水管理・国土保全

  

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松浦川の自然環境

アザメの瀬自然再生事業

「河川の氾濫原的湿地の再生」および「人と生物のふれあいの再生」を目標として、①流域の視点から計画策定、②順応的・段階的な事業の実施、③NPO等との連携をコンセプトに、平成15年度より自然再生事業に着手し、平成22年度に事業が完了しました。

武雄河川事務所HP アザメの瀬自然再生事業

整備前と整備後


整備平面図



自然環境

松浦川流域は、スギ・ヒノキ等植林やシイ・カシ萌芽(ほうが)林を中心とした山地が流域の約9割を占め、平地は、松浦川本川、徳須恵川および厳木川沿いに広がり、水田等が形成されています。また、流域内には、山地斜面を利用した果樹園が点在しています。


松浦川流域の植生


松浦川上流部
松浦川本川の源流付近には、黒髪山カネコシダ自生地、また川古(かわご)のクスなど天然記念物が存在します。山間を流れる区間ではヤマセミやカワセミなどが見られます。

源流から厳木川合流点下流付近までの中上流部は、スギ・ヒノキ等植林を主体とした低い丘陵地となっており、狭い田園地帯を流下します。河床には所々岩盤が露出し、メダケやオオタチヤナギなどが河岸に繁茂しています。水域には、イダ(ウグイ)、オイカワなどが生息します。特にイダは、春一番が吹く頃に遡上することから「イダ嵐」として地域の風物詩になっています。


松浦川上流部


松浦川中流部
唐津市佐里(さり)地区のアザメの瀬では、コイ・フナ・ドジョウなどや湿地性植物の生息・生育の場となるよう氾濫原※における湿地の再生に取り組んでいます。厳木川合流点付近は、良好なアユの産卵場となっているほか、砂礫河原にはチドリ類が見られます。その他、松浦川、厳木川の上流部はホタルの生息地として地域から親しまれています。

※:氾濫原とは、河川の氾濫や河道の移動によってできた平野のことで、河川の堆積物によって構成され、洪水時には浸水します。


松浦川中流部


松浦川下流部
厳木川合流点下流付近から松浦(まつうら)大堰(おおぜき)までの下流部は湛水区間となっており、メダケ、オギ群落が河岸に繁茂し、徳須恵川合流点付近では、ヨシ、マコモなどからなる湿地が形成され、サギやメダカなどが生息しています。

松浦大堰下流部は汽水域※1となっており、マハゼやシラウオなどが生息しています。また、河岸にはハママツナやシオクグなどの塩生植物※2群落が点在し、干潟にはハクセンシオマネキなどが生息しています。
厳木川は、河床に岩盤が露出し、水域にはアリアケギバチやオヤニラミ、ゲンジボタルなどが生息しています。
徳須恵川は、上流の山間渓谷部ではヤマセミなどが生息し、下流の平野部の水域には、アユ、オイカワなどが生息しています。

※1:汽水域とは、河川の淡水(真水)と海水が混じり合う区域のことです。
※2:塩生植物とは、海浜植物のように、塩分の多い水に耐える植物のことです。



松浦川下流部


松浦川河口部





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