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河川局

審議会等の情報
河川審議会について


は じ め に


 人口集積が進んだ現代社会の都市において、河川は水面のあるオープンスペースとして、また自然系の空間として、一本筋が通った数少ない空間の一つである。市民は、川に対して美しさ、安らぎといった人間性に富んだ感性を持って、ある種のロマンを求めている。

 その一方、現実の都市内の河川は、様々な厳しい状況に直面してきた。

 下水道整備は、都市化のスピードに追いつかず、家庭や工場からの排水が直接河川に流れ込み、都市内の河川の水質は急速に悪化した。また、流域の開発や都市化による舗装道路の普及等によって、流域の持つ遊水・保水機能が低下し、梅雨前線による豪雨や台風の来襲と相まって、全国の都市で水害の多発した時期があった。

 それに対し限られた予算の中で、このような水害に対応するため、また、地域住民の緊急の要請に応じて、効率性、公平性を重視した洪水処理を中心とした河川整備が行われた。その結果、洪水被害は軽減し、地域住民が安心して暮らせるようになり、このことは宅地の供給等、市街地整備に大きく寄与してきた。

 しかし、依然として、都市内の中小河川の多くは、排水機能のみが重視された河川であり、生物の棲まないコンクリートの排水路同様の河川も多く存在している。

 このような状況のもとで、都市内の中小河川は、本来身近な自然空間であるにもかかわらず、まちづくりに活かされることは少なくなった。一方では、川沿いの土地利用や河川の利用等に関わらず、まちづくりとは独立して河川整備が行われた。その結果、都市内の中小河川と沿川地域の間に様々な不整合が生じて現在に至っている。

 このような認識のもと、河川審議会都市内河川小委員会は、都市内を流れる中小河川を中心に、今後の都市と河川のあり方、都市内の河川の整備方策等について審議を行った。その整備方策の要旨は次のとおりである。

 1)
今後の都市整備は、河川の特性を十分に活かすとともに、流域・水循環の視点を重視する。

 2)
河川を”都市の重要な構成要素”として、都市圏のマスタープランである「整備・開発・保全の方針」や「市町村のマスタープラン」等において、河川 の構想や計画をきちんと位置づける。

 3)
河川を都市施設として積極的に都市計画決定し、河川の特性を活かして都市を整備する。

 4)
都市内の河川は、治水機能に加えて、都市の防災機能及び環境機能の確保、都市活動を支える空間として整備する。

 5)
川沿いに通路や緑地などを整備することにより、都市の防災機能の向上を図る。

 6)
都市内の河川が有する身近な自然を保全し、その回復に努める。

 7)
地域の歴史、風土、文化を踏まえ、沿川地域と河川の調和をはかる。

 8)
河川空間を、舟運やレクリエーション等に利用する。さらに、都市のライフラインの収容空間として活用することを検討する。





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