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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第5回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成15年6月23日


2.議事
河川整備基本方針について
(手取川水系、櫛田川水系、肱川水系、筑後川水系)

(委員長) ○○でございます。
 本日は、委員の皆様には御多用中のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 議事次第に沿いまして、手取川水系、櫛田川水系、肱川水系及び筑後川水系の河川整備基本方針について審議をいただきたいと思います。

(委員長) 最初に、手取川水系等4水系の河川整備基本方針の概要について、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局) ○○でございます。
 最初に、4水系の概要につきまして、パワーポイントで御説明いたします。その後、資料3−1を用いまして、各水系の特徴と課題につきまして御説明申し上げたいと思います。  従来、一級水系の河川整備基本方針は、画面に出ておりますように、16水系で策定済みでございます。今回、続いて策定をお願いしていますのは4水系でございます。石川県の手取川水系、三重県の櫛田川水系、愛媛県の肱川水系、それから北部九州の筑後川水系、以上の4水系でございます。これら四つの水系の概要の諸元を一覧表にまとめたのが、このパワーポイントでございます。  手取川につきましては、流域面積が809km2、109水系のうちでは77番目でございます。幹川流路延長は72km、同じく109水系のうちで71番目という、流域面積、流路延長とも比較的小規模な河川でございます。  櫛田川につきましては、流域面積が436km2、97番目、幹川流路延長は87kmということで58番目、流域面積は手取川よりもさらに小さくなりますけれども、非常に細長い川で、幹川流路延長につきましては手取川よりも大きい川でございます。  続きまして、肱川でございます。流域面積が1,210km2ということで、全国で55番目、109水系のうちの真ん中あたりの流域面積でございます。幹川流路延長も103kmということで、全国で50番目。109水系の中では面積、延長でいいますと、ほぼ中位に位置する川でございます。  最後に筑後川でございます。福岡、佐賀、熊本、大分、北九州の4県を流域といたしまして、流域面積は2,860km2、全国で21番目。幹川流路延長143kmは全国で22番目でございますが、九州地方では筑後川が流域面積、流路延長とも第1位でございます。  まず、手取川の概要でございます。手取川は、石川県が能登半島を含めまして、このような形でございますけれども、金沢市の西、小松市の東に挟まれた流域を流れております。  手取川水系内の主な都市といたしましては、下流部に松任市、河口部に美川町、それから、中流部といいますか、下流の扇状地に川北町、ちょうど山から扇状地に出てくるときに鶴来町が位置しております。  この航空写真でもわかりますように、流域全体で山地が92%を占めております。林野面積で約7割といったような、主に山地を中心とした川でございます。  手取川の水源から河口に至るまで主なポイントを五つほど選んで、その概要を御紹介いたします。  一番上流の水源地でございます。手取川の水源は標高2,702mの白山の御前峰でございます。この写真の中で、このあたり、よく山が荒れているように見えております。そこを拡大いたしますと、このような形になりまして、左側が別当谷、右側が甚之助谷ということで、この白山周辺は急峻な地形と脆弱な地質、気候が非常に厳しいということで、山地の崩壊が著しくて、古くから土砂災害が多く発生しております。昭和2年から直轄砂防事業で砂防事業に取り組んでございます。  こちらの別当谷、甚之助谷は、いずれも砂防事業により対策が進められております。特に甚之助谷につきましては地すべりも起こしておりまして、その対策工事につきまして、無人化施工という形で、現場で工事を行っているような状況でございます。  次に、もう少し下がりまして、中流部に入ります。これが手取川と手取川の支川の大きな一つの支川でございます大日川との合流点、河口から22から23kmあたりのところでございます。このような形で、山と山とに囲まれた中を、河岸段丘を形成しながら手取川及び大日川が流れております。このあたりで手取川の勾配が約160分の1程度でございます。  次に、もう少し下がりますと、これが山から扇状地を出て、こちらが日本海でございますが、そちらを写したものでございます。現在の手取川は、このような赤で書いてあるような形で扇状地の西側を流れておりますが、このあたり一帯はずうっと大きく手取川の扇状地でございます。このあたりが鶴来というところでございます。このあたりでも河床勾配が180分の1程度という形の急流な川になっております。  次に、河口部にいきますと、美川町で、北陸自動車道が川を横断しているところでございます。日本海側、特に冬場の波で砂州が発達いたしまして、河口閉塞が従来から多くの川で問題になっております。この手取川につきましては、こちらに見えますように、導流堤の整備を行っておりまして、まだ暫定的でございますが、この写真で見る限りは、昔ほど河口砂州が大きく出てきて河口部を塞いでしまうということは若干緩和されてきているような状況が見受けられます。  続きまして、手取川の過去の洪水の状況でございます。これは昭和9年に起きました洪水の浸水範囲をブルーで示しております。このときに上流部の白峰で2日雨量で約466mmの雨が降りまして、手取川、ちょうど扇状地に出たところから扇状地一帯にかけまして広範囲に浸水しております。浸水面積が約53km2でございます。  このときには、単に洪水だけではなくて、土砂も多く発生しておりまして、上流で約1億m3程度の崩壊土砂が発生しております。後ほど資料3−1でも出ておりますけれども、百万貫という大きな岩、今測りますと約4,800トンほどの重さがある岩でございますが、それが手取川の支川から流れ出てきて手取川の上流部まで押し出されてきたということもございます。  下流部におきましては、堤防が約18kmにわたり破堤しております。下流部の堤防延長の約3分の1が破堤しております。死者・行方不明者が112名。当時の国鉄の橋梁、手取川橋梁でございますが、河口から1kmのところでございます。国鉄橋梁も落橋しております。  これはちょっと上がったところの川北町の小学校の付近でございます。どこに川があるかわからない、一面水びたしといったところでございます。もう少し上がって河口から14km付近の県道橋・天狗橋でございます。これも流失しております。さらに、先ほど466mm雨が降ったという白峰村のところでございます。土砂災害も含めまして、家屋が大きく崩壊しております。そのような昭和9年の洪水の状況でございます。  次に、手取川の利水の状況でございます。かんがい用水が13件、発電用水が24件ということで、水量的に見ますと、毎秒700m3のうち620数m3、約9割が発電に利用されております。最大発生電力が約52万キロワットでございます。上流部に昭和55年に完成しました洪水調節と水道用水、発電を目的といたしました手取川ダムができております。総貯水容量が2億3,100万m3でございます。メインの発電が支川筋等でもございますけれども、ここからシリーズ的に発電がなされていっております。  これらで開発されました農業用水あるいは発電用水は中流部、扇状地に出るところにございます鶴来町の白山合口堰堤、河口から16.7kmのところでございますけれども、こちらの方でかんがいに利用される水等が取水されて、左岸側、右岸側等へ分配されていっております。かんがい用水として、左岸、右岸合わせまして約65トン程度の水量が取水されております。  また、かんがい用水に使う途中途中で発電としても利用されております。水道用水といたしましては、この白山合口堰堤のもう少し上流の方で取水して、石川県の能登半島まで含みますほとんどの市町村まで水道用水が、この手取川ダムから供給されております。  手取川水系の環境あるいは河川上の特色でございます。急流河川でございまして、写真で見ていただいてもわかりますように、平常時の流水といたしましては、河道内を広く蛇行しながら、砂州を発達させながら流れております。また、この急流河川の治水対策といたしまして、古くから霞堤、赤丸で囲んだこちら側、あるいは対岸側でも、こちらの方に霞堤、あるいはその上流部でも霞堤が設置されております。大体このあたりで河口から6から7km付近でございます。  また、この周辺、この写真では写っておらないわけですが、古くから手取川の伏流水を利用しまして酒造業が盛んでございますとともに、最近では電子部品等の工場の立地の著しいところでございます。  以上が手取川の概要でございます。
