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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第29回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成17年12月12日


2.議事
・鳴瀬川水系、九頭竜川水系及び高津川水系の河川整備基本方針の策定について

(委員長) 近藤でございます。本日は委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございました。それでは、議事に入ります。
 前回は鳴瀬川等3水系の特徴と課題につきまして審議いただきました。今回の前回の審議を踏まえて、鳴瀬川等3水系の河川整備基本方針案の本文案について審議をいただきます。
 まず、前回の委員会でご指摘のあった点について冒頭に補足説明をお願いいたします。
(事務局) 河川計画課長の布村でございます。座ってお話をさせていただきます。
 まず資料1という3番の横長のものをご覧いただきたいと思います。1つは鳴瀬川水系におきまして、鳴瀬川と吉田川は河口部といいますか、下流の部分で背割堤で2つの流れが分かれているといいますか、平行して流れている状況であります。左側の平面図を見ていただければと思います。また、写真もその様子が示してありますが、この河口から9キロの地点での断面が、その下にあります断面図でございます。
 前回、お話の中で特に吉田川の方でございますが、この間の背割堤があるという非常にある種微妙なといいますか、そういう場所でございますので、掘削をした場合に大丈夫かと、その辺のことはどうだろうかというお話をいただきました。
 ちょっとものとしてご用意いたしましたのは、まず、左側の方は開削をしましたときの状況のものを載せてございます。それぞれ整備の年代に合わせて材質がありますが、これそのものは特段大きな問題がある部分というのはないようでございます。こういうものをもとにいたしまして、右側の方は両方の川の水位を様々な条件で設定をして安定計算をしています。ここには例としまして、鳴瀬川が計画高水流量のとき、そのときの吉田川はどうかという、吉田川に対して、ちょっときつめの部分のものを載せてあります。
 右側の方はそのときの、ちょっと小さい字ですみませんが、青い線の横線が鳴瀬川の計画高水位ですね。それから、折れ線グラフは昭和41年6月型のときのそれぞれの水位でございまして、これに合わせて計算したものが、1つの例として下の方に載せてございます。
 先ほどの築堤材料の状況を見まして、円弧すべりの計算をしております。下の方に最小安全率というのを書いてありますが、こういうことで計算いたしますと、安全率が2.281にこのケースの場合にはなってございます。
 それから、参考にところに書いておりますが、よくご案内の方もおられるかとおりますが、普通円弧すべりの計算は1.2が安全率でございますけれども、こういう築堤といいますか、堤防をつくられてきました履歴で割増係数をかけることになってございまして、α1、α2、こういう背割堤だということも加味したもので計算いたしますと、1.584というのが、このところでの必要な安全率というふうに考えてございます。
 一応、こういうものよりも大きな安全率を、これは1ケースでございますが、その他のケースで検討いたしましても、大丈夫だということが確認されてございます。この場合、縦横非常に縮尺の違う図を載せておりましたので、わかりにくい感じではございましたが、十分安全性を確認して進めていきたいと思っております。
 それから、次のページでございますが、今度は九頭竜川水系のお話がございました。このときにお話としていただきましたのは、右上の図をちょっとご覧いただければと思いますが、九頭竜川本川が下流の方が9,200m3/s、中角のところが5,500m3/s、これはこれで1つの計画の基準流量として検討しておりますが、この水系は、それぞれ日野川は赤線、足羽川は緑線で書きましたように、日野川は日野川でまた洪水の解析を別途に立ててございます。基準点は深谷で4,800m3/s、それからを足羽川の方は天神橋で1,800m3/sと、こういうふうにばらばらにそれらのところで検討をしておりますので、そういうときに2つの川、3つの川が合流するところの水位の値はどうかというようなご質問がございました。
 九頭竜川本川の方は全部の流域で一度検討しておりまして、このときの水位で左上の九頭竜川本川の水位というものでございます。ちょうど途中に日野川合流点というのがございますが、この日野川合流点のところの計画の一番高い水位が真ん中の計算水位、TPで7.93mでございます。ここから日野川の水位が始まるとして、日野川の洪水計算の出発水位としております。同じように日野川の水位というと、途中に足羽川合流点とございますが、ここで左側下のように足羽川の水位の出発点の水位としてTP8.77mというものを当てはめてございます。
 洪水のそれぞれのピークは、ときどきの波形で違うものではございますが、ちょっと参考までに右下の方には過去、この3つ川がピークのときがずれているものがございますが、こういうふうにピークが合っているものもあるというようなことで、こういう検討の仕方で妥当ではないかと思ってございます。以上でございます。
(委員長) ありがとうございました。前回の質問の出た事項につきまして、ただいまご説明をいただきました。1番目については、○○委員からのご質問だったと思いますが、これでよろしゅうございますか。
(委員) ありがとうございました。結構でございます。
(委員長) ちょっと意地悪な質問で申し訳ないんですが、鳴瀬川が土砂降りで吉田川が全く雨が降っていないというケースを考えた場合で、安全率は幾らになりますか。現実には起こり得ない話ですけれども。
(事務局) 一応安全のために検討してございますが、吉田川が空っぽといいますか、一応、全く普通の水位、平水位は当然ございます。鳴瀬川は計画の洪水のときを考えますと、最小の安全率で1.590になります。また、逆に鳴瀬川がほとんど流れていなくて、平水位の状況、吉田川の方は洪水のピーク流量が来ているとした場合には、安全率は2.135になります。ちょうど、ぎりぎりというとあれですが、先ほど申し上げましたように、1.584よりはいずれも高くなっているというので、様々なケースの中には、そういうケースも念のため検討してございます。
(委員長) わかりました。それから、2番目はどなたでしたっけ。○○委員で今日は欠席でございますが、一応、ご本人には了解をとっているわけですか。そういうことで、この問題については、よしといたします。
 それでは、次に鳴瀬川と3水系の河川整備基本方針の本文案のご説明をお願いいたします。
(事務局) それでは、資料2−1と資料3−1両方とも鳴瀬川でございますが、資料3−1が従前の工事実施基本計画と今回の河川整備基本方針の案でございます。それから、かなり長い文書になってございますので、新しい基本方針の骨子をまとめたものが資料2−1でございまして、恐縮ですが、2−1と3−1をあわせてご覧いただくようなことでお願いしたいと思います。
 最初の部分は流域の概要ですので、少しさらりとお話をさせていただきますが、まず、骨子の方をご覧いただきまして、本文の方は1枚めくっていただきました1ページから河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、(1)流域及び河川の概要というのが始まります。骨子の方でご覧いただきますようなことを書いてございます。まずは、水源から河口までの概要、それから流路延長だとか、流域面積、流域の土地利用、流域の地質、降雨量、奥羽山脈を水源として、上流は急勾配で中下流は緩勾配となって、あとは平野が広がっていく。1ページの中断からは流域の自然環境について、本分の方は触れてございまして、上流部は山間を流れる渓流の様相を呈しておって、ヤマメやイワナが生息しているということ。それから、中流部はアユの産卵場があるほか、サケも遡上してきている。下流はカモ類、ハクチョウ類の集団越冬地が見られるんだというようなことを書いてございます。
 これが次のページの2ページ、本文の2ページの途中まで行っております。それから、本文の2ページの下半分の方は、歴史的な構造物というか、歴史的なものを書いてございますが、ちょっと本文のところは前もいろいろお話ございましたので、少し直してございます。本文の方もご覧いただきますと、鳴瀬川、吉田川の合流付近は、かつて品井沼が広がっていたが、藩政時代より品井沼干拓事業が進められた結果、現在は県下有数の穀倉地帯となっている。品井沼干拓事業においては、品井沼の水を直接太平洋に流すための元禄潜穴、明治潜穴をはじめ、吉田川を品井沼から切り離すための幡谷サイホンの建設など古くから治水対策が行われてきているというようなことを少し直してございます。
 また、鳴瀬川河口付近には、明治時代に東北開発の一環として、一大貿易港として位置づけられました野蒜築港の建設と相まって、開削された東名運河、それから北上運河があって、現在、一級河川として管理されている。野蒜築港の建設は云々ということで、歴史的遺産としても見直されているということで、この辺のことをしっかり書いた方がいいのではないかというご意見がありましたので、そう直しております。
