水管理・国土保全

  

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紀の川の主な災害

大宝以降の水害
紀の川の水害
洪水の記録は、古いもので701年の続日本紀に紀伊ノ国の被害について記録があり、過去から多くの洪水被害が発生しています。
 特に、下流の貴志川流域に降雨が集中した昭和28年7月の前線、観測流量が最大であった昭和28年9月の台風13号、上流に降雨が集中した昭和34年9月の伊勢湾台風などで、大きな洪水被害が発生しました。

近年では、昭和57年台風10号及び台風9号からかわった低気圧、平成2年台風19号、平成23年台風12号、平成25年台風18号など、堤防の決壊による浸水被害はないものの護岸の損傷や内水被害(河川に排水できずにはん濫した水による被害)が発生しています。



紀の川の水害

発生日 発生原因 被災市町村 被害状況
701(大宝元年) 暴風雨 続日本紀に紀伊ノ国の被害について記録
1912(大正元年) 暴風雨 死傷者23名 家屋全半壊252戸
1917(大正6年) 暴風雨 家屋浸水2,900戸
1934(昭和9年) 室戸台風 死傷者76名 家屋全半壊1,428戸
 家屋流出4戸 家屋浸水600戸
1950(昭和25年) ジェーン台風 死傷者1,894名 家屋全半壊13,820戸
 床上浸水2,309戸 床下浸水9,323戸
1952(昭和27年) 前線・低気圧 死傷者32人 家屋全半壊142戸
 床上浸水256戸、床下浸水6,260戸
1953(昭和28年) 前 線 死傷者981人 家屋全半壊1,327戸 床上浸水2,103戸
 床下浸水8,165戸(那賀郡と伊都郡の合計)
1953(昭和28年) 台風13号 死傷者91人 家屋全半壊1,546戸
 床上浸水4,035戸 床下浸水7,473戸
1956(昭和31年) 台風15号 死傷者5人 家屋全半壊44戸
 床上浸水1,158戸 床下浸水9,292戸
1959(昭和34年) 伊勢湾台風 死傷者71人 家屋全半壊347戸
 床上浸水3,180戸 床下浸水1,917戸
1961(昭和36年) 前 線 家屋全半壊1戸 床上浸水28戸 床下浸水170戸
1965(昭和40年) 台風24号 床上浸水398戸 床下浸水3,588戸
1972(昭和47年) 台風20号 床上浸水22戸 床下浸水2,362戸
1982(昭和57年) 台風10号及び台風9号からかわった低気圧 床上浸水91戸 床下浸水1,458戸
1990(平成2年) 台風19号 家屋全半壊8戸 床上浸水98戸 床下浸水202戸
1994(平成6年) 台風26号 床下浸水7戸
1997(平成9年) 台風9号 床上浸水2戸 床下浸水9戸
2011(平成23年) 台風12号 床上浸水81戸 床下浸水109戸
2013(平成25年) 台風18号 床上浸水63戸 床下浸水68戸
2017(平成29年) 台風21号 床上浸水205戸、床下浸水126戸(速報値)
※「和歌山県災害史」および「水害統計」等 なお、本表は下流の和歌山県分のみを集計した結果を用いています。
集計可能なものについては流域内の被害を示し、他は和歌山県全体の被害の集計を示しています。



出水による主な災害
昭和34年伊勢湾台風
紀の川における洪水は、主に台風がもたらす降雨によるものです。
近年の著名な洪水としては、昭和28年9月の13号台風出水、昭和34年9月の15号台風出水が挙げられ、それぞれ紀の川流域に大災害をもたらしました。

特に、昭和34年9月に襲来した15号台風(伊勢湾台風)は、上流に極めて多くの雨をもたらし、八幡平付近では1,200mmを超える雨量を記録しました。上流に比べて中下流部での雨量は少なく、中流部の高野山で200mm程度、下流部の岩出では50mm程度でした。
(伊勢湾台風の被害状況は、死傷者71人 家屋全半壊347戸 床上浸水3,180戸 床下浸水1,917戸)
 
また、大滝ダムの運用開始後においても、現在(紀の川水系河川整備計画施工前)の河道状況で戦後最大洪水※である昭和34年9月伊勢湾台風の洪水が発生した場合、紀の川本川のはん濫により浸水被害が想定されます。

※戦後最大洪水:紀の川における戦後最大洪水は、戦後の洪水のうち、船戸地点上流域平均2日雨量が最大であった昭和34年9月伊勢湾台風


昭和34年9月 和歌山市南海橋の被害状況


昭和34年9月 奈良県五條市の被害状況




過去の主な渇水
瀬切れ
近年、降雨量は年ごとに大きく変化しており、渇水被害も頻発しています。特に平成6年には記録的な渇水被害に見舞われ、取水制限や一部工場等への断水、農作物への被害、プール閉鎖などが発生しました。

また、渇水時には紀の川下流の船戸地点や支川の貴志川において大規模な瀬切れが発生し、河川本来の機能が損なわれています。



平成6年8月 岩出橋付近の瀬切れ

発生年月 取水制限延日数 最大取水制限率 紀の川の瀬切れ発生日数
平成2年8月 16 30% -
平成5年6月~8月 6 25% -
平成6年5月~8月 99 75% 25日
平成7年8月~9月 78 30% -
平成8年6月 5 25% -
平成13年8月 36 30% 19日
平成14年6月~8月 39 30% -
平成17年6月~8月 24 30% -



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