 続きまして、櫛田川の概要でございます。櫛田川は三重県の真ん中あたりを西から東に細長い流域でもって流れております。流域の中には、中流部に多気町、下流部に松阪市等が位置しております。ちょうどこのあたり、中央構造線が途中で櫛田川を横切るように、櫛田川にほぼ平行に中央構造線が通っている地域でございます。また、この多気町では最近、ハイテク産業の立地が著しいところでございます。  櫛田川の主な地点を上流から河口にかけて5点ほど御紹介いたします。まず、源流でございます。こちら側が三重県でございます。向こう側が奈良県になります。櫛田川の水源は、県境にございます標高1,249mの高見山でございます。大台ヶ原がもう少し南側、この源流と書いたところよりももう少し画面外れますが、大台ヶ原に接したところでございまして、年間降水量が2,500mm前後という多雨地帯になっております。  少し下がりまして、平成3年に蓮ダムが多目的ダムとして完成しております。洪水調節と水道用水、不特定用水の供給、それから発電を目的にしております。総貯水容量が3,260万m3の多目的ダムでございます。  続きまして、本川を下っていきまして、河口から14kmあたりに櫛田川の基準点でございます両郡橋という橋がございます。ちょうど河岸段丘の間を流れるような形になっております。また川沿いは、写真で見ていただいてもわかりますように、河畔林が繁茂するとともに、河床部は岩盤が露出しております。このあたり、後ほど御説明いたしますが、昭和34年の伊勢湾台風で、このあたりから下流にかけて、ずうっと氾濫をしております。  次に、もう少し下がりまして、河口から10km地点のあたりでございます。真ん中に見えます堰が櫛田川可動堰でございます。ここで櫛田川本川がこのような形で流れるとともに、派川の祓川がこのような形で流れていっております。祓川は農業用水の用水路としても活用されております。  一説によりますと、櫛田川は昔はこのような形で祓川の方が本流であったと言われております。1082年の大洪水、地震等によりまして、現在の流路でございますこちらの方に主要な流れが切りかわったと言われております。ちょうど櫛田川と祓川の間のあたり、扇状地でございますし、あちこち流路が定まらなかったのではないかと思われます。  次に、櫛田川の河口部でございます。見ておわかりになりますように、干潟が広がっております。ここの干潟でハマボウなどの海浜性植物、ゴカイなどの底生生物が見られますとともに、コアジサシの繁殖地とも見られます。この写真で、こちらの方にちょっと黒い四角いのが見えますが、これはのりのそだでございます。ここでものりが栽培されております。  櫛田川の大きな洪水は昭和34年の伊勢湾台風が大きな洪水でございます。この大洪水を契機といたしまして、昭和37年から直轄事業として河川改修に着手しております。先ほどの概要の写真でお見せいたしました両郡橋、基準点のところがここでございますけれども、このあたりでも床上浸水がなされておりますし、こちらが祓川の分派点でございますが、ちょうど祓川と本川に囲まれた一帯が床上浸水あるいは床下浸水、あるいは本川の左岸側でも浸水が起きております。死者・行方不明者が16名、被災浸水家屋が3,814戸でございます。  河口から11km付近に国鉄の紀勢線の橋梁がございますが、これは流失しております。14kmあたりの射和町、先ほどの両郡橋のところの左岸側でございますけれども、流木災害も含め、このような形で浸水が起こっております。それから、松名瀬橋という河口から2kmあたりのところでございますけれども、当時の木橋が流失しております。  この後、櫛田川で、後ほど御説明いたしますけれども、平成6年9月にも大きな出水がございます。下流部、今示しております河口から2kmあたりで、計画高水位をオーバーして漏水被害等が多発していると、そのような洪水の状況でございます。  次に、櫛田川の利水の状況でございます。かんがい用水が28件、発電用水が5件と、それから水道用水、工業用水という形で利用されております。古くはかんがい用水でございましたけれども、近年では松阪市の臨海工業地帯への工業用水、松阪市、伊勢市など重要な市町村の水道用水として利用されております。  こういう取水のために河口から8kmのところに第一頭首工、河口から6kmのところに第二頭首工等の頭首工ができて、頭首工で形成される湛水域といったような環境もつくり出しております。  それから、櫛田川を特徴づけます歴史的な関係といたしましては、先ほどの派川の祓川の横に斎宮跡がございます。かつて、伊勢神宮に斎王が入る際に、この祓川でみそぎをして斎宮に入ったということで由来がついているように聞いております。斎王と申しますのは、天皇の即位の際に、未婚の皇族女性が天皇にかわり伊勢神宮に仕えたということで、7世紀の飛鳥時代から14世紀の南北朝時代まで660年間に60人を超えた斎王が任命されております。この斎宮跡でございますが、昭和45年から発掘調査が行われておりまして、昭和54年に国指定の史跡となっております。  これも後ほど御説明いたしますが、従来の櫛田川の工事実施基本計画では、この祓川に毎秒200m3の洪水を分派させる計画でございました。今回、祓川の環境上、またこういう文化的な位置づけ、櫛田川本川の河道の流下能力の向上策等を検討いたしまして、今回、お諮りする河川整備基本方針では、祓川への洪水分派をゼロとして提案しております。  これは毎年、この斎宮跡で行われます、6月に斎王祭り等が行われているといったようなことでございます。  以上が櫛田川の概要でございます。
 続きまして、肱川の概要でございます。肱川は愛媛県の西部を流れている川でございます。ちょうどこのあたりが佐田岬でございます。  肱川の流域といいますか、河川の流れ方が非常に珍しい流れ方でございます。このような形で、反時計回りにグルグルッと回って伊予灘に注いでおります。幹川流路延長、先ほど御紹介いたしましたように、103kmあるわけでございますが、水源から直接海までをはかりますと、18km程度ということで、グルッとひじのように曲りながら流れているので、一説として肱川という名前がついたと言われております。  中流部に大洲市がございますし、河口部には長浜町がございます。途中途中に盆地があって、その間の山間峡谷部を川が流れて、最後、長浜町に出るところも山間の狭窄部を流れながら海に出るといった珍しい川でございます。  その概要を6点ほどポイントを選んで御説明いたします。まず源流でございます。鳥坂峠でございますが、大して高くはございません。460mでございます。ここから南に流下していくわけでございますけれども、この向こう側が、もう中流といいますか、下流部のすぐ手前の大洲市になるわけでございます。そこに至るまでグルグルッと大きく曲って流れているということでございます。  ちょっと下がっていきますと、宇和盆地に入ります。河口から約90kmの地点でございますけれども、こういう盆地、その後、峡谷部を通じ、また次の盆地へ出ていくといった流れ方でございます。これが中流といいますか、中流部から河口部に遷移するあたりの大洲市でございます。ここから狭窄部になりまして、長浜町を経て伊予灘に出ております。  大洲市の昔の市街地は、この肱川の左岸側にございます。このあたりが古くからの市街地でございましたけれども、最近、高速道路ができた、あるいは肱川の治水対策が進んだということで、肱川の右岸側、このあたりに新しい市街地の開発が進んでおります。  このあたりの旧市街地の前には古いお城もあるということで、桝形護岸ということで、昔のお城の塀をまねしたような形で護岸をつくっているところもございます。この前に見えますのは屋形船でございます。ウ飼いのとき等に利用されております。  このあたりの上が大洲市でございますが、このような山間狭窄部をずうっと流下いたしまして、長浜町で伊予灘に注いでおります。両岸から山が迫っております。また長浜町自体も、特に沖積平野ということではないんだと思いますけれども、河口の砂浜の上にできたような形の市街地になっております。  また、ここではこのような形でずうっと山間狭窄部が大洲盆地から海へ抜けますので、陸地と海の温度差等で、秋から冬にかけて、このような肱川あらしが見えるのがこのあたりの風物でございます。  肱川の洪水の状況でございます。盆地と狭窄部を繰り返し流れていって、最後が狭窄部であるということで、江戸時代にはこの大洲あたりで3年に1回程度の洪水がございました。また、昭和18年7月にも大洪水がございました。これは最近の平成7年7月の洪水でございます。このあたりが大洲市でございますが、赤い色に塗ったところを中心に、1,195戸が浸水しております。大洲の新しく市街地ができつつあるといったところでございますけれども、そのあたりが浸水しております。  支川の久米川が、川が見えませんが、このあたりをこう流れておるわけですが、その山際からこちらの肱川の堤防際まで一帯が浸水しております。また、これは大洲の国道56号のバス停あたりが浸水している図でございます。  こういう平成7年の洪水を受けまして、現在、激甚災害対策特別緊急事業などで、下流部の築堤とバランスを取りながら治水対策が進められております。治水対策自体も、山が迫っておりますので、堤防をつくってしまいますと、守るべき家屋を移転しなければならんということで、これは大洲からちょうど狭窄部に入る五郎駅前地区ということでございますけれども、従来、このような形で低いところに、道路、JRが走っていた間を守るために、この宅地全体をかさ上げいたしまして治水対策を行ったり、あるいは下流部の堤防あるいは大洲の堤防でも、大きな洪水が来たときには下流に負荷を与えないような形、ある特定の区域だけが助かって、特定の区域が大きな被害を受けるということのないように、切りかけ等を設けながら治水対策を進めているのが現状でございます。  続きまして、肱川の水利用の状況でございます。肱川の水利用は、かんがい用水、発電用水に多く利用されております。肱川の中流部でございますけれども、昭和35年に鹿野川ダム――洪水調節と発電を目的にした4,820万m3のダムでございます――ができております。さらに、その上流、野村ダムでございます。こちらは洪水調節とかんがいと水道用水でございますけれども、この野村ダムの水は流域の外に導水されまして、宇和島市だとか三崎町だとか、そのあたりの南予地域にもかんがい用水等として導水されております。  肱川の河川利用の状況でございます。大洲市内で6月から9月に開かれるウ飼いでございます。河口部でございますけれども、毎年11月から3月にアオノリとりが行われております。年間で乾燥重量が約4トンとれるといったところでございます。現在、肱川の水質が非常に悪くなってきているということが課題として挙げられます。また後ほど資料3−1で御説明いたします。  次に、最後の筑後川水系でございます。北九州の一円でございます。筑後川流域は4県にまたがっておりますが、上流部で熊本県、同じく上流部で日田市を含めまして大分県、そこから狭窄部を抜けて平野に出まして福岡県、下流部で佐賀県の4県を流域にいたしております。上流では日田市、中流部で久留米市、下流で大川市等、流域内の人口が約100万人といった川でございます。  筑後川の主なポイントを四つほど御紹介いたします。まず源流でございます。筑後川の源流は熊本県と大分県の県境の瀬の本高原。この絵でいいますと、木が生い茂ってブルーに見えているあたりが水源とされております。後ろの方がくじゅう連山。こちらが猟師山でございますけれども、どうしても火山地質でございますので、水源としてあらわれるところはこちらの瀬の本高原ということになります。  上流を下りまして、日田盆地に入ります。江戸時代から天領として栄えたところでございます。河口から75kmございます。日田美林で有名なスギ、ヒノキが、この日田で集められまして、ここからかつてはいかだを組みまして筑後川を流して下流の大川市などに運ばれていたということでございます。  筑後川がこの日田市内で、庄手川、玖珠川、三隅川と、三つの川に分かれながら、また一つに集まって夜明ダムの方に流れていって、福岡県に出てまいります。  