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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第34回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成18年2月14日


2.議事
網走川水系、矢作川水系及び千代川水系の
河川整備基本方針の策定について

(委員長) 近藤でございます。
  本日は、委員の皆様には御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
  それでは、議事に入ります。前回は、網走川等3水系の特徴と課題につきまして審議いただきました。今回は前回の審議を踏まえて、網走川等3水系の河川整備基本方針の本文案について審議をいただきたいと思います。
  その前に、前回の審議の中で御指摘のあった点について補足説明をお願いいたします。
(事務局) 資料1の「補足説明資料」と書きましたA3版の横長の資料で御説明をさせていただきます。
  1枚おめくりいただきますと、雨量観測所の数と集中豪雨の観測数というのがございます。前回お話がございましたのは、最近、局所的な集中豪雨が増えているというお話は、観測所の数が増えてきているためではないかと。その辺はどのようになっているだろうかというようなお話がございました。この紙に幾つか用意しておりますが、左上のものは1時間当たりの降雨量でございます。1時間当たり50mm以上の雨が何回発生したかというのを年当たり書いてございます。大体10年ぐらいで区切ってみますと、そこにございますように209回、234回、288回とだんだん上がってきているのが見受けられると思いますが、その下に少し書き加えております全地点の数でございますが、全国のアメダスの地点を基にしております。アメダスの観測地点は、1976年は約1,100箇所ぐらいでございました。これを1979年ぐらいの間に1,300箇所ぐらいまでに少し増えてございますが、その後はその年の観測所の状況で若干でこぼこはあるのでございますが、1,300箇所ぐらいでほとんど推移してございますので、基本的には観測所が増えてというものではなく、雨そのものが増えていると見てとれます。
  それから、今は時間雨量のお話を申し上げましたが、左下は日雨量で見たものでございます。これは一降雨量200mm以上がその年で何回あったかということを平均値で出しておりますので、0.10とか0.20となってございます。
  上の方に書いてございます雨量観測所の数ですが、51箇所の平均というのが1970数年まで続いておりまして、その後アメダスの導入で観測所増、1,300箇所というふうに大きく区分けしてございます。51箇所というのは、観測所そのものはもっとたくさんあるのでございますが、大体100年ぐらいずっと気象庁が継続的に情報を出しておられるのが51箇所でございまして、この間同じものを見ましてもずっと上がっていると。それから、1,300箇所になりましたアメダスのときも上がっています。これも観測所当たりの数で書いてございますので、平均化してといいますか、一観測所当たりで見ていただいてわかりますように、最近になりますとだんだん増える傾向が顕著に見てとれるかと思います。
  右の方は、今回いろいろ御審議いただいております各水系に着目いたしまして、109水系ございますが、その中の各水系の代表地点の雨量というものを比較してございます。80、91、99、108、109と書きましたオレンジのものが観測所の数でございますが、これに対して水色で書きましたものが、一日当たり200mm以上だったものが平均で何日分に相当するか、観測所のところで平均値を書いてございます。これも観測所の数に少し変動はございますけれども、見ていただいてわかりますように、そういう観測所の数をはるかに超えて、だんだん近年雨が増えているというものが見てとれるかと思います。
  御参考までに、右下にはこういったものにいてのIPCCでの評価も同じようなお話を発信していますというものをつけてございます。
  それから、1枚おめくりいただきまして、今度は個別水系のお話でございます。まず、網走川水系でございます。1つは、左側の方には網走川の計画が書いてございます。一番下に絵がございますように、川の途中に大きな湖があるわけでございますが、参考に右側には昨年度、御審議をお願いしました青森県の高瀬川があります。それから、小川原湖の洪水の絵が描いてございます。同じようなこういう2つのもので、真ん中ぐらいに基本高水のピーク流量等一覧というのがございますが、ちょっと右側の方から見た方が話がわかりやすいかもしれませんけれども、高瀬川のときには基本高水のピーク流量もしくは水位というものを小川原湖の水位「T.P.+2.79m」、調節する施設が何もないときは湖の水位が2m79cmまでピークのときは上がると。それを洪水調節等いたしまして1.7mまで下げることで、周りの水害等を防ぐというような治水計画になっているわけでございます。似たような構図ですが、左の今回の網走川のところは、美幌地点の流量の基本高水のピーク流量1,200m3/s、これは上流に調整施設がございませんので、そのまま河道への配分流量、計画高水流量が1,200m3/sというものでございます。同じような構図なのに表記の仕方が違うのはどうしてなのだろうかと、湖があるので水位では書いてはどうかという御指摘がございました。網走川の方は上の方に書きましたように、主たる防御地域というのが大体美幌周辺でございます。そういう意味で、全体の水害対策の中心といいますか、この辺りのところをきちんと対策を行う必要があります。網走湖の周りにも守るべき地域は少しありますけれども、美幌よりは少ないということから、美幌を基準地点にしてございます。
  また、一方、高瀬川の方は主たる防御地域は、小川原湖周辺になります。それから、小川原湖に入ってきます一番大きい河川である七戸川の水位も湖の水位の影響を受けますので、この小川原湖の水位というものが最もこの水系の治水対策の基本になっているということで、基準点の方は湖そのものにしてございます。そういうことで、基準地点について表記をするということで、先ほどの表のように書いているわけでございます。
  一方、一番下の流量配分図につきましては、従前、網走湖につきましては何も表記をしていなかったのでございますが、小川原湖と同じように、ここ自身の水位としてはこういうものを計画として考えるんだというのを「T.P.+2.35m」と書いてはどうかという案でございます。
  次に、1枚おめくりいただきまして、網走湖につきましてのCODについてのお尋ねがございました。前回のお話の中で網走湖の対策として青潮とかアオコの発生を防ぐために、淡水と海水との境目を少し下げるような工夫についてのお話をさせていただきましたが、そういうことをやりましても今ここでお示ししておりますような、左上がCODの値でございますけれども、環境基準に対して結構大きいのではないかと。かつ、最近は少し上がっているようにも見えると。これでどういう原因か、また対策はどうするんだろうかというようなお尋ねだったかと思います。左の方に幾つかの指標を書いてございます、COD以外の総リン、総窒素、それから、SSだとかDO。DOだけは上にある方がいいわけでございまして、環境基準より下は悪いというものでありますが、あと大腸菌数等々でございます。
  それから、一番下には流入河川、入ってくるものの水質を入れてございます。ここを見ますと、CODは先ほどのように、湖そのものはCOD以外はかなりよろしいというか、何とかなったりしております。窒素とかリンはちょっと多うございますが、先日もお話ししたような底泥の浚渫だとかいろいろなことをやれば、これらも下げられる期待がございます。CODだけ上がっている感じがあるんですけれども、先ほど流入河川の水質を見ますと、BODで見る限りは環境基準は下がっていると。しかし、CODでみると、参考までに書きますと3mg/lという湖のCOD基準ですが、それより高い5mg/lぐらいになっているということです。
  原因は、右上にCODの発生負荷のグラフが書いてございます。生活廃水、畜産排水、工業事業所云々がございますが、山林等というところが大きく55%になってございます。いろいろな生活廃水とか畜産排水等については、発生減の対策をしていこうというようなことでございますが、そこに書いてございますけれども、山林から入ってきますのは自然系のCOD負荷でございまして、特にここが寒冷地でございますので、十分腐らないでといいますか、分解されないまま入ってきたりすることでCODの負荷が大きく出ます。それもBODでは出ないけれどもCODが強く出るというのがございます。
  では、網走湖の水質についてどうするのかということでございますが、今申し上げましたように、右下の一番上のように、今の人為的な発生源につきましては流域と連携して発生源対策をやるのでございますが、山林などの自然系の負荷につきましては、なかなか簡単にはいかないというのが正直なところでございまして、山林が広大でございますので、全体の改善の方法も少し苦慮しているものでございます。
  ただ、その次でございますけれども、先日もお話し申し上げましたように、ここの大きな課題から言いますと、現在の治水環境を維持して、かつ、当面の目標としまして青潮、アオコを低減させるということが最優先課題でございますので、まずはこれをやると。そのために周りの負荷対策としての清流ルネッサンスの中で、あとは塩水と淡水の境界面を低下させる等をやっていこうというものでございます。そういうことを進んでここしばらくは一生懸命やるというのが最優先の課題として取り組むかなと。
  ただ、自然系の負荷につきましては、先ほど申し上げた事情でございますので、もう少しいろいろな勉強をしていって、そういう対策というものを次のステージとして頑張っていくのかなということでございます。
  次のページをお願いしたいと思います。次は、矢作川の方へ移らせていただきます。矢作川のお話の中で、基本高水のピーク流量の検証につきまして、特に過去の実際の湿潤状態と実際の降雨というものを重ね合わせましたときの検証につきましてのお尋ねがございました。前回の復習も含めまして右上に書いてございますが、今回の矢作川の検証につきましては、現行計画の基本高水のピーク流量は8,100m3/sということでございます。これについても検証しております。1つは、流量確率の検証としまして、近年までの流量のデータから確率で見ますと6,000m3/sから8,200m3/s、ちょっと詳しい資料は前回の資料にありますので載せてありませんが、そう推定されます。
  湿潤状態での検証といたしまして、平成11年の流域の湿潤状態と平成12年の降雨の重ね合わせ、両方とも実際に起きたものを重ねますと11,600m3/sぐらいに出ます。そういうことを含めまして、前回、基本高水のピーク流量を8,100m3/sとするというようなことで御提案をさせていただいたわけでございます。
  左の方に移らせていただきますが、こういう検証というものと計画上の取扱いについて、これまでもこの小委員会の中でも御議論いただきましたが、改めて整理をしたものでございます。一番左側の四角でございますけれども、基本高水のピーク流量の設定は、実績の降雨を計画の規模相当の降雨量まで引き伸ばして、それから、引き伸ばされた降雨を基に流出計算を行うことによって求めているのが一般的でございます。実績の洪水でかなり大きな洪水が出ております場合に、こういう計算で出しましたもの以外に、実際の洪水がそれと同じくらいか、それを少し超えるようなものがありましたとき、実績のそういう大きな洪水の方も勘案して計画を設定します。すなわち計算で出しましたものと実績洪水を両方見まして設定しております。
  しかしながら、今の実績洪水の方が結構大きなものがある場合はよろしいのですが、計算で出したものにつきましては、降雨量を引き伸ばして算出する方法ですので、基本高水のピーク流量を算定するのに用いた降雨が、必ずしも実際に発生するという証があるわけではございませんので、同様の流量規模の洪水が実際発生するのだろうかということを検証していく必要があるのではないかという意味で、このような計算をしているわけでございます。
