九十九島の自然環境
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九十九島の島々の多くは青々と茂る草木で覆われており、青い海と印象的なコントラストを描いています。九十九島は暖温帯に属しているため、冬には気温が下がり、落葉樹の葉が枯れ落ちます。島々の樹木の大部分を占める針葉樹は、4月か5月に落葉します。これらの落ち葉や他の植物性の物質はゆっくり分解され、新しい豊かな土壌を生み出します。
九十九島の沿岸地域では、佐々川や相浦川をはじめとする河川が、森から養分を豊富に含んだ水を海に運び、多様な海の生物を養います。
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<島/水流の図>
腐植土:養分に富んだ土壌
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地下を流れる水は、大量の養分を運びます。
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水中の養分は水生植物やプランクトンの食物となります。
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小型の魚類や甲殻類などがこの植物とプランクトンを食べます。
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小型の動物は大型魚や他の動物に食べられます。
オーディオから:
岩礁
九十九島の海岸線の一部は岩石でできています。このような岩礁はイソギンチャクやフジツボなどの生物の生息域であり、小型の魚類や貝類の避難場所です。潮が引くと残された小型魚類や甲殻類が見られる潮だまりは、自然観察にぴったりの場所です。
島と植物
風を避けられるものがある浜には、カノコユリやハマボウが生育します。風の当たる場所では、クロマツ、背の高いスダジイ(Castanopsis sieboldii)、ヤマモモが強い潮風に適応しています。非常に強い風が吹く場所では、クロマツのみが生育に耐えることができます。
潮間帯
潮の満ち引きとともに砂と泥が混じる地域は潮間帯と呼ばれます。護岸工事や干拓事業により、日本各地の潮間帯の数は激減しました。九十九島では、生物多様性を維持するためにこの重要な地域を保護しています。
潮間帯はトビハゼやカブトガニ(“samurai helmet” crabs)が生息しています。
砂浜
九十九島のあちこちに数多くの小さな砂浜があります。訪れると浜辺を独占しているような気になりますが、実際にはスナガニやコメツキガニと共用しています。カニは潮とともにやってくるプランクトンを食べますが、干潮時にはアオサギとタヌキが彼らを捕まえにやってきます。
島と海
島では、木から落ちた葉が分解され、栄養に富んだ腐葉土になります。この豊かな土壌は、他の栄養源に乏しい島の木々に養分を供給します。九十九島では木々は海岸線に沿って水面の上まで枝を伸ばしています。このことにより、海岸線沿いには日陰の部分ができ、希少な貝類や海洋性アメンボ、日陰を好む魚にとって理想的な生息域となります。
<ラベルタグ-必要に応じて>
スダジイ(Castanopsis sieboldii)
トベラ(Japanese pittosporum、Pittosporum tobira)
クロマツ(Japanese black pine、Pinus thunbergii)
ナベカ(Combtooth blenny、Omobrancuhs elegans)
シャリンバイ(Yeddo hawthorn 、Rhaphiolepis umbellata)
スジエビモドキ(Freshwater shrimp 、Palaemon paucidens)
カノコユリ(Lilium speciosum)
カブトガニ(Horseshoe crab、Tachypleus tridentatus)
テッポウエビ(Alpheus brevicristatus)
水路
トビハゼ(Mudskipper、Periophthalmus modestus)
ギンポ(Tidepool gunnel、Polis nebulosa)
ハクセンシオマネキ(Milky fiddler crab、Uca lactea)
ハマボウ(Hibiscus、Hibiscus hamabo)
ヤマモモ(Japanese bayberry、Myrica rubra)
ムラサキハナギンチャク (Tube-dwelling anemone、Ceriantbus filiformis)
メバル (Japanese red seaperch、Sebastes inermis)
アマモ(Eelgrass field、Zostera marina)
アオサギ (Grey heron、Ardea cinerea)
スナガニ (Stimson’s ghost crab、Ocypode stimpsoni)
タヌキ (Racoon dog、Nyctereutes procyonoides)
チュシャクシギ (Whimbrel、Numenius phaeopus)
マサキ (Japanese spindle、Euonymus japonicus)
ハヤブサ (Peregrine falcon、Falco peregrinus)