海事

運航労務監査の強化を通じた事後チェックの強化について

1.概要・経緯
 
近年、内航貨物船や超高速船をはじめとする船舶の事故が発生している中で、適切な船舶の運航管理や船員の労働環境整備を通じた航行の安全確保が強く求められています。 このため、平成17年4月の「海上運送事業の活性化のための船員法等の一部を改正する法律」(平成16年法律第71号)の施行に併せて、各地方運輸局等に海事関係の執行官として運航労務監理官を設置しました。運航労務監理官は、旅客船・貨物船の運航管理に関する監査を行う運航監理官と、船員の労働条件に関する監査を行う船員労務官を統合した組織であり、事後チェック体制強化の観点から、以下の業務を行っています。

    


・運航管理関係 : 旅客船事業の許認可に関する安全上の審査や、船舶運航事業の安全を確保するための運航管理制度に関する監査
・船員労務関係 : 労働時間、有給休暇等の労働条件に関する監査や、発航前検査、操練等の航行安全に関する監査
・海技資格関係 : 船長等の乗組員に対して船舶職員及び小型船舶操縦者法等に基づく資格の有無等に関する監査
・船員派遣関係 : 船員派遣を受けている場合に船員職業安定法に基づく適法性に関する監査
 
 運航監理官と船員労務官の統合により、事業法(海上運送法及び内航海運業法)と船員関係法(船員法、船員職業安定法、船舶職員及び小型船舶操縦者法)に関する監督権限を幅広く有する執行官による効率的かつ効果的な監査が可能となりました。  また、本省海事局においても、運航労務監理官の行う業務について一元的な企画・立案及び指導を行うため、平成18年7月に運航労務課を設置しました。

2.今後の方向性  

今後の運航労務監査業務に関連し、以下の主要課題に重点的に取り組んでいくこととしています。  

・安全マネジメントの実施を通じた運航管理制度の充実・強化 
近年の公共交通機関の事故の発生状況を踏まえ、安全管理体制の強化を図るために「運輸の安全性の向上のための鉄道  事業法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第19号)が国会で成立したところであり、海運関係では海上運送法及び内航海運業法が改正されました。本改正法は平成18年10月から施行され、事業者による内部監察を通じたPDCAサイクルを確立させるとともに、経営トップが関与する安全管理体制の評価を実施することとしています。  

・運航労務監理官の資質の向上 
船舶の航行安全確保へのニーズが高まっている中で、運航労務監理官の監査の質を向上させるため、同官に対する座学・乗船研修等の充実を図ります。また、IMO(国際海事機関)においては加盟国の監査体制等を確認する監査が予定されていることから、運航労務監理官に関する内部監査制度の導入等に取り組んでいるところです。

・ ILO海事労働条約の批准に向けた取組み 
平成18年2月のILO海事総会において採択された海事労働条約は、船員の労働環境の向上や海運における適切な競争条件の確保を通じ、海事労働に関するグローバルスタンダードを確立し、旗国検査とPSCに基づき実効性を確保することを内容とするものです。我が国は、今後、同条約に基づく旗国検査やPSCに対応した制度の検討を行っていくこととしています。

3.参考資料

 海運における事後チェック体制の強化(PDF形式ファイル) 



お問い合わせ先

国土交通省海事局安全政策課
電話 :03-5253-8111(内線43-556,43-557)
直通 :03-5253-8631
ファックス :03-5253-1642

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