  その下の基本高水のピーク流量の検証ということで幾つか方法が書いてございますが、データが少ないこと、それから、基準地点だけで水系での評価というのをしていいのだろうかということ、それから、幾つかの仮定が含まれるというようなことで、そういう要素がございますので、計画の検討そのものとしては先ほどの確率手法等によると、全国共通的にはそういうものできちんとやっておくということ。今の検証そのものを計画の検討そのものに用いるには、ちょっと問題があるのではないかということで、これは原則といたしまして検証に用いるにとどめるというようにしてきているところでございます。
  下には幾つか方法として、1つは流量確率の検証で、近年までの流量データでの確率分布を見てございます。
  それから、2番目が先ほど来申し上げています湿潤状態での検証といたしまして、実際にあった湿潤状態と実際にあった雨が両方来たときはどうなるのだろうかというようなことをしてございます。
  3番目は、データの流量観測等々がまだできていない時代でも、いろいろな過去の洪水痕跡だとかそういうものから検証ができるわけでございますので、少しデータが十分でない面もございますけれども、過去にこういったことで、以前にはこういう洪水も来ていたのではないかというようなことを出そうという方法でございます。
  右の方に矢作川について、○○委員の方からも前回、平成12年9月洪水が、流域の湿潤状態としては少し特殊な方であったというような御指摘もございました。右のグラフが洪水発生前1か月間の累積降雨を各年で書いてございます。一番上の線が平成11年です。それから、一番下の線が平成12年でございます。見ていただいてわかりますように、平成12年は大きな洪水が起きた大雨の前には、あまり地面の中に水が蓄えられるようなものは結構少なかったという状況でございます。こういうことも踏まえて、先ほどの実績の降雨、それから、湿潤状態を表す一つの指標としてRsaというものを入れてございますが、重ね合わせてみようというのが下の表でございまして、赤で囲みましたものは7番の平成11年のRsa、それから、8番の平成12年の実績降雨の2つ、実際に起きたことと実際に起きたことが両方一緒に起きたらと見てみますと、この場合は申し上げました11,600m3/sになったということでございまして、検証としてはそういうものもあるだろうということで、結論としては基本高水のピーク流量の8,100m3/sをこのままにしていってはどうでしょうかというお話をさせていただきました。
  次に、もう一枚おめくりいただきたいと思いますが、今度は矢作川の計画高水流量でございます。先ほどは基本高水のピーク流量のお話でございましたが、それを上流のダムなどをカットしたり、河道の配分につきましての手順といいますか、どういう必然性で決めているのか説明をというような御指摘がございました。上の方に説明の順序を書いたつもりでございますが、1つは、豊田市、岡崎市、西尾市などの下流のところはずっと堤防付近まで宅地が接近してございます。左下の方に一部の例示の写真も載せてございますが、これを改めて否定するというのは相当なことになって、現実的になかなか困難ではないかということを考えますと、今可能な範囲で掘削で対応しようというようなことでございます。ただ、掘削も先日もお話を申し上げました砂河川でございまして、いろいろな課題も持ってございます。1つ目の「・」のように、砂河川につきましては堤防、堤体漏水だとか基盤漏水なども発生しやすいような状況でございまして、背後地の地盤高の高いとか低いという状況で、きちんとそういうものを考える必要があるということを書いてございます。真ん中ぐらいの絵で、背後地盤の高い区間と背後地盤の低い区間の断面を紹介してございますが、左のように計画高水位(HWL)と書きましたものでございますけれども、こういうものと周りの地盤があまり変わらないようなところにつきましては、護岸して、高水敷も少しとりまして掘削をするという赤い線の計画でございます。
  それから、右のように背後地盤が低い区間、周りの地盤よりも洪水時の水位が高くなっています。もし、堤防が切れたりいたしますと大きな被害が出るというような区間でございます。ここにつきましては、過去全国でいろいろ調べた高水敷の必要幅を十分とりまして、ここは30mということでございますが、それよりも中のところで赤い線のように掘削をするというようなことをしようというものでございます。
  それから、上の方に問題指摘がございました先ほどの菱形の2つ目の「・」ですが、これも前回お話ししましたが、砂利採取などで河床低下が課題になってきております。それから、護岸とか橋梁の根継ぎ等の対応をしてきたということで、河床の低下等々につきまして幾つか課題を抱えてきた川でございますので、掘削深さというのは現在の最深河床高程度までの掘削とするというように考えたものでございます。これを踏まえますと、下流河道の河積確保につきましては、現行の計画高水流量と同じ6,400m3/sが限度ではないかと思われます。ということで、引き算をいたしますと、河道で処理し切れない1,700m3/sというものをどこかでためる必要がございます。現在、既設の矢作ダムで800m3/sぐらいが見込まれてございます。残りの分につきましては、洪水調節施設が上流で必要であるというような計画でございまして、結果として下に載せています工事実施基本計画の流量配分と同じ流量配分ものを今回、基本方針としても設定をすべきではないかと考えてございます。
  その次のページをお願いしたいと思います。ダムを含めた河川環境の現状というのを、これは矢作川でございますが、ダムでのいろいろな環境への影響につきまして幾つか話題になったりしておりますので、どんな状況かというようなお尋ねがございました。まず、左上にはダムの設置されています状況を書いてございます。表の中に電力、土地改良、それから、国土交通省の多目的ダムというようなものが載せてございますが、容量的には矢作ダムが大きくて、あとはもう少しそれよりは小さいというような状況です。
  上の方に幾つか書いてございますけれども、矢作ダム以外は容量も小さいので、年間の回転率は大きく、すなわち小さい湖ですので、上流から入ってきますもので何回も水が入れ替わるというようなことで、あまり冷水放流とか濁水長期化といったものの要因には矢作ダム以外はあまりなっていないのではないかということです。
  それから、かなり堰などは満砂状態になったりして、土砂の面でもあるとすれば矢作ダムの方であって、その他のところはあまり影響はないかなというものでございます。
  起きています事象として、まず、右の方をごらんいただいた方がいいかと思いますが、1つは冷水とか濁水の問題がございます。冷水病というものがございますけれども、平成7年ぐらいからアユの冷水病が確認されております。最近では地元の漁業の話ではそういうものは少し減ってきているというようなことも伺っておりますが、この冷水病の原因は、単に水が冷たいというだけではなく、濁水によりまして生息環境の変化でアユ自身がストレスを受けます。これに冷水現象が加わって発症するというようなお話だそうでございますので、いろいろな対策も、冷水だけではなくて濁水というものも併せて考えないといけないというものであります。
  それから、濁水の長期化というものもございます。今どういうことをしているかというのが右下でございますが、冷水・濁水の改善の取り組みということで、1つは、昭和56年に選択取水施設というものをつくってございます。それはどちらかというと右側の絵のように、降雨後と書いたものがわかりやすいんですが、これは全国のあちこちのダムでこういうことをしてございます。上流から入ってきました水を表面のきれいなところだけで引っ張っていきまして、選択取水の一番上からとると。そうすると、それより下のところはあまり乱されないものですから、濁りとかそういうものがかき混ぜられないというようなことで、こういうことをしたり、また、いろいろな状況で取水の場所を下にしたり、上にしたりということをしておりますが、ただ、ここの問題をもうちょっと丁寧に考えまして、平成16年からは分画フェンスというものをつくってございます。日ごろは下の方にいるのでございますが、大きな雨が降りましたときに左の絵のように分断をいたします。ということは、上流からいろいろ泥を含んだ濁った水が入ってきますものが、全部の水をかき混ぜないようにして途中のところで押さえると。しばらくずっと取水とか放水とかしておりますところは、従前たまっておりましたものをなるべくそっとしておいて、きれいな水をはいていくというようなことをしております。だんだん湖の状態が落ち着いてきたら、右のようにフェンスを下げて上水のきれいなものが滑っていくというようなことをしてございます。
  これらの状況は下のようなグラフの状況でございまして、左側が今の分画フェンスの設置前、右側の方がフェンスの設置後でございまして、ダムへ入っていきます流入の濁度が赤い線で、放流している水が青い線でございます。左のように赤い線はそのたびごとに非常に高い値になるのですが、すぐ結構きれいになると。ところが、青い線のように、それがだんだん下がるのでございますけれども期間も長くなっている、こういう濁水の長期化というのが、右のようにフェンスをつけました後は、かなり改善されておりますことがよく見てとれるかと思います。
  それから、もう一つ別な話題としまして、左下のように干潟の減少とか付着藻類の生育不良の話があります。これは細かい原因が明確にわかっているわけではないようでございますが、特に砂利採取などが大きな影響だったのではないかと。あと、考えられるとすると、そのダムの影響もあったのではないかというようなお話のようでございます。
  1つは、干潟が少し減少していると、左下の絵がありますように、干潟の消失というのが見てとれます。
  それから、もう一つの問題は、矢作ダム下流でアユのえさとなります付着藻類の更新がされにくくなっていると言われてございます。砂分の供給不足でフラッシュ効果の低減が考えられるというようなことでございます。
  具体的にどうしているかということで、干潟の再生につきましては矢作ダムに長く堆積いたしました土砂を活用いたしまして、まずこれを干潟に持っていって有効かどうかというのをしばらく実験的に海の方で置いてみて、評価実験というものをしてございます。その結果良好でございましたので、そういったものを干潟の回復にも活用していこうということにしております。
  それから、ダム下流域の土砂供給につきましても試験施工をしてございます。ダムの堆積土砂を少し下流に仮置きいたしまして、洪水のときにそれがフラッシュされると、そういうもので見てみますと、右下の写真のように、状況としてはそれなりに良好なものが出ているということでございます。その他、排砂バイパスの検討などをしているという状況でございます。
  次のページでございますが、矢作川の流木災害のお話がございました。これは平成12年9月東海恵南豪雨のときの山の崩壊、それから、災害の状況を、左上に写真等で示させていただいてございます。全体で見ました写真と、その中の局所的に大きく見ました写真と並べさせていただいてございます。
  それから、等雨量線図がありますが、このうちの白い右側の図は、等雨量線図の一部分を引き出したところの崩壊地を書いてございます。少し見づらいかもしれませんが、川だとか沢のところに小さく黒いいろいろな線を入れておりますが、崩壊地でございまして、こういうところにたくさん崩壊地が出ていると。更に、赤い四角を拡大しましたのが左下でございまして、矢作ダム上流では流木で橋梁が9箇所ぐらいダメージを受けております。左のように流木が引っ掛かって、そこで堰上げが起きたりして壊れている様が写真でも見てとれます。
  ただ、矢作ダム下流を見ますと、そういう被害というのは極端に少なくなってございますので、やはりダムでためている分の効果といいますか、結果としての状況が見てとれます。
  それから、流木対策として右下のように、砂防堰堤の上のところにスリットといいますか、透けたようなものをつくりまして、流木止め、流木を捕捉する施設というものを工夫したりしているところでございます。
