よくわかる中心市街地のまちづくり

5.まちづくり会社がまちの魅力を高めます

まちづくり会社等による持続可能なまち づくり

中心市街地を投資に値する魅力のある空間にするためには、ハード・ソフトの両面から、中心市街地を再生する取組み(=「開発」)が必要です。
まちづくり会社や中心市街地整備推進機構は、地域密着型のディベロッパーとして、公益性と企業性を併せ持ち、行政や民間企業だけでは実施が難しい「開発」 に取り組むことが期待されます。

まちづくり会社へ の期待(5つの性格)


まちづくり社会に期待される5つの性格

ディベロッパー

持続可能な中心市街地として、インフラ、施設等のハード整備