福岡県に出て中流域でございますが、人口23万人の久留米市が位置しております。昔はもう少し川幅が狭かったわけですけれども、一連の大規模引き堤を行ったところでございます。まだ、この上流、下流部に引き堤箇所が残っております。引き堤ででき上がりました高水敷につきましては、久留米市リバーサイドパークということで、公園、グラウンド等、多くの人に利用されております。筑後川全体で、年間の河川敷空間利用者数136万人でございます。  さらに下がりまして、河口部の大川市あるいは佐賀市のあたりになりますと、途中で筑後川が早津江川を分派して有明海に注いでおります。御存じのように、有明海は干満が非常に激しい、6mに及ぶ川でございまして、筑後川につきましては23km間が汽水域、ちょうど筑後大堰の地点までが汽水域になっております。  下流部に、治水対策上ではないですけれども、ヨハネス・デレーケによって設計されたデレーケ導流堤ができております。主に舟運のためでございます。筑後川は干満が激しくて、そのせいでガタ土がたまって、航路が維持できないということで、筑後川の真ん中に導流堤をつくりまして、こちら側の水深を維持して船を通すようにしたというところでございます。  筑後川の洪水でございますけれども、昭和28年6月が戦後起きた一番大きな洪水でございます。日田市の全域、下流部に入りまして福岡県、佐賀県、いわゆる山から山に至るまでの間がほとんど浸水しました。家屋の流失・全壊が1万2,801戸、床上浸水4万9,201戸、床下浸水4万6,323戸、破堤122カ所、被災者数約54万人と言われております。このときに、筑後川の荒瀬地点で推定流量が約9,000m3というふうに推定されております。  河口から55kmあたりの原鶴温泉街でございますけれども、白黒で見にくいですが、家屋も車もめちゃくちゃになっている。さらに、75kmの先ほどの日田市内でございます。濁流が市街地の中を渦巻いている。あるいは、河口から28kmの久留米市街地でございますが、一帯が水没しているといったような状況でございます。  最近では、平成3年に台風19号が風速61mの大きな風速がございまして、ここで赤で示したエリアで風倒木が発生いたしております。このような形でございます。筑後川流域で被災面積が約2万ヘクタール、約1,500万本の風倒木が発生したと言われております。  その後、それが平成5年の洪水等で山崩れ等を発生させるとともに、下流のダム湖に流入いたしまして、例えば松原ダム、下筌ダムでは約7万7,000m3の流木が流入して、このおかげで下流部に流れずに下流の橋梁、堤防等が助かったというふうにされております。  利水の状況でございますけれども、かんがい用水、発電用水、それから都市用水に利用されております。全体で毎秒522m3ほど利用されております。特に水道用水等につきましては、福岡方面に導水されております。そのための施設といたしまして、昭和48年に完成いたしました松原ダム、あるいはセットでございますが、下筌ダム、いずれも洪水調節、水道用水、不特定、発電等を行う多目的ダムでございます。  それから、下流部に入る、平野に出る直前に、九州電力によりまして夜明ダム。これは発電の目的のダムでございます。支川で合所ダム。こちらは水道用水とかんがいが目的でございます。それから、感潮域とを分けます筑後大堰。昭和60年に完成しておりまして、こちらの方から福岡市側に都市用水等が導水されております。時間がございませんでしたので、スライド等はございませんが、1600年代から、この本川には大石、山田、恵利堰といったかんがい用の取水堰等がつくられております。  筑後川の環境でございますが、干満が6mあるということで、これは筑後川の支川を満潮時に見た写真でございますが、満潮時にはこのような状況でございますけれども、干潮時には船が底をついてしまうといったような大きな潮位差があって、かつガタ土と呼ばれる堆積土があるということでございます。  こういう関係の中にエツやアリアケヒメシラウオといった貴重な生物が生息しております。また、高水敷につきましては、先ほどの久留米市等で公園等として整備されて、たくさんの利用がなされておりますし、上流部では、日田市内でございますけれども、アユのやな等で観光等で利用されております。  以上が4河川の概要でございます。続きまして、資料3−1で各水系の特徴と課題につきまして御説明いたします。  資料3−1が手取川水系の特徴と課題でございます。手取川は三つ挙げております。一つは急流河川の治水対策ということで、河床勾配が130分の1から210分の1という急流河川、かつ荒廃地が多く、土石流発生の危険性が多い川の治水対策をどうしていくかということでございます。  次に、豊富な水資源ということで、手取川の水が石川県民の約4分の3に供給されているということと、地下水を利用した工場等の立地がある。こういう水資源をどのように保全していくかということ。それから、河川環境といたしましては、発電が盛んでございますが、その発電バイパスによって減水区間が生じております。順次解消してきておりますが、それの今後に向けてということと、地域による盛んな河川利用という観点でございます。  資料3−1の1枚めくっていただきまして、1番目の課題でございます。急流河川の治水対策ということでございます。手取川の河川の勾配図が左上に書いてございます。100分の1の線がちょうどかいてございますが、手取川自体、絵のかき方がまずくて、もう少し上流が上の方まで伸びていくんですが、平均河床勾配で見ますと、27分の1といったことでございます。前に、この小委員会で御説明しました富士川よりもさらに急流な川でございます。  それとともに、右側の写真でございます。白山砂防事業と書いてございますが、昭和9年にも約1億m3の土砂の流出があったわけでございます。現在でも砂防事業あるいは地すべり事業で砂防事業を行っているということでございます。  それとともに、下流部が現在どうなっているかということでございます。左の真ん中あたりと下の方に霞堤の状況と低水の河岸部をさらにアップしました護岸の基礎の浮き上がり状況等をかいてございます。こういう土砂の問題、霞堤を今後どうしていくかという問題、それから、河床低下に対する問題といった問題に対してどう取り組んでいくかということがございます。  それとともに、治水対策の状況でございます。手取川ダム、大日川ダムが洪水調節施設としてでき上がっております。平成10年9月洪水の効果を書いてございますが、この2ダムでもちまして、流量的に毎秒1,400m3、水位で約1.3mほどの洪水調節を行って、昭和9年の大出水程度の出水だったわけですが、両ダムのおかげで1,400m3/sカットして、特に大きな氾濫被害は生じなかったということでございます。  次に、もう1ページめくっていただきまして、水利用でございます。右側の絵が扇状地等に位置しております酒造所、ビール工場。灰色の丸でございます。昔から醸造が盛んだったわけですが、最近は赤丸でかいてございますように、先端産業、半導体、電子関係等の半導体企業が立地してきている。さらには、この扇状地全体が農業用水の供給エリアになっているということでございます。  扇状地河川でございますので、そういう河川水、地下水等の水循環、その辺を把握して、水循環をどのように保っていくかという課題があるということでございます。  それとともに、右側の絵でございますが、水道用水の供給エリアでございます。濃いブルーでかいた箇所が手取川から給水されている市町村でございまして、能登半島の先の方の七尾市、能登島町まで供給されております。県民の約4分の3に水道水を供給しております。平成6年、全国的に大渇水でございましたけれども、手取川ダムのおかげで、手取川の給水エリアにつきましては、特に渇水被害はなかったということでございます。  次に、3枚目でございます。手取川は約52万キロワットの発電があるわけでございますが、そのせいで中流部、発電所、水力鉄管の範囲が減水区間になっております。昭和56年当時は手取川全体で132.2kmが発電取水でバイパスされて減水区間になっておったわけでございますが、個々の水利使用の許可期間の更新時期などの機会を通じまして、順次調整してきております。平成14年現在で、減水区間は29.8kmでございます。先ほどの132.2kmから102.4km解消しております。  また、私どもの多目的ダムでございます手取川ダムにつきましても、手取川ダム水環境改善事業ということで、維持流量の放流設備を新設いたしまして、当面、ダムの容量のうち未利用の容量を使って、真ん中の上の絵にございますけれども、手取川ダムから手取川第一発電所までの間の2.2kmの減水区間の解消を行いつつあります。  下流部につきましては、礫河川でございますけれども、霞堤の間あるいは、非常に狭うございますが、高水敷等を利用いたしまして、年間河川利用者数が約22万人ございます。また、桜づつみモデル事業あるいは水辺の学校プロジェクト、ふるさとの川整備事業、水辺プラザあるいは病院と連携した環境整備等々行っておりまして、今後とも引き続き関係地域、地域住民と一体となって河川空間の保全・利用に取り組んでいきたいと思っております。  以上が手取川の特徴と課題でございます。
 最後にページでございますが、流量的なお話でございます。基本高水のピーク流量と計画高水流量でございます。従来の工事実施基本計画では、基準地点鶴来で基本高水のピーク流量を毎秒6,000m3としておりました。今回、新たに河川整備基本方針をつくるに当たりまして、二つの方法で、この流量の検証を行っております。一つは流量確率からでございます。実際に生起した流量を確率処理いたしますと、処理指標によってばらつきはあるわけですが、4,200m3/sから6,100m3/sの間にあるということでございます。それから、過去の洪水の推定流量でございます。昭和36年9月洪水が生じたときに、流域が湿潤状況にあったとすればということで推定しておりますが、7,900m3/sほど洪水が出たであろうということから、現在の工事実施基本計画の6,000m3/sというのが、この二つの方法から見て、それほどおかしくないということで、今回の基本方針におきましては、現在の工事実施基本計画の値の基本高水6,000m3/sを採用したいと考えております。計画高水流量につきましては、先ほどの手取川ダム、大日川ダムで調節いたしまして、5,000m3/sとしたいと考えております。  正常流量につきましては、扇状地河川でございますし、また地下水の利用等が盛んでございますので、その辺を調査、検討して、今後決定したいと考えております。  手取川につきましては以上でございます。