  それから、次のページ、今度は鳥取県の千代川でございます。これは、御質問とか御意見ということではなかったのでございますが、河道内の樹木伐採が非常に工夫して行われているというような御指摘がございました。ちょっと簡単に御紹介したいと思いますが、右のグラフのように、これは流下能力といいますか、どの地点でやるとどのくらいの洪水の流量が流せるかということでございまして、グラフの左側が河口部、右側が上流部でございます。川は連続して流れるわけでございますので、計画は太い赤い線の能力があればいいわけです。先日来お話ししています掘削だとか幾つかの対策をしないと、そこまでいかないのでございますが、まず段階的に、戦後最大の流量というものが細い赤い線でございまして、ここまでは上下流にきれいな水系一貫で洪水が流れるようにということを考えようと見ますと、少しグラフの中に緑とか上の方に区分したりしているのがございます。こういうところが流木がなければ、それよりももっと流れるということでございまして、同じようなところを今の細い赤い線よりも食い込んでいるところが、要は流木対策をやれば、その分だけ上がるということでございますので、細い赤い線よりも能力がないところで流木で阻害になっているところをまず選んで、全部とにかく樹木だからといって切るということではなく、まず、こういうところを計画的に対応していくと。また、こういう治水の全体の整備の状況で、そういう計画を直していくという手法をとっています。
  左下に伐採年次計画とかこういう状況になってございますが、当然、出水が多い年とか少ない年ででこぼこがございますけれども、こういうやり方をされてきています。
  また、左下にございますけれども、リサイクルということも考えまして、森林組合でとりましたものをチップ化しましたり、あと、伐採木の提供等をやったりしています。
  右の方の写真は伐採前と伐採後がありますが、上の方の2つの写真は、全部伐採をしないといけないところの前後の写真でございます。それから、下の方は全部でなくても、例えば鳥がとまる場所だとか、そういうものも勘案して、ちょっとこれは極端な場所になっておりますが、一部そういうものをちゃんと存置するようなもの等を併せるというようなことで、伐採の時期、その他の生物などの生息状況に配慮した格好で、こういうことをされているということでございます。
  最後のページになりましたが、千代川で鳥取地震のお話がございました。これも御意見ということではなかったかと思いますが、こういうものについては十分注意して対策を考えていかないといけないというようなお話がございました。それで、ちょっとどういうものであったかというのを少し図でお示ししてございます。
  左上は、最近のこの辺りで起きている地震でございますけれども、真ん中上のように、ここで大きく考えなければいけない有名な地震としては、鳥取地震と最近起きました鳥取県西部地震でございます。絵を見ていただきますと、鳥取地震は鳥取県の東部のところで震度6、それから、岡山の方まで震度5が広がったような、当時の震度階級ですので今ほどシビアなものではございませんが、結果死者1,083名、家屋の全壊だけで7,500戸というような大きな被害が発生してございます。
  それから、平成12年の鳥取県西部地震はその下の地図のようでございまして、鳥取県の山間部の方を震源といたしまして、そこの中心部で震度6強というのが出てございますけれども、大体その周辺、上の方は出雲だとか境港まで含めまして結構被害が出ております。負傷者1,182名、家屋全壊435、半壊3,000という被害が発生したところであります。前回も御指摘がございましたように、こういったものも含めて今後の整備、それから、維持管理をしっかりしていこうということでございます。
(委員長) ありがとうございました。
  前回、御質問あるいは御意見のあった点についての補足説明をいただきました。1ページは○○委員でしたね。よろしゅうございますか。
  2ページは私ですが、要は、高瀬川は基準点が小川原湖であり、網走川は美幌であるという違いであるということで、この表記で結構でございます。
  それから、3番目は網走湖の環境基準の話ですが、これは○○委員からでございましたが、よろしゅうございますか。
  4ページは、基本高水のピーク流量の問題について、○○委員でございますが。
(委員) 明確に説明いただいたかと思います。
(委員) ちょっといいですか。それに関連して。ちょうど飽和雨量も示していただいているんですが、右側真ん中の計画のRsaというのがある意味の湿潤度状態を表すものですけれども、どの計画でも恐らく中間的なものをとっているというのがよくわかりました。極端に平成12年9月などというのはものすごく乾いているという状態。それから、その上が湿っているという、その中間辺りをとっているということが、この数字を見てよくわかったんですが、その中間でいいかどうかというのは別の議論としてあろうかと思います。ただ、一部の人が国土交通省は基本高水のピーク流量を高目にとっているというような議論がありますが、少なくとも湿潤状態については、むしろ中庸のところをとって決して高目をとっているわけではないということが、これを見せていただいてよくわかりました。
  以上です。
(委員長) それでは、次が5ページです。これも○○委員でしょうか。計画高水流量、河道配分流量の考え方でございますが。
(委員) おおむね結構ですけれども、書くときにご注意いただきたいのは、最深河床まで計画高水流量を最終的には流さないといけないということで、どれだけの効果の成果があるかというチェックをやられているんですけれども、最深河床までは掘削しますよというのはあまりあからさまに言わない方がいい。というのは、最深河床までの線でレベルに掘削すると、またそこから州ができたり、澪筋ができたりするから、また最深河床が下がるでしょう。というような意味で、もう少しそこのところは工夫しながらやるというような思想を徹底しないと、最深河床まではレベルに掘ってもいいんだという考え方は、やはり気をつけていただきたいという気がいたしました。
(委員長) 大変重要な御指摘ですね。○○委員も同じような御意見だったと思います。私も同意見でございます。整備計画の段階で、どうしても河道横断面形を幾何学的に描くところがあって、そういうもので川が維持できるのだろうかという当然なる御質問、御疑念でございますので、実施に当たっては十分御検討願いたいと思います。
  6ページでございますが、これはダムを含めた河川環境の現状ということでございます。これも、○○委員でございました。
(委員) これも結構ですけれども、誤解のないようにつけくわえれば選択取水と分画フェンスで工夫されているんですけれども、これはあまりやり過ぎると貯水池の中にSSをため込むことになるということ、すなわち出さなければいかんという問題と、出した水が下流の濁度の問題になっているというところをうまく書いていかないと、一方的な方向にコントロールするというわけにはいかないということも、勿論認識はされていると思うんですが、今日の絵では少し誤解があるのかなという気がいたしました。
(委員長) これは管理の段階でまた十分考えていただきたいんですね。かなり重要なテーマでございますし、場所によっては濁水を流していい日と悪い日があると。土日にアユ釣りの人が待っているところへ流して、ひんしゅくを買ったということがありますので、やはり関係者で十分協議しながらやっていただきたいと思います。
  次に、7ページでございますが、東海豪雨における流木災害の状況、これは○○委員でございます。
(委員) 結構です。特に、樹種とか樹齢にかかわらず、いろいろな樹木が出てきているということが重要かと思います。
(委員長) 次が、河道内樹木伐採計画、8ページでございますが、これは○○委員でした。
(委員) これで結構です。
(委員長) 9ページは○○委員でございます。鳥取地震についてでございます。
(委員) ありがとうございました。鳥取地震というのは戦時中でしたので、割と資料が少なくて、堤防の被災状況などを集めていただきましたので、これは大変参考になります。
  それから、ついでに申し上げますけれども、中国地方の日本海側というのは時折マグニチュード7クラスという直下の地震が起きやすいところでありまして、この図には描いていないんですが、明治5年、1872年ですけれども浜田地震というのがありました。これは島根県の西部、当時は廃藩置県の直後でしたから浜田県と呼んでいたんですが、そこで約550人ぐらい死者が出る地震が起きております。こういう言わば内陸直下のM7クラスが時々起きやすいところという視点を、今後ほかの河川についても土砂災害その他の問題として持っておいていただきたいということでございます。
  以上です。
(委員長) そのほかに、前回御出席いただきましたけれども時間の都合で早退されました○○委員から感想、意見が出ております。一応皆さんのお手元に配っておりますが、要点だけ申し上げますと、河川管理、森林管理、水利用、治山管理などが別々な管理主体で行われているが、主体間の連携やそれらを総合的に管理する方法が必要であること。
  それから、2点目は、矢作ダムだけでなく他のダムとの連携による流量調整が必要ではないか。
  3番目が、矢作川をめぐる上下流の一体化を早くから意識した視点でさまざまな取組みが実践されてきた。今後もそのような流域住民の視点や活力も最大限生かされていく配慮が必要だという、もっともな御意見だと思います。
  まだいろいろ御質問あると思いますが、時間の都合上、網走川等3水系の河川整備基本方針の本文案の御説明をお願いしたいと思います。できるだけ審議時間をとりたいので、説明は丁寧にですが、時間的にはお考えの上、御説明をお願いたします。
(事務局) 引き続き、なるべく簡潔なお話をさせていただきたいと思います。
  まず、網走川でございます。資料2−1の骨子と書きましたもの、それから、資料3−1の工事実施基本計画と河川整備基本方針の比較対比表がございますので、これを両方ごらんいただきながらと思います。
  まず、A3横長の資料3−1の対比の方でございます。1枚おめくりいただきますと、最初に基本方針の概要、それから、河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、それから、基本となるべき事項ということでございますが、まず、最初の1ページからあります「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」というのは、前回等々お話し申し上げました流域の状況等につきまして、まずは全体の概要、それから、2ページ目から流域の自然環境、3ページくらいから災害の歴史と治水事業の変革、それから、4ページぐらいから河川の水利用、それから、水質、それから、河川の利用というものを4ページぐらいまでのところにつきまして書いてございます。そういう内容でございます。
  具体的にどういうふうにしていくかというのが、5ページからの(2)「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」ということでございます。最初に、骨子の方で見ていただければと思いますけれども、まずは治水、利水、環境の総合的な基本方針というのを本文の5ページから書いてございます。総合的に治水、利水、環境にかかわる施策を総合的に展開。それから、水源から河口まで水系一貫とした計画。それから、段階的な整備を進めるに当たっての目標を明確にして実施していく。健全な水循環系の構築を図るため、流域一体で取り組む。それから、河川の多面的な機能を十分発揮できるよう適切な維持管理をしていくんだというようなことでございます。
  アとしまして、本文の6ページからは「災害の発生の防止又は軽減」につきまして書いてございます。最初は、流域全体の河川整備の方針といたしまして、河川改修によって計画規模の洪水を安全に流すと。それから、内水被害の著しい地域については、関係機関と連携・調整を図りつつ対策を講じていく。漏水等の危険がある場合につきましては、そういう堤防の強化対策等の安全性を確保する。
  それから、河川管理施設の管理、ソフト対策ということでございまして、適切な管理と施設管理の高度化・効率化。それから、河道内樹木の適切な管理。それから、樹木の伐採後のモニタリングと適切な管理の反映。超過洪水に対する被害の軽減。情報伝達体制、それから、本支川及び上下流バランスを考慮した水系一貫した河川整備というようなことでございます。
