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河川審議会について


III.河川伝統技術の範囲


 我が国では、灌漑のための用水や溜池の工事、湿地開発のための排水工事等が古くから行われていたが、記録に残されている最も古い治水事業は、3世紀頃に行われた淀川の茨田堤の築造と言われている。その後、社会・経済の発展に伴う財政規模の拡大と施工技術の進展により、順次事業の規模が拡大し、特に江戸時代には新田開発と舟運を目的とした大規模な河川改修工事が行われるようになった。この代表的な事例として、利根川の東遷(付け替え)1や淀川と大和川との分離・分流が挙げられる。

 このように、河川伝統技術は、個々の技術だけではなく、文化・社会また政治という各時代的背景と併せて考えることにより、先人の智恵をさらに深く読みとることができるし、そこに我が国の河川伝統技術の本質が見えてくる。

 こうした観点から、河川伝統技術は、ハード的なものだけではなく、ソフト的なもの(各地・各時代の精神生活・社会生活)まで含めて始めて意義を持つものであると言える。その意味から、河川伝統技術の範囲は水制工2、水防技術などの個別技術にとどまらず、利根川の東遷(付け替え)のような河川計画論、あるいは輪中堤3、水屋4等地域の中で工夫されてきたもの、さらには祭り、行事、生活慣習等も含めて考えることが適当である。





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