水管理・国土保全

  

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雄物川の自然環境

流域の自然環境

 雄物川は、その周縁を奥羽山脈・出羽山地・太平山地等に囲まれており、これらの地域には、ブナ、ミズナラ等の広葉樹が繁茂し優れた景観を呈しているため、十和田八幡平国立公園、栗駒国定公園、真木真昼県立・田沢湖抱返り県立・太平山県立自然公園に指定されています。



十和田八幡平国立公園


真木真昼県立自然公園

上流部の自然環境
 上流部ではブナ、ミズナラ等の広葉樹林帯が広がる一方、河畔にはツルヨシ、シロヤナギ等が見られ、渓流にはイワナ、ヤマメ等が生息する他、湧水が見られる箇所では重要種のトミヨ属雄物型、トミヨ属淡水型等も生息しています。
 トミヨ属雄物型は、体調は60mm程度で、背部に9本程度の棘を持ちます。トミヨ属淡水型と形態的に似ていますが、トミヨ属雄物型の背鰭、棘、鰭膜は黒色であるのに対し、トミヨ属淡水型は透明であるため、容易に認識できます。トミヨ属雄物型は、秋田県と山形県にのみ分布し、秋田県では雄物川水系のごく一部にしか生息しておらず、環境省絶滅危惧ⅠA類、ならびに秋田県絶滅危惧種ⅠA類に掲載されています。


トミヨ属雄物型


トミヨ属淡水型

中流部の自然環境
 中流部ではヤナギ、オニグルミ等の河畔林が多く、ハイタカ等が生息し、早瀬はアユ、サケ、ウグイの産卵場となる他、比較的広い礫河原ではコアジサシが集団繁殖し、水域ではタナゴ類やカワシンジュガイ等が生息しています。



コアジサシ


カワシンジュガイ

下流部の自然環境
 下流部では比較的広いヨシ原が、オオヨシキリ、ヒバリ等の草原性鳥類の繁殖地となり、河口部には砂丘環境が広がっています。水域には、メダカやキタノアカヒレタビラ、タナゴ類等の止水・緩流環境を好む種が多く生息しています。また、河口部には汽水域特有の種が生息しておりシロウオ、カマキリ(魚類)等の産卵場がある他、多種多様な生物の生息・生育・繁殖空間となっています。


オオヨシキリ


シロウオ



雄物川自然再生計画
雄物川河川環境検討会について
雄物川上流では、河道内にワンド・たまりが数多く形成され、その数は東北地方の一級河川の中で最も多く、生物の多様性を構成する生息・生育・繁殖環境の場として、良好な河川環境を形成しています。
 しかし近年、河川環境の変化により、ワンド・たまり固有の魚類の生息・繁殖環境の悪化などが生じています。
 このような状況を踏まえ、ワンド・たまりに着目した雄物川の河川環境の保全・再生にあたり、「雄物川自然再生計画」の策定を目的とした専門的知識を有する有識者の意見を聴くための「雄物川河川環境検討会」を設立しました。


湯沢河川国道事務所HP

消失ワンド・たまり再生図


消失ワンド・たまり再生図








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