  一部6ページの下から7〜8行目ぐらい、特に低水路沿いの樹木については伐採後のモニタリングを行い、適切な管理に反映させるというようなことを委員の方からも御意見をいただいて、その部分を前回配りましたものから修正してございます。
  それから、7ページのイで「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持」というところでございまして、今後とも関係機関と連携して広域的かつ合理的な利用の促進を図るとともに、必要な流量を確保するように努めるということでございます。特段、新しい水資源開発施設があるものではございません。
  情報提供、情報伝達体制を、こういう水の利用に関しましてもきちんと関係機関が連携してやっていこうと。
  それから、ウは「河川環境の整備と保全」ということで、河川環境の整備と保全の全体的な方針を書かせていただいています。人々のかかわりを考慮して、良好な河川景観の保全と多様な動植物が生息・生育する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐ。それから、ずっと話題になっています網走湖の汽水環境の維持、それから、水質の保全ということをきちんと考えないといけないということ等々でございます。
  それから、動植物の生息地、生育地の保全が本文8ページぐらいから入りまして、ここに生息しますものについての環境の保全を図ろうと。
  それから、景観の維持・形成。広大な畑地帯、それから、網走湖、近隣の街並みと調和した景観の保全というものでございます。
  あと、人と河川との豊かな触れ合いの確保ということで、キャンプだとかいろいろ書いてございます。そういったもの等を大事にしていこうと。
  それから、8ページの15行目ぐらいからは水質の話でございますが、先ほど来のお話のように、周辺の下水道整備、家畜の排泄物処理施設等の対策等々を含めまして、全体の負荷の削減というものを図っていかないといけない。それから、無酸素になる塩水層につきましての対策等、流域全体で一体となって取り組んでいくというようなことでございます。
  9ページからは河川敷地の占用及び工作物の設置・管理、それから、モニタリング、地域の魅力と活力を引き出す河川管理について記述をさせていただいてございます。
  本文の10ページには、河川整備の基本となるべき事項ということで、基本高水及び河道、洪水調節施設の配分に関する事項ということでございます。美幌で1,200m3/s、上流に洪水調節施設がございませんで、全部河道で1,200m3/sというものでございました。これが11ページのように、流量配分図で描きますとそんな絵になります。真ん中の網走湖につきましては、基準点としては美幌でございますが、従前書いておりませんでしたが、網走湖の水位としての計画値をきちんと書こうということで「T.P.+2.35」というのを記述してございます。
  それから、12ページにまいりまして計画横断形等でございますが、現在の工事実施基本計画と大きな変更はございません。
  それから、13ページは、流水の正常な機能を維持するために必要な流量というものでございます。前にお話を申し上げました上下流の縦断図等で設定いたしましたもので、美幌地点でおおむね4m3/sというのを流水の正常な機能を維持するために必要な流量と記載しているものでございます。
  恐縮ですが、次の矢作川の方をお願いしたいと思います。資料2−2と資料3−2という両方をごらんいただきながら説明したいと思います。資料3−2の比較対比表になりましたものでございますが、1ページから流域及び河川の概要を書いてございます。これも前回の特徴と課題その他でもお話し申し上げましたようなことをずっと書いているわけでございます。
  それから、2ページの下の方に、矢作古川では自然のままの河畔林が残されており、緩やかな流れにタナゴ類やモツゴ類が生息していると。下流域は汽水域が形成され、カワナゴ等が生息し、これらの魚類をえさとしますミサゴやサギ類も生息していると。それから、矢作川及び矢作古川の河口部の干潟は云々というようなことでございます。○○委員の方からこの辺の御指摘いただきましたので、記述をさせていただきました。
  それから、ずっといきまして、こういった流域の状況等が次のページに続いております。
  4ページは、東海恵南豪雨のお話をさせていただいておりますが、○○委員からもお話がございましたように、3行目ぐらいから矢作ダム上流域では土砂崩壊に伴う流木の流下による被害のお話を記述させていただいてございます。
  5ページの真ん中下ぐらいまでのところが、そういう状況について記述したものでございまして、(2)「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」というところからは、どういう方針でやっていくべきかというものでございます。骨子の方でと思いますけれども、3ページぐらいからでございます。治水、利水、環境の総合的な方針につきましては、先ほどの網走川とかなり類似の部分でございますが、少し土砂の管理等々課題の部分がございますので、そういったものについても記述をすると。
  それから、本文の6ページからは、ア「災害の発生の防止又は軽減」ということでございます。流域全体の河川整備の方針として、ここは洪水調節施設も既にございましたり、また更に考えないといけないというところでございます。その際、既存施設の有効活用等もちゃんと図って考えるべきであると。連携とかそういうものを含めて考えるべきであるというようなことが一つでございます。
  それから、矢作川の豊かな自然環境に配慮しながら、堤防の拡築、狭窄部の開削を含めた河道掘削等で河積を増大させる。その他、堤防の漏水などの対策等々をきちんとしていかないといけないというようなこと、先ほど御説明申し上げたようなことを書いておるところでございます。
  それから、下流部の塩水遡上の問題等でございます。
  7ページの上の方に「下流部の掘削にあたっては、掘削に伴う塩水遡上状況をモニタリングしながら、その結果を反映して段階的に実施する」と。この辺は、前回お配りしておりますものから今のような点で付け加えたものでございます。
  それから、8ページにつきましては、先ほど来お話ししています全体のストーリーの中で真ん中ぐらいにございますけれども、「本川及び支川の整備にあたっては、下流の岡崎市等において人口・資産が特に集積していることから、この区域を氾濫域とする区間の整備の状況等を十分踏まえて、狭窄部の開削を含む中上流部の整備を進めるなど、本支川及び上下流バランスを考慮し、水系一貫した河川整備を行う」ということで、周りのいろいろな資産や周りの河道状況等ございまして、前回もお話がございました水系の全体のバランスというのが特に重要かと思っております。
  その後イとしまして「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持」ということでございまして、洪水調節施設を併せました水資源開発というものをここでも考えてございます。
  それから、9ページにまいりまして、ウ「河川環境の整備と保全」ということでございます。矢作川の特徴を踏まえた環境の保全等でございますが、真ん中ぐらいに「動植物の生息地」というくだりから始まっております最後の行でございますけれども、アユ等の遡下性魚類につきまして、縦断的な生息環境の確保を図る必要があるというような御指摘をいただいておりますので、その辺前回お配りしているものから付け加えてございます。等々個別のここでの状況を踏まえた記述をさせていただいてございます。
  10ページからは良好な景観の維持・形成、特に平野部の砂州などの特徴的な河川景観の保全だとか、河口部の干潟の保全等です。
  それから、人と河川との豊かな触れ合いの確保、周りのたくさんの方が川に親しんでおられるというような状況もありますので、こういった記述。
  それから、水質の問題、それから河川敷地の占用及び工作物の設置、管理、モニタリング、地域の魅力と活力を引き出す河川管理等につきまして、前にお話しさせていただいたことを記述させていただいているところでございますが、11ページの最後「矢作古川においては、タナゴ類やモツゴ類の生息地となっている静穏域の保全、カワアナゴ等が生息する下流域の汽水域の保全に努める」ということも、追加の御指摘がございまして前回の資料から付け加えているものでございます。
  それから、12ページにまいりまして「河川の整備の基本となるべき事項」でございます。(1)「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項」ということでございまして、岩津地点で基本高水のピーク流量が8,100m3/s、上流の洪水調節施設によりまして1,700m3/sを調節いたしまして、河道で岩津地点では6,400m3/sということで、現在の工事実施基本計画と同じ内容で基本方針を策定するということでございます。
  流量配分図が13ページにございます。流量配分につきましても基本的に同じでございます。若干の記述の仕方は全国的な整理の中で合わせたものでございます。特段中身について変わるものではございません。
  それから、14ページでございますが、計画横断形等でございます。河道の基本的な形としても前回同様でございます。
  それから、15ページからは「流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関する事項」ということでございまして、岩津地点でおおむね7m3/sとするというような記述にさせていただいてございます。
  次に千代川でございます。資料2−3と資料3−3をごらんいただきたいと思います。資料3−3を1枚開いていただきまして、1ページからは「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」、(1)「流域及び河川の概要」ということで、前回お話を申し上げているこの川の特徴等につきまして、ずっと書かせていただいてございます。
  それから、例えば3ページの下の方、2つ目のパラグラフの3行目ぐらいには「旧袋川について」とか出てくるんですね。現在の旧袋川、もともとの「兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川」と言いました袋川を放水路といいますか、別途バイパスをいたしましたときに、元の袋川を旧袋川、新しくつくったものを袋川としておりましたが、現在この旧袋川の方を袋川、今袋川となりました新しい方は新袋川というふうに名称を変えるということで、今月の終わりごろ予定しております河川分科会の中で変更予定です。実はこの基本方針もできましたらそういうときに併せてと思っております。今回はこう書かせていただいておりますが、結果のものとしては名称を新しいものに切り替えて、昔からの袋川の名称に変えたものにさせていただければと思ってございます。
  そういうものがずっと続きまして、5ページからは(2)「河川の総合的な保全と利用に関する方針」ということでございます。治水、利水、環境の総合的な方針、全体を合わせたものでないといけないというのが最初にございます。あと、流域一体でやること等、基本的にはほかの川と似たようなお話を書かせていただいてございます。
  1枚めくっていただきまして、6ページからは「災害の発生の防止又は軽減」ということでございまして、流域全体の河川整備の方針としまして、上流の洪水調節施設、それから、河川改修等の組み合わせでやっていくんだということ等を書かせていただいてございます。前の千代川の河道の掘削をあまりやり過ぎることがないようにというお話も併せてしているつもりでございます。
  それから、7ページはイ「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持」ということでございまして、新たな水資源開発等も含めまして、水利用の適正化を図ろうということでございます。あと、情報の連携。
  それから、ウ「河川環境の整備と保全」。河川環境の整備と保全の全体的な方針として書かせていただいてございます。
  7ページの下の方からは、動植物の生息地・生育地の保全を天然のアユだとかそういうものの環境の保全、瀬や淵の保全等々について、きちんと図っていくべきであるということを記述しております。