 それから、本文の3ページからは、災害の歴史と治水事業の沿革です。骨子の2ページ目になってございますけれども、骨子の方でご覧いただきますと、明治43年、それから大正2年の洪水を契機に大正6年から宮城県によって一部改修等が実施されて、大正10年に直轄事業として着手、戦後まもなくカスリン台風とか、アイオン台風とかで大洪水が発生したこと、それから昭和41年一級河川の指定、工事実施基本計画の策定、それから55年に改定、それから昭和61年洪水で吉田川が破堤し、激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業でございますが、築堤及び河道掘削などを実施した。
 それから水害に強いまちづくりということで、洪水であふれました場合も、重要な地域がきちんと守られるようにということで、まちの中心部を二線堤等で守る整備をしております。昭和53年6月の宮城県沖地震、それから平成15年7月の宮城県北部地震などで堤防の崩壊等がございました。現在の堤防の拡幅等を集中的に実施していること等を書いてございます。
 本文の3ページの方は少しお話をいただいたことがありまして、真ん中ぐらいに昭和55年に鳴瀬川の三本木において、基本高水のピーク流量云々というのを表現を一部直してございますが、内容においては変わりはございません。
 それから、本文4ページでございます。概要の骨子の真ん中ぐらいですが、河川水の利用の話を書いてございます。ここもちょっとお話がございまして、本文の2段落目下の方、発電用水として大正6年に運転が開始された門沢発電所により、最大出力720kW、昭和55年に運転が開始された漆沢発電所により最大出力3,000kWの発電に利用され云々ということを少し丁寧に書かせていただいてございます。
 それから、今ご覧いただいている本文の下の方の河川の利用のところで、舟運の話、現在の状況も含めて、今では余り利用されていないということでございますが、この辺もちょっと書き加えてございます。
 本文の5ページからは、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございまして、ここからがどういうふうにしていくべきかというような部分でございます。骨子の方で見ますと3ページになります。河川の総合的な保全と利用に関する基本方針ということで、最初は治水、利水、環境の総合的な方針について述べてございます。治水、利水、環境にかかわる施策を総合的に展開するということ。それから、水源から確保まで水系一貫した計画として展開をすること。それから、段階的な整備を進めるようなあたり、目標を明確にして実施をする。これが整備計画を立てていくということも含まれてございます。それから、健全な水循環系の構築を図るため、流域一体で取り組むということ。それから、河川の有する多面的な機能を十分発揮できるよう、維持管理を適切に行うということを本文5ページのところでずっと書いてございます。
 一部ちょっと字句の修正で下水道事業等というのが抜けておりましたが、入れたりはしておりますが、基本的には前にお配りしたものでございます。
 次のページで本文の6ページでございますが、ここから「ア」としまして、災害の発生の防止または軽減、いわゆる水害対策、治水対策の部分でございます。ここにつきましては、流域全体の河川整備の治水対策の方針としまして、最初の上の方に書いてございまして、洪水調節施設と河川改修により、計画規模の洪水を安全に流下すること。それから、内水被害の著しい地域につきましては、関係機関と連携調整を図りつつ、必要に応じて内水被害の軽減対策を実施していくことを書いてございます。
 一部、この上の方では「ア」の次の行でございますが、「災害の発生の防止または軽減に関しては、沿川地域を洪水から防御するため、流域内の洪水調節施設により洪水調節を行うとともに、新江合川の合流や鳴瀬川に豊かな自然環境に配慮しながら、堤防の新設、拡築、河道掘削を行い」云々ということでございまして、ちょっと前にお話ございました新江合川の合流についてのことをきちんと書いておくということで、こういう合流についての配慮をしながらということをちょっとつけ加えてございます。
 それから、なお河道掘削等による河積の確保にあたっては、河道の維持、河岸等の良好な河川環境に配慮するというようなところも前に抜けておりましたが、前々の掘削のご議論がございますように、これについて書いてございます。
 それから、その下のところも、ちょっと前にお配りしたものから堤防云々というところの3行目、下から「なお、内水排除のための施設については、排水先の河川の出水状況等を把握し、適切を運用を行う」というようなものをつけ加えてございます。
 それから、6ページ中段からは河川管理施設の管理、ソフト対策についてございます。ここは適切な管理と施設管理の高度化、効率化、それから地震防災を図るため、堤防の耐震対策をやること、それから超過洪水対策に対する被害の軽減、それから情報伝達体制の確立等の被害軽減。それから、本川、支川の整備に当たっての、先ほど申し上げました新江合川の合流と本川下流部の整備の進捗を踏まえて、バランスをとりながらと、この部分は7ページの頭の部分に入ってございますが、「本川及び支川の整備にあたっては、新江合川の合流と本川下流部の整備の進捗を十分踏まえつつ、本支川及び上下流バランスを考
慮し、水系一貫とした河川整備を行うというふうに少し直させていただいてございます。
 この次「イ」としまして、河川の適正な利用、それから流水の正常な機能の維持ということございまして、都市用水等の安定供給、流水の正常な機能の維持のため、水資源開発を行い、広域的かつ合理的を水利用を促進すること。それから、渇水時の被害を軽減するため、情報提供等の体制の整備、水利使用者及び河川関係機関との連携というようなことを記述させていただいております。
 その下「ウ」は河川環境の整備と保全でございますが、河川環境の整備と保全の全体的な方針としまして、最初の方に6行ぐらい書いてございまして、人々とのかかわりを考慮しつつ、良好な河川景観の保全と多様な動植物が生育・生息する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐ、それから河川環境の整備と保全が適切に行われるよう、空間管理等の目標を定め、地域の連携しながら川づくりを推進すること。
 それから7ページの下の方は、動植物の棲息地・生育地のことでございまして、アユ、ウグイなどの産卵場、それから砂丘性の植物等の生育環境の保全、若干、直してございますが、冬季にはハクチョウ等が多数飛来する中州や寄州の保全に極力努めるというようなこともあわせて書かせていただいてございます。
 それから、本文の次のページにいきまして、良好な景観の維持・形成、源流の船形連峰、田園地帯などと調和した河川景観の保全、それから人と川との豊かなふれあいの確保ということで、鳴瀬川の恵みを生かしつつ、自然との触れ合い、環境学習の場等の整備保全、洪水防御のための先人の治水の歴史と敬水の精神や河川利用の歴史を後世に継承。
 それから水質につきましては、下水道等の関連事業や関連機関との連携・調整、地域住民との連携を図りながら、現状の流行な水質を監視、保全に努める。
 それから河川敷地の占用及び工作物に設置・管理につきましては、治水・利水・環境等の調和を図ること。それから、モニタリング環境に関する情報収集、適切なモリタリングを河川整備や維持管理に反映していくこと。
 それから、地域の魅力と活力を引き出す河川管理ということで、河川に関する情報を流域の方々に幅広く共有して防災学習、環境教育等の充実、住民参加による河川愛護活動等を推進すること等を記述させていただいております。
 それから、本文9ページからは、河川の整備の基本となるべき事項ということで、(1)は基本高水並びにその河道及び洪水調節ダムへの配分に関する事項ということで、鳴瀬川、吉田川、それぞれ書いてございます。
 まとめたものが1つ下の一覧表になってございますが、従前、お話し申し上げましたように、基本高水のピーク流量は変わりませんが、少し河道の掘削を最近の河道の状況等を見まして、先ほどの状況も見まして、増加をしております。河道の配分は従前3,100m3/sが3,300m3/sに鳴瀬川の方はなってございまして、この分、洪水調節施設による調節流量は、前の1,000m3/sが800m3/sになっているという中身でございます。
 それから、おめくりいただきまして、次の10ページ、本文の対比表10ページでございますが、これは「主要な地点における計画高水流量に関する事項」ということでございまして、今、申し上げましたような中身で、流量の配分図と書いてございます。全国的に書き方がバラバラになっているということもありまして、同じように書く必要がないものは書かないということにしておりますが、そういうことで吉田川の方は、1,600m3/sと書いてありましたのを片方だけの記述にしております。
 それから、鳴瀬川の方は鹿島台で3,900m3/sとしておりますが、この少し上流の野田橋、十数キロメートル上流でございますが、適正な流量観測等をやろうといたしました場合、この野田橋の方が適正であるというので、ここで先に流量観測をしてございますので、こちらの方があらわしてございますが、基本的には、この付近という基準点の意味は変わってございません。そういう変更で、先ほどの5,100m3/sが5,300m3/sになるとか、3,900m3/sが4,100m3/sになるとかという200m3/sの河道の増分が載っております。
