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II.現代技術と伝統技術


 14〜16世紀のヨーロッパにおけるルネッサンス運動、また、中国の「温故知新」という古語にみられるように、新しい時代を拓くために古きを探ねるという試みは古今東西繰り返されてきた。それが人類の歴史であり、叡智の集結はその過程でこそ進められたのである。

 建築技術においては、伝統技術が現代技術に深く関わっており、大変参考になる。

(1) 学問として建築史という分野の研究体制が整っており、資料、データの蓄積も進んでいる。
(2) そうした基礎の上に、現代技術と伝統技術の融合を図りながら、新しい建築技術を確立していこうとする動きがみられる。
(3) 一方、神社や仏閣の建築では、一つの芸術、文化として、伝統技術が長く継承され、現代技術と伝統技術の併存する状況が生みだされている。その伝統技術には、例えば木の性格を生かした切り方、使い方等近代技術にはない人間の叡智が含まれており、今日においても高く評価される理由となっている。

 これに対して、河川技術についてみると、明治以降の近代技術の導入、戦後の普及促進により、伝統技術が近代技術にとってかわられ、旧来の伝統技術は急速に姿を消しつつある。

 「コンクリートで固められた護岸」などに一部見られるような現代技術の行過ぎとそれへの過信を是正し、現代技術と伝統技術を整合させ、バランスよく融合し活用することが重要である。このことにより、河川を「強さ」と「美しさ」を兼ね備え、日本各地の風土に合致した国民の財産たる社会資本として後世に長く引き継いでいくことが可能になろう。

 このような意味で、河川における伝統技術を整理し、評価する作業の意義は大きい。





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