  7ページの一番下から景観の維持・形成。前の渓谷の保全とか昔の溶岩が露岩したものとか、そういうものを大切していこうと。
  それから、8ページにまいりまして、人と河川との豊かな触れ合いというものでございます。
  それから、水質、河川敷地の占用及び工作物の設置・管理。それから、地域の魅力と活力を引き出す河川管理をしていこうというのを8ページの部分で記述をさせていただいているものでございます。
  9ページには、基本高水並びに河道及び洪水調節施設への配分についてでございます。行徳というところで6,300m3/s、それから、河道の方が左側の工事実施基本計画では5,500m3/sを現在の状況等を踏まえて5,700m3/sまでは大丈夫だろうということで、200m3/sが減った分が上流の洪水調節施設の調節流量を600m3/sと減らしたものでございます。袋川の方は線の大きい、小さいといいますか、記述しないというものを全国並びにしたものだけでございまして、基本的には同じでございます。
  流量配分図が10ページでございまして、先ほど申し上げました行徳、それから下流の方も少し影響がございます。それから、前にお話が出ておりました中流部も含めて、本川上流の洪水調節施設で対応して、八東川の方は従前計画にしていた洪水調節施設をつくらないというように変えたものにしてございます。
  11ページが計画横断形等についてでございまして、先ほどの掘削等がございますが、計画高水等々について変わるものではございません。末尾の数字は、最近の状況で若干厳密化してございますが、同じでございます。
  12ページは、流水の正常な機能を維持するために必要な流量ということでございまして、行徳地点でおおむね14m3/sということを記述させていただいてございます。以上でございます。
(委員長) ありがとうございました。前回の審議を踏まえた河川整備基本方針の本文案について説明をいただきました。これらについて、御審議をお願いいたします。
  委員長の方から指名させていただきますが、まず、網走川関係は今日は山下委員がお休みでございますので、○○委員の方から御意見をいただきたいと思います。
(委員) 私は、網走川の網走湖があるということが大きな特徴だと認識しております。洪水のときに非常に高い水位が長時間に及ぶという特徴があります。その辺に関しては6ページのところに「堤防に対しては安全性を確保する」ということで記述がされております。
  それから、平水時については水質の問題、特に海からの塩水の流入が非常に問題だろうと認識しております。今、試験施設を建設しながら、そのコントロールについてお調べになっていると認識しております。そういう意味で、その辺も8ページの方に記述されておりますし、また、湖内の汚濁負荷の削減、これは直接、事業として掘削もありますけれども、いろいろな植物を有したような対策が考えられておるようでございます。それに関しては地域住民と連携をしていかないと、これから将来ずっと続く話でありますから、その辺が大事なのかなと。その辺も最後のところに「流域一体となって」と書き込まれておりますし、全体として非常によくできていると思います。
  以上でございます。
(委員長) 次に、矢作川ですが、○○委員から先ほどメモをいただいております。○○委員の方からお願いいたします。
(委員) 指摘されたと思うんですけれども、土砂の問題をもう少し前面に、例えば「災害発生の防止又は軽減」のところで、土砂問題が洪水調節施設などの安定的利用を妨げないようなことに配慮するような表現が必要かなという気がしました。かなり土砂が出ているので、洪水調節施設みたいなものがやはりきちんと安定的に使えるように管理しないといけないというような表現が必要かなという気がしました。
  それから、矢作川の問題はやはり水資源の問題が大きな問題なんですけれども、8ページに少し表現的に奇異に感じましたのは、一番最初に「新たな水資源開発を行うとともに」という文面から始まっているというのは、矢作川は利用率は既に高くて、今更どうして新規の水資源開発を行うのかというのは、一般の人には非常に奇異に感じます。
  その後ろに書いてありますこと、すなわち非常に効率的な水利用をやっていて、今後どんなふうにそのバランスをとっていくのかというのが非常に大きな問題で、その中で必要となれば新たな水資源開発を行うというような表現が、いろいろな人には受け入れやすいのではないかという気がいたしました。
  前にもいろいろなところで気がついたんですけれども、なかなか言えなかったのは、どこも同じような文章に、すなわちどの水系も同じような書き方をされているので、そう書くのがパターンなのかなと思うんですけれども、「広域的かつ合理的な水利用の促進を図る」、これはいかにも水利用の促進を図るように書いてあるんですが、水利用の広域化・合理化を図るというのが本来の趣旨だろうと思いますので、そういう表現はほかの水系との並びもあるのでしょうけれども、工夫された方がよろしいのかと思います。
  それから、○○委員も言われていますように、矢作川流域はさまざまな流域での取り組みという歴史があるということが、例えば、10ページにただ単に、地域住民と幅広く共有し、住民参加と書かずに、その辺にそういうものを反映させる仕組みというものを少し書かれた方が、矢作川流域を大事にされたというようなイメージが出るでしょうと。
  それから、もう一つ13ページ、これも流量配分図なんですけれども、どこの水系でも同じような問題が出てくると思うんですが、昔こう書いたからずっとこんなふうにやっていくんだという話をやっていると、ますますひょっとしたらわかりにくくなっていくのではないかということで、少し検討された方がいいのではないかという気がしました。例えば基準点の表示、それから、基準点の流出問題としてとらえられた流量と、それから、支川などはそのとき入ってくるのか、あるいは入ってくる最大限度、ちょっと専門的になるので説明を省きますけれども、この流量配分図の書き方はどうして巴川だけが3,000m3/s入って、矢作古川の1,500m3/sが消えてしまったのかというようなところは、いろいろな人が非常に疑問に感じますので、矢作川の例ではこうだというのはわかるんだけれども、今後少し並行して検討されておかないと、これから出てくる川でさまざまパターンが出てきて、前回のやり方を踏襲するというだけでは済まなくなってくるような気がしますので、少し検討いただけたらありがたいと思います。
  以上です。
(委員長) 大変重要な点の御指摘で、土砂の問題、水資源の問題、これはちょっと案文を工夫させてもらって御意向を反映させてはいかがかと思いますので、案文を練って御提案願いたいと思います。
  それから、住民との関係も歴史的な問題があるので、それも書き加えてはいかがかと思います。
  それから、計画高水流量の件については、事務局から考え方を整理して御説明いただけますか。例えば、今までも議論が幾つかあって、基本高水のピーク流量のときの合流量なのか、河道計画で定めた流量なのかということ。それから、矢作古川の1,500m3/sがなぜ消えたか、この2点についてお答えをお願いします。
(事務局) 13ページの図でございますが、各河川でいろいろな書き方が違っておりますが、あと、矢作川の工事実施基本計画は巴川の流量が記載されていないのは、単純なミスと思われます。全国的に整理しておりまして、基本的には基準点に対して大きく流量の比率が10%以上の支川については書いておくべきではないかというもので整理をしたものが、右側のようなものでございます。
  あと、矢作古川につきましては、高島というところを基準点から除いているということでございますが、ちょっと県の方でやっておられる事業等との関係もあって、記述するものでもないというような御判断でございます。
  御指摘の中で、各支川の流量か、水系のある基準点の洪水流量に対する配分かということでございますが、時間的なずれがあったりいたしますけれども、各支川の流量につきましては、全国統一して川ごとのピーク流量を書いてございます。例えば、本川の方のピークが来ているときは、巴川はもうちょっと少ない流量かもしれないし、逆に、巴川の3,000m3/sのときは本川が低いというようなことがあるかと思いますが、その各支川ごとのピークのものを書いてございます。
(委員長) 要は、合流時の流量ではなくて、全部河道で計画する流量だという説明と受け取りました。
  それから、県管理だから書かないというのもいかがかなと思います。重要なものだったら書いていただく、書くに及ばなかったなら書かないことにして、直轄だけ書くものではないとしてください。
  次に、千代川になりますが、千代川からは○○委員が御出席でございます。お願いいたします。
(委員) ○○でございます。千代川水系の特徴について2点ほど御説明をさせていただきたいと思います。
  まずは、参考資料1−3、このA3の資料の第1ページをごらんいただければと思います。この資料の上の段の右から2つ目の図をごらんいただければと思います。鳥取平野の縄文海進期の古地図でございます。この当時は、薄紫の色で示される範囲が古鳥取湾になっておりました。海が退いたときの低湿地は、江戸時代に鳥取藩の城下町として開発されて以降、最近まで繰り返し洪水の被害をこうむってまいりました。千代川の本格的な改修は大正期に始まり、その後、長年にわたる治水事業のお陰で、現在では洪水被害は著しく少なくなっております。反面、住民の意識の中には洪水の危険性というものが希薄になっているものも事実でございます。
  私事で恐縮ですが、一昨年の台風23号による兵庫県・円山川の水害ボランティアに学生と一緒に参加させていただきました。惨状を目の当たりにいたしまして、一同、洪水の恐ろしさを実感いたしました次第です。今後、千代川水域でも起こり得る洪水や渇水に備えまして、今後とも引き続きできる限り河川整備を御推進くださいますようお願い申し上げます。
  次に、参考資料5−3、これは製本された冊子でございますが、これをごらんいただければと思います。5−3の資料の2ページをごらんいただければと思います。2ページの下の方にあります地形区分図には、鳥取平野が緑色で示されております。それを南から取り巻いておりますオレンジ色の部分、これは低起伏山地でございます。この実際の土地利用といたしましては、里山が広く広がっている、こんな状況にございます。更に、その周りには薄紫色で塗られました中起伏から大起伏の山地がございます。これは基本的には奥山という形になっておりまして、一部にはブナ林など原生的な自然も残されております。
  それぞれの詳細につきましては、この後のページに大変よくまとめられておりますので、ごらんいただければと思います。
  以上のように、千代川流域では50km圏内に地方都市から奥山までがコンパクトに配置されております。これらは鳥取が環境共生都市、エコシティとして21世紀に新たな発展を遂げるためのかけがえのない財産になっております。その中で、千代川はブナ林が残る奥山から日本海までの多様な生物圏をつなぐ大動脈になっております。どうか千代川水系の環境づくりにも引き続き一層の御尽力を賜りますようお願いを申し上げまして、地元からの御説明とさせていただきます。
  貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
(委員長) それでは、続いて○○委員、お願いします。
(委員) 河川工学の立場から千代川についてお話しします。前回も申し上げたんですが、この川は現地を見て、私はポテンシャルの高い川だと思っています。今までの治水整備、それから、これから考えていること、これは多くの川は非常に無理をして治水安全度を確保しようとしていると感じているんですが、千代川は河道掘削にしろ、河岸整備、樹木管理、それらがかなり計画的に行われている。中安米蔵先生以来の伝統がこの千代川には生きているかなと思います。千代川の下流部である氾濫源には多くの人が住んでいる鳥取市街地がありますから、破堤したら大変ではあるんですが、そこはしっかりやっていただくことにして、私がこの川に求めたいのは、河川法でうたっていた治水と利水と環境の総合管理ということを、どの川もできるということでやっているんですけれども、この川はそういうポテンシャルを持っている川だと認識していますので、是非いい川づくりをして、全国の見本になる河川にしていただきたいというのが、今日の資料、それから、現地を見せていただいたことからの私の感想であります。よろしくお願いいたします。