 続きまして、櫛田川でございます。櫛田川水系の特徴と課題ということで、1点目は伊勢湾台風でなされた対策とその後の治水対策ということで、34年の伊勢湾台風の甚大な被害の発生を契機に、直轄事業で河川工事あるいは多目的ダムの蓮ダムをやってまいりました。その後、平成6年に下流部で計画高水位を超えておりますが、これらの対策をどうしていくかという問題がございます。  2点目は環境の問題でございます。香肌峡に代表される豊かな自然環境あるいは多様な動植物の保全についてどう考えていくかということ。  3点目は、先ほどの前のスライドの説明のときに申し上げましたが、祓川の洪水分派計画をどうしていくかということでございます。  資料3−2の1ページをめくっていただきますと、先ほどの34年洪水の浸水状況、その後の治水工事としてなされました蓮ダム等が上の方にかいてございます。真ん中の段に平成6年9月洪水の水位の縦断形がかいてございます。赤の黒ポチ、白抜きのポチで、左右岸の洪水痕跡をプロットしております。ブルーの線が計画高水位でございます。  黒の点々で囲んでおりますが、3kmから4kmのあたりでは、計画高水位を超えておりますし、そのほか、ほぼ全川にわたって計画高水位の近い値の水位が出ております。このために漏水等で危険な状況になったわけです。これの解消のために下流部の掘削、洪水疎通上ネックとなっております橋梁の架替え等を考えたいと考えております。  下流部の掘削といたしましては、下の写真に輪中地区等がございますが、水の中を大きく掘削しますと、環境上の問題もございますので、この輪中地区の堤防の下あたりに、ちょうど黒い木が生えているようなところ等が見えますけれども、そういう陸域部の掘削、あるいは、その右の写真で橋梁のところに大きく高水敷が発達しておりますが、高水敷の掘削等で下流の流下能力をふやしていきたい。それから、太平橋という非常に古い形の橋が写っておりますが、桁下も低く、橋梁スパンも非常に短い橋でございます。こういう流下阻害になっている橋の架替えを実施していきたいと考えております。  次に、3ページ目でございますが、櫛田川水系の環境でございます。真ん中に流域図がかいていますが、流域の上中流部ほとんどが香肌峡県立自然公園、さらに上流の方は室生赤目青山国定公園に指定されております。上流部にはブナの原生林、あるいはオオダイガハラサンショウウオが生息し、中流部にはアユ、ネコギギ等が生息しております。また、河口部の干潟ではハマボウ等の海浜性植物やゴカイ等の汽水性底生動物が生息しております。こういう香肌峡に代表される豊かな自然環境の保全と多様な動植物の保全に努めていきたいと考えております。  3枚目でございます。祓川の扱いをどうするかということでございます。祓川の現状は、右上の写真にございますように、川の両岸にケヤキ等の河畔林が発達いたしまして、タナゴあるいはアブラボテ等が生息する、昔の小川、田舎の川のような形を持っているということと、文化的には、下の写真にございますように、斎宮跡の横を流れている。また文化的な行事もなされている。また市民団体もいろいろ活動をされているということで、従来の計画は、この祓川に洪水流量を200m3/s分派させる計画でございましたが、今回、本川下流部の河道掘削等々行うことによって、この祓川への200m3/s分派をやめるということにしたいと考えております。  続きまして、最後のページでございますけれども、流量関係の資料でございます。従来の工事実施基本計画の基本高水のピーク流量は両郡橋で4,800m3/sでございました。先ほどの手取川と同様に、流量確率と既往洪水の推定からやっております。流量確率から申し上げますと、4,700から6,500の間、伊勢湾台風の推定流量が4,800ということで、従来の工事実施基本計画の4,800m3/sを踏襲したいと考えております。計画高水流量につきましては、蓮ダムで500m3/sカットで4,300m3/sと考えております。  正常流量につきましては、両郡橋で既得水利等を考えまして、おおむね9m3/sというふうにしております。
 櫛田川につきましては、以上でございます。
 次に、資料3−3の肱川水系でございます。肱川水系も特徴と課題といたしまして、3点ございます。
 1点目が難しい治水対策ということで、盆地と狭窄部とを交互に流れておって、特に最下流部が両岸は山が迫り平地がないということ、その上流の大洲市の発展がかなりあるということ、それから、平成7年洪水の激特事業をやっておりますが、それが完成してもなお安全度が低く、それに対してどう対応していくかということでございます。  2点目は河川空間の利活用、ウ飼いだとか、芋炊きだとか、いろんな観光、地域行事がなされております。また河畔林もたくさん残っております。その環境をどうしていくかという問題。  最後は水質でございます。ダム湖でアオコが発生しているということ、流域内の全市町村で清流保全条例を制定している。そういうのとあわせて、河川の環境をどうしていくかというのがございます。  1枚めくっていただきまして、1ページでございます。肱川の平面図、平成7年7月の洪水浸水範囲等がかいてございます。真ん中上の方に肱川平面図ということで、完成堤と激特箇所と激特箇所(一部低い堤防)、白抜きで無堤箇所というのがございます。激特事業で赤及び緑のような事業を行っておるわけでございますけれども、激特事業が完成いたしましても治水の安全度は約15分の1程度でございます。低いということでございます。  そういう中で、上下流の治水バランスに配慮しながら堤防工事を行っていると申しましたが、肱川平面図で緑で書いた箇所が、右上の写真にございますように、全部完成堤でやりますと、他の地域に悪影響を及ぼすということで、一部暫定堤ということで、大きな洪水のときにはここから水が溢れてくるといった形で、おのおのの地域に、この緑の箇所の暫定堤を設けて、地域のバランスを取りながら治水対策を進めておりますが、それが完成したとしても15分の1程度といったことでございます。  それと、どうやって治水安全度を上げていくかということでございます。右側のポチの二つ目で河道と洪水調節施設で対応と書いてございますけれども、下流部では両側とも山が迫っている、中流部では川沿いに市街地が近接しているということから、大規模な土地利用改変を伴う堤防の大きなかさ上げ、引き堤は非常に困難であろうということで、流下能力の不足箇所の河道掘削、あるいは五郎駅前地区でありますような地上げ方式による治水対策、それから洪水調節施設の整備ということで、既に鹿野川ダムと野村ダム二つの多目的ダムが完成しておるわけですが、これらのダムの改造あるいは新たなダムでもちまして洪水調節を考えていきたいということでございます。  続きまして、3ページ目でございますが、環境の問題でございます。左上に多様な河川空間の利用ということで、アオノリとりからカヌーあるいはウ飼い、芋炊き等の河川の利用、観光等の利用が載せてございます。また、右側には動植物の関係で、下流部ではハマサジ、もう少し上がりましてマイヅルテンナンショウ等のレッドデータブックの絶滅危惧種に指定されるような自然環境が残っている。  もう少し上流の大洲市内等では、一番下の写真にございますように、川沿いにずうっと河畔林が発達しております。もともとこのあたりは堤防がなかったものですから、河畔林を水防林といったような形で洪水の緩和をしておったわけですが、今は後ろの方に堤防ができておりますけれども、今は河畔林となっている形をどのように守っていくかといったような問題がございます。  次に、4ページ目に入っていただきまして、水質の問題でございます。上の方で、肱川流域の汚濁排出負荷量というのが昭和30年代、平成10年、平成30年と書いてございます。昭和30年代のような状況に戻していこうということで、平成10年時点の生活系、主に畜産系の負荷を下水道整備等で削減していこうということで、流域の全市町村が集まりまして、肱川流域清流保全推進協議会といったものをつくっております。  右横の写真に鹿野川ダムのアオコの発生状況等ございますが、こういう負荷を下水道等の整備、畜産排水施設等の整備等でもって削減していこうということでございます。  もう一つは、発電による流況の変化でございます。左下にございますように、鹿野川ダムがピーク発電を行っています関係上、鹿野川下流の大洲地点で、このような大きな流量変動がなっております。先ほどの洪水調節のための既設ダムの改造とあわせまして、この発電の運用方法も変えて、もう少し自然な流れにもっていきたいと考えております。  最後でございますけれども、流量関係でございます。現在の基本高水のピーク流量は6,300m3/sでございます。これを三つの方法で検証しております。一つは流量確率からでございます。流量確率からは5,000m3/sから6,400m3/sでございます。昭和18年7月の洪水の実績流量が5,400m3/s、平成2年型洪水を流域が湿潤状況のときに生じたとしますと、6,300m3/s程度ということで、現在の6,300m3/sが妥当であるということで、現計画を踏襲したいと考えております。  計画高水流量につきましては、既にでき上がっております野村ダム、鹿野川ダム及びそれらの改造、あるいは新設ダム等によりまして、4,700m3/sまでカットしたいと考えております。  正常流量につきましては、大洲地点でおおむね6.5m3/sと考えております。  続きまして、資料3−4の筑後川水系でございます。