 それから、その次の11ページは主要な地点における計画高水及び計画横断形に関する、川幅に関する事項ということでございまして、少し左の表に比べて少なく書いてございますが、全国的に同じようなレベルで書こうとして断面をあわせただけでございますので、内容においては、先ほどの流量に合わせた主要地点の幅等を書かせていただいております。
 それから、次の12ページでございます。(4)は主要な地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関するものでございまして、前半分は流況等でございます。真ん中下から流水の正常な機能を維持するために必要な流量は、利水の現況、動植物の保護、流水の清潔の保持等を考慮し、鳴瀬川中流堰下流地点において9月から4月は概ね4m3/s、5月から8月は概ね2m3/sとする。また吉田川落合地点において、9月から3月は概ね1m3/s、4月から8月は概ね1.5m3/sとするように、前に正常流量のグラフ等をご覧いただきましたものを、ここに記載させていただいてございます。鳴瀬川につきましては、以上でございます。
 続けて恐縮ですが、九頭竜川を続けさせていただきたいと思います。九頭龍川につきましては、資料2−2、資料3−2をご覧いただきたいと思います。資料3−2を1枚おめくりいただきますと、先ほどの鳴瀬川と同じように、1ページのところから「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」、最初は流域とか、河川の概要でございます。骨子の方でさっとご覧いただければと思いますが、水源から河口までの概要とか、流域面積、その他につきましては、同じように書いてございますが、流域内の人口の約4割が集中します福井市がございまして、京阪神や中部地方と北陸地方を結ぶ交通の要衝になってございます。あと流域の地質、年間降水量、それから気候等について書かせていただいございます。
 あと流域の自然環境として、上流部は真名川上流域など一部において、荒廃した山林が見られるが、全体的には荒廃が少なく、ブナ林、スダジイータブ林などの照葉広葉樹林があると。中流部は砂州や瀬と淵が連続して、中州や水際にはヤナギ、ツルヨシの植生、それから国の天然記念物に指定されているアラレガコの生息地とか、陸封型のイトヨの生息がみられる。下流部は感潮区間でございまして、アラレガコの産卵場やオオヒシクイの採餌場や休息地となっている。
 それから、本文の方は3ページにわたりますが、水害に歴史と治水事業の沿革ということで、これは本文の3ページから上ですが、江戸時代には福井藩士となって結城秀康が城下町を洪水から守るため、本田富正に命じ築堤を実施した。本格的な治水事業が28年、29年の洪水、それから直轄として31年に第1期改修が始まって、同43年に第2期改修、それから大正13年にこの部分は完成していること。それから昭和28年に大出水がございまして、30年には九頭竜川の再改修計画が策定されたこと。昭和34年8月及び9月の大出水を受けて、九頭竜川水系に九頭竜ダムでございますが、ダムによる洪水調節を行うというものに変更しております。昭和41年に1級河川に指定、それから、工事実施基本計画ができまして、昭和40年には奥越豪雨等がございました。また、これに合わせて工事実施基本計画の改定等がございまして、真名川ダム等が建設されてございます。その後、昭和47年、50年、54年の流れを書かせていただいております。また、鳴鹿堰堤というのが九頭竜川にございますが、平成16年3月に完成をしていること。それから、記憶が新しいところでは、平成16年7月、昨年の豪雨によりまして、足羽川が破堤をしたりして、今、それの鋭意緊急対策をやっているということ等であります。
 この辺からいきまして、本文では5ページの中段からは河川水の利用というものを掲げています。河川水の利用につきましては、農業用水として3万1,000haの灌漑に利用されていること。都市用水としてもまた利用されていること。それから、上流の方は水力発電がかなり多うございまして、53万kWの最大出力で電力供給を行っていること。また、その分、一部減水区間が発生をしたりしております。最近は大分改善をしている。
 それから、水質につきましては、環境基準値を満足しておりますが、真名川上流域で洪水後の山林の荒廃等も、この前お話もございましたが、山林の荒廃で進み、洪水後には放流水の濁水の長期化が発生していること。
 それから、本文6ページからは河川の利用でございまして、ダム湖周辺のオートキャンプやアユ釣り、桜づつみでの花見、散策などでございます。
 本文の7ページから河川の総合的な保全と流用に関する基本方針ということでございまして、最初は治水、利水、環境の総合的な方針ということでございます。全体的に総合的に進めること。それから水源から確保までの一貫したもの。それから、段階的な整備を進めるにあたっての目標を明確にして実施すること。健全な水循環系として流域一体で取り組むこと。河川の有する多面的な機能を発揮できますよう、維持管理をしっかりやろうということ。それから、総合的な土砂の管理からの観点から、安定した河道の維持というものでございます。
 本文8ページからは、「災害の発生の防止または軽減」ということで、治水対策といいますか、水害対策の部分でありまして、全体的な話が8ページの上段でございます。流域全体としては、流域内の洪水調節施設により洪水調節を行うが、その際、関係機関と調整しながら、利水容量の治水容量への活用を始めとする既存施設の有効活用を図って洪水調節を行うこと。それから、洪水調節と河川改修より計画規模の洪水を安全に流下すること。それから、河道掘削等による河積の確保にあたっては、河道の維持、良好な河川環境等に配慮する。それから、足羽川等につきまして、良好な景観を形成している桜づつみを保全しつつ、堤防の安全性を確保すること。それから、内水被害の著しい地域においては、関係機関と連携・調整を図って、必要に応じて内水被害対策をやっていこうということ等でございます。
 8ページの中段からは、個別論として、今度は河川管理施設の管理、ソフト対策等ということでございます。河川管理の適正化、高度化、効率化、内水排除施設につきましては、排水先の出水状況等を把握しての運用、河道内の樹木については、計画的な管理、超過洪水に対する対策、それから情報を伝達する体制の充実、それから本文9ページからは3川に囲まれ、福井市の中心街に人口・資産が特に集積しており、この区域を氾濫域とする空間の整備の進捗等を踏まえて、それより上流部の整備を進めるなど、上下流バランス等を考慮した水系一貫の河川整備ということで、9ページの上の方は、ちょっとその辺の位置関係がはっきりわかるように、今のような中身で書き換えてございます。
 それから、9ページの「イ」からは、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持ということでございます。新たな水資源開発を行うとともに、広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど、都市用水等の安定供給や流水の正常な機能を維持するため、必要な流量の確保に努めると。渇水等が発生したときの被害を最小限に抑えるため、情報提供等の体制、水融通の円滑化、関係機関との連携ということを推進しようというものでございます。そうした「ウ」からは、河川環境の整備と保全ということで、河川環境の整備と保全の全体的なものが最初に書かせていただいておりますが、この流域の風土、文化、歴史を踏まえて、良好な景観、清らかな水の流れの保全、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐように努めようということ。それから、河川環境の整備と保全が適切に行われますよう、空間管理等の目標を定め、地域住民、関係機関と連携しながら、地域づくりにも資する川づくりを推進しようというものでございます。
 9ページの下の方からは、動植物の生息地・生育地の保全、先ほど概要でお話をさせていただきましたようなものの保全の図ろうというものがございます。
 それから、10ページの上段からは、良好な景観の維持・形成ということでございまして、周辺の山岳景観と調和した河川景観、瀬・淵・河原としての多様な景観の保全、その次は人と河川の豊かなふれあいの確保ということでございます。こういった恵みに関しての自然とのふれあいの場としての整備・保全等々でございます。
 10ページ中段からは水質ということで、関係します機関とか、事業と連携いたしまして、地域住民との連携も図りながら、水質の保全をしていこうというもの。それから一番下の方、河川敷地の占用工作物の設置管理につきましては、先ほどの鳴瀬川と同じように、治水、利水、河川環境との調和、あとモニタリング、情報の共有の連携というものでございます。
 本文の方、12ページからは河川の整備の基本となるべき事項ということでございましてが、先ほどの各3つの川の合流の水位の話を申し上げましたときの図でもわかりますように、お話も申し上げましたが、個別に九頭竜川、日野川、足羽川というものを、従前からではございますが、計画基準点を設け、そこで基本高水のピーク流量を算出してございます。前は、それを特段記述しておりませんでしたが、この川の特性としても、そういうことを明らかにした方がいいだろうということで、新しくは内容において変わるわけではございませんが、右の表にございますように、九頭竜川、日野川、足羽川、それぞれにつきまして、基本高水のピーク流量と調節流量、河道への配分を明らかにしたというものでございます。
