環境

実船トライアル事業

 2020年1月からの舶用燃料油の硫黄分濃度規制(SOx規制)強化に先立ち、2019年6月末から9月にかけて規制適合油を用いた実船のトライアル運航を実施しました。その結果、運航を実施した全12隻の内航船で問題なく燃料切替・運航を行うことができたほか、規制適合油への切替えに当たっての有益な知見を得ることができました。

1.背景
 船舶の排出ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)等による人や環境への悪影響低減のため、舶用燃料油の硫黄分濃度の規制(SOx規制)強化が2020年1月1日より実施されます。これに伴い世界の船舶は、本年末までに現状の高硫黄(硫黄分3.5%以下)燃料油から低硫黄(硫黄分0.5%以下)の規制適合油へ燃料を切替える必要があります。一方、規制適合油は硫黄分の他、粘り気(動粘度)等の性状が従来のものと異なることが想定されるため、運航に支障をきたすことなく安全に対応できるよう、国土交通省ではこれまで、燃料油に係る船舶の設備の調査、燃料油の混合安定性等の確認試験、これらの結果をまとめた「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」の作成等を行ってきました。
※複数の燃料油を混ぜたときに固形物が発生しないこと

2.実船トライアルの実施内容
 こうした中、関係業界が規制強化の準備に万全を期すことができるよう、今年秋頃からの本格的な供給開始に先立ち、総トン数499~10,000Gt超の計12隻の内航船で、実際に燃料を規制適合油へ切替えて運航するトライアルを実施しました。

3.実船トライアルの結果
 トライアルの結果、いずれの船舶においても、問題が生じることなく燃料切替・運航を行うことができました。また、燃料油の温度・動粘度の調整や清浄器の調整の方法等、規制適合油への切替えに当たっての有益な知見を得ることができました。

4.「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」の改訂
 国土交通省では、本トライアルで得られた知見を踏まえ、2019年3月に作成した「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」を改訂しました。


規制適合油による実船トライアル事業


お問い合わせ先

国土交通省海事局海洋・環境政策課今井・十倉・下窪
電話 :03-5253-8111(内線43926)
直通 :03-5253-8118

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