 筑後川水系の課題は四つございます。一つは九州第一の大河川での治水対策ということで、28年洪水、最近の風倒木、下流の高潮災害について、どのような対策を取っていくかということ。2番目が福岡都市圏に水を供給しているわけですが、渇水が頻発していることに対して、どう対応していくかということ。3点目が生態系、それから歴史的河川構造物をどのように保全していくか。4点目が流域での流域連携活動をどのように支援していくかということでございます。  1枚めくっていただきまして、まず治水対策でございます。左上、28年6月洪水で、いわゆる流域の平地である部分はほとんど浸水したわけでございます。それとともに、すぐ下に風倒木の災害状況がございます。平成3年9月の台風で約1,500万本の風倒木が発生しております。平成5年の洪水のたびごとに流下してきているということ。右下に昭和60年8月に高潮が起きまして、赤で塗った箇所、約2,004戸が浸水しております。  ということで、大きな洪水、いわゆる28年クラス、計画規模の洪水を安全に流下させるために、洪水調節施設あるいは河道の改修ということ。それから、風倒木の災害につきまして橋梁等の改築、風倒木が流れてくるというのを監視する監視センターあるいはその情報伝達、高潮被害につきましては下流部の高潮堤防の整備の推進ということを考えております。  次のページで、水利用でございます。水利用の模式図が左上にかいてございますけれども、筑後大堰あるいは支川から福岡都市圏に分水されております。右上真ん中にピンクと黄色でかいてございますけれども、福岡市の水道の筑後川依存分が約4割でございます。そういうふうに見ますと、非常にたくさん筑後川から流量が分派しているのかなというふうに思いますけれども、筑後川の年間の流出量、瀬の下地点でございますが、10年平均で約36億m3でございますが、域外導水量は0.8億m3ということで、平均いたしますと、総流出量の2%程度ということでございます。  こういう中で渇水が頻発しております。下の方に、中段あたりに昭和50年の渇水から始まりまして53年、平成6年、7年、11年、14年といったようなことで、非常に長期間にわたり、2年に1回程度の頻度で発生しております。  それとともに、下流部への維持流量の補給でございます。一番左下にかいてございますけれども、瀬の下地点で40m3/sを確保するようなことを考えておりますが、現在、冬場は計画上40m3/sを確保できるようにしておりますが、夏場につきましては、そのための容量は足りないといったような状況でございます。  このようなことから、水資源開発施設の整備あるいは流況改善のための不特定補給施設の整備ということを考えております。  次のページでございますが、4ページと書いたところでございます。生態系と河川空間の利活用ということで、特に筑後川につきましては有明海に注ぐ代表的な川でございます。また大きな干満がございまして、それに適合した特徴的な生物が生息しているということで、そのような自然環境に配慮した河川整備が必要であると考えております。  また、中上流部では、河川空間の利用がなされております。それらとの配慮した河川整備も必要でございます。また、下の方に、荒籠、デレーケ導流堤が写っておりますが、こういう治水、利水に貢献した伝統技術等も生かしながら治水、利水対策を考えていくということを考えております。  5ページと書いてある絵ですが、筑後川で4県にまたがっておりますが、市民レベルでの流域連携が盛んでございます。NPO筑後川流域連携倶楽部が平成11年に設立されておりまして、筑後川まるごと博物館だとか、リバーツーリズム、河川清掃活動等々、いろんな活動をされております。このような方々と連携しながら、河川の整備、利用について考えていきたいと考えております。  続きまして、最後の6ページでございます。流量関係でございます。筑後川の基本高水のピーク流量、荒瀬で従来の工事実施基本計画で10,000m3/sとしておりました。これにつきまして、流量確率から検証いたしますと、8,300m3/Sから10,400m3/Sの間、昭和28年6月の実績洪水が湿潤状態で生起したと推定いたしますと、10,600m3/Sということから、現行の10,000m3/Sを踏襲したいと考えております。  計画高水流量といたしましては、既設のダムと新設の洪水調節施設で4,000m3/Sの調節を考えております。正常流量につきまして、かんがい期でおおむね35から40m3/S程度と想定しておりますが、河口部のノリ、汽水域の生態系等について、さらに調査・検討の上、決定したいと考えております。  以上、ちょっと長くなりましたが、4水系の概要と特徴、課題について御説明いたしました。
(委員長) ありがとうございました。

(委員長) ただいまの説明につきまして、御質問、御意見いろいろとございましたら、御自由に御発言をお願いいたします。
(委員) ちょっとお尋ねしたいと思います。
 4河川、お話をすべて聞きましたけれども、今までの工実と比較して、計画規模という話を一言も、どなたもおっしゃらなかったというふうに聞こえました。  計画対象降雨という考え方は、何年に1度の雨に対してというふうな考え方は、もはやこういうところでの説明には必要ないんでしょうか。基本高水のピーク流量だけが議論されて、ピークのハイドログラフ、すなわちダムでカットする場合にはハイドログラフがどうであるかに非常に強く依存すると思うんですけれども、今回の説明にはほとんどなかったと思うんです。この辺はどう考えられているんでしょうか。
(事務局) まず、確率規模でございますが、資料7をごらんください。1枚のページでございます。ここに、前回までの策定済み水系と今回策定予定の4水系の治水安全度、計画雨量、流域面積等の一覧にしてございます。  まず、治水安全度につきましては、今回の4水系につきましては手取、櫛田、肱川が100分の1、筑後川が150分の1ということで、規模自体は基本的に工事実施基本計画策定時の規模を踏襲しております。  それとともに、そういう規模を本文に書くべきかどうかということだろうと思うんですけれども、従来の工事実施基本計画でも、規模ということで本文に表現しておりませんで、今回の河川整備基本方針でも規模を明確に出すということまでは考えておりません。  ただ、ハイドログラフ等につきましても、従来から書いておらず、ハイドログラフ自体を河川整備基本方針に書くということまでは考えておりません。
(委員) 基本方針あるいは工事実施基本計画の本文に書いてある、書いてないという議論も大事なことなんでしょうけれども、考え方を市民に話をされていくときにこの重要なポイントをおさえて欲しいと思っています。  というのは、今回から整備計画とかでいろんな流域委員会で議論されることになりますね。そのときには、想定されるハイドログラフまで含めて基本的な枠組みは決っているんだというふうなスタンスで基本高水のピーク流量とか計画高水流量という話をしていかれるおつもりでしょうか。
(事務局) 河川整備計画を地元の方とお話しする際に、川の置かれている状況によりまして、ケース・バイ・ケースになると思っております。基本高水から説明すべき川と、もう川の外形自体はでき上がっているので、基本高水の議論は飛ばしてしまって、具体的な護岸をどうするだとか、自然再生をどうするだとか、そういうレベルから入る川もあるかと思います。
(委員) ありがとうございました。
(委員長) 基本的な議論ですが。
(委員) それが考え方だというお話ですから。
(委員) 今の○○先生の御指摘は非常に重要だと思うんですが、要するに、いろんな検討をしているわけですね、降雨の引き延ばしなんかをして。結果として出てくるハイドログラフを計画対象に載せることに何か問題ありますか。  基本高水というのは、裏には貯留調整を考える場合にはハイドログラフがあるわけで、その基本高水ピークだけじゃなくて、波形を出すことに何か問題があったら困るんだけど、それは……。参考資料にね。  僕は、別にどこへ書くかというあれだけど、今のお話では、参考資料にいろいろ書いてありますよね、これはついて回るんだろうという気がしますので、これにそういうことを載せることを検討していただければという、きょう結論が出なくてもいいんですが、お願いをしたいと思うんです。
(委員) ただ単に流出解析やったものでなくて、前のものを踏襲したとかいう形になるから、工実のハイドログラフをそのまま書く以外に、新しく検討したからハイドログラフが変わったのだとか、新しい情報が入ったハイドログラフを示すことができない仕組みになったわけですね。
(事務局) 今回御説明した4水系は、前回の工事実施基本計画を検証して、それがおかしくないというので採用しているわけですが、例えば大淀川なんかですとか、前に御審議いただいたときに、いわゆる計画規模を従来よりも引き上げて、新たな基本高水としております。そういうような基本高水のハイドログラフを何かの資料に残すべきではないかというお話でございます。  参考資料等に、今回お配りした中では入っておらないんですが、従来の工事実施基本計画の河川でも、参考資料等に掲載している川もございますので、載せられるように検討したいと思います。
(委員) そうすると、複数あらわれることもございますね。今回、さまざまな検討をされましたね。例えば雨のデータをどこまで入れるかとか、幾つかの対象降雨を検討されたとかいう形で、基本高水が複数で表現されることもありますでしょうか。  検討した結果、いわゆるピーク流量がさまざまな値が、出てきますね。工事実施基本計画の、いわゆる工実の値に近い値で、しかし違う値で出てきますね。この辺はどういうふうに処理されるんでしょうか。
(事務局) 中部の三重県の櫛田川の4,800m3/Sの推算に当たりましては、昭和34年の伊勢湾台風のときの時間降雨量の観測データが流域内に1カ所しかありませんものですから、4,800m3/Sそのものをハイドログラフから再現するということは不可能でした。したがいまして、櫛田川につきましては、34年の伊勢湾台風のときの上流の水位の上がった箇所の痕跡等で4,800m3/Sというものを検証いたしました。  それから、4,800m3/Sの流量が再現されるように、それ以降の時間降雨量が観測されている洪水のハイドログラフを引き伸ばすという行為で再現らしきことはちょっとやっております。厳密に言うと、先生がおっしゃられた4,800m3/Sそのものを再現できているハイドログラフがあるのかと言われると、櫛田川については直接的な再現はされていないということになろうかと思います。
(事務局) ハイドログラフ、基本高水のピーク流量というのは、一番大きな流量何m3/sと決めます。計画高水流量を幾らとするんですが、それに応じたダムの大きさというのは、いろんな波形を検討するわけです。一つの波形、ハイドログラフでもって、ピーク容量はピタッと決って、ダムの大きさもピタッと決って、下流の配分量がピタッと決まるというのではなくて、いろんな波形の雨を、それも実測データがあったり、よそから雨のデータを比例で持ってきたり、あるいは、いろんなデータをボリュームとして、雨量をある確率規模に引き上げたりと、いろんなことをやりながらやっているわけです。  そういうことをやっているデータは各水系に応じてちゃんとあるわけです。隠す必要は何もないわけでして、そういったデータはちゃんとありますから、公表しております。それをすべて何から何までここに書き込むということはしてないということでございます。
