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河川局


社会資本整備審議会河川分科会(第6回)
主なVOICE

参考資料−1

VOICEとは
各地方整備局が日頃からおつきあいのある
首長、学識経験者、NPO等の方から治水
事業に関していただいた生の声

主なVOICE
 
 洪水防止
戦後に例えれば今まで人が住んでおらなかった場所(氾濫域)にも、どんどん人が住むようになった。家が建った。それは下流の方まで行っている。現在は水田地帯が土地区画整理事業等で、これもやはり人が張り付いている。時系列的な状況変化の中で、これを再構築することは必要なことだと思う。<学界>
水害に強い町づくり事業を推進しているところであるが、二線堤の整備が進みハード面はできているも水害保険や家屋嵩上げなどのソフト面の対策が具体化できていない。<地方行政>
治水の問題は土地利用規制が非常に大事である。市町村との連携いかにとるかということと、既にある土地利用に対する規制、変更を具体化していくことが大事である。<学界>
水害に強いまちづくり事業といっても、即整備というわけにはいかないので、ひとりひとりの命が大事であることを考えると、最終的な施設ではないにしても、公民館の地盤を高くするとか何か中間的な対策があってもいいと思う。<学界>
治水事業と都市整備は同時に行う必要があることは痛感しているが、国土交通省として、都市整備関係の緩和も治水事業と合わせて行ってもらいたい。<地方行政>
下流低平地の都市化が進行している地域においては、慢性的な浸水常襲地帯となっており、抜本的な内水対策が必要。<地方行政>
洪水防止に強い関心を払ってきたが、根本として川を守ることと森林政策が基本的に整合していなければならない。いくら堤防を作っても上流でどんどん伐採が指針で山が裸になっているのではどうしようもない。<地方行政>
 
治水について、上水道と同じように生活上の権利として一定レベルまでは整備するという考え方もある。土地利用規制をする場合、地価が下がるので付加価値を付けて価格を上げるような方策も検討すべきだと思う。<学界>
1/50,1/100といった安全度の重要性は理解するが、世間一般に対してはその安全度を確保しなければならないことの説得性が必ずしも通用していない。事業の評価、事業の重要性を数値で表すことが重要。また数値にならないものをやらなければならないことについても、うまく仕分けして説明していく必要がある。<学界>
温暖化によると思われる、局地的な豪雨等の特異な現象が見られるようになった。そういうものに対応できるような防災体制の整備を望む。<地方行政>
当町内においては100年に一度の洪水を防ぐために河川掘削等の莫大な投資をするよりもある程度洪水をがまんして他に投資すべきと考える。一生に一度のために大きな金をかけるのは無駄である。予算のメリハリが必要。<地方行政>
洪水が発生した場合には、浸水する地域が残されている現実の中で、最低限の安全度を確保することはなによりも重要である。<地方行政>
・ 一級河川はそこそこOK(「破堤すれば大災害」は理解しているが、少なくとも頻度は小さい)。むしろ、中小河川(県管理)の整備の遅れは顕著(毎年のように浸水)。住民の不満は高まっている。現状の事業進捗度合いでは、できるのは20-30年後で、これを正直に説明すると住民は怒る。<地方行政>
治水は長期にわたる。ダムなどは30年もの時間が必要であり、地域の人々は災害がおきてはじめて河川改修の必要性を認識する。行政はしっかりと先を見て対応すべき。<地方行政>
 
河川管理者から様々な情報が地域に示されることは良いことであるが、住民、水防団がともに高齢化する中で、市町村に加えて自治会等住民自らが、災害弱者の存在を踏まえたリスク管理をする必要があり、行政はこれを促す施策が必要。<マスコミ>
浸水想定区域図をみると非常に大きな湛水深となるので心配している。100年に1度の規模を対象としているとのことだがそういう洪水はほとんど経験することができないので住民もわからないのではないか。<地方行政>
ハザードマップがこれから大変重要になる。内水氾濫も考慮するべきである。  <学界>
ハザードマップについて、市町村の責任として各市町村で作成するが、市町村の境目の方々にとってはむしろ別な市町村に逃げた方がいいという場合もあるので、そのような場合は、隣接する自治体が連携して作るようなことを考えていった方がよい。<NPO>
 
治水の必然性、優先度などを十分検討されていると思うが、そういった情報、資料、根拠、広報活動を、これからも我々に理解できるように続けてほしい。<NPO>
・小学校の頃の洪水体験と親から聞いた話で、一般の人は、治水もさる事ながら、情報提供はすごく大事と思っている。もっと教育の方も治水、利水といったテーマを普及させる方法を考えてほしい。もっと地元の人達の声を聞く、女性にも生活に密着した水について考える場が必要と思っている。<河川利用者>
○○市では、不法投棄のモニタリングに郵便配達員が協力している。これと同様に洪水の氾濫区域や漏水等の把握にあたり、ハイテクに加えて、郵便局のような地域に密着した機関との連携を図れないか。<マスコミ>
  
