都市の防災機能の向上により安全で安心できる都市づくりを図るため、地震災害時に復旧・復興拠点や復旧のための生活物資等の中継基地等となる防災拠点、周辺地区からの避難者を収容し、市街地火災等から避難者の生命を保護する避難地等として機能する地域防災計画等に位置づけられる都市公園等について緊急的に整備を推進する。
防災公園のイメージ
■防災公園の補助対象要件 (地域防災計画等に位置付けられるもの)
機能区分 |
公園種別 |
面積要件等 |
対象都市 |
対象地域等(※4) |
補助対象となる災害応急対策施設 |
拠点機能 |
広域防災拠点 |
広域公園 等 |
面積おおむね
50ha以上 |
― |
― |
・備蓄倉庫
・耐震性貯水槽
・放送施設
・情報通信施設
・ヘリポート
・係留施設
・発電施設
・延焼防止のための散水施設
(一次避難地で防災活動拠点の機能を有さない場合は
・備蓄倉庫
・耐震性貯水槽 に限る) |
地域防災拠点 |
都市基幹公園 等 |
面積おおむね
10ha以上 |
下記対象都市 |
― |
避難地機能 |
広域避難地 |
都市基幹公園
広域公園 等 |
面積
10ha以上
(※1) |
下記対象都市 |
人口密度
40人/ha以上 |
一次避難地 |
近隣公園
地区公園 等 |
面積
2ha以上
(※2) |
― |
・DID区域
・津波被害が想定される地区 |
避難路 |
緑道 |
幅員
10m以上
(※3) |
― |
― |
帰宅支援場所 |
街区公園 等 |
面積500㎡以上を合計5箇所以上 |
下記対象
都市
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下記対象地域の
[5]に該当する地域
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○総事業費要件:市区町村事業は2.5 億円以上、都道府県事業は5 億円以上。
○災害対策基本法に基づく地域防災計画等に、当該公園の防災に資する機能が位置付けられていること。
○地域防災拠点の機能を有する都市公園については1))~8))、広域避難地の機能を有する都市公園については1))~7))、帰宅支援場所の機能を有する公園緑地(帰宅支援スポット)については1))又は4))のいずれかに掲げる都市に所在するものであること。
1) 三大都市圏の既成市街地等及びこれに隣接する区域に含まれる都市
2) 大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域に含まれる都市
3) 指定市、又はこれらの都市との広域連携が地域防災計画等に位置付けられている都市
4) 県庁所在都市、人口10万人以上の都市、又はこれらの都市との広域連携が地域防災計画等に位置付けられている都市
5) 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づく南海トラフ地震防災対策推進地域に含まれる都市
6) 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づく日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域に含まれる都市
7) 立地適正化計画を策定している都市(人口5万人以上の都市に限る)
8) DID区域を有する都市
○広域避難地・一次避難地・帰宅支援場所となる防災公園の対象地域([3]又は[4]の要件により整備される防災公園については、各区域における津波又は風水害のハザードエリアの状況を踏まえ、防災指針等において津波又は風水害からの避難地としての機能を確保することが位置づけられた公園に限る)
[1] 人口密度40人/ha以上の地域
[2] DID区域
[3] 津波被害が想定される地区
[4] 風水害が想定される地区
[5] 帰宅困難者が1万人以上発生することが想定される地域及びこれに隣接する地域
[6] 地域防災計画等において帰宅支援を効率的に行うために設定された道路から500m以内の地域
(※1)都市公園面積が10ha未満でも周辺の空地とあわせて10ha以上となる4ha以上の都市公園及び周辺の不燃化の状況等を勘案して10ha以上の都市公園と同等の有効避難面積が確保されるおおむね8ha以上の都市公園を含む。
(※2)都市公園面積が2ha未満でも周辺の市街地とあわせて2haとなる都市公園を含む。