 13ページは主要な地点における流量の配分等でございます。中身は基本的には同じでございますが、基準点の少し位置ずれといいますか、適正化を図っておりますのと、●で書きましたのは、主要な地点ですが、黒い四角で書きましたのが、計画基準点、こちらがベースでございまして、主要な地点を計画基準点にしているというものでございます。
 14ページは主要な地点における計画高水位とか、横断形でございます。基本的には、同じようなものでございますが、先ほどの鳴瀬川と同じで全国的な川の並びで書き方について整理をしてございます。その中で九頭竜川、日野川については、それらの4地点、それから足羽川につきましては、天神橋の基準点を設けました関係もあって、新たに天神橋の部分をつけ加えてございます。
 それから、15ページにいきまして、主要な地点の流水の正常な機能を維持のための流量でございますが、九頭竜川の本川と第一次支川でございます日野川につきまして記述してございます。2段落目が九頭竜川本川の中角地点における流水の正常な機能を維持するための流量といたしまして、4月から8月は概ね15m3/s、9月から11月は概ね26m3/s、12月は3月は概ね17m3/sとするというものでございます。同様に日野川につきましては、2段落下の「三尾野地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量は」というところでございますが、利水の現況、動植物の保護・漁業等を考慮して、3月から11月は概ね8m3/s、12月から2月が概ね6m3/sとするという内容でございます。
 続きまして最後になりますが、高津川水系のお話をさせていただきます。
 高津川の方も資料2−3、それから資料3−3両方用いてお話をさせていただきますが、資料3−3の横長の方を1枚お開きいただきますと、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」、最初は流域及び河川の概要ということで、骨子にもございますように、このあたりの流域面積、その他の状況について書かせていただいております。
 かなり特徴的にアユのお話があちこちで出てきますが、そういう状況を書いてございます。それから、流域の自然環境、河川争奪、前に流域が変わってしまったようなお話も申し上げました。それから、上流の自然の状況、それから中流の瀬や淵が交互に連続して、変化に飛んだ河床が天然のアユの場になっていること。下流が緩やかな蛇行形状を保っているが河口の方まで結構勾配があるというようなことで、ここも含めてアユの生息が多く、アユカケの個体も多い。
 舟運がございましたが、藩政時代から盛んで津和野まで達しておりました。その辺の状況、現在はそういうものは見られなくなっておりますが、そういう歴史、それから、本文3ページの下段からは災害の歴史と治水事業の変革ということで、近代的な治水の端緒として、昭和7年から島根県が河道改修に着手をされまして、その後、昭和18年の出水、24年から27年にかけての改修、42年にまた計画を直しておりました。
 それから、大きなものとして、昭和47年7月の洪水で大変を被害を受けてございます。これに合わせた改修等が順次行われてきたこと等までを3ページまでで書いてございます。
 先ほどちょっと端折りましたが、天然アユの有名な場所でございます。その部分、3ページの上には、感潮域直上流にはアユの産卵場が多く見られるとともに、河床に礫が多く、付着藻類の生息環境が良好であるため、大型の天然アユが多く生息している等、少し中身がどうして天然アユがというのを、もうちょっと書いた方がいいのではないかということで、こういうふうな書き方をしてございます。
 次のページ、本文4ページにいきまして、水質ですね。これは非常に全体きれいな川でございます。その辺のこと。それから河川水の利用について、農業用水への利用、それから水力発電としての利用、それから河川の利用としまして、先ほどまたアユに関連しまして全国からの人が来ること、それから川をうまく生かしました昔からのいろいろな祭りその他、それから河川に関する地域活動としまして、地域での取組みが事例として、「高津川活性化サクセス会議」だとか、「水辺EN組プログラム」などかも書かせていただいておりますが、そういう取組が熱心に行われていること等でございます。
 本文の5ページからは、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」ということで、地水、利水、環境の総合的な方針について述べております。治水、利水、環境の政策の総合的な展開、それから水系一貫、それから段階的な整備をちゃんと目標を定めてやること。それから、水の循環系として流域一体としてやること。それから、河川の多面的な機能は十分発揮できますような適切な維持管理をしていくこと等でございます。
 6ページの上段からは、災害の発生の防止または軽減ということでございまして、流域全体の河川整備、治水対策の方針として書いてございます。洪水調節施設と河川改修により計画規模の洪水を安全に直そうということ。それから、河積の確保にあたりましては、河道の維持、河岸との良好な河川環境に配慮するというようなことでございます。
 本文の方は、その辺、少し河道掘削等の河積の確保、良好な環境の維持の配慮等について、少し直して適正化を図ってございます。また、その下の段落、堤防から始まりのところでございますが、途中からの「なお、内水排除のための施設については、排水先の河川の出水状況を把握し、適切な運用を行う。地震・津波対策等を図るため、堤防の耐震対策を講ずる」こと等をつけ加えてございます。
 それから、6ページの途中からは河川管理施設の管理とか、ソフト対策でございます。先ほど来の川と大体似たようなことでございますが、その辺について、書かせていただいてございます。
 7ページに入りまして、「イ」としまして、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持ということでございますが、今すぐということではございません。将来、新たな水需要が生じた場合には、関係機関と調整しながら、水資源の合理的な利用の促進を図っていくということ。渇水などが発生しましたときに、情報提供体制だとか、それからの体制、関係機関との連携でございます。
 7ページの真ん中からは河川環境の整備と保全ということで、全体的には治水、河川利用との調和、その他自然環境の保全・再生を努めるということ等でございます。7ページの下からは、動植物の生息地・生育地の保全ということで、やはり瀬や淵が交互に連続する現在の河床状況が非常にある種、こういう魚等についての特徴的な良好な環境でございます。治水面と調和を図りつつ、可能な限りこういったものを保全していこうということ等でございます。
 7ページ一番下の方で、良好な景観の維持で、穿入蛇行する特徴的な景観等がございます。周辺の山の緑と調和した河川景観の保全を図るというようなこと等でございます。
 8ページにまいりまして、人と河川との豊かなふれあいの確保について、調和と適正を利用、それから先ほど来申し上げましたいろいろなかかわりも熱心にやっておられる。これはほかの過去2つ成瀬、九頭竜も同じでございますが、そうしたかかわりを大事にしていこうということでございます。
 それから、8ページの中段からは水質、非常に良好な水質でございますので、これを大事に保全をしようということ。それから8ページの下は占用及び許可工作物の設置・管理にあたりましては、治水、利水、河川環境への調和、それからモニタリングをしっかりやろうということ。地域の魅力を引き出す、活力を引き出す河川管理ということで、地域の方々と一緒になって、防災学習、河川利用、安全教育、環境教育、河川愛護活動等を推進していこうというものでございます。
 9ページの本文でございますが、2番として「河川整備の基本となるべき事項」でございますが、こちらに関しましては、前の資料でお話申し上げましたように、昭和47年7月の洪水がございます。これをもとに考えますと、基本高水のピーク流量5,200m3/s、流域で何とかためました分で300m3/s、河道の方が大体4,900ぐらいが実態的に限度といいますか、基本高水のピーク流量、及び調節施設との配分を新たに変更及び定めてございます。
 その次のページの10ページは、今申し上げました流量配分図等でございます。それぞれ下の一番下流部のところが4,900m3/s、それから途中破線がございますが、ここが3,500m3/s、それから上の方にいきまして、神田3,100m3/s、合流します匹見川、それから津和野川の流量でございます。匹見川の従前の記述のしかたを変えてございますので、2,100m3/sというふうにしております。少し基準点の名前が変わっているのもございますが、現地の流量観測とか、後々の管理の上で、それぞれ少しずらしたものでございますけれども、基本的には同じ構図でございます。ポイントとしまして、下流で4,200m3/sでございましたのを、4,900m3/s流れるようにと。それから、周りで300m3/sぐらいをためるという構造でございます。
 それから、11ページは計画高水位、計画横断形でございます。数が少し記述分が減ってございますが、ある程度主要なといいますか、本川のピーク流量の1割以上とかのものに絞って、今、全体の記述をしております。こういうベースに従って、特別それ以上増やす必要はないだろうということで、あとは河川整備計画の方で書くというようにしてございますので、3つになってございます。