 土砂災害等防止
中山間地域は、まだまだ治水安全度が低く、整備の必要がある。治水施設の完了した都会の論理で治水事業費を減らすべきではない。
整備の方法としては、ふるさとの川整備事業など、付加価値の高い整備も進めてもらいたい。<地方行政>
中山間地域では砂防なくしては発展はない。今後の砂防では、環境や景観等に配慮した整備が必要。<地方行政>
過疎高齢化で放置人工林が増加。地域経済も疲弊。水源地ビジョンを作成し、着実な流域保全と地域の活性化を図ることが重要。<地方行政>
最近の都市偏重は非常に問題であり、水源地や中山間地域の保全と安心があって、はじめて都市が発展する。<地方行政>
想定を越える災害もありうるので、砂防施設に対する過信は禁物である。砂防施設の整備と同時に啓発活動を継続していく必要がある。<学界>
 
 環境保全
川には魚がいてはじめて川である。魚は陸づたいに逃げたり飛んだりはできないし、河川の環境が悪化すれば絶滅するしかない。○○川は魚の量、質ともすばらしいが、それは底質や流速、瀬・淵などの多様な環境があるからだ。世界に発信できる魚から見た河川整備を望む。<学界>
都市周辺の貴重な自然は河川であり、子供たちの豊かな心をはぐくむ場所でもあるので、自然の再生復元に取り組んでほしい。<NPO>
自然をつくれるのは自然だけ。現状に改良を重ねて自然を回復するのではなく、環境を破壊してきた開発自体の仕組みを根本から改版していくことが重要。これからは人間主体ではなく生態系を中心においた河川管理こそ大切。<学界>
生態系の回復については、ある程度試行錯誤を許容する順応的管理の導入が必要。生態系を脅かし、その健全性を失わせるものとして外来種の問題は大きくその対策が必要。<学界>
 
上流から流れるものが、すべて河口に集中し、海域でも漁業等で問題が生じている。下流ではどこからどれだけ流れてくるのかも分からず、被害者意識ばかりが強くなっている。そこで、流域のどこからどれだけの汚濁負荷が流入しているかを明らかにし、上下流の交流によりお互いを理解し、汚濁の削減を図る必要がある。さらに、流域トータルの汚濁負荷の削減目標等を定める必要があるのではないか。<地方行政>
川の水環境は流域全体を考えないと守れない。河川の水質は、BODでもって綺麗さをいうのではなく、別のことを考えていかなければという気がする。下水道整備にも昔のローテクノロジーを取り組むと河川の役割をやわらげることができる。<学界>
これからの環境を考える際に、河川内だけを考えていては不十分であり、山から川を通じ海に至るまで、流域を含めて様々な機関、関係者とともに、トータルで議論しなければいけない。<マスコミ>
河川上流部の環境を変えていかないと、特に農業地帯の水環境、浄化対策を真剣に考えないと大変なことになる。<地方行政>
観光面を考えたとき、水がきれいでないと客は満足しない。今後、障害者や老人が川に近づける、親しめる施設を造ることが大事。川に親しむことにより、川を汚さない気持ちが生まれる。<NPO>
森林行政と一体化してほしい。20世紀の後半は川の存在感がなくなった。環境汚染はすべて川に現れる。川は人の生活の基本。21世紀は川が見直される時代だと思う。<地方行政>
 
河川環境対策、生物保護のための河川工事に対し積極的に投資・助成すべき。環境を考慮したダム操作を実施すべき。<地方行政>
環境(景観)の名のもとで、何でもどこでも高価かつ無駄な工事がなされている。もっと考え適宜適切な公共事業を行うべきである。<地方行政>
排砂だけでなく、総合土砂管理の確立に国をあげて取り組んで欲しい。<地方行政>
良い河相を維持するためには、砂を流す必要があり、そのためには水も必要で中小洪水を流すことが求められる。しかし、そのための事業費の確保や水資源開発等の課題が残されている。<学界>
河川におけるゴミの問題について、行政と話し合える場があることが重要。市町村をどう巻き込んでいくかということも考えなくてはならない。<NPO>
現場でのリサイクルについて、ただやってますではなく、プロセス等情報提供していただければ公共事業に関心をもって、誤解などが払拭されるのではないか。<NPO>
 