ただし、三大都市圏の既成市街地等(首都圏整備法に基づく既成市街地及び近郊整備地帯、近畿圏整備法に基づく既成都市区域及び近郊整備区域、中部圏開発整備法に基づく都市整備区域)に位置する都市、政令指定都市、県庁所在市、中核市におけるDID地域を含む地区の都市公園、防災指針及び地域防災計画により津波避難場所として位置づけられる都市公園及び風水害からの避難場所として、防災指針及び地域防災計画に位置づけられる都市公園に関しては、面積1ha以上(都市公園面積が1ha未満でも周辺の市街地とあわせて1haとなる都市公園を含む。)。
(※3) 周辺の不燃化の状況等を勘案して10m以上の都市公園と同等の避難上有効な幅員が確保される都市公園を含む。
(※4) 都市公園以外の避難地を含めても歩行距離2km以内(一次避難地は500m以内)の避難圏域内人口一人当たり2㎡が確保されていないこと。
(※5) 帰宅支援場所の機能を有する公園緑地については、都市公園法施行令第31条各号に定める公園施設のうち次に掲げる施設を対象とする。
[1]園路又は広場
[2]植栽その他の修景施設
[3]休憩所、ベンチその他の休養施設
[4]便所、水飲場その他の便益施設
[5]門、さく、管理事務所、照明施設、水道その他の管理施設
[6]備蓄倉庫その他都市公園法施行規則で定める災害応急対策に必要な施設
○防災・安全交付金又は社会資本整備総合交付金(防災公園区分)による防災公園の整備として支援対象となる公園施設※1については、
・防災部局等が関与して作成される計画※2において、施設レベルで災害時の役割及び運営方法が明記され、かつ計画が公表されていること
・大規模な工作物等を付帯する場合は、災害時の機能・役割に即して適当な規模・仕様となる範囲までとすること
・災害時の円滑な公園利用に向けた平常時の取組が行われることを要件とする。
※1 園路、広場、植栽(芝生、花壇、生け垣を含む)、便益施設、管理施設及び災害応急対策施設については、防災公園に必要な基盤施設として、計画への明記は求めずに支援対象とする。
また、修景施設にある彫像、灯籠、石組、飛石、教養施設にある自然生態園、野鳥観察所、動植物の保護繁殖施設、遺跡等については、予め支援対象から除く。
さらに、遊戯施設については、原則支援対象外とし、施設を構成する主たる部分が災害時に使用できるものに限り支援対象とする。
※2 災害対策基本法に基づく地域防災計画のほか、学識経験者や地域住民、防災部局等関連部局が関与して作成された当該公園の整備計画等を含む。
■広域避難地となる防災公園の配置の考え方
■都市公園の災害時における機能
震災・大火の危険性が高い密集市街地は、東京都・大阪府などを中心に全国で約25,000ha存在しています。このような地区では、震災時の避難地、避難路、延焼防止、復旧・復興の拠点となる防災公園の整備が急務となっています。
● 避難者の生命を保護する公園
周辺地区からの避難者を収容し、市街地火災等から避難者の生命を保護する広域避難地として機能します。
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城北中央公園
(東京都練馬区・板橋区) |
● 消防・救援活動の拠点となる公園
耐震性貯水槽や救援活動の場となる多目的広場等を備え、消防、救護、復旧・復興活動の拠点として機能します。
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清見田[きよみだ]公園
(静岡県焼津市) |
● 危険性の高い密集市街地
平成16年10月に発生した新潟県中越地震において、都市公園は地域の避難場所や防災活動拠点として活用されるとともに、自衛隊等による被災市町村への物資の配送等の支援活動拠点となる等、復旧・復興の拠点としての機能を発揮。
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出典:東京都資料 |
● 新潟県中越地震における都市公園活用状況
木造住宅密集地域では、大地震の発生の際に大きな被害が想定されます。東京都では、この地域に近接した環状七号線周辺などの都市公園を救援・復旧活動の拠点となる公園と位置づけ、防災公園ネットワークの形成を進めています。
● 住区基幹公園の活用状況
身近な街区公園、近隣公園等の住区基幹公園は、避難場所、食料等の配給拠点、ライフラインの復旧、地域情報の提供の場として機能。
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テントによる宿泊避難
(長岡市) |
ボランティアによる炊き出し支援
(十日町市) |
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テントによる宿泊避難(長岡市) |
ボランティアによる
炊き出し支援(十日町市) |