平成14年度河川局関係予算決定概要 |
III.重点事項 |
1 重点7分野への重点化 (1)循環型経済社会の構築など環境問題への対応
生物の良好な生息・生育環境を有する河川・海岸環境等を保全・再生するため、湿地再生や魚がすみやすい流域づくり等の自然環境の再生を目的とした事業を実施するとともに、自然環境に配慮した多自然型川づくりや既設のダム容量の活用、雨水の貯留・浸透による河川の水量の確保、山地から海まで流域一貫した総合的な土砂管理などの良好な自然環境の保全・再生を目指した自然共生型の河川、ダム、砂防、海岸事業を推進する。
富栄養化等により水質汚濁の著しい河川や湖沼、ダム貯水池における水質浄化対策を実施する。特に、緊急に水環境改善が必要な河川や湖沼については、「清流ルネッサンスII」により、下水道事業との連携等流域における取組みと一体となって河川事業を進め、水質の改善、水量の確保を図る。
流木や間伐材、土木工事から発生する汚泥、コンクリート殻等を建設資材として積極的に活用することにより、環境負荷の少ない事業を推進する。また、河川やダムに漂流する流木のリサイクルを推進する。
(2)都市の再生−都市の魅力と国際競争力
水辺環境が著しく劣悪な市街地等において、貴重な自然空間である河川を本来の川らしい姿に再生するとともに、市街地整備等のまちづくりと一体となった河川整備を推進することにより、安全で良好な水辺空間を創出し、都市の魅力を向上させることで都市の再生を実現する。
近年、都市部において頻発している水害、土砂災害、高潮等により激甚な被害を受けた地域や床上浸水が頻発している地域等を対象に、同規模の災害を再び発生させないための対策を重点的に実施する。
都市域における川沿いの緑の整備や公園と一体的な河川の整備により水と緑のネットワーク化を図るとともに、市街地に隣接した山麓斜面に樹林帯等(都市山麓グリーンベルト)の整備や在来植生を残した斜面対策等を行うことにより、身近でうるおいを感じることのできる魅力的な都市空間の再生を図る。
(3)少子・高齢化への対応
河川の近隣に病院や老人ホーム、福祉施設などが立地している地区や、高齢者の割合が著しく高い地域等において、水辺にアプローチしやすいスロープや手摺り付きの階段、緩傾斜堤等を整備し、高齢者、障害者、子供等を含む全ての人々が安心して川を訪れ、憩い親しめる河川空間を創出する。
自力避難が困難な高齢者等は災害の犠牲者となりやすい災害弱者であることから、厚生労働省、文部科学省等と共同で実施した緊急点検結果等に基づき、災害弱者関連施設等や高齢者居住家屋等が存在する危険箇所において、土砂災害防止施設、海岸保全施設を重点整備する。
(4)地方の個性ある活性化、まちづくり
近年、大きな災害が頻発している地域において、同規模の災害を再び発生させないための対策を重点的に実施しする。また、ボトルネック橋梁の改築の緊急実施や住宅・宅地開発を促進する治水対策、地域生活用水の確保、地方圏における人流・物流の確保を図り、安全で安心できる地域社会の形成を目指す。
自然とふれあうことのできる河川や海岸等の特徴を活かし、個性的で活力ある地域づくりに資するため、NPOや市民団体、地元自治体、関連府省と連携しつつ、交流、自然体験、環境教育の拠点としての身近な水辺空間等を整備する。 (5)世界最先端のIT国家の実現
また、被害想定区域及び災害発生時に避難する際の経路や場所等の位置を国民に提供するハザードマップの作成及び普及を促進する。 |
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