 それから12ページでございますが、主要な地点における流水の正常な機能の維持に関する流量に関するものでございます。真ん中ぐらいのところにございますように、神田地点における流水の正常な機能を維持するための必要な流量といたしまして、概ね4m3/sというようなことを記述させていただいてございます。
 以上でございます。
(委員長) ありがとうございました。それでは、鳴瀬川等の3水系の河川整備基本方針の本文案について説明をいただきましたので、これらについて、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。
 最初に、私の方から指名させていただきますが、鳴瀬川水系の地元に詳しい委員としてご出席の○○委員から、まずご意見を賜りたいと思います。
(委員) 特にございません。おおよそ了解をいたしました。
(委員長) それでは、河川工学の立場から○○委員お願いします。
(委員) 概ね結構だと思うんですが、1つだけ、1か所だけ、鳴瀬川の資料3−1、7ページでございますけれども、ウの「河川環境の整備と保全」の下から3行目です。ちょっと気になる文章で、「中州や寄州の保全に極力努める」という、具体的に書いてしまうとちょっといろいろ問題があるのではないかと思います。というのは、今、ダムで洪水をカットしていて、いわゆる礫床だった中州に樹木が非常に繁茂している。それが治水上も問題があるし、あるいは礫河原を利用していた鳥類とか生態系に関しても環境が悪化しているわけです。そういうようなときに、具体的に中州や寄州の保全に極力努めると書いてしまうと、中州・寄州は手をつけるなというような趣旨でこの条文がひとり歩きし出すと非常にまずいことになるんじゃないかと思います。ほかの2河川の記述を比較してみましたけれども、こう具体的に書いてあるところはなくて、生態環境の保全に努めるとか、例えば治水面等との調和を図りつつという言葉があったりして、もう少しいろいろできるといいますか、要するに中州や寄州を適切に管理していくというようなことが可能な文章にした方がよろしいのではないかと思います。その点だけは気になりました。
(委員長) これはハクチョウ等が多数飛来するという環境を保全しようという趣旨で、礫化河川が森林化してしまうのではないかと、そういうご懸念ですね。
(委員) はい。
(委員長) ちょっとここは工夫いたしましょうか。ご提言がありましたらいただきたいと思います。
 次に、九頭竜川水系でご出席の○○委員にお願いいたします。
(委員) 概ねこれでよろしいかと思います。特に私がちょっとこの点はよかったなと思いますのは、8ページ、真ん中ぐらいなんですが、最近、福井市内におきましては、内水の被害の点です。内水被害というのが近年著しくなっておりまして、やはり九頭竜川、日野川、足羽川の疎通能力を上げる形によりまして、内水の被害を軽減できるという、まず基本的な点がここに書かれているということにつきましては、私は非常にいいと思います。確かに河道内の樹木におきましても、以前に比べますとふえております。これも例えば昭和何十年代、そういった時代の河道というものが自然環境がよかったと、そういう時代の河道内の状況も踏まえつつ、こういった河道内樹木の適切な管理というのが必要になってくるのかなと思います。
 それから、ここには直接は触れていなかったとは思うんですけれども、一点気になりましたのは、前のページの7ページ目には書かれてあるんですけれども、水源から河口までの流域全体での治水管理という面から考えますと、上流の森林域、水源地域での森林域の整備というものが治水災害、あるいは土砂災害の軽減を図るんじゃないかのかなという形で考えられますので、何かここら辺が若干文言的に入っていればちょっと気持ちがいいかなというのが個人的な考えでございます。
 以上です。
(委員長) 何かもしご提案がありましたらお願いしたいと思います。○○委員、よろしくお願いします。
(委員) 前回の説明資料等、欠席しておりましたので、既に語られているのかもわかりませんが、今日、補足説明をいただいて、複数の基準点について、今日ご説明、補足いただきましたので、その点については、前回ご質問、コメントがあった、そういう形のものを同じように思っていたものですので、それは了解、合意できる内容だろうというふうに思っております。
 それから、これは3つの基準点で集水面積というか、流域面積が2,000km2、1,000km2、数百km2と、洪水継続時間が、いずれも二日雨量という形で、それはいろいろな相関をとられて、この天神橋基準点でもそういったものが非常にフィットする内容だというような形で、なされているというふうに理解した上で、パッと見たときに流域面積の違いで継続時間等を見たときに、そういうことを含めて了解できる内容かというふうに思っております。福井豪雨の場合は非常に短いというものですけれども、流域面積の違いを基準点で見たときに、いずれも二日雨量だという形のものについて、若干そういう形のものを思った次第でございます。
 それからこれは県の管理区間、足羽川の方が正常流量は余り考えないでもいいのか。この整備基本方針の中には書くものではないというのか、算定もまた同じようなレベルでできる内容かどうかわからないんですけれども、正常流量の取り扱いをどう見ておったらいいのかなということを少し質問した次第でございます。そのあたり、前回欠席もしておりましたので、ちょっと要領がわかりませんけれども、少し思ったことを言わせていただきました。
(委員長) 第1点は前回ここで議論したかなと思いますが、二日雨量とか三日雨量で何か基準があるのかとの趣旨だと思います。委員も当然ご承知のご発言だと思いますが。100年とか何十年とかの計画を練るに当たって、どうしても明治時代からの観測資料によらざるを得ない。昔は時間雨量資料がないものですから、一日雨量ですと、洪水が夜に来て翌朝まで続くと、どうも一日単位ではおさまらないので、どうしても最低限二日雨量ということになります。それに近年の時間雨量を含めた降雨パターンをかみ合わせて解析しています。データの制約があるということで、ご理解をいただきました。
 2点目については、事務局からコメントがありましたらお願いします。
(事務局) 前に県の代理の方からもお話がございましたが、これは全国的にすべての川について正常流量ということではなくて、本川と一次支川で今回書いてございますので、一応それでよろしいかなというものでございます。ちょっと前はもう少し下流部の方にあったんですけれども、感潮域というようなことがあってうまく評価ができないというので、少し上へ上げたというのが今回でございますので、こういうことでいかがかと思っております。
(委員長) 正常流量のお話は、繰り返し昭和40年ごろから工事実施基本計画を定めてやってきましたけれども、ほとんどの河川が調査検討ということになっていまして、そのまま40年以上経つんですかね。そろそろ決めるときではないかということで大胆に決めつつあるんですが、なかなか異論もあるようでありますので、決められるところからやってみて、運営しながら、また見直すということではないかなと委員会としては、今まで整理させていただいています。
 次に、高津川からおいでいただきました、○○委員、よろしくお願いします。
(委員) ただいま計画案が出されておりますが、高津川については前回も申し上げましたように、昭和18年、昭和47年と大変大きな被災を受けております。
現在は81kmあります上流から、我々、一番下流におるわけですが、以前4時間〜5時間程度で到着しておりましたが、近時は3時間程度で到着する状況になっております。流速が早くなったことは河道整備の成果だと思います。流水速度が早まったことは改修整備の成果だと思います。それだけに治水、利水や生態の環境保全は必要不可欠と考えられます。
今回の整備基本計画はそのようなことも想定されており、さらに高津川のよさ、いわゆる水質・環境によるアユの生息、災害時の情報伝達、住民の安全・安心度の向上等きちんと織り込んでありますので、この案を了解したいと思います。
 つきましては、早期に整備計画樹立をお願い申し上げます。
(委員長) ありがとうございました。○○委員、河川工学の方からご意見がありましたらお願いします。
(委員) 具体的なものが出てきましたので、2点ほど意見を述べさせていただきます。
 まず、10ページ、「高津川計画高水流量図」というのがございます。先ほどからお話がありましたように、高津川の派川の近辺は、アユの漁場として大変重要でありまして、その状態をできるだけ維持したいというのが地元の強い意向であると聞いておりました。左の現行計画では横田という地点があります。これは高津川の派川に入る流量を規定すべく書いていたのだろうと思うんですが、今回の計画では、これをとってしまっています。高津川の派川には、かなりの流量が流入するはずなんですが、一体どう規定するのだろうかというのが心配です。要は、現行計画で横田の地点では4,200m3/sで、派川には1,100立方メートル/sを分派すると書いてあるんですが、今回は河道の持ち分が多くなっていますし、その程度のものは流れるのだろうと思うんです。派川の流れ方というのは、ここの本川の河床高とかいろいろなところに影響してくるということを、以前現地を見て感じていましたので、派川の流量は記入する必要はないのかということがまず1点質問です。