(委員長) では、一通り地元関係の委員からお聞きしましたので、この後はそれぞれ御意見がある委員から承りたいと思います。
  また、私の方で指名させていただきますが、○○委員、御意見がございましたらお願いいたします。
(委員) 特にありません。
(委員長) それでは、○○委員、御意見ございますか。
(委員) 読ませていただきまして、3河川ともこのような内容でいいんじゃないかと思っておりますが、さっき○○委員がおっしゃった新たな水資源開発を行う、どっちが先なのかあれなんですが、網走川の方はそういうことは書いていないんですよね。それは現在、安定供給、治水がなされているという、一方2つの川は渇水とかそういう形のものもあってという、この「流水の正常な機能を維持するための流量」というのは、後ろの方の正常流量でそこも過不足等がそういう川であって、その供給もする意味の内容も含んでいるのか。この新たな水資源開発を、網走川はそういうもので現在はそういう取水等が、今後もそういう形で推移するというような意味合いで、ここにはそういう文言がないという今後の展開も含めて、そういう現在の状況と将来あるいは今起こっているそういうものとのかかわりで、この3つの河川の中でその言葉が入っている、入っていないというように仕分した形の書きようとして私は理解したんですけれども、新たな水資源開発を先にするのか、あるいはそういう合理的利用等々を最大限進めて、それでもというような形でそういう形のものをはめ込むのか、その辺りのトーンは今までの川でもあったと思うんですが、前者と後者でそういう新たな水資源開発のいろいろ文言の内容としては、そういう状況なり将来も含めて描かれた形で違いを表現されているのかなと、そういう意味として理解をしたので、全部一様だとは思って聞いていなかったということだけ、この文言の並べ方は勿論あれですけれども、そういう違いを理解させていただいたということでございます。
(委員長) やはり各河川ごとに書きぶりは変わって当然だと思います。先ほどの○○委員の御発言も踏まえて調整することにしますが、今、事務局として付け加えることがありましたら、おっしゃってください。
(事務局) 特段ございませんが、おっしゃられるように言葉の手順を少し直さないと、世の中の人から見てわかりやすいようにきちんとしていきたいと思います。
(委員長) それでは、○○委員の方からお願いいたします。
(委員) 矢作川については、やはりこの上流部というのは花崗岩地帯で大変風化土壌が多いところで、土砂生産が非常に多い川でありますので、やはり流域全体での土砂管理の問題をもうちょっと強調して書いていただいてもいいのではないかということが1つであります。
  それから、これは調べられたら調べてほしいことなんですが、これは生物の話ですが、矢作川の下流の国道1号線の矢作橋の下面に1970年代にハクセキレイが数千羽ねぐらをつくっていて大変有名だったんです。地元の方は御存じだと思うんですが、それが今はほとんど消えてしまっているんです、なくなってしまっている。何らかの環境変化があったに違いないんですけれども、それが一体何なのか私もわかりません。恐らく人為による可能性というのはかなり高いのではないかと思うんですが、それを是非調べられたら調べていただきたいということが1つです。
  それから、千代川の方で1ページに枕状溶岩のことが書いてありますが、この枕状溶岩というのは大変貴重なものでありまして、下から8〜9行目ぐらいのところですが、低水路の中に枕状溶岩が露出をしているんですけれども、恐らく本州で枕状溶岩が出ているところ、見られるところというのは、千葉県の鴨川とここぐらいのものだと思いますので、この保全というのは非常に重要だと思います。枕状溶岩というのは海底で火山が噴火して溶岩が流出をしたり、あるいはハワイでよく見られるんですが、地表を流れてきた溶岩が海の中に入ったときに、ちょうど枕を積み重ねたような形状の溶岩ができる。それで枕状溶岩、英語ではピローラーバといいますけれども、そういうものができるので、これは大変学術上貴重な岩であるので、ここには環境教育とありますが、むしろこれは地学教育に果たす役割としていただいた方が、日本の地学教育はかなり貧困なところがありますので、是非お願いいたしたいと思います。
  以上です。
(委員長) その件については、私も現地を見せていただいて、ちょうど流下能力不足で担当者が河道計画に御苦労なさっていたようであります。幸いにして河川の付近は住宅がないんですね。しかも、仮に氾濫しても元に戻るし、超過分もほんのわずかなので、もう少しいろいろな土地利用も踏まえた河道計画をお考えいただてはどうかと、私は感想として思いましたので、整備計画の段階でお考えいただきたいと思います。
  今それぞれ専門の河川についてお聞きしましたが、他河川についても御意見があればお聞きしたいと思います。○○委員は、これでよろしゅうございますか。ほかの川については。
(委員) 結構でございます。
(委員長) では、○○委員お願いいたします。
(委員) ほかの河川で申し上げたんですけれども、網走川のカラフトマスなどの遡上で水深30cmですか、アユでも30cmですし、ヨシノボリでも30cmというのは非常に奇異な感じがして、こういう横並びはちょっと。多分もう少し水深が要るだろうと、特に産卵については。
  それから、網走川で目につくもう一つは、住んでいるということと繁殖しているということは生物にとって非常に意味が違うと思います。オジロワシ、オオワシは多分たまたま休み場ぐらいで使っているんですが、もしカラフトマスの産卵があるとしましたら、国内の産卵地としてあまり多くないと思いますので、その辺も明記していただいた方がいいのではないかと思います。ほかの川でも非常に丁寧に生物のことを取り上げていただくのはありがたいんですけれども、生息しているのか、そこで繁殖しているか、ここはもしわかれば、特に魚類、鳥類の大型のものについては、できるだけ書き入れていただいた方がありがたいと思います。
(委員長) では、これは調べた上で、また委員とも相談していただきたいと思います。
  ○○委員はよろしゅうございますか。
(委員) はい、結構です。
(委員長) ○○委員、お願いいたします。
(委員) 今日欠席されている○○委員の御指摘にもありますように、流域というのは上の方から河口まで連なっているわけですよね。その中で、河川整備基本方針計画を立てるときに、土砂関連をどうするのかということが非常に重要になってくる。資料には、各河川、水系ごとに土砂管理の特徴と課題ということでまとめていただいているんですけれども、この結果が基本方針の案の中にほとんど入ってきていないんじゃないかと思っているんですけれども、その辺私の認識が甘いのでしょうか。例えば、千代川につきまして、鳥取圏内においては土石流危険渓流が多いと書いてあるわけですね。土石流危険渓流が多いということは、土砂流出の頻度がかなり高くなる、量も多くなる可能性がある。そういった土砂流出の問題と土砂災害の問題、先ほど○○委員がおっしゃいましたけれども、そういう災害の問題にもかかわりますが、そういったことと河川の整備をしていく上でどういうふうな基本方針を持っているのかということの書きぶりが、ちょっとつながっていないというのでしょうか、河川整備基本方針の中にうまく入り込んでいないのではないかという印象を持ったんですけれども、それはちゃんと書いておられたら、ここでこう書いていますと教えていただけますか。
(委員長) では、事務局からお願いします。
(事務局) すみません、全国を見たときに、例えば、あまり一般的な問題でなければ書いていないです。千代川も前もちょっとお話をしましたが、危険渓流はいろいろあるんだけれども、河道そのものの安定だとかそういうものから見れば、特段変動だとかの心配がなくて、少し鳥取砂丘の砂の供給と、これは海の方の影響もあると思うんですが、
そういうものであまり大きな問題ではない場合にはあまり書いておりません。安倍川ですとか、それから富山の常願寺川だとか、土砂が問題になる河川については土砂管理の方針をきちんと書くというように、河川によってそういう濃淡があります。御指摘の千代川についてはあまり細かくはしてございません。
(委員) 千代川流域では、流域に占める土石流危険渓流の数が多いと資料では書いてあるんですね。こういったことが、この整備基本方針の中でどう生かされているのかと。別に、危険渓流が多いということを無理に取り上げてくださいと言っているわけじゃないんですけれども、こういったことがせっかくデータとして出ているのでしたら、何かこの基本方針の中に見える形で入らないのかなという印象を持ったわけです。
(委員長) 千代川の参考資料1−3の9ページですか。この資料は前回も説明してもらいましたが、河川として土砂問題をどうとらえているかというのがあるのだろうと思いますが、これについて説明していただければいいのではないかと思います。
(事務局) 今、御指摘の前回配りました資料でございます参考資料1−3の9ページに、土砂管理の話を書いてございます。先ほど口で申し上げましたようなところで、危険渓流の数は少し多いのでございますが、その下にございますように、これは河川の計画であるというのもあるかもしれませんが、そこでの侵食・堆積の大きな変動といったものはあまり問題なレベルではないのかなという状況でございます。
  ただ、右のように砂丘の方は、これは川の影響よりも海の影響の方が一般的に多いと言われますけれども、そこの部分で問題が出ておりますので、これは併せて関係機関で連携しようとなっています。
  それから、本文の方ですが、資料3−3の千代川でございますと、5ページは全体が「河川の総合的な保全と利用に関する方針」ということでございます。この5ページの最後のフレーズでございます。「河川の維持管理に関しては」というくだりにさせていただいていますが「災害発生の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持及び河川環境の整備と保全の観点から」云々となっていて、その後に「また、上流から海岸までの総合的な土砂管理の観点から、流域における土砂移動に関する調査研究に取り組むとともに、安定した河道の維持に努める」という、一般的な感じにはなってございますが、こういうことは意識して考えないといけないとしてございます。
  それで、書きぶりはあれかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、特にアクションとしてダイレクトに考えないといけないような川についてはしっかり書くと、今はそんな風に整理しています。
(委員) 土石流危険渓流が多いということが、土砂の流出が多いということにつながるわけではございませんので、それはちょっと変なことを言ったかもしれません。言いたいのは、そういう土砂管理に関しては、大体今おっしゃったような共通するような書きぶりにすべてなっていますよね。あまり特徴が出てきていないのかなという印象を持っています。なるべくそういうところも取り上げていただいて、土砂管理の点からも是非、河川整備基本方針の中にそれぞれの河川の特徴を入れていただきたいなと思っております。これは要望でございますので、各河川こうしてくれというわけではございません。
  以上です。
(委員長) それでは、○○委員ございましたら、お願いいたします。
(委員) 2点お願いします。まず、網走川です。資料3−1の11ページです。計画高水流量の配分図なんですが、大曲からオホーツク海に出ていくところは520m3/s毎秒で増えるということなんですが、ここのところは新しい水路を掘るというお話が前回あったと思っています。現地でもそういう説明を受けています。そういった新しい水路を掘るという大きな計画については、ここには出てこないのでしょうかというのが、まず1点目の質問です。
  2点目は、矢作川です。やはり13ページの流量配分図で、先ほど来から議論がありましたけれども、考え方としていつも私が指摘させていただいていますのは、河口の流量というのは必ず書かなければだめだということです。それは河口は、出発水位を与える場所であること、洪水の出口であること等から河道計画の基本であるということであります。矢作古川も河道計画の中で一体どれだけ流量を河口で流そうとしているかというのは書かないといけないので、先ほどの御指摘は当然のことで、ここには河口での流量を書き込んでいただきたい。
