木曽川水系の水は、古くから広大な濃尾平野等へのかんがい用水や水力発電に利用されるとともに、流域内はもとより、中京圏域への上水道用水及び工業用水として供給されています。水利用の大半を占める木曽三川中・下流部のかんがい用水は肥沃な濃尾平野に用水路を築造することによって利用されてきました。
濃尾用水は、約400年前に大規模な農業用水として完成し、関係市町村が2県13市20町村に及ぶ木曽川両岸の広大な地域の農地16,700ha余りを対象としたものです。
名古屋市は、大正3年木曽川左岸に上水道水源を求め給水を開始しました。これは、当時の年間予算の2倍の費用をかけ、自流取水の水源を確保し、その後、名古屋市の都市化の進展につれ拡張を重ね、昭和14年には尾西市に新たな水源を追加するなど、木曽川は名古屋市をはじめ尾張地域の貴重な上水道水源となっています。また、その水質の良さ、水量の安定性は、現在の政令指定都市では他に例を見ません。