 河川利用
子供達の「総合学習」また「親子のふれあいの場」としてキャンプ場を備えたカヌー・カヤックの発着場、魚類を観察できる施設等を市とタイアップし実施できれば、子供達の情操教育の場として活用でき又市民にとって○○川がより身近な河川となるのでは。<地方行政>
子供たちが成長していく過程で、どの様な○○川の体験が必要なのかという事を大きな議論の輪にしていかなくてはならない。川で楽しむ事により人間形成がなされ、色々な地域社会に根ざした大人になっていくのではないか。<NPO>
川を軸とした環境学習等に町としても積極的に取り組んでいる。そうした学習が広く展開できるよう、河川の環境整備等をお願いしたい。<地方行政>
川は子供の遊び場で川への関心、知識を深めてきた。今、川には子供の姿は見えない。水辺の楽校のような場所と世話人で川との付き合いを進めていかなければならない。川が人間にとって必要という認識でなければいけない。<学界>
学生を見ていて、どんどんパワーがない、カウンセリングが必要と思うような子が増えている。自然に親しむ機会が今の子供には少なくなっているせいではないか。そういう意味ではここの水辺の楽校等、これからの日本の社会のために大切なこと。<学界>
学校では川に入るな、遊ぶなという指導があり、今では、川で遊んでいる小・中学生はほとんど見えない。川というのは、子供の遊び場から、現在は大人の遊び場に変わった。これからの川について、子供から大人までみんなが遊べる川づくりをお願いしたい。<経済界>
子供の頃は仲間たちとよく川で泳いでいた。深いところや流れの速いところでも泳いで楽しんでいた。そういう体験があってこそ危険から自分を守る術を学ぶことができると思う。また、そこでは年上、年下といった上下関係を学んだり、川での遊び方や危険な場所など、年上から年下に伝授されていった。今は川は危険なところとして学校が子供達を川から遠ざけているが、もっと川で遊ばせるべきであり、遊べる川があることが必要である。<マスコミ>
改修工事で川の流れが単調になった。魚が棲めるように河岸によどみや緩やかな渦を巻くようなところが欲しい。また、河岸近くは根固めブロックなどの設置で、カヌーやイカダ下りをやっていても川の深さがよく分からなくなっている。<NPO>
我々自身がもっと水に親しむというプロジェクトを教育的なサイドからとか、いろんな意味で工夫してほしい。うまくインストラクターを生み出していただくような計画をしていただきたい。<地方行政>
 
河川敷の利活用にあたって、住民が自由に実の成る木を植えたり、園芸を行うなど川を利用して楽しめるような新しい占用の仕組みを導入してほしい。その場合、当然住民が除草や清掃など管理に参画するべきと考える。<NPO>
河川をはじめとする自然環境や歴史・文化などの地域資源を活かした取り組みを地域住民が主体となって、学校・企業・行政とのパートナーシップにより推進していくことが、次の世代の人たちに豊かな自然環境を引き継ぐために不可欠である。そういう点で行政の役割に期待は大きい。<NPO>
河川の管理、整備のあり方は国や都道府県にだけ任せるのではなく、市町村や一番身近な住民が様々な形で関与したり、川を中心にして街づくりをしていかなければならない。<地方行政>
川に関するネットワークをもう少し強力に出来ないか。例えば北海道等ではリバーマスターという制度をつくって育成のシステムが動いている。また、行政言葉を翻訳するワンクッションおくようなグループも必要。<NPO>
砂防指定地の利活用については、地域活性化に大きく寄与するものと期待している。特に、○○川の利活用について、地域の意見を採り入れた整備計画を策定し、地域活性化の拠点整備を進めてもらいたい。<地方行政>
行政の方で制度的に川の事故の保障を考えていただけば、川で活動しやすくなる。<NPO>
河川の親水性を高めるための河川整備の必要性は認めるが、造った後の維持管理が十分に行われていないため数年後には使われない状態になっている施設が見受けられる。ハードの整備も重要だが、維持管理を地元や利用者に行ってもらうシステムを今後は考えていく必要がある。<その他>
 