  以上の2点です。
(委員長) これは事務局からお願いします。
(事務局) 最初の網走川でございますが、前回の航空写真の上に分水路を書いたものもございましたが、放水路というよりは捷水路的なぐらいのものかとは思っておりますので、私どもの認識としては、川全体の大きさの中に含まれているといいますか、別途に別な放水路を記述するほどのものではないとは思ってございます。
(委員) あそこは河川敷ではなく、農地でしたよね。川の中に分水路掘るというならそうかもわからないんですが、その辺りはどうお考えになるか。
(事務局) ショートカットだと思っています。
(委員) ええ、ショートカットだと思います。
(事務局) ですから、ショートカットについては特別記述しません。川の場所が少しずれていったりということと同じかと思いますので、現地の状況ではすごく大きな放水路を設けてというほどのものではないかなと考えています。
(委員) そうですか。こだわって恐縮ですけれども、ここは市街地ですよね。網走の市街地を流れているところなので、本当に河道そのものがかなりでき上がっていて流下能力はないために、今の河道を広げるということはなかなかできないために分水路的に掘るんじゃないかと私は認識していました。
(事務局) 大変恐縮ですが、参考資料1−1の4ページをごらんいただきたいと思います。網走川の前回の資料でございます。右側に写真がございます。ここの赤い斜線で区切りましたゾーンでございますので、市街地はこれよりもっと下流にございます。ですから、本当にショートカットというようなものなのでということでございます。
(委員) わかりました。ありがとうございます。
(事務局) それから、もう一点のお話で、矢作川でございます。矢作古川につきましては、国だから、県だからということではなくて、実際に管理している県の方の御意見もあって今はちょっと書いていないようなんですが、少し中身を押さえて、その重要性はよくわかりますので、そういうことで検討させていただければと思います。
(委員) 河口はネック部になりがちです。河口部をどのようにするのかは、河道全体に関わりますので、河口流量は書くのが原則だろうと思いますので、御検討ください。
(委員長) それでは、これは県との御調整をお願いすることにして、もし間に合えば書いていただくということにいたしましょうか。
  それでは、○○委員お願いいたします。
(委員) ○○でございます。よろしくお願いいたします。
  私は河川環境のそれぞれに特徴があって多様性があり、それを保全することも目標としているということで、この河川環境の整備と保全という項目が設けられていると考えております。そこで、例えば、資料3−2の9ページの部分なんですけれども、少し指摘と確認をさせていただきたいと思っております。といいますのは、この9ページのちょうど真ん中の段落の動植物の生息地云々というところであります。そこで、魚に関しましてはアユがかなりクローズアップされて書かれているわけでありますけれども、先ほど○○先生あるいは○○先生も少し触れられたこととも関連するかと思いますが、本州の方の川だとアユ、北海道だとサケというような、少し一様化し過ぎているのではないかという気がいたします。しかも、この矢作川に関しましては、御存じかとは思いますけれども、国の天然記念物のネコギギという魚もおります。そうした非常に河川の特徴を表す魚がいるにもかかわらず、勿論アユが悪いという話をしているわけでは全くありませんで、アユだけにシフトしなくてもいいのではないかということであります。ですから、河川環境の特性を示す重要な構成員であるネコギギ等に関する事項や文言をどこかに入れていただくということも必要なのではないかと思います。
  それと、これは訂正いただければというものでありますが、文言として、その段落の一番下から2つ目の「保全に努める。アユ等の遡下性魚類」という文章中「遡下」というのは「回遊性」と直していただいた方がより適切であると思います。ちなみに、千代川の方はそういうふうになっておりますので、その辺の用語上の統一というようなことも含めて、より適切な用語を用いていただければと思います。
  それと確認ですけれども、同じ文章の「アユ等の遡下性魚類については、縦断的な生息環境の確保」、これは要するに生息地の分断化が堰等であるので、ものによっては魚道といったようなことで河川の連続性を持たせようというようなことかと思うのですが、もしそうだとすると、少し具体的例を含めてもう少しわかりやすく書いていただいた方がいいのではないかと思いました。
  それと、もう一点、同じ矢作川に関してでありますけれども、これは○○先生から御指摘がありましたが、次の10ページのところでありますが、人とのかかわり合いという部分、この矢作川というのはさまざまなグループが継続的な活動をずっとされているところでありますので、グループ名とか団体名を書くということはふさわしくないと思いますが、支援体制などへの文言をご考慮いただいて住民協働の枠組みを構築するといったような文言があると、よりよいのではないかと思いました。
  それと、最後にもう一点だけ。恐縮であります。千代川に関しまして、同じ対比表の資料3−3の7ページの部分であります。特にウに関してでありますけれども「河川環境の整備と保全」という部分があります。その2つ目の段落で、同じように動植物の生息地云々という段落に関しましては、非常に具体的なこと、つまり○○先生が言われましたように、生息しているだけではなくて産卵床の有無や保全にふれられていたり、その生息としての瀬や淵等の文言もあり非常に具体的で、これを読むだけで私自身は、先ほど○○先生がポテンシャルがあるというような言い方をされましたが、これは本当にこういったものを含めた計画をやっていただければ、生物の側からもポテンシャルの高い川として、うまく反映できるものではないかという感想を持ちました。
  以上です。
(委員長) それでは、案文等で御提言いただきながら、御相談して修正すべきものは修正したいと思います。特に、ネコギギなどのお話も聞かせていただきながら入れてまいりたいと思います。
  それでは、時間が足りなくなりましたけれども、各委員に御発言をすべてお願いしたいと思います。次に、○○委員、お願いいたします。
(委員) 私は、それぞれの「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持」のところですが、先ほどどなたか委員が言われましたけれども、網走川については新たな水資源開発を行うというところがないんですが、個々の形で表現を変えられているのかなと思っているんですが、例えば、千代川と矢作川を見ますと「新たな水資源開発を行うとともに、広域的かつ合理的な水利用の促進を図る等」という流れで「都市用水等の安定供給や」というところにつなげますと、合理的な水利用の促進を図って都市用水等の安定供給というふうにつながっていきますから、網走川で表現されているように「広域的かつ合理的な利用の促進を図るとともに、必要な流量の維持に努める」という表現の方がいいのではないか。これは「新たな水資源開発を行うとともに」と、ここに「ともに」があるから下にまた「ともに」を入れていないのでしょうけれども、ここの文章表現を少し訂正していただければと思っています。
  それと、新たな水資源の開発のところで、平均渇水量と正常流量の比較をしてみますと、千代川が一番安定的なんですよね。矢作川は特に渇水量と正常流量の差が大きいんですけれども、逆に千代川は渇水量の方が大きい数字になっているんですが、そういう中で新たな水資源開発というのは慣用的に全地区同じようにされているならいいんですが、その辺り、特にこの網走川にないのは意識的なのかどうか、その辺りをちょっと教えていただければと思います。
(委員長) 表現の仕方についてはもう少し工夫するとして、新たな水資源という言葉があるかないかという点については、事情を説明してください。
(事務局) 上流で多目的ダムなど水資源開発施設を予定してやろうというものにつきましては、水資源開発施設という単語を使っております。それから、そういうものが予定されていないものにつきましては、そういう言葉を書いていないということでございます。ただ、今のように、ちょっと世の中からきちんとわかりやすい形には直させていただければと思っております。
(委員長) では、次に○○委員、お願いします。
(委員) 先ほど網走湖の水質につきまして、CODのお話ありがとうございました。それで、ちょっと河川局にお願いしておきたいという点が1つございます。昭和45年に、この水質の環境基準の原案を作ったのは当時の経済企画庁です。実は私もそのスタッフの一員でございまして、その年の1月に当時の経済企画庁長官から早くつくれという厳命が下りまして、1月から3月いっぱいという非常に短期間の間に作成いたしました。たまたま私はこの表づくりの担当でございまして、いろいろ各省と折衝いたしました。大変やかましかったのは、私の出身省庁でございました厚生省。これは国立公園と水道を抱えておりましたので、大変厳しいことを言ってまいりました。原案は、河川につきましてはABCDEのランクで出しました。厚生省はその上にAA、AAAというより厳しい数値を持ってまいりました。基準とは関係ありませんが、当時、専売公社が「スリーA」というたばこを発売しておりました。各省いろいろな意見を出してきました。農水省もかんがい用水それから、水産いろいろなことをおっしゃいました。そういう中で、当時私が感じましたのは、河川局があまり御意見がなかったのではないか。基準作りは主に各省の出向者でやっておりました。そういう状態の中でこの環境基準がつくられました。それから35年立ちます。網走湖のCODの将来達成につきまして、先ほど課長から大変苦しい御説明がございました。これはなぜかといいますと、いわゆる山林から出てくるもの、自然汚染物はどうしようもないと。水質の環境基準として、河川はBODを基準項目にしています。湖沼と海域につきましてはCODにしようという御意見がございました。国立公衆衛生院(現国立保健医療科学院)にいらっしゃった南部牛羊一先生からCODにしようというお話がありました。当時の知見としてはCODが妥当なところでした。最近、環境省でCODを見直そうという動きがございます。幸いにして、今、環境省の水の環境基準改正の担当審議官がこの間まで河川局の課長だった坪香さんがやっておられます。本当にこの河川の水質、湖沼の水質、その後ダムがいっぱいできましたが、そのダムの水質の評価も当時の知見のままで踏襲しておりまして、よく35年もっているなと私も思います。原案作成時には作ることに大変意義がありました。35年という時を経てCODをやめようという動きがございます。国際的に見ましても、CODを使っているところはあまりないとききます。環境省が水質の環境基準の改訂に取り組もうとしていますが、国土交通省河川局も決して環境省だけの仕事だと思わずに、しっかり取り組んでいただきたい。河川局が川とか湖とかダムとかいろいろなものを抱えています。
 今のところ海域も、東京湾は非常にきれいになりました。にもかかわらず、毎年発表する新聞の報道は、環境基準に達成しないと。これはなぜかというと、この間もちょっと申し上げましたけれども、基準のバーがちょっと高かったのかなと。それから、湖もその後窒素、リンの基準が作られましたが、これもその後の推移をみますと、ちょっと厳しい基準だったのかなと思います。基準値を下げるというのは至難の業なんですけれども、この辺も含めて、これからの水行政をやる上では時代に合ったといいますか、現実に合った形を取って行くのが良いと思います。環境基準は行政目標ですから守らなくたって罰せられるものでもありません。しかし、日本国内の河川、湖沼海域のいわゆる公共用水域の水質はこの環境基準を目標に浄化や保全が進められています。環境基準の改訂にあたっては、実際に河川や湖沼を管理している河川局が実態に合ったよりよい基準とするようにひとつ頑張っていただきたい。よろしくお願いいたします。