(委員長) なぜ書き込まないのかという説明をしてもらった方がいいと思うんですけどね。政令で定めた文書の中に、なぜ書き込まないのか。例えば計画降雨というのを書けばいいじゃないかとか、基本高水のピーク流量だとか、ハイドログラフだとか、書く項目はたくさんあるんですけど、あえて絞って計画高水流量だけ決めているというのはどういう理由か。  私は私の理屈があるんですけどね、一度整理してもらったらいいと思うんです。○○先生のおっしゃるのは、ハイドログラフぐらい出したっていいじゃないのと、どうせこういう治水計画を決めている基本のものだから。  私は、ちょっと○○先生とは意見が異なるかもしれません。
(委員) ある意味では、行政の立場じゃないから、極めて……。
(委員長) ずうっと行政に携わっている人でもいろんな議論があって、計画降雨というものを決めればいいじゃないかという議論もあるんですね。そうすると、2日雨量325mmと決めて、これ全部保証できるのかと。降り方によって、325mmが半日ぐらいで降っちゃったときは保証できないとか、ダラダラ降っていれば保証できるとか。そうすると、最後、突き詰めていくと、基本高水のピーク流量ぐらいが一番国民にとってわかりやすんじゃないか。  ところが、河川工学をやっている人は、「それを決めてくるまでいろんな作業をやったじゃないの。その作業過程が全然わからず、ポンと見せられたのでは、ウンとは言えねぇよ」ということだろうと思うんですよね。  いろいろありましてと言うと、ごまかしているように見えるものだから、次の回にちょっと丁寧に、そこの理屈を整理して、結果的に国民に向かって保証するのはここですと。だけど、その前提ではこういうもの、こういうもの、こういうものから、こういう過程で整理しましたとか、実績でいきましたとか、幾つか説明した上で、今提案しているという理由を、もう一度丁寧に御説明いただいた方がいいんじゃないかと思いますね。
(事務局) わかりました。次回に、その辺を整理して御説明したいと思います。
(委員長) これをやり出すと審議時間が全部つぶれちゃうから。
(委員) それに関連してですけどね、計画高水位の水位の方はほとんど書かれないんでしょうか。例えばどういうふうに決めるとか、現在ある計画高水位はそのまま使うんだろうと思うんですけれども、そういうふうなものはどこかに入ってくるんでしょうか。
(事務局) 今回御説明しませんでしたが、資料4−1から4−3に、河川整備基本方針本文の新旧対比表がございますが、そこでは主要な地点の計画高水位を書くようにしております。例えば手取川で申しますと、資料4−1の9ページで、鶴来と美川の計画高水位を書いております。
(委員) わかりました。この計画高水位は、計画高水位流量を流した水位になるのか、過去の最高の高水位なのか、どういう形で決められているんでしょうか。
(事務局) 一般的には計画高水位流量を流した水位に、計算水位だけですと若干でこぼことしますので、それらを技術的に包絡する形と申しますか、そういう形で計画高水位としております。
(委員) わかりました。
(委員長) いろいろ議論あると思いますが、特に流域に詳しい専門家として御参画いただきました流域に詳しい専門家に……。  筑後川水系は……。流域に詳しい専門家の立場から議論があったらよろしくお願いします。
(委員) 私は専門の方は河川工学でございませんので、どの雨量から……
(委員長) 全般的に。
(委員) 全般的によろしいですか。  全般的なことから言いますと、私はもともと河川の整備に関しましては、今まで河川というのは治水と利水を中心に考えられておりましたけれども、川というものをもう少し総合的な視点から、例えば河川の多方面な利用というものの整備の方に配慮していただきたいなと思っております。  先ほど、筑後川に関しましては、NPOの活動のあれがございましたけれども、私はそのNPOの法人にかかわっておるんですけれども、筑後川の多面的な利用、例えば舟運だとか、船の利用だとか、あるいは筑後川流域にもいろいろな観光の資源になるようなものがございますので、そういうものをうまく、資源をうまく取り入れた整備の仕方を考えていただきたい。  だから、護岸工事とかいろいろなことを一つとっても、景観とかそういうものに、あるいは多面的な利用にうまくつながるような整備の仕方を考えていただけたらと思っております。  抽象的ですが……。
(委員長) 同様に、○○先生、肱川水系、よろしくお願いします。
(委員) 肱川水系についてですが、先ほど多面的に川を生かしていくという、これは自然の上の多様性ともつながってくると思うんですけど、特に肱川あって人がつくってきた、つまり肱川あっての歴史、人たちが参加している、そういうところの歴史的遺構が、かなりたくさんあります。  護岸工事とかいろいろあるんですけれども、そういったものをできるだけ、いわゆる人間が川にかかわるときの知恵で生まれてきた遺構ですから、そういったものは……。例えば肱川でしたら、ナゲといった水流を中央へ中央へ流していく工夫をしたものが古地図の中にもちゃんとありまして、現在も残っております。工事の上でも非常に気を配っていただいてやってもらっておるんですが、そういったものが八つぐらいしか残っております。 ナゲというのは突き出たせきのような石積みですけども、それの裏側がちょうど船のとまりに利用されていた。いわゆるエゴというんです。ナゲというのも漢字は当て字ではありますけれども、そういったものがあります。  それから、御用やぶというもの、加藤家になって、大洲藩は加藤家が米子からやってきて、その後に、やぶを、ホテイチクとかマダケとかの竹類を、順番に植え、河川が氾濫したときに、水田とか畑に沃土は流れるけれども、大きな樹木とか竹とかそういったものは、このやぶの外に止まってしまうという、いわゆるフィルターの役割をしておるというのが残っております。  現在も、その上にエノキを植えているものが整然と残っておりますので、そういった歴史的なものも考えて保護していただきたいということがあります。  それから、肱川というのは、先ほども話がありましたように、標高が低いということで、非常に穏やかな流れを持っております。その流れのために、いかだを流すとか、川船を利用して人、物資を運んだものです。、最盛期には234隻(船頭260〜280人)ほどの船が行き来していたという記録もありますので、そういった歴史的なものを、すべては網羅できんかもしれませんが、今なおこの川に残っておるものは大事にしていただきたいという気持ちがあります。  それから、自然ですが、鹿野川ダムは今、鳥類の宝庫になっております。特にオシドリ、カモ類は非常に多いところです。バードウォッチングにはもってこいのところですが、オシドリがなぜたくさんあれだけ来るかというと、自然林を周りに大事にしているところです。あれを切ってしまうと、ドングリがなくなります。鳥類が豊富に渡りしてくる、留鳥ももちろんおりますけれども、そういった豊かな自然の象徴的なものだろうと思います。  そういった自然面の配慮と歴史的な面を含めて考えていただきたい。  以上です。
(委員長) ありがとうございました。  次に、○○委員、お願いいたします。
(委員) ○○でございます。櫛田川の関係で委員に選ばれたかと考えております。  先ほど来お話がありましたけれども、河川整備に治水、利水、それに、河川法の改正に伴って環境面を重視して河川整備に当たるということは、私も賛成でございます。  特に、その中でも治山、治水、利水と、私は歴史学やっていますが、資料的に中世、近世以来、諸大名とか藩の大名などの治山、治水の歴史を見ても、彼らも彼らなりに非常に自然環境ですね、あるいは文化環境、歴史環境に配慮して整備しておることが歴史書的にもわかっております。  高度経済成長時代の治山、治水は、利用面の効率というか、そういう点にかなり急いでいる点があった。それはそれなりの時代の要請がありましたから、今から追求するという意味ではありませんけれども、それが見直されているということは非常にいい傾向だと思っております。  人間の歴史にも紆余曲折があるように、川の水の性質も直線で行くでなしに蛇行、グルグルするのが水の性質だというのを聞いておりますけれども、それを直線にバアッとやっているというのが非常に多いんですけれども、特に二級河川とか市町村が整備した川は全部直線で、川によって人が生かされ、生きて、川と人の関係が、川が排水路みたいになってしまって、そういうことが出ております。  先ほどお話の櫛田川の、一説には本川か、一説じゃなくて事実として祓川というのが本川です。東岸といいますか、右岸に当たるわけです。現在の櫛田川が左岸に当たる。その間が扇状地という仕組みで理解されていいんじゃないかと思います。  その祓川、旧櫛田川は曲りがものすごい自然です。河口の部分だけ、伊勢湾台風の後にちょっと手が加えられておりますけれども、ほとんど自然の流路。これは全国的にも非常に珍しいんじゃないかと私は思います。  この計画で、ここの祓川に洪水時の分流200m3/s分流をやめるようなことで計画したいというのは大賛成で、この200m3/s流すとすると、祓川河川整備、まだ護岸工事とかやる必要があると思いますけれども、これが自然になっている。このまま残しつつ利用していっていただきたいと考えます。  ここの祓川のすぐ横に、明和町というところですが、松阪市と明和町に挟まれていますが、その明和町でも、自然遺産であるとともに文化遺産だというので祓川というのに関心が高まりつつあります。御紹介がありました、その横には斎宮跡という伊勢神宮に仕えた皇女が日常住まいをされた場所なんです。  祓川というのは、先ほどの御説明ちょっと誤っておられると思いますけれども、斎宮に来るときに祓いをする川だから祓川でなくて、斎王さんが日常、ここでみそぎをしていたから祓川というんです。斎王が日常ここに住んでおりまして、年間3回ほど伊勢神宮のお祭りに出るわけ。そのお祭りに出る前に、この川でみそぎをするわけ。だから祓川というんです。  そういう名前も非常に由緒ありそうな川で、清流も案外保たれております。このまま持続してほしいと思います。  私は、斎宮跡の発掘に30年ぐらいかかわって、今もやっておりますが、櫛田川と斎宮というのは、指定の範囲140ヘクタールありまして、日本最大の文部科学省の指定した、文化庁の指定した最大の面積の史跡なんですけれども、櫛田川の下流は斎宮の遺跡と非常に深いかかわりを持っておる。整備の観点に、そういう歴史環境を強く入れるということは非常にうれしいことだし、その点でよくできている報告、今のお話だったと思います。  一つだけ追加しておきますと、現在の大臣所管の櫛田川と祓川との真ん中の扇状地の中には、衣食住の一つのシンボルとも言うべき衣ですね、織物。御糸という地名なんです。御糸(おんいと)といいまして、今も伊勢神宮に奉納する神様の衣と書きますが、神御衣(かんみそ)を織る機殿神社というのが、そのど真ん中にあります。祓川と櫛田川の真ん中にございます。  神御衣機殿神社、神服部機殿神社と申しまして、絹織物を織り、麻織物を織って、季節の変わり目、年2回あるんですが、神様に捧げる織り機が、機の工場の横に神社がある。機殿というのがファクトリーですね。それから、機殿がうまくいくように神社があるんですが、これも日本で唯一のところです。  機織の機は、古墳時代以来の、紡績以来の機織の機械が今も使われているんです。そのようなものがちょうど祓川と櫛田川の間のところです。そこは三角扇状地で早くから固定したところと思われますが、御糸というところがあります。そういうことは、きちんとした報告書、もうちょっと報告書を整備する段階では、その文言もぜひ入れておいていただきたいと思います。  この川が、文化環境というのは結局、社会環境、経済問題とかそういうことにも、単なる文化というか、余技みたいなことなしに、経済生活とも非常に深くかかわっております。  言えば、この報告書に出ておりますが、櫛田川というのは南伊勢地方の中心的な産業を代表する、江戸の日本橋あたりは江戸時代に松阪商人で牛耳られておりましたが、その松阪商人のふるさとは、三越やらの出身地は、この櫛田川の流域から出てきた人たちです。そういう歴史も秘めている川だということも考えながら、河川整備の計画を進められるとありがたいかと思います。
