水管理・国土保全

  

| 河川トップ | 川の歴史 | 主な災害 | 地域と川 | 自然環境 |   


利根川の自然環境

自然環境の保全と再生
渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画
利根川の自然環境の変化が懸念される区間においては、利用状況を勘案しつつ利根川・江戸川が元来有している自然環境の保全・再生を図っています。

また、渡良瀬遊水地については、「ラムサール条約湿地」に登録されたことや、「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」を踏まえ、現存する良好な環境の保全と掘削による湿地の再生に努めています。


目標とする湿地環境のイメージ(渡良瀬遊水地)


春に行われるヨシ焼きの風景(渡良瀬遊水地)



利根川下流部自然再生計画
利根川下流部の河口より5kmから35kmまでの利根川河口堰を挟む区間は、国内有数の湿地環境であり、貴重な生物の生息場となっています。しかし、昭和50年代以降の局所的な築堤及び河道の浚渫や高水敷の埋め立て等により、多様性を持つ干潟、ヨシ原やワンド等の良好な湿地環境が減少し、セイタカアワダチソウ等外来種が侵入する等の質的劣化が進んでいます。

このため、平成25年3月に利根川下流部自然再生計画を策定し、5地区の自然再生箇所の選定を行い、河川環境の問題点及び要因の整理から自然再生メニューを作成しています。

また、自然再生事業を進めるため、利根川下流部自然再生モニタリング委員会を設置し、計画・設計・施工についての検討を行うと共に、モニタリングの結果を計画にフィードバックすることで、より良い自然環境の再生・保全に努めています。


利根川下流部自然再生計画の概要


オオセッカ(出典:日本の野鳥)



渡良瀬遊水地エリア エコロジカル・ネットワーク推進協議会
「渡良瀬遊水地エリア エコロジカル・ネットワーク推進協議会」では、渡良瀬遊水地エリアにおいて、多様な主体が協働・連携し、トキやコウノトリなどを指標とした河川(渡良瀬遊水地を含む)及び周辺地域で、多様な生物の生息可能な自然環境の保全・再生方策を推進し、賑わいのある地域振興・経済活性化方策に取り組むとともに、広域連携モデルとしてのエコロジカル・ネットワークの形成による魅力的な地域づくりを実現することに取り組んでいます。


取り組みのイメージ図


協議会開催状況写真



河川の自然環境
源流部から渋川市に至る区間
源流部から渋川市に至る区間は、ブナ・ミズナラ等の自然林、コナラ等の二次林、スギ・ヒノキ等の人工林が広がり、山間部を流れる渓流ではイワナ、ヤマメ、カジカ等の魚類やカジカガエル等の両生類が生息しています。また、ダム湖周辺では、ヤマセミ、オシドリ、コガモ等の鳥類が見らます。


イワナ(出典:川の生物図典)


ヤマメ(出典:川の生物図典)



渋川市から取手市に至る区間
渋川市から熊谷市に至る区間は、礫河原にカワラヨモギ、カワラニガナ等の植物が分布し、カワラバッタ等の昆虫類が生息しています。礫河床の瀬にはアユ、ウグイ等が生息し、淵やワンドや溜まりにはギバチ、ジュズカケハゼ等の魚類が生息しています。中州等にはコアジサシ、イカルチドリ、コチドリ等が見られ、水辺にはカモ類等が見らます。熊谷市から取手市に至る区間は、河岸にヨシ・オギ群落、ヤナギ類が繁茂し、オオヨシキリ、セッカ等の鳥類やカヤネズミ等の哺乳類が生息し、中州等にはコアジサシやチドリ類等の鳥類が営巣の場としています。水域にはオイカワ、モツゴ、ナマズ、ニゴイ等の魚類やモクズガニ等が生息しています。


ジュズカケハゼ(出典:日本の淡水魚)


モクズガニ(出典:川の生物図典)



取手市から河口に至る区間
取手市付近から利根川河口堰に至る区間は、高水敷にヨシ・カサスゲ群落が広がり、オオセッカ等の鳥類が生息しています。水辺では、カモ類、サギ類、カモメ類が多く見らます。河口堰下流の汽水域のヨシ原や高水敷では、ヒヌマイトトンボ、キイロホソゴミムシなどの昆虫が生息しています。また、水域ではマルタやウナギ等の回遊魚やスズキ、ボラ、シラウオ等が生息し、干潟にはエドハゼや水産資源となるヤマトシジミ等が生息しています。


キイロホソゴミムシ(出典:レッドデータブック)


ヒヌマイトトンボ(出典:レッドデータブック)




ページの先頭に戻る