 水資源
最近河川の水が少なくなったように感じる。<河川利用者>
上流で発生した水質事故が下流に広がるのを避けるため、できるならば取水は支川で、排水は本川で行う大きな水循環のルール作りというものを位置づけてほしい。<地方行政>
河川から利水することが、この地域に水を供給することによって、どんな役割分担ができていくか。どの地域にどういう用水をどういう形で計画的に供給していくか。排水される水のリサイクルについて、これらを議論しておかなければならない。<学界>
利水を川だけに頼らない力と、天然物を考えていかなければならない。自分の家から排水された水が浄化されていく様子を見る機会があってもいい。市民レベルの意識を高める必要があり、子供だけでなく大人も学ぶ場が大事。<河川利用者>
ダム湖上流に沢水を利用した3町歩(3ha)の田園があるが、4〜5月に水不足を生じる年がある。渇水の年だけでよいから、○○川の水を循環利用させていただきたい。渇水時には、下流だけでなく、上流も困っている。<地方行政>
農業用水の余剰水を使って、市街地を流れる河川の水量を増やすことができないか。最近森林の間伐をしないせいか河川の水量が減ってきたように思う。水量を増やせば水質も良くなると思う。<その他>
ダムは治水と同時に利水安全度の向上の面からも重要。自治体によっては、独自の水資源を持たない所もあり、将来にわたり安定的な水資源の確保が課題。<地方行政>
川の文化として、雨水の利用=水の再利用(まちに緑のダムを造りましょう)を積極的に行い、見える水の循環を行い、水の利用率(再利用)を向上させる事を考えて行くべき時代である。<マスコミ>
 
 全般的意見
治水に関してはプロに任せる。景観に関して地元の意見を聞くのはうれしい取り組みである。水質に関しても流域148万人が少しずつ努力すれば大きな効果あり。<NPO>
川を軸として地域の合意形成ではなくて合意創造を行っていきたい。地域や組織の提案を受け止められるキャパシティをどの程度国や県が有しているか期待している。<NPO>
河川審議会で市民団体等との連携計画を謳っておりますが、しっかりとした提案制度の仕組みなどがないと思います。非常に単発、一過性で貧弱な感じがします。プロジェクトなり先進事例となるようなことをぜひやってもらいたい。<NPO>
地方分権の流れの中で、治水・利水も流域単位での連携を強化すべきである。<地方行政>
川の機能として、上流には森があり、下流には海があり、海と川と森、そこに生活を営む者が三位一体となり心の交流と、おのおの役割を自覚しながら取り組んでいく必要がある。<地方行政>
国の事業であっても、自分たちが協力し、参画したという意識を市民が持つようにすることが大変大事。このようにすることで、日常の管理や補修、維持管理、環境美化に対しても、自分たち問題という姿勢を市民が持ってくれる土壌ができる。 <地方行政>
環境も含めて何を重視して整備するのかについて、住民との合意形成の実現が重要。河川の分野でも医者が患者に病気の内容を説明し治療方法を選択させるように、説明責任と合意形成がますます重要である。<学界>
 
堤防は人を守る装置であるが、人と川を切り離す装置でもある。どこにでも高い堤防を作るというのではなく、また、堤防のすぐ近くまで宅地開発をしないための工夫が必要ではないか。川を子供達の教育のテーマとして欠くべからずことと、交通手段として船を利用することで川・水に親しむ機会をつくっていくべき。<NPO>
川は三つの時代を経ている。多くの恵みをもらい畏れながら生活した「畏敬の時代」、豊かさを得るため三面張りにした「受難の時代」、河川ルネッサンスといわれる「親水への回帰」今がその時代で、キーワードは癒しと文化。川が持つ五感を満たす癒しの機能と、ゴミや水質などの環境問題が、地域が連携できる共通項目だ。<学界>
川というのは、その土地の住民が直接自分の生活の中にとり入れ、暮らしと向き合ってきた。現在そういうものがないだけに、住民と川とのつながりがなくなった。昔の人が川をどういう形で自分の暮らしの中に取り入れてきたか、もう一回振りかってもいい。<河川利用者>
 
住民の安全確保が第一。その上で、時代の流れとして自然豊かな地域でのまちづくりを推進したいので、景観、環境への配慮を是非お願いしたい。必要性が認められればダム事業も必要。ただし、住民の意見をよく聞いて欲しい。<地方行政>
河川施設(例えば高潮堤、下水)が整備されてしまえば、国民は当たり前に思っている。維持管理も含め、その重要性の認識が必要。<その他>
高齢者がこれからもっと多くなっていく。災害対応で、高齢者の被災者の対応の問題が1つと、水防団、被害を守る方の高齢化の両方について、今から全国的な事例も含めて考察してゆく必要があるのでないか。<河川利用者>
今までは、国の提示するメニューから選択し、それをお願いするという方式であった。しかし、住民に最も近いところで行政を行っている市政では、メニューのあてはめでは済まなくなってきており、身近な行政にあった取り組み手法、ソフトを国から教えてほしい。つまり、結果をいただくのでなく、取り組み法、やり方について国の指導がほしいという新しい状況が出てきている。<地方行政>

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