 2点目は、よくわからないで質問させていただきます。隣のすぐそばを流れている。益田川は以前は高津川と一緒に流れていました。昭和58年の洪水で益田川が大氾濫して、氾濫水が高津の市街地を襲いました。益田川は、二級河川ではあるんですけれども、言うなれば、市民にとっては同じ氾濫域なわけです。そこから水をもらうという心配があるんですが、現在これは高津川だけを議論していますから、そのことについては触れていないんですけれども、市民の立場からすれば、二級河川の整備計画ができたり、ハザードマップができたりするけれども、整備基本方針の流域の概要のようなところで益田川があふれたことによって昭和58年に高津の市街地に水ついたということは明示しておく必要はないのでしょうか。流域が違うから書く必要がないのでしょうか。しかし、川の成り立ちからすれば、同じ流域であったということで心配があるんです。この2点が質問です。
 以上です。
(委員長) ちょっと質問でございますので、事務局に答えていただきますが、流域という定義の問題もあって、河川技術屋さんは、集水域を流域と言っているんですけれども、今のは氾濫区域がダブるということですね。
(委員) そうです。
(委員長) それについては、高津川の整備方針として益田川まで書き込むというのはいかがか、益田川の河川整備基本方針を制約するのはいかがかと思います。その点について答えていただきたいと思います。
(事務局) お話がありました順番からしますと、10ページのこれは、実態上からいいますと派川がございますけれども、これは派川の方へ行きます流量が1,300m3/sです。それから支川がまた入りまして、結果、ちょっと時間のずれその他がございますので、出るところが1,400m3/sのようでございます。その辺のものについて、今おっしゃられた横田というところを書けばいいのかどうか、それとも派川そのものを書くべきなのかちょっとございますけれども、今のおっしゃられるようなことからすると、横田というところに書くことは、特段やぶさかでないと言うと変な言い方ですが、いいかとは思うんですが、ちょっとその他確認させていただきしまて、ご趣旨はよくわかりましたので、そういう必要性があれば、そんなふうにしたいと思っております。
 それからもう一点の益田川とのあれは、内容の記述においてはさせていただければと思いますが、この水系は水系でとは思いますけれども、おっしゃられるような、前回もお話し申し上げましたが、もともと一つの川であったものを分けてきた流れの川でもございますので、そこについては、もう少し丁寧な書き方をさせていただければと思います。
(委員長) 利根川の氾濫区域と荒川の氾濫区域はダブっているわけですね。だから、利根川にも荒川を書いて、荒川にも利根川を書くのかという問題にも通じるのですね。住民からすれば情報ですから、氾濫原としては利根川も荒川も書いてほしいというんですね。河川整備基本方針として相手を、つまり益田川に向かってどうしろと、こういうような書き方になるとちょっと本末転倒になるので、そこはご理解いただきながら書かなきゃいかんと思います。
 一通り地元に関係ある委員からご質問いただきました。この後はどうぞご自由にご発言をお願いします。○○委員どうぞ。
(委員) 前回欠席をいたしましたので、あるいは話に出たかもしれないんですが、鳴瀬川と吉田川流域の地震防災対策の問題ですが、事務局はもうご存じかと思いますが、今、中央防災会議で日本海溝、千島海溝のいわゆる海溝型の地震の防災対策推進地域を決める専門調査会をずっと続けてきておりまして、先月の調査会のときに一応案が出されたんですが、それを見ますと、資料3−1、鳴瀬川水系の本文の一番最後のページに地図がございます。この地図に各市町の名前が載っていますが、このうち、12の市と町が防災対策推進地域の案に載っております。
 具体的にどういうことかというと、震度6弱以上になるであろうところ、それから大津波が襲ってくる。津波の波高が3m、浸水深が2m以上というところを前提にしまして、これらの地域を推進地域として指定をしようということになっていますので、これを付記しておいていただきたいということです。これは中央防災会議のホームページがありますから、そこを引っ張り出していただければ、11月の16日に開いたところにそれが載っております。
 それから、当然のことながら、今お話しした日本海溝、千島海溝の海溝型地震の中には宮城県沖地震というのが含まれておりまして、これは本文にも書いてありますとおり、1987年宮城県沖、それから一昨年の宮城県北部の地震で堤防などにかなりの被害が出たわけなんですが、宮城県沖地震というのはかなり切迫性が指摘されていて、本文にも30年以内99%という地震調査委員会の確率評価が出ていますけれども、少し正確に言いますと、これはあくまでも平均です。宮城県沖地震というのは、17世紀末以来、平均して37.1年ぐらいの間隔で発生をしていて、この前の宮城県沖地震から今年でちょうど27年経っていますから、もう折返点をはるかに過ぎていると、こういう状況ですから、かなり切迫性があるとみておかなければいけないということと、もう一つ、もしも次に起きる宮城県沖地震が日本海溝の側と連動をしますと大津波が来る。これは1693年の地震がそうなんですけれども、津波の問題というのもありますので、本文の中にたしか堤防の地震対策ということが書いてありますが、やはり津波も加えておいていただきたいということです。
 以上です。
(委員長) それでは、ちょっと案文について考えていただきたいと思います。そのほかどうぞ。
(委員) 鳴瀬川と九頭竜川は、いずれも近年破堤していますよね。ところが破堤した洪水に相当するのは、今回の計画の中では雨として採用されていないわけです。それは理由としては明確で、その川にとってはすごい雨であったんですれども、流域全体として考えるような雨でなかったということなんだろうと思います。しかし、住んでいる人々にとって、非常に印象深いと思うんです。最近起こった洪水で破堤したということだけ書いてあって、要するに、そのときの整備との関係で破堤したわけですけれども。これを読むのは別に専門家だけではなくて、今後、河川整備計画をやっていくときにも、これでロードマップとしてみんな見るわけですね。そのときに破堤した流量というのを、破堤したというのは、昭和60年と61年とか平成16年とかそれぞれみんな記憶にあるところなんですが、それが計画洪水流量を計算するとき使われていないということは、恐らく私自身が河川工学を勉強していなきゃ不思議に思うんです。本当は破堤したと書くときに、その当時の河川の整備が十分できなかったために破堤したとか、そういう表現を入れる必要はないのだろうか。これは河川整備基本方針だからと言われると、ちょっとよくわからないで言っているんですが、読む側の者にとって、今後の整備の中で、完成するときまで随分時間がかかるわけですから、そういう大きなイベントをどう位置づけるかが問題です。そうすると、特に破堤した実績を持つ川については、そのことを意識した書き方が必要なんじゃないかということが私の質問です。これは私自身もどうするのかわからないで質問しています。
 以上です。
(委員長) これは河川工学者の立場を離れて、一般住民として誤解を招かれないかという質問ですね。事務局から。
(事務局) 今おっしゃられますようなところは、前の概要の部分といいますか、そこだと思いますので、そこにはおっしゃられるようなことで書かせていただければいいかなと思います。今はさらりと、例えば九頭竜川ですと、16年7月の洪水ではこれこれこれであったと。その後の対策も書いてございますが、こういうことで、こういうこともしていたみたいなことは書ければいいかなと思っております。
(委員長) 今の計画対象に入っていないというのは、ちょっと誤解を招くと。
(事務局) おっしゃられたような原因の方を明らかにすることで、その誤解がないような書き方でいいかなとは思いますので。
(委員長) 既往洪水は一応計画対象にしていますということですね。入っていないという説明だと、本当に皆さんびっくりしますから。それらも含めて計画対象にしているということで、わかりにくいところは直していただきたいと思います。
 どうぞ○○委員。
(委員) まず最初に、私も益田に関係しているものですから、高津川で少しと思ったんですけれども、この2ページの最初のところで、「錦川水系によって高津川が河川争奪を受けたため源流域を失い」というところの表現が、私もこういうことを理解していなかったんですけれども、これは河川争奪という行政上の裁きかなんかによってか、流域変更されたと、そういう理解でいいんでしょうか。
(委員長) ちょっとこれは地質学の分野の問題のようですから。では、どうぞ。
(事務局) ちょっと参考資料の1−3ということで、前回の1枚目の右上に「河川争奪」という、河川争奪がちょっとわかりにくいかもしれませんが、川が緑っぽい薄い黄緑色のものが、真ん中の黒い緑も含めて全部左から右までつながっていたんですが、真ん中に錦川という、これは瀬戸内海の方へ流れます川がどんどん削れて入っていって、真ん中の黒い緑は実は谷になっている。そうすると、これから右の部分の薄い緑の田んぼみたいな平野のところも含めて錦川の方へ行っちゃったという、地質の浸食上の話でございます。
(委員) では、自然現象で、そういうことですね。この言葉が初めて聞く難しい言葉だったものですから。
(委員) これは地理学の用語でして、英語では、河川のpiracyというんですよ。pirateのパイ、要するに争奪。上流部分で片側の浸食が激しくなると、河川がこうして反対側に動いてしまったりするんですね。それを争奪という呼び方をしているんです。
(委員長) ドナウ川とライン川の流域界は、ライン川の方が急勾配で、ドナウ川は緩勾配なものですから、いつの間にかライン川流域がだんだんドナウ川の流域を削っていくんだそうです。それを地理学者の専門家がおっしゃっている。びっくりしますけれども、日本にも例があるとは思いませんでしたけど。