(委員長) 河川工学に戻りまして、○○先生、ひとつお願いします。
(委員) 筑後川については特に言うことはないんですが、2点、質問と確認したいんですけども。  私、櫛田川の話はきょう初めて聞いて、祓川について洪水の分派はやめるということで、今の先生のお話のように、200m3/s流すにはもっと手を入れなければいけないからやめるということでしょうか。それとも、洪水のインパクトそのものを与えるのは環境によくないから、洪水のインパクトをやめるという意味で、この分派はやめるということなんでしょうか。まず、この点を一点、お願いします。
(事務局) 祓川の現況流下能力ですが、平均的に見ますと、約50m3/s程度であろうと考えられます。それを200m3/s分派しようとしますと、大幅な河川改修が必要となりますので、現在ある祓川の環境を大幅に改変してしまうということで、それと櫛田川本川の下流部の掘削とを比較いたしまして、祓川の洪水分派を今回はやめようということで計画しています。
(委員) 河川環境を守るために、とにかく洪水のインパクトを避けようという意味ではないわけですね。流せないから、人工改変が必要だからということですね。
(事務局) 流そうとすると、大きなインパクトを与えるのでという意味です。
(委員) もう一点なんですが、四つの河川は、それぞれ多目的ダムが幾つか張りついているわけですけれども、発電のバイパスで減水区間がありますよね。減水区間がどうしても水量少なくて、環境面で非常に厳しい状況だと思うんです。減水区間に対する整備方針で、環境面から、その辺に触れることはできないんでしょうか。
(事務局) 整備方針でできます。
(委員) 今のところ、余り触れてないですよね。
(事務局) 例えば櫛田川ですと、資料4−2の8ページの第2段落目で、健全な水循環系の構築に向けてということで記載をしております。  さらに、細かくどこのダムからいつの時点で何m3/s放流するとかということになりますと、河川整備計画のレベルになると考えています。
(委員) 国土交通省としては、減水区間の水をできるだけ復活させようという意向はあるんでしょうか。
(事務局) これは、国土交通省だけではなくて、現在の経済産業省とも合意して、ガイドラインを定めております。発電の水利権の更新時に、それに基づいて減水区間をなくしていくということでやりつつあります。先ほどの手取川の特徴と課題でも御説明いたしましたけれども、従来、132kmあったのが102km解消してきているといったことでございます。
(事務局) 無水区間を解消という言い方がいいと思うんです。減水区間となってくると、緩和とかいう言い方が実際に合っていると思いますね。減水区間を……。無水区間というのがあるんです。全部取ってしまって、1年のうち何日間か、何十日間か、全く水がいかないという川もあるんですね。  そういうところについて流そうとすることになりますと、水を流すと、それは解消という言い方してもいいと思うんですけれども、その量は十分かという見方をしますと、まだまだ足りないという意味では、区間は解消するかもしらんけども、もともと減量しているという面からすると、それをどう緩和していくかということになりますから、もともと少ししか流れてないところをたくさん流すというのは緩和という言い方になりますね。
(委員) 私も○○先生と全く同じ考えで、この問題は、高水の問題はたくさん水が来たときの問題で、これから考えなければいけないのは少ないときの問題で、この両方を考えなければいけないと思うんですね。  手取川の場合に、100何十キロのうちの29.8になったという、4ページにすごくうまくいったと書いてあります。片や、資料3−3の4ページには、肱川の方では、現状では渇水時に3.3m3/sしか流れていなく、生態系の保全などの対策が必要と書いてありますね。  ところが、この前の手取川の方はどのくらい流れているかというと、1m3/s程度で、うまくいったうまくいったと言っているんで、○○の言われたことはそういうことだと思うんですが、同じ報告の中で、片方じゃ少ないってわかり切っているものを、その3分の1でうまくいったうまくいったというのはちょっと……。
(事務局) 場合によったら、後で、あるいは次回、環境課長から説明してもらおうと思うんですが、発電することによって、現実に発電のための水が何キロもわたって……。ダムをつくって、すぐそこで発電するといいんですけれども、ほとんどの場合は、それだけではなくて、この水を延々何十キロも、10km以上も水を持っていって落差をかけて、緩いスピードでもって水を持っていって、最後に絞ってドンと発電すると、このやり方が実は日本の水力発電のほとんどのやり方なんですね。  河川管理者の立場として見た場合に、河川管理者がすごく狭い立場でもって、河川の環境ということだけを、治水、利水、環境ということで、川の中の環境ということだけをすごく狭く考えますと、発電のそういうのはやめてくださいと、全部やめて川に水を返してくださいという立場を取るという立場、あってあり得ないことではないんですね。  ところが、河川管理者自身がそういう水利権を河川管理上の公益に照らして、水力の目的に照らして、そういうことを公益に利用するということはいいことだと考えて許可した水利権ですね、一方では。これを、あるときから急に全部やめてくださいということには、よくよく考えてみると、すごく無理があるんですね。  どういう無理があるかというと、釈迦に説法だと思いますけれども、もともとは水力発電しかなかったんですけれども、火力が補って、ベースの部分を原子力発電というものが入ってきて、今水力発電の役割というのはピークを緩和するという役割を持っているんですね。一日じゅう元気よく毎日全部全量を原子力で確保できればいいんですけど、そうはいきません。多くの部分を火力が供給しているんですけれども、火力発電も急に火をたいたりとめたりできないものですから、電力が過剰になったり少なくなったりする。少ないときには水力発電機を回して、余ったときには揚水発電をしてとかというふうに、そういうことをやっているという水力発電の重要性ということを考えますと、ほかにすることもあるんじゃないかなと。  気持ちよく、きょうは結構クーラー効いているかもしれませんけれども、きょうは気温が低いからいいですけども、私たちがみんなそういう便利さとかいろんなものを買っている、そこのところを全部無視して、川の環境だけよくしてくださいというと、やっぱりちょっと無理があるのかなと。私たち自身の生活をもう少し電力を使わない省エネルギー型にするべきでないかなとか、あるいは、突然水力発電をやめてしまうということは、巨大な火力発電所を一気につくりなさいと言っていることと同じであったり、原子力発電をどんどんつくりなさいと言っていることと同じだったする。  そういうことを考えると、長期的には、できるだけ少しずつ川に水を返してもらおうという大きな絵を描きながら、電力会社と交渉していく。電力会社と直接交渉しますと、許可権者と水利権者という形で、許可権者が強すぎるものですから、そこに経済産業省というエネルギー政策全般を議論する、責任を持っている役所と私どもの役所がきちんと話し合って、電気を少しづつ返していってもらうというやり方をしている。  ちょっと長くなりましたけれども、そんなようなことがあって、私らとしては、できるだけ返してもらいたいんですが、そればっかりでは世の中なかなかうまくいかないということです。
(委員長) 発電の専門家がいないものですから、河川局長が一生懸命代弁したんだと思います。  ただ、経済と環境の調和というのは、時代とともにいろいろ変わってくるんだろうし、両方の行政が一生懸命協力しなければいかんという時代になったんだと思うんです。だから、重要な御提言だったというふうに、河川行政としても受けとめてもらった方がいいと思います。  3m3/s、1m3/sと決めるまでには、いろいろ流域内で調整した歴史があったんでしょうけど。