(委員長) 大変貴重な御意見をいただきました。湖沼の資料は乏しい中でCODに決めたというようなお話も伺ったことがあります。その後、観測資料も大変多くなったことでしょうから、次へ向けて努力していただきたいと思います。
  次に、○○委員、お願いいたします。
(委員) ちょっと先ほどの○○委員の発言に関しまして、例えば、補足説明資料の今の3ページに山林等の自然系の負荷については改善することは難しいというような表現があるんですけれども、この「改善することは」という表現はあまり適切ではないのではないかと思うんですが、この辺りはどうでしょう。
(委員長) 今の環境基準が合理的なものかというより、一つの目標値として望ましいと決めたという経緯があって、その辺がこういう言い方になったのだろうとは思いますが、もう少し実態に合わせた決め方があってしかるべきではないかと、私は○○委員の意見を受け取ったんですが。
(委員) わかりました。あと1点よろしいでしょうか。これも御指摘があって繰り返しになるかもしれませんが、参考資料4−3、千代川の土砂管理等に関する資料のところで、8ページなんですが、鳥取砂丘に関する記述があるんですけれども、ここでは最後に「問題が指摘されている」という表現になっているんですが、これはどういうところから指摘されているのかということも若干関連してくるんです。「緑地化が進行し」となっていますが、この緑地化が進行しているというのは具体的にどういうことを言おうとしているのか、ちょっと教えていただきたいんです。
(委員長) ○○委員は私と現地を見ていただいたので感想がもしありましたら。砂丘を残すのに結構県が苦労しているというような。
(委員) そうですね。今の委員長のお話のように、現地を見せていただきましたけれども、確かに草が生え、少しずつ緑が砂丘についてきたということがよくわかりましたし、事実広がっているということで苦労されているということでした。
(委員長) 砂丘を残したいという立場からの意見ですね。
(委員) 随分以前から、要するに松林をつくって、その結果砂丘がという観光行政上的な指摘がもともとありますよね。ただ、これは土砂管理の問題というよりも、観光として砂丘を使うのか、もともと森林をつくったのは後背で二十世紀梨だとかいろいろやっていますけれども、そういう農業利用をやろうという利用面の問題ですから、土砂管理から言うと非常に微妙な問題ですけれども、それをここで、先ほど御指摘があったんですが「指摘されている」というところで止めて、本文には一切関係がないというのはちょっとまずいのではないかと。先ほどちょっと勉強会もやってという御説明もあったんですが、資料の取扱いというのか、そういう縦関連の声、整合性に問題があるような御指摘もありましたけれども、ここのところはちょっと考えていただいたらいかがかなと思います。
(委員長) 大変貴重なお話でございますので、その辺は人間のエゴみたいな話もあるわけですので、資料等の取扱いについては考えていただきたいと思います。
  それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員) 先ほど○○委員と○○委員から、湖沼の基準についてのお話がございました。そういう点から、網走川の案の4ページにあります水質のCOD75%値が3mg/lを超えているという記述があります。ここは削除されてしかるべきだろうと思います。私の見方から申しますと、補足資料の3ページで見てまいりましても、3mg/lを下回るのは不可能であろうと。北海道は大体ヨーロッパ一帯と同じでありまして、いろいろな木の葉っぱとか腐ったものが地下水に入っていきます。大体真っ黒な水です。関東地方で言いますと、千葉の房総の先の方の小糸川とかあの辺では山の方で真っ黒い水がたくさん出ておりますが、そういう水がいっぱいあるわけです。これが自然に出てまいります。これは飲み水をつくる技術としては薬品をたくさん入れてとれてしまうんですが、生物学的に言わば自然にとるということは不可能です。その発生率が大体55%であって、それから北海道は多分この辺りもそうだと思うんですが、牛のし尿はほとんど草地へ還元しております。これも同じように生物分解不可能な最終の物質になって川に入ってくるわけです。おまけにビートを生産している。これは、今後きれいになることはあり得ない。CODが明らかに現在の湖沼の基準として間違っているのは当然でありますけれども、分解できない水というのはたくさんあるんです。世界じゅうでこんなことをやっているのは日本だけであります。
  環境基準を云々というのは、やはり湖沼に対して適切な汚濁度を表す指標で表現されるべきだろうと思います。例えば、生物とか分解可能な物質量で表すとか、補足資料3で見ますと、CODしか出ていないからしようがないですが、湖のCODと流入のCODで見てみますと、流入のCODが大体平均が5、それから、湖沼のCODは7〜8ぐらいのところでしょうか、ちょっと下がったりしています。だから、湖の中で生産されているのは2か3ぐらいしかない、きれいな湖なんです。時々風とかそういう理由でいろいろなものが発生する。アオコが発生したりする。そういう実態をもうちょっときちんと書かれるべきであって、環境基準に基づくからだめだとか、そういうことは言われない方がよろしいと存じます。大体そんなところです。ヨーロッパの川などは真っ黒ですから、我々ですと下水処理をやりますときに、色が黄色いとかそういうことを言ってしまうんです。彼らと議論していますと、色のことは一言も言わない。変だなと思って下水処理場へ見に行ったら、放流している川の方が真っ黒だったと。そういう環境で、大体北海道はこういう環境なんです。だから、あまりCODだ何だと言わない方がよろしいかと思います。
  以上です。
(委員長) では、この辺を○○委員の意見も聞きながら、表現については工夫するとします。ただ、湖に関して言うと、アオコ、青潮の発生が大変重要問題であり、河川管理者も必死になってこの対策をとっていること。これは汚濁物質の発生源の問題もありますけれども、湖沼の地形が入潮で湖に塩分が残って出ていかない重い塩水が下に汚濁物質をためているという現象があって、それをどう排除するかというのが網走川の最大の課題だと私は認識いたしました。それらも含めて、表現については関係委員と相談しながらまとめさせていただきたいと思います。
  それでは、大変お待たせいたしましたが、北海道知事さん代理の方が御出席でございますので、お願いいたします。
(委員) 今日は、網走川について御議論いただきまして、ありがとうございます。
  オホーツク海沿岸の河川は網走川のように、河口に海跡湖を持つことが一つの特徴になっておりまして、河川の氾濫源は古くから治水対策を行ってきた結果、湿原や森林が肥沃な、ここの場合は畑地ですけれども、農耕地に生まれ変わってきたというような状況がございます。その結果、堤防ですとか水際ぎりぎりまで耕地が迫ってきまして、ここは特に火山性の土砂が多いんですけれども、そういったものが川の方に流れ込み、軽い土砂なものですから、下流の湖にたまっていくというような状況も、網走川ばかりではなくてほかの道の管理している河川でも見られます。そういうことが湖の環境ひいてはそこで漁業を営んでいる方たちに影響を与えて、上下流でいろいろな問題が発生して、上流で農業を営む人たちと下流の漁業者と折り合いをつけることを、河川管理者を含めた行政の方に求められているケースも結構ございます。
  今回の網走川の基本方針に関しましては、治水対策は勿論ですけれども、いろいろ話題になっておりましたが、湖沼の水環境の改善ということが盛り込まれておりまして、これは大変重要なことだと認識しております。方針にもありますように、流域に住む人たちが連携を行っていくことが、将来にわたって折り合いを考えていくために大変重要だと考えておりますので、策定の推進を進めていただくようにお願いしたいと思います。
  以上です。
(委員長) 案文的には大体骨格としては、今日議論が出ましたことを踏まえて、また、委員長の方で多少の修正はしたいと思いますが、骨格としてはこれでよろしゅうございますか。
  それでは、次に、岐阜県知事さん、お願いいたします。
(委員) 岐阜県におきましては、矢作川水系河川整備方針案につきましては、特に異論はございません。
  ただし、1つこれは要望でございますが、矢作川水系は古くから下流との連携、豊田市さんなどは水源林の上流に造成されまして、必要な金の一部を水道に賦課しているようなことも聞いておりますし、そういった中で今後、更に流域としてのいろいろな連携が必要になってくるのではないかということで、特に矢作ダムも旧串原村、それから、現在上流ダム群としてダムの可能性調査をやっておられます旧上矢作町、これは平成の大合併によりまして恵那市に合併されたという中で、市内でなくて周辺地域がどうしても手薄になるというような状況の中で、今後ますます下流域も含めた、先ほど○○先生の感想意見の中にもございましたように、そういった連携を計画的に息の長いものをいろいろな形の中でやっていただきたいという思いでございます。
  それと、もう一点、現在、実施計画調査がなされております上矢作ダムでございますが、県内でもいろいろとダム建設管理等をやられておりますが、非常に地域において著しい影響があるという中で、今後県としましても地元の意向を踏まえまして、国からいろいろな情報をいただきながら調査の推移を見守っていきたいなと考えております。
  以上でございます。
(委員長) 案文の骨格としてはよろしゅうございますか。
  次に、愛知県知事さん、お願いします。
(委員) 基本方針の案文については、特に意見はございません。あと、矢作川の早期整備につきましては御配慮願いたいと思っております。
  以上であります。
(委員長) それでは、鳥取県知事さん、お願いいたします。
(委員) 千代川の御審議、本当にありがとうございます。案文につきましては特段ありませんけれども、先ほど事務方の説明の中で千代川水系の中の袋川、これは市街地を流れている河川でございまして、地域に長く住む者にとりまして河川というのは非常に愛着が深いものでございます。以前、放水路が建設されたときに名称が変わりまして、それにこだわる方がいろいろ活動されまして、今回皆様にお願いして名称変更という手続をとっておりますところで、先ほど説明がありましたように、次回恐らくお世話になると思いますので、よろしくお願いいたします。
(委員長) これは恐らく次の河川分科会で河川名の変更があるでしょうから、そのときにまたこの案文の「案」がとれるので、その段階で修正するということで事務局及び私にお任せいただきたいと思います。
  一通り御意見を承りました。なお、特に付け加えることはございますか。それでは、あらかたの御意見も出尽くしたと思われますので、本日の議論を踏まえ、私と事務局において網走川等3水系の河川整備基本方針案を取りまとめ、各委員に御確認をいただいた上で河川分科会に御報告したいと思います。この件につきまして、私に御一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

(委員長) ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
  各委員には本議題につきまして、短時間の中で熱心な御審議、御議論をいただき、また、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。特に、審議対象の網走川水系の関係委員として御参加いただきました○○委員、○○委員。矢作川水系の関係委員として御参加いただきました○○委員、○○委員、○○委員、○○委員。千代川水系の関係委員として御参加いただきました○○委員、○○委員の各委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重な御助言などをいただき、ありがとうございます。
  最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の御確認を得た後、発言者の氏名を除いて国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
  本日の議題は以上でございます。




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