童子経本尊坐像
この像は童子と呼ばれる神の坐像である。この像にはかつては鮮やかな彩色が施されていた。それはおそらく子供の幸福との関係性を強調することが目的だったのだろうが、何世紀もの時間の間に退色してしまった。人々は、特に自分の子供が病気になった時に、あるいはただ単に無事に成長してほしいという願いを込めて、子供の守護を求めて童子に祈りを捧げる。童子のように子供を守る神々は、初期の日本の仏教においては盛んに信仰された。なぜなら、歴史的に、子供の死亡率が高かったからである。近代的な医療が発明される以前は、子供が無事に成長して成人を迎える可能性ははるかに低かった。そして、子供の成長と成人を助けてくれる神の存在は間違いなく喜ばれたのである。