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河川局


河川伝統技術の事例



●(1)ハード的なもの

中分類 伝統技術名称 河川名 該当県/
地先
内容
堤防 茨田堤
(まんだのつつみ)
淀川 大阪府/寝屋川市
大和田
日本書紀にも出ている仁徳天皇時代につくられた日本最古の堤防といわれる。
薩摩土手 安倍川 静岡県/静岡市 17世紀初め、徳川家康が駿府の町を洪水から守るために島津氏に命じてつくらせたといわれる。一部現存。
水制 「なげ」 肱川
(ひじかわ)
愛媛県/大津市 河道湾曲部外側に流れに対し斜めに設置された石積みの水制。河岸保護、掘機能保持、航路保持。この地方で「なげ」とよばれる。
川倉
(かわくら)
黒部川 富山県/黒部市 主に急流河川でみられる水制(聖牛)の一種。
霞堤と水防林 霞堤と水防林 荒川 福島県/福島市 主に急流河川でみられる堤防の一種。平成10年出水の破堤の際、背後の水防林が氾濫拡大を食い止めた。
水屋 舟形屋敷・三角屋敷 大井川 静岡県/藤枝市、大井川町他 急流河川での水屋。氾濫の流れ、つまり、上流側に対して鋭角に土手を築き洪水から家を防御した。
水屋 吉野川 徳島県/石井町 豪商(藍商)の水屋。周囲は徳島特産の青石の城壁。母屋が茅葺きで、洪水時、最悪の場合、これが浮かぶことで脱出することを想定している。
二線堤 千栗堤
(ちりくてい)
筑後川 佐賀県/三根町、北安町他 17世紀当時としてはめずらしい連続堤。特に堤防中心に粘土を突き固めたハガネと呼ばれるコアを入れ、漏水防止策を行っている。
輪中と水防林 かきよせ堤と水防林 吉野川 徳島県/穴吹町 急流河川の輪中の特徴で水はけを良くするため輪中の下流側が解放されている。また、堤防は土堤であるが、洪水流の勢いを弱めるため、周囲を竹林の水防林で囲んでいる。
護岸

根固工
粗朶沈床 信濃川他 新潟県他北陸地方等 大きな石が手に入りにくく、木が豊富な我が国に適した工法で雑木の枝を編みマットをつくりこれに石を詰める工法。明治にデレーケ等のオランダ人技師より伝えられたといわれ、現在でも北陸地方を中心に施工されている。
水路 百太郎溝(みぞ:堰と水路) 球磨川 熊本県/多良木町他 約300年前農民の手によって完成した水路。延長約19km、灌漑面積1500ha。百太郎は堰建設のため人柱となった男の名。明治以前の球磨地方大事業の一つに数えられる。
石橋 菊池川 熊本県/菊池市他 菊池川流域には多数の石橋がある。

●(参考)ハード的なもの活用事例

中分類 伝統技術名称 河川名 該当県/
地先
内容
二線堤 二線堤 吉田川/鳴瀬川合流点付近 宮城県/鹿島台町他 昭和61年8月洪水被害を契機に氾濫被害を最小にとどめるため、二線堤等を導入した水害に強いまちづくり事業をスタート。
輪中堤 輪中堤 雄物川 秋田県/強首町 雄物川の強首地区集落を早期に水害から守るため、この地区を輪中堤で囲む対策を採用。
水屋 宅地嵩上げ 由良川 京都府/舞鶴市他 治水安全度を早期に向上させるため、部分的築堤と部分的な宅地嵩上げを組み合わせた地域水防計画を検討。

●(2)ソフト的なもの

中分類 伝統技術名称 河川名 該当県/
地先
内容
渡し・舟運 舟運 雄物川 秋田県/秋田市他 江戸時代以前から北日本の軍事・交易拠点として舟運発達。河川全体に船着場が発達。戦後もしばらく使われていた。
祭事・行事 白根大凧合戦 信濃川/中ノ口川 新潟県/白根町 中ノ口川の水害のため両岸地域が対立し、片岸の地域が自分の堤防竣工記念で凧をあげたが、これが対岸の地域に落ち、対岸の地域も凧をあげて応戦した。これが現代まで行事として続いている。新潟地方でも大きな祭りの一つであり、町も凧の博物館をつくる等して地域興しに一役買っている。
御幸さん(おみゆきさん) 釜無川 山梨県/甲府市 武田信玄がつくった信玄堤は有名である。この堤防の上流部に治水神社があり、出水期前の4月上旬に治水の重要性を周知させ、さらに堤防を踏み固めるための水防祭り「御幸さん」が信玄の時代から今も行われている。
民話・言い伝え 蛇抜けの話 木曽川/支川与川等 長野県/南木曽町 貴族の家を建てるため大勢の木こりが集められ、役人の元に木が切られ、土砂崩れ(蛇抜け)が起き、多数の死者が出た。このような伝説は歴史的事実を下敷きに災害を後世に伝えようとする先人の知恵である。




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