国土交通省所管分野における社会資本の将来の維持管理・更新費の推計(2018年度)

社会資本メンテナンス元年(2013年)以降の取組の実績や新たな知見等を踏まえ、今後30年後(2048年度)までの維持管理・更新費の推計を行ったところ、「事後保全」から「予防保全」へ切り替えることによる費用の縮減効果が大きいことが分かりました。今後、予防保全の考え方を基本としたインフラのメンテナンスを国、地方公共団体などが一丸となって着実に進めるとともに、新技術やデータの積極的活用、集約・再編等の取組による効率化を図り、持続的・実効的なインフラメンテナンスの実現を目指します。

年度 推計結果
2018年度 約5.2兆円
2023年度(5年後) 約5.5~6.0兆円〔1.2〕
2028年度(10年後) 約5.8~6.4兆円〔1.2〕
2038年度(20年後) 約6.0~6.6兆円〔1.3〕
2048年度(30年後) 約5.9~6.5兆円〔1.3〕

〔〕の値は2018年度に対する倍率

2018年度の値は、実績値ではなく、今回実施した推計と同様の条件のもとに算出した推計値

主な推計の実施条件

  1. 国土交通省所管12分野(道路、河川・ダム、砂防、海岸、下水道、港湾、空港、航路標識、公園、公営住宅、官庁施設、観測施設)の国、都道府県、市町村、地方公共団体、地方道路公社、(独)水資源機構、一部事務組合(海岸、下水道、港湾)、港務局(海岸、港湾)が管理者のものを対象に推計。鉄道、自動車道は含まれていない。このほかに、高速道路6会社は、維持管理・更新費として約19.4兆円(2019~2048年度)を予定。
  2. 更新時に、現行基準への適合のための機能向上を実施。
  3. 点検・修繕・更新等を行う場合に対象となる構造物の立地条件や施工時の条件等により、施工単価が異なるため、この単価の変動幅を考慮し、推計値は幅を持った値としている。

長寿命化等による効率化の効果

「長寿命化等による効率化の効果」を示すため、「事後保全」の考え方を基本とする試算を行い、「予防保全」の考え方を基本とする「平成30年度推計」との比較を行った。
「事後保全」の考え方を基本とする試算よりも、「予防保全」の考え方を基本とする「平成30年度推計」では、5年後、10年後、20年後で維持管理・更新費が約30%減少し、30年後には約50%減少する。

単位:兆円

  2018年度 5年後
(2023年度)
10年後
(2028年度)
20年後
(2038年度)
30年後
(2048年度)
30年間 合計
(2019~2048年度)
①平成30年度推計
(予防保全を基本)
5.2 〔1.2〕
5.5~6.0
〔1.2〕
5.8~6.4
〔1.3〕
6.0~6.6
〔1.3〕
5.9~6.5
 
176.5~194.6
②平成30年度試算
(事後保全を基本)
5.2 〔1.6〕
7.6~8.5
〔1.6〕
7.7~8.4
〔1.9〕
7.7~8.4
〔2.4〕
10.9~12.3
 
254.4~284.6
長寿命化等による
効率化の効果
((①-②/②))
▲29% ▲25% ▲32% ▲47% ▲32%

〔〕の値は2018年度に対する倍率

(参考)用語の定義

予防保全 施設の機能や性能に不具合が発生する前に修繕等の対策を講じること。
事後保全 施設の機能や性能に不具合が生じてから修繕等の対策を講じること。

前回(2013年度)の維持管理・更新費の推計結果