建設業界全体の生産性向上の観点から、建設工事に従事する全ての建設業者において、本指針を参考に、その経営規模や工種内容等に応じて、ICTに係る設備投資と人材育成に積極的に取り組まれることを期待しております。
「地域の守り手」である建設業において、担い手確保が喫緊の課題であり、建設業の持続可能な発展のため、現場管理の効率化・生産性向上に資する建設業のICT化が不可避の状況となっておりますが、建設業のICT化は不十分な現状です。
その中で、令和6年6月に「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、特定建設業者及び公共工事の受注者について、効率的な現場管理のためのICT活用の努力義務及び下請業者のICT活用に係る指導の努力義務が規定されたほか、国においてはその適切かつ有効な実施を図るための指針の公表が義務付けられており、今般、当該指針を公表しました。
1.主なポイント
○ 建設業者によるICTを活用した生産性向上策への積極的取組み、ICTを活用した施工管理を担う人材育成が待ったなしの課題
○ 特定建設業者はもちろん、その他の建設業者についても、経営規模等に応じたICT化への取組みが不可欠
○ 建設業のICT化の実現には、建設業者だけでなく、発注者・工事監理者・設計者等の理解が不可欠
○ 建設業者間での共同での新技術の開発・研究の促進による、さらなる技術開発推進が必要
○ 工事現場においてICTを活用しやすくなるよう、発注者も通信環境の整備について協力
○ i-Construction2.0の推進も含めた建設業全体のICT化を推進し、省力化による生産性向上・建設業の魅力向上を実現
2.バックオフィスにおけるICT活用に向けた取組
○ 元請・下請間の書類等のやり取りの合理化
○ CCUS、建退共電子申請方式、電子契約等の積極的活用
3.建設現場でのICT導入における留意点と事例
○ 工種・工程・要求精度に見合った最適な機器の選定
○ 下請業者等との連携・協働
○ 事例:ドローン、ウェアラブルカメラ、3Dレーザースキャナなど
【本文】情報通信技術を活用した建設工事の適正な施工を確保するための基本的な指針(ICT指針)
【概要】情報通信技術を活用した建設工事の適正な施工を確保するための基本的な指針(ICT指針)
建設業におけるICT活用をより一層促進するため、ICT活用の具体的・先進的な取組を紹介する事例集を作成しました。
ICT指針と併せて建設業者の皆様の取組の参考になることを期待しております。
ICT事例集〈第一版〉
中小企業庁所管の中小企業省力化投資補助金について、建設業において活用可能な4製品(GNSS測量機、地上型3Dレーザースキャナ、清掃ロボット、マシンコントロール・マシンガイダンス機能付ショベル)が補助対象として、本年12月より新たにカタログに追加登録されました。 建設業者が実際に補助を活用するためには、登録されたカテゴリについて、メーカー等において別途「製品登録」等が必要となります。 一層の活用に向けて、メーカー等を含む関係者への幅広い周知へのご協力をお願いいたします。
建設業におけるICT導入・活用促進のための支援措置について(R6.12月時点)
中小企業省力化投資補助金HP