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河川局

審議会等の情報
河川審議会について


水災防止小委員会答申

河川審議会 答申 概要


今後の施策展開

1.水災防止対策の拡充

水災は事前および発災中においてある程度の予測や準備が可能であるという特性を踏まえ情報伝達や避難誘導など減災措置の充実を図ることが重要である。  また、減災の観点から、水災防止対策の対象とする範囲を、時間的には平常時から災害時(発災初期〜被災後)まで、空間的には現場の第一線から地域全体へと幅広くとらえ、制度面 も含めて充実していくことが必要である。

1−1.事前の情報提供、予防措置
 (1)洪水予報河川の拡充
 建設省と気象庁が共同して行う洪水予報は、予め指定した河川において洪水が発生するおそれがあると認められる場合に、建設省が河川の水位 または流量を、気象庁が降水量などの気象を予測して行うものであり、関係行政機関に伝達するとともに、必要に応じ報道機関の協力を得て広く一般 に情報提供している。  現在は一級水系109水系のうち107水系189河川が洪水予報河川に指定されているが、都道府県知事が管理する二級河川等は現行の水防法の適用については対象外とされている。
 近年、国の直轄管理河川以外の河川で水害が相対的に多く発生している状況に鑑み、都道府県知事が管理する二級河川等についても洪水予報を行っていく必要性が高まっている。 都道府県においても、雨量 、水位観測のテレメータ化、情報伝達処理システムの整備が進み洪水予測が技術的にも可能となってきており、流域面 積が大きく、洪水により相当な被害を生じるおそれのある河川については、必要に応じて洪水予報が実施できるように制度の整備拡充が必要である。 また、水災防止への一層の活用のため情報内容の充実を図るべきである。
 
 (2)洪水ハザードマップの作成、公表の推進
 地域の水害に対する危険性を示すものとして、これまで、河川管理者や地方公共団体により、浸水実績図や洪水氾濫シミュレーション結果 等が公表されてきた。  洪水ハザードマップ(洪水想定・避難地図)は河川管理者が提供する洪水氾濫シミュレーション結果 等に基づき地域の洪水氾濫想定区域、避難場所、避難経路等を地図上に記載したもので、地域の水防に一義的な責務を負う市町村長が作成、公表している。
 しかしながら、従来から河川管理者がその作成に必要な基礎データを提供しているが、作成、公表した市町村は一部にとどまっている。  洪水ハザードマップは水災防止上極めて有効な施策であることから、洪水により相当な被害が生じるおそれがある地域については、住民の生命、財産を守るため、市町村長による作成、公表を明確に位 置付けるべきである。
 作成に当たっては、住民が理解しやすいマップとなるよう工夫するとともに、避難支援等が特に必要な災害時要援護者関係施設(病院、福祉施設、学校等)を記載し普段から把握しておくことも必要である。  また、市町村長は、洪水ハザードマップの公表にあわせて、市町村地域防災計画への反映等適切な対応を図ることが期待される。
 さらに、中小河川や内水による浸水に対応したハザードマップについても、局地的微地形の情報が必要となるなど技術的な課題はあるが、近年の水害の傾向を踏まえ、河川部局、下水道部局、水防管理者が連携してモデル流域で試行する等実用化に向けた検討を行う必要がある。

 (3)地下空間での対応
 地下空間の浸水は人命に関わる深刻な被害につながる可能性が高いため、その対策は重要な課題であり、以下のことを行う必要がある。

1) 利用者の安全に配慮した施設の設置・改良、水災時の避難誘導等に資するため、洪水ハザードマップ等により地下空間の管理者へ浸水の危険性に関する情報提供を積極的に行うとともに、地下空間の管理者を情報伝達体制の中に位 置付けること。
2) 地下空間の管理者は利用者や従業員の安全確保のために水防の責任者、連絡体制、避難誘導計画等を定めた浸水被害防止計画を作成するとともに、従業員などへの防災教育、訓練を行うこと。
3) 地下空間の浸水防止や利用者等の避難行動に必要な時間の確保のために、土嚢等の水防資機材の備蓄のほか、出入口のステップアップ、防水板や防水扉の設置等の施設面 での対策が必要である。これらの対策のため、構造基準、設計指針等の必要な技術的検討を早急に行うこと。

 4)重要水防箇所の明示
 
重要水防箇所は、河川の流下能力不足や堤防の断面不足、漏水の履歴など水防活動の必要性が高い箇所をその重要度に応じてランク分けし指定しているもので、一定の指定基準に基づき河川管理者が水防管理者に案を提示し、水防管理者が水防計画書に記載している。
 重要水防箇所は、水防活動を実施する上で最も重要な事項であり、水防管理者が河川管理者からの提供情報を参考にしつつ、背後地の状況も踏まえ決定すべきものである。
 また、指定された重要水防箇所を一般に周知することにより、地域住民が普段から水災に対する意識を持つとともに、災害時の避難行動等に資することが期待されるため積極的に公表していく必要がある。





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