(事務局) 済みません。肱川について、私、説明を飛ばしておりまして、資料3−3の4ページで、現状で渇水時に3.3トンしか流れていなくと書いてございますが、特に発電のバイパスの話をしている項目ではございません。  私の説明がまずくて、その横に発電による水量の変化の現状、イメージ図があったものですから、発電に関連づけてというふうなとらえ方になった思うんですが、資料6−3の5ページを見ていただきたいと思います。  ここで申しております3.3m3/sというのは、資料6−3の5ページの渇水流量の10分の1渇水流量、大洲地点でございますが、それが3.32m3/sであるということでございます。  これで、なぜそれが少ないかと申しますのは、その後、正常流量について各項目別の必要流量について検討しておりまして、それが同じ資料の10ページを見てください。10ページで、各動植物の保護あるいは観光等々の項目について検討いたしまして、冬場を除いて6.5m3/s程度ないと動植物の保護等に足りないという意味で、現状は3.3m3/sしかないということが少ないということでございます。  私の説明が飛ばして、横に発電のピーク立てがありましたので誤解を与えてしまいましたが、肱川はここの大洲の地点では発電のバイパス等の問題はございませんし、また、その右側の水量の変化の現状も、鹿野川ダムで……。鹿野川ダムはダム直下に発電所がございます。バイパスはしておらないんですが、このような形でピーク立てをしておって、そのために人工的な流量の変化が起こっていると、そういうことでございます。  また、全般的に発電の維持流量といいますか、減水区間の解消につきましては、環境課長から説明いたします。 (事務) 先ほど局長からお答えしましたので、それで済むと思いますが、もうちょっと細かいところまで一言申し上げさせていただきたいと思います。  正常流量というのを各河川の下流の基準点で設定しておりますけれども、そこで今の大洲の流量のような話が出てくるわけでございますが、発電の場合にはかなり上流でございますので、こういった基準点が今まで設定してございません。それと、かなり山の中ですので、人の目にもつかないということで、過去の歴史の中で、全く流量を流さない、無水河川というか、そんなところまで出るほどの極端なバイパスがかなり見られるわけでございます。  そういった減水区間も含めますと、9,500kmほど全国にございますが、そのうち、先ほど局長申しましたガイドラインということで経産省と国土交通省で昭和63年から協定している制度としては、ガイドラインの中で無水区間が10km以上のものとか、流域内放流をするものとか、若干限定して、極端なものについて水利権の更新のときに正常流量を一部流してくださいという制度にしております。  その対象が9,000kmのうち約6,000km、3分の2ございますが、その6,000kmのうち半分、3,000kmが既に13年度までに戻ってきておりまして、いわゆる上流部における正常流量、これは魚だとか水質とかいろいろ検討するわけですが、そういうものが戻してくださいという協議でございますので、利水者との協議の中で、あるいは地域の方々の意見も含めて、先ほどの1m3/sであったり、0.何m3/sであったり、地域によって、川ごとに違いますけれども、一部戻していただいているというような状況でございます。  川の水が減るという意味でいえば、発電だけでなくて、農業用水も、先ほどの手取川のように、かなりの流量、源頭部で取っているところもあるわけでございますので、人の生活の利水と環境との調整という意味で、地域地域の考え方あると思いますが、発電についてはかなり極端なものが上流部で今まであったということで、これを少しでも是正していこうと、こういう動きでございます。
(委員長) ありがとうございました。
(委員) 簡単に2点だけお願いをさせてください。  1点目は、河川法の性格上、上流から河口までというところの議論が主になるのは避けられないと思うんですが、環境保全というのは、川が海に流してほしいものがあるわけで、川の方で海に流さないといけないケースもあろうかと思うんです。土砂を流せば自然の覆砂になって下流の富栄養化を避けられるとか、そういう意味で、下流側の河口を超えたところの入水域にも思いを馳せた基本方針の必要なところはそういう文言を入れていただけたらと思います。  第2点は、ダムの富栄養化を回避するために下水道の整備でというお話がいつもよく出てくるんですが、標準活性汚泥法、現在の使われているような手法でし尿の収集がなされている場合に、そういうものを入れれば、かえってN−Pがふえるというのは当然になっておりまして、高度処理をした施設を入れないといけないというのが通念になっておりますので、そういう表現にしていただけたらと思います。  以上です。
(委員) 四つの河川の中で一番源流部の問題が重要なのは手取川だと思うんですね。手取川というのは白山を源流にして流れ出しているわけですけれども、先ほども説明ありましたように、例えば甚之助谷とか別当谷というような大規模な土砂崩れを起こしてきたところがあって、そういうことを防災面という方から考えますと、あそこは白山という火山帯でありまして、火山の変質したもろい噴出物が源流部の大部分を占めているんです。  しかも、もとをただすと、1891年に濃尾地震という物すごい地震があって、これは日本の内陸直下地震では最大規模の地震ですけども、これによって山の体力がかなり衰えてきたところへもってきて、今お話したような地質の状況でもってたびたび大災害、大土砂災害を引き起こしてきたということだと思うんですね。  問題は、白山というのは活火山でありまして、活火山ということは、歴史時代にもたびたび噴火していますが、いつか必ず噴火を起こす。そういうときに、上流部での土砂災害の問題、いわゆる火山砂防の問題をどのようにとらえていくかのという、言ってみれば、総合的な対策が将来向けて必要だというふうに思います。その点も、特に手取川を考えるときには考慮に入れていただきたいと思います。  それから、この手取川で、4ページですか、言ってみれば、流域住民への情報提供のようないろんなのが出ていますが、ぜひ一つ入れていただきたいのは、白峰村に砂防科学館というのがおととしできました。これは、まさに周辺住民の方々に対する情報提供の、言ってみれば、拠点になっていますので、これもぜひひとつ入れていただければということです。  以上です。
(委員長) 私の議事進行がまずくて時間が来てしまいましたので、あと一方だけ……。お一人だけお願いします。
(委員) 四つの河川をいろいろ御説明いただいて、非常におもしろい。それぞれ治水、利水、環境ですね、いろいろな問題を抱えていて、それぞれに苦労されているようなんですけど、全部網羅的に書かれていますけれども、各河川で一体、一番必要としているのは何かというふうなものが全く見えてこないんですね。  例えば肱川につきましては、環境とか、いろんなものも非常に重要なんですけれども、一番緊急な課題は治水ですよね。大洲平野が今、真ん中に平野があって、下流側が非常に狭窄部になっていて、非常に溢れる。その部分が急激に都市化して、本来遊水地であった部分が遊水地機能を果たさないようになっている。  肱川では何かというと、環境あるいは利水……。利水なんか、さっきの渇水流量が云々とかいうのはほとんど問題になってなくて、本当は治水が非常に重要だというふうなこと。何が重要になっているのかが見えないところがちょっと気になったところなんで、もしプライオリティがつけられれば、この川ではこれが特に重要だと、もちろん治水、利水全部重要なんでしょうけども、そういうめり張りが効いたようなものがあれば、おもしろいかなという感じでございます。
(委員長) 今の御質問にも関連しますが、きょう各水系ごとに手取川、櫛田川、肱川については事務局が3点ずつ河川の特性を挙げていただきました。筑後川については4点挙げていただいたわけですが、これで一応よろしいのかどうか、お戻りになりましてつけ加えること、あるいは削除してもいいという御意見があれば事務局に連絡してください。一応事務局ではこれを柱に、きょうは全く説明ありませんでしたけど、資料4シリーズ、4−1から4−4までつくっていただきましたので、お時間のある限りにおいて読んで下さい。今日説明があった項目、あるいはお考えの項目が反映しているかどうか、ひとつごらんいただきたいと思います。なお、事務局に御意見があったら寄せていただいて、次の議論に反映させていただきたいと思います。  それから、きょうの基本高水のピーク流量等については、これだけ議論があって、最終的にアウトプットをこれにしたいという過程を説明することを宿題にします。  それから、次いでながら、ハイウォーターの高さも、スポッと書いてあるわけですけどどういう考えで決めているんだと、これには一つの哲学があるんじゃないかと思うので、それを資料にしていただきたい。  それから、発電水量については、環境課長から説明がありましたが、それを資料として出していただけるんだったら、これまでの関係者間の調整をした上で、、最近の改善経過とか、こういうふうな方向に向かっているとをまとめてお願いします。、それを河川整備方針の中にどの程度書き込むのかというのは、また皆様と御相談ということにしたいと思います。

(委員長) そのほか、いろいろ御注文がありましたら、事務局にお出しいただいて、次回以降のスケジュールなり審議事項等について、事務局から御説明をいただきたいと思います。
(事務局) きょうは、私の説明が長うございまして、御意見をいただく時間が少なくて申しわけございませんでした。  次回は7月18日、金曜日でございますが、午後3時から、場所は本日と同じ場所で予定しております。もう一つ、次回で御審議が不十分な場合につきましては、8月7日の1時30分から、同じくこの場所で予備日を設けております。  小委員長からもございましたけれども、今回説明ができませんでした資料4−1から4−4が河川整備基本方針の本文の対比表になっておりますので、きょういただいた御意見の中で既に取り込んである部分もあるかと思いますが、読んでいただいて、そのほかの資料等でお気づきの点、こう直せばいいだとか、ここが足りないという御指摘がございましたら、事務局まで電話、ファックスで御連絡いただければありがたいかと思います。  以上でございます。
(委員長) ただいまの事務局から説明のありましたスケジュール案でいかがでございますか。  特に異論はないようなので、そのように進めてまいりたいと思います。  委員の皆様におかれましても、御審議のほど、よろしくお願いいたします。なお、本日、十分発言できなかった点や後からお気づきになった点がございましたら、次回以降の議論にも反映できるよう、事務局まで御連絡くださいますようお願いいたします。  最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。  本日の議題は以上でございます。
(事務局) どうもありがとうございました。

(注)訂正
 肱川に関する事務局からの説明において、「昭和18年7月の洪水の実績流量が5,400m3/s、平成2年型洪水を流域が湿潤状況のときに生じたとしますと、6,300m3/s程度ということで、現在の6,300m3/sが妥当であるということで、現計画を踏襲したいと考えております。」とありますが、このうち「平成2年型洪水を流域が湿潤状況のときに生じたとしますと、6,300m3/s」との説明部分について、正確な検討内容は「平成2年9月洪水の降雨分布を計画降水量まで引き伸ばした流出計算では大洲地点において6,300m3/s」です。





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