措置に関しては、災害対策基本法の体系における地域防災計画に基づき定められるが、土砂災害を警戒すべき区域や土砂災害の特性に応じた措置について法制度上明確となっていないことから、警戒避難措置の整備については地方公共団体の取り組みに左右されている面がある。




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