土地・不動産・建設業

1.建設工事紛争審査会の概要

 建設工事紛争審査会は、建設工事の請負契約に関する紛争の簡易・迅速・妥当な解決を図るために、当事者の申請に基づいて、あっせん、調停、仲裁を行う公的機関です。

建設工事紛争審査会とは?

 建設工事紛争審査会は、建設業法に基づき、国土交通省及び各都道府県に設置され、建設工事の請負契約に関する紛争の処理を行う準司法的機関(ADR(裁判外紛争処理)機関)です。

  国土交通省に設置されたものが中央建設工事紛争審査会であり、各都道府県に設置されたものが都道府県建設工事紛争審査会です。中央審査会と各都道府県審査会には担当する事件の管轄区分が決まっています。

  建設工事の請負契約に関する紛争は、その内容に技術的な事項を多く含むこと、請負契約に関する様々な慣行が存在すること等から、解決が容易でないことが多いものです。また、建設工事の紛争は、住宅の瑕疵を補修して雨漏りをとめなればならない、工事代金の支払いを受けて事業資金を確保しなければならないなど、早期解決を図る必要が特に大きいと言えます。

 建設工事紛争審査会は、このような建設工事紛争の特徴に着目し、法律、建築、土木等の専門家の委員の知見を活かして、あっせん・調停・仲裁により紛争の簡易・迅速・妥当な解決を図るために設けられているものです。

  あっせん・調停・仲裁では、紛争当事者双方と担当委員が出席して一同に会する「審理」を、各建設工事紛争審査会の所在地で開催します。中央建設工事紛争審査会での「審理」は、原則として、場所は国土交通省本省(東京都千代田区霞が関)で、1~2ヶ月に1回(所要1時間半~2時間)程度のペースで開催されます。手続終了までに何回の「審理」が必要になるかは、あっせん・調停・仲裁の種類の別、事件の内容の困難度等に応じて事件ごとに異なります。


(注)ただし、当事者双方の合意により、いずれの審査会にも申請が可能です(管轄合意)。

建設工事紛争審査会を利用するには?

  建設工事紛争審査会のあっせん・調停・仲裁の手続を利用するには、各審査会の管轄区分に従って、管轄するいずれかの審査会に申請を行います。

 申請に当たって必要となる主な書類費用等は次のとおりです。 
  [1]申請書・証拠書類
  [2]添付書類(当事者の商業登記簿謄本、委任状など)
  [3]申請手数料
  [4]通信運搬費 など

お問い合わせ先

 審査会を利用するための申請方法等の詳細については、事件を管轄する審査会の事務局にお問い合わせください。(どの審査会が管轄するかがお分かりにならない場合には、ひとまず中央建設工事紛争審査会までお問い合わせ下さい。どの審査会が管轄となるかについてご説明します。) なお、審査会によっては、申請のための手引書を用意しているところもありますので、その場合はまず手引書を読んでみるのが効率的でしょう。

 中央建設工事紛争審査会においてもパンフレット及び紛争処理手続の手引を用意しています。手引には申請書や答弁書の記載例も掲載しています。
 また、事件当事者(申請人・被申請人)となった方向けのガイダンス(手続のあらまし)も用意しています。
 これら資料は本HPに掲載していますが、郵送やFAXでの送付をご希望の方は、下記のお問い合わせ先にご連絡下さい。

【お問い合わせ先】
 中央建設工事紛争審査会事務局(国土交通省不動産・建設経済局建設業課紛争調整官室)
  〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
  TEL 03-5253-8111 (内線24-764)

ページの先頭に戻る