(委員) もう一つは、先ほど福岡先生の方がお話になりましたけれども、私もそういうことで、益田川については非常に関心があるんですけれども、図面とか、あるいは委員長の言われるように、もちろん流域が違いますからあれですけれども、多少触れておいてほしいなという気はいたします。それはどうこうではありませんけれども、そんな気持ちがするということでございます。
 それともう一つは、河川の正常流量の点になるんですけれども、例えば高津川の場合は正常流量4m3/sというふうになっているんですけれども、10分の1渇水流量で見ますと、3.6m3/sというふうに聞いていますが、3.5m3/sをまるめて4m3/sというふうにされたとお聞きしているんですけれども、ほかの九頭竜川・鳴瀬川は、正常流量が渇水流量といいますか、低水流量といいますか、平均渇水流量というのは、そういったものよりも上になっているんですけれども、鳴瀬川と九頭竜川と高津川とちょっと違うんですけれども、仮に正常流量は確保目標といいますか、正常流量を流すという義務的な感じでおられると、将来どういう形で正常流量を確保されるのか。河川の水源施設によって確保されるのか、あるいはこういう正常流量という目標値は示すけれども、示すだけなのか、そこらあたりのところをもう少し知りたいんですけれども。すべてなお書きのところで、「流水の正常な機能を維持するため必要な流量には、水利流量が含まれているため、水利使用の変更に伴い、当該流量は増減する」。こういう表現で統一はされているんですけれども、この正常流量を確保した場合どういう形で確保できるのか、水計算といいますか、水収支計算、そういったものを現河川環境の中で想定し、算定されたことがあるのか一点聞きたいと思います。
 もう一つは、この九頭竜川地域の「災害の発生の防止又は軽減」のところですけれども、洪水から防御するためということで、「その際」、以下なんですけれども、「利水容量の治水容量への活用をはじめとする既存施設の有効活用を図る」というふうになっておりますけれども、これは当面という意味合いの表現なのか、当面といいますか、一時的に利用するという意味なのかどうかということで、一時的に利用するということであれば、やはり河川整備基本方針に明記することでもなくて、ダムの運用の中で利水者と河川管理者との調整の中で判断できると思いますし、少しこのあたりをまずお聞きしたいんですけれども、2点。
(委員長) 以上2点、事務局からお願いします。
(事務局) 正常流量は、先ほど河川法の施行令の項目に従って、それぞれがそれだけあるべきものといいますか、あるものとしてそのぐらいが必要だというものかとは思いますが、さっき高津川の方は非常にきれいな川でございますので、現状のものよりも実際の渇水流量の方が正常流量よりも多い。そういう川はそれはそれでと思いますし、ほかの九頭竜川だとかは、上流の施設等で、今、九頭竜川の上流の対応をしようとしているものでございますので、それでいいかなと思うんです。
 ちょっとご質問のところがよく理解できていないところがあるかもしれませんが、あるべきものとして、一応、正常流量を書くべきものかとは思ってございます。それは動植物であるとか、景観であるとか、そういう中でこのぐらいはあるべきだと。ただ、そこに至ります過程みたいなものは少し工夫があったりするのかというので、前、遠賀川だとかでも周りの下水道の再利用だとかいろんなものを駆使してとか、そういうふうな書き方をさせていただいたわけでございます。たまたま今ここにありますものは、高津川につきましては、非常に清廉な水が豊かなに流れていますように、日ごろでもそういう水がある。それから九頭竜川とかは、これに従って上の方で水開発といいますか、水の施設もできますので、その中で対応していこうというようなことで、前の方の文章の中でもそんなふうに整理をしてございます。
 例えば、九頭竜川ですと、9ページあたり、新たな水資源開発施設でみたいなことを書いたりという書き分けを今しております。加えて、先ほど申し上げました遠賀川とかああいうのは、そういうのも近々予定がないので、下水の再利用その他のお話を書いたというものでございます。
 2点目の既存施設の有効活用は、基本的には一時的な利用というものではなくて、恒久的な利用かと思いますが、ただ、利用の仕方の中には一時的なものといいますか、先ほど一時的な例で運用のお話もされておりましたが、そういう運用なんかでもできるものがあれば、当然そういうものに入れればと思いますが、ここで書いていますのは、基本的には、緊急避難ではなくて、将来形として現在ありますもの、例えば吉野川のときもお話をさせていただきましたが、現在のこれは、実運用の中でも発電容量がありますものを渇水のときに一時期それも運用して流しておりましたものを、少し一般ルール化をするような検討を今してございますので、そういったたぐいが、ほかの川、ほかのダムなどの施設でもできれば図っていきたいというように考えてございます。
(委員長) よろしゅうございますか。
(委員) 今の説明はわかりましたけれども、正常流量につきましては、やはり利水者としては非常に微妙な問題を含んでおりますので、できましたら、いろんな段階で更なる形の検討も併せて、いい方向に表現も統一した形で進めていっていただきたいというふうに思っております。
 先ほどのダムの一時的利用でなくて恒久的ということになると、この表現でいいのかなという気もいたしますけれども、説明としてはわかりました。
(委員長) では、どうぞ○○委員。
(委員) 今の○○委員の関連なんですけれども、今の河川のダム等の有効利用につきまして、私はちょっと出ていないんですが、利根川だとか淀川の方で既存水量の有効利用について、治水との関連も含めていろいろ見直しをされているやに聞いておるんですが、こういう動きはほかの河川でもこれからずっとなさるのか、ちょっとA組とB組で私はB組を担当しておりますので、そちらをちょっと出ていないものですから、そういう河川局としての動き等につきまして、基本的な事項でございますので、従来から水資源機構等が開発したダム等もございますので、そういう中でもどんぶり勘定するのかというような話もございますので、その辺につきまして、基本的なお考えといいますか、その辺についてご説明いただければと思いますが。
(委員長) では、どうぞ。
(事務局) 利根川の話は、例えばというので絵でも含めてお示しをしているのですが、下久保ダムとか、神流川の方にあります大きなダムがございます。ああいうのと、例えば利根川の上流の沼田、水上の方面のダムとでは雨の降り方も違うというので、そういうので、今お示ししましたのは下久保ダムみたいなものと、利根川の本川のダムの容量と少し連携運用をすれば、例えば洪水を下久保ダムの方にもってきて、今まで下久保ダムで確保していた利水を他のダムでやった方がより効率的な場合があったりすれば、そういうふうにしようというので、ちょっと今計画を検討中でございます。
 それから一つには、既存の施設を嵩上げしてつくれれば、それは全く新たなところで、地元へのインパクトといいますか、少しうまく活用できるのではあればしようと。ただ、私どもの行政の方針とすれば、既存ストックの有効活用は、これは河川に限らず、道路でいたしましても、住宅にいたしましても、既存ストックの有効活用が図れるものは徹底して有効活用を図りたいと。例えば、ダムの堆砂といいますか、砂がたまっていますもの、それを放っておくのではなくて、うまく運用しますと、その分の効用が発揮できるんじゃないかというようなご議論も吉野川とかではございました。そういうことも検討しているところです。
(委員) ありがとうございました。最近、水道なんかの需要が鈍化してきておりまして、従来つくったダム等におきまして、水が少し余裕ができておるといいますか、県の補助ダムなんかでは、従来つくったダムで水道水が余り要らないようなところも出てきているやに聞いておるのでございますが、そういうものにつきまして、治水の方にひとつ転換してもらえないだろうかというような相談も受けるわけでございますが、こういう点につきまして、河川局としてはどういうふうにお考えになっているのか、この機会にちょっとお聞きしておきたいと思いますが。
(委員長) どうぞ。
(事務局) それは今の治水・利水の統合運用といいますか、全体の再編みたいなものは、当然今おっしゃられますような個別のところも、要らないものを引き取るということはないと思うんですけれども、要るものであれば、当然、既存のストックをみんなで川に還元します、みんなで有効に活用しようという意味では、水道でありましたものを治水にもっていったものも過去にございますので、そういうことはあるかと思います。ただ、個別のところで、その必要性だとか、全体の中でどうするかということもきちんと検討して、そういうことを進めるということになるかとは思います。
(委員) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
(委員長) ほかにどうぞ。○○委員どうぞ。
