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河川局

審議会等の情報
河川審議会について


I.はじめに

(水災についての現状)
  我が国では戦後、昭和22年の利根川をはじめとして相次ぐ台風、豪雨により引き起こされた大河川の破堤、氾濫による大水害が疲弊した国土と国民を襲った。
 その後の治水事業の着実な進展により大河川の破堤の頻度は減少する一方で、資産の集積が進んだにもかかわらず相対的に治水安全度が低い中小河川における外水氾濫、さらには内水氾濫による浸水被害が一向に解消されていない。
 この状況は、都市化に伴う流域の改変や近年頻発している局地的短期集中豪雨によるところもあるが、そもそも治水施設の整備水準を上回る洪水が発生する可能性をゼロにすることは不可能であり、そのことを踏まえた水災防止対策は重要な課題である。
 特に、都市域では、昨年の福岡市や本年の東海地方の水害にみられるように、氾濫域の土地利用の高度化により被害ポテンシャルが増加し、交通 やライフラインなどの都市機能の麻痺や地下空間の浸水被害など都市型水害としての課題が顕在化している。
 さらに、長寿社会を反映した対策が極めて重要となっており、高齢者や身体障害者など一人で迅速な行動ができない住民(以下、「災害時要援護者」という。)を誰がどのように援護していくのかが課題となっている。

(水災防止についての課題)
 従来から水災防止においては、治水事業と水防活動が車の両輪と位置付けられてきた。
 水防は地域自らが行うことが原則であり、従来から地域で自然発生的な共同体によって行われてきた水防活動に法的根拠を与えるために、昭和24年に水防法が制定された。
 その後、昭和30年に洪水予報及び水防警報制度、昭和33年に水防事務組合制度が設けられて以降特段の制度体系の変更がないままに推移してきた。
 水防法においては水防組織は水防団と消防機関の二元的組織とし、水防管理者の所轄のもとで行動することとされている。現在、水防活動に従事している人員については、専任の水防団員は1割に満たず、ほとんどは消防団員(水防団員を兼ねているものを含む。)である。(以下、「水防団(員)」とは専任水防団(員)と水防活動に従事する消防団(員)の両方を指す。)。
 水災防止に係る現状を踏まえると、以下の課題があげられる。
1)観測技術、氾濫シミュレーション技術、情報処理伝達技術等の進歩を踏まえ、水災予防措置の充実・強化並びに災害時の迅速・的確な情報提供及び情報の共有化
2)団員数の減少、団員の高齢化、サラリーマン化等の課題を抱える水防団の活性化と近年組織化が進んでいる自主的な防災組織の積極的活用
3)都市型水害への対応、特に地下空間の浸水対策の推進
4)災害時要援護者対策の充実・強化

 本審議会では、上記の課題を中心に審議を行ったが、その際、特に水災防止について次の点を認識しつつ、検討した。
1) 洪水等のいわゆる水災は地震と異なり、突発性の災害ではない。したがって、普段からの備えと緊急時における的確な情報提供があれば必ず減災効果 を高めることができること。
2)水災防止の分野には、従来より、行政そして個人以外に「地域の公(おおやけ)」とでもいうべき共同体である水防団が重要な役割を担ってきた。今後とも、行政の役割、個々の住民の役割、そして水防団に加え自主防災組織やボランティア等の役割を連携させて有効に機能させる必要がある。





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