ホーム >> 政策・仕事  >> 河川トップ  >> 審議会等  >> 過去情報

河川局

審議会等の情報
河川審議会について


1.はじめに

 産業革命以来約二百年にわたって築かれてきたひとつの文明が、現在転換を迫られつつある。それは、資源の涸渇、汚染の増大、生物種の減少などによって端的に示される物質的基盤の崩壊によるものであるが、実は人間性と呼ばれる人間の内面の危機をも内包しているものと考えられる。そのことは、現文明を方向づけてきた楽観主義のゆきづまりを示すものに他ならない。物質的基盤に対する楽観は、地球環境が意外にもきわめて限界のあるものであるとの認識によってうち砕かれたのであるが、人間の内面に対する安易な楽観、人間の幸福は物質レベルでの充足によって達成されるという信念も、様々な面で疑問が抱かれるに至っている。人間性とはより深く複雑なものであり、人間の幸福が物質的な条件によってのみ充たされるものではない、という古くて新しい認識が深められつつある。そして、そのことが同時に、地球環境の危機の名で呼ばれる、人類存続の危機に対する解決の鍵でもあると考えられることは、われわれにとって大きな光明である。それは危機の回避の可能性を示すと同時に、人間性の復活を約束するものであり、より高度な文明の構築への出発を意味するものである。

 現文明の危機の様相は、きわめて多面的であり、人間のかかわってきたすべてに通底するものであるが、本委員会では、人間と自然との接点として最も鮮明であり、かつ具体的なモデルとして、都市内外の河川をとり上げ、その現状を分析するとともに、従来意識されてきた利水・治水の観点以外に、河川が人間の生活、とりわけその内面とどのようにかかわってきたかを議論し、人間の真の幸福をめざす次期文明のあり方を探る大事業のごくささやかな一端としたいと考えている。






河川審議会答申目次へ

Copyright© 2007 MLIT Japan. All Rights Reserved.

国土交通省 〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3

アクセス・地図(代表電話)03-5253-8111