3.中心市街地を生活拠点として再生しましょう
将来像を共有し、総合的・戦略的に中心市街地のまちづくりを進めましょう
中心市街地の活性化は、単に商店街を活性化することではありません。都市全体の、コンパクトなまちづくりを進めるマスタープランのもと、居住、公益施設、交通など5つの要素を中心に、生活拠点として総合的に中心市街地のまちづくりを進めることです。
そのためには、「ビジョン」によって将来像を共有し、「プログラム」によって戦略的に取り組むことが必要です。そして、中心市街地を持続可能なまちとする
ために、「都市空間の管理運営」「土地の合理的活用」「地域固有の価値の創出」「地域経済循環の構築」「市民・民間の参画」の5つの視点を持つことが大切
です。
中心市街地の活性化に取り組む姿勢
中心市街地の活性化は、都市全体のマスタープランである「コンパクトなまちづくり」を実現するための「中心市街地のまちづくり」として、ビジョンとプログラムをもって取り組むことが必要です。
中心市街地のまちづくりの5つの取組みの視点
中心市街地を持続可能なまちとするためには、継続して投資が行われることが必要です。 中心市街地が投資に値する魅力ある空間であり続けるためには、ここに示す5つの視点をもってソフト・ハードの両面から取り組むことが重要です。
都市空間の管理運営 まちづくりは、事業の実施で終わらずハード、ソフトの両面から、マネジメントを継続することが重要です。 玉宮通りの街並み形成(岐阜市) モール整備、まちづくり協定によるセットバック、オープンカフェの実験などにより個性ある街並みづくりを推進しています。 |
地域固有の価値の創出 歴史、文化、景観、人材等の発掘と活用により、地域の人たちにとっての住み良さ、価値観を基本としながら、他にはない魅力づくりを目指すことが重要です。 昭和時代の街並みの活用(豊後高田市) 商店街の大半を昭和30年代以前の建物が占めることから「昭和」をテーマに街並みを再現し、賑わいを取り戻しました。 |
地域経済循環の構築 地場産業や地域活動との連携などにより、地域のヒト、モノ、カネが循環する持続可能な地域経済を構築することが必要です。 朝市の開催(宮崎市) かつて青空市場が開かれていた広場で、自治会及び商店会などが組織した朝市実行委員会が、毎週末に朝市を開催しています。 |
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土地の合理的活用 身の丈に応じた再開発や、土地の暫定利用、定期借地権の活用など、やる気のある人が土地を有効に活用できる工夫が必要です。 テナントミックス事業「プレーゴ」(金沢市) 撤退した大型店の跡地で、TMOが地権者から低い賃料で土地を貸借し、周辺商店街との回遊性を高める低層階の商業施設を整備しました。 |
市民・民間の参画 中心市街地の再生を、市民が自分たちの問題としてとらえ、行政との連携のもと、地域が主体となってまちづくりを進めることが重要です。 「まちなか工房」(熊本市) 熊本大学が中心市街地の店舗ビルの一画を借りて開設したサテライト研究室では、教員と学生が地域の人と一緒になって、まちづくりを研究、学習しています。 |