(委員) これは3つの川について共通してあるんですけれども、ソフト対策のところなんですが、実は昨日我々のところで公開講座をやりまして、ハザードマップをどういうふうにつくって、どういうふうに生かしていかしていくかというふうなことをやりました。地域住民の方も出られたんですけれども、その中で出てきたのは、例えば河川の右岸とか左岸もわからない。堤防の内側、外側と言われてもどっちが内か外かわからない。こういうふうな知識のレベルに今あるわけです。そういった中でハザードマップの作成の支援、これは今やられているので、それでそれでよろしいかと思うんですけれども、そうした河川の基本的な知識もないままで、例えば防災訓練とか、防災意識の向上を図るというふうな形で書いてあるんですけれども、これはなかなかうまく浸透しないと思うんです。ですから国の方としても、平常時から河川の学習会とかそういったようなものは、マップの作成とともに、同時並行で当然行っていくべきものだろうと思っておりますので、そうした河川の学習会というものも、今後ソフト対策の中に織り込んでいただければありがたいかなというふうに思います。
(委員長) 大変貴重な話なので、後で河川局長から決意をお聞きしたいと思います。この件はこれでよろしゅうございますね。
 そのほかにございますか。○○委員どうぞ。
(委員) 前回もちょっとご質問したんですが、資料3−2の九頭竜川で5ページのところに、ちょっと見ていただきたいんですが、これは参考資料1−2の11ページに書いてあるんですけれども、この表現がちょっとずれているところがあるので確認したいんです。参考資料の11ページでは、課題として、「山林の荒廃が進み、洪水後の放流水の濁水が長期化している……との指摘がある」と書いてあるんです。その下では、「真名川ダムの濁水の長期化については……連携して対策を検討する」と、こういうふうになっていますが、本文では、今回は「しかしながら」と書いて、山林の荒廃が進み、洪水後の濁水の長期化が生じているということで、山林の荒廃が即洪水後の濁水の長期化となっていて、「ダム」という言葉が全然出ていないんですけれども、これはどういうことでこうなったのかちょっとご説明いただきたい。
(委員長) 事務局から。
(河川局長) この前この辺の話題がございまして、内容について確認をして、上流の山林の荒廃のところだと言われているというので、逆に直しているものでございます。同じ趣旨でございますけれども、その場所としてダムという名前をいうかどうかというのがございますけれども……。
(委員) よく指摘されるところで、山林の荒廃と書いてあるんですけれども、この前も私、質問しましたが、崩壊が多いんだと、こういうお答えがあったんですけれども、世の中で言われるのが森林が荒れているからだという話が巷によく横行しているんですが、そのあたりの関連がいま一明確でないんじゃないかというふうに思います。
(事務局) わかりました。私ども言葉を、今、山林の荒廃と山地斜面の荒廃みたいなものと、ちょっと言葉が整理させていただくようにします。
(委員長) 濁水の原因と長期化と2つが絡み合っているので、長期化の方は山林の問題じゃないんじゃないかという意見ですね。
(委員) おっしゃるとおり、長期というのはどの程度の長期のことを言っているのかところも……。
(委員長) ダムの中にたまって長期化しているんじゃないのというのは……。
(委員) 若干曖昧かなという感じなんです。
(委員長) ちょっとこれは表現を工夫していただきましょう。ほかにございますでしょうか。
(委員) 一点表現が大変気になって、修正していただければということでお願いをします。全ての河川に共通するんですが、資料3−2、例えば九頭竜川で、8ページ、アの1行目なんですが、「沿川地域を洪水から防御するため」という、この表現が非常に気になります。災害の発生の防止又は軽減に関しては洪水氾濫から防御するということで、洪水は氾濫を起こさない限り別に人に害を及ぼしません。したがって、洪水の被害とか洪水氾濫とかの表現にしていただいた方が、その次の洪水調節施設によりつながるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか、これまでずっとこの表現で来ているんですが。
(委員長) おっしゃる方が正しいですね。
(委員) そうですか、よろしくお願いします。
(委員長) これはそういうふうにした方がいいですね。ほかにございますでしょうか。
 ちょっと○○委員がおとなしく引き下がっちゃったので、まことに言いにくいんですが、現地を見せていただいたときの流域の皆さんの感情として、3−1の7ページの2行目のところですか、「本川及び支川の整備にあたっては、新江合川の合流と本川下流部の整備の進捗を十分に踏まえつつ、本支川及び上下流バランスを考慮し、水系一貫した河川整備を行う」で一応、意は通っているようですけれども、全く別な解釈もあり得るんじゃないかと。基本的には、本川及び支川の整備にあたっては、上下流バランスを考慮して水系一貫した河川整備を行う。なお、新江合川の合流については、本川下流部の整備の進捗を踏まえて実施するということですね。最初に○○委員からは、新江合川というのは、よその川の洪水を引き取るんだから下流をしっかりしてもらわないと困るよというニュアンスが2つの文章が一緒になった結果、ちょっとぼけるのかなと思うので、ここは表現を整理したらどうかなというのが私の提案でございます。
(委員) すみませんです。
(委員長) 現地を見せていただいて。
(委員) 記述をしていただいたから、わかっていただいたんだなと思いまして。
(委員長) ちょっと整理させていただきますか。
 ○○委員の方からはご意見ございますでしょうか。
(委員) 特にございません。
(委員長) 一通りお聞きしたので、それでは、県知事の代理としておいでになっている各委員からご意見を賜りたいと思います。宮城県知事の代理の方、お願いいたします。
(委員) 宮城県でございます。
 本文の内容については、大体問題なしと考えております。それで、先ほど○○委員の方からお話しいただきました中州の撤去の問題、これは実は県内河川、他河川でございますけれども、いろいろと中州を撤去せよという話と、それから鳥獣の話とありまして、かなり議論されている河川がありますので、できればダイレクトにこういう中州・寄州という表現ではなく、先ほど言われましたように、治水面とそれから自然環境の保全との調和といったような表現の方を、ぜひお願いしたいなと思っております。
 それから小さい話なんですが、4ページの上から3行目から始まります「河川水の利用については」云々となってございまして、それから4段ほど下がったところに、また「水道用水として三本木町、小牛田町」云々と書いてございますが、確かに三本木町、小牛田町そのほかについては、河川の水利権をこの鳴瀬川にもっているところでございますが、実は一番大きな、県大崎広域水道というのがあるんですが、これが約日量9万t程度の水利権を持ってございますので、それも並列で書くべきだろうと思います。
 大体そんなところです。
(委員長) これは追加していただくということで。
 次に、福井県知事の代理の方、お願いします。
(委員) 福井県でございます。
 九頭竜川につきましては、先ほどの池淵先生のご指摘のあった正常流量の件も含めまして、全く原案について異見はございません。
(委員長) それでは、島根県知事の代理の方お願いします。
(委員) 高津川でございますがこの方針案につきましては、先ほど○○委員さんからもありましたけれども、特に異論はございません。これは結構だと思います。
 先ほど○○委員からもお話がありました、前回も私ちょっと申し上げましたが、益田市へ流れ込むもう一つの河川、益田川、これが58年の災害を受けて、ちょうど今年、治水ダムが完成いたしまして、下流の方も整備が終わっておりますので、益田川はこれで安全になったということでございますので、効果を出すために、この高津川をぜひ早く、同じように安全にしていただきたいと、こういう思いでございます。よろしくお願いいたします。
(委員長) 一通りご意見を頂戴しましたが、そのほかにご意見ある方、お願いいたします。
 それでは、あらかたの意見も出尽くしたと思いますので、本日の議論を踏まえ、私と事務局において鳴瀬川等3水系の河川整備基本方針案を取りまとめ、各位にご確認をいただいた上で河川分科会に報告したいと思います。当然ながら、今日出たご意見については、十分考慮の上、反映させたいと思います。この件につきまして、私にご一任いただければと幸いと存じますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

(委員長) ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 各委員には、本議題につきまして、短時間の中で熱心なご審議、ご議論いただき、また 貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。特に審議対象の鳴瀬川水系の関係委員としてご参加いただきました村井委員、佐藤委員、九頭竜川水系の関係委員としてご参加いただきました西川委員、福原委員、高津川水系の関係委員としてご参加いただきました杉田委員、澁谷委員の各委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重なご助言などいただき、ありがとうございました。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員のご確認を得た後、発言者の氏名を除いて国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて、一般に公開することとします。
 本日の議題は以上でございます。
(事務局) 近藤委員長どうもありがとうございました。




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