藩政時代の産業は水と密接な関係があり、流域の大部分が農業に従事し、小瀬川の水が重要な資源として貢献してきました。その中でも、小瀬川の水質は和紙生産には最適であり、小瀬川流域には多くの紙すき職人が活躍していました。
明治・大正時代になり、近代化の基礎が確立されてきてはいましたが、引き続き農業と和紙生産が中心の時代が続きました。
昭和20年代以降、戦後復興を完了した日本経済は成長期入り、技術革新によってめざましい発展をし、小瀬川下流地域も岩国(いわくに)・大竹(おおたけ)工業地帯として石油精製、石油化学、製紙業、化学繊維等の小瀬川がもたらす豊かで良質な水を用いる大規模な工場が誘致され、現在の太平洋ベルト地帯の主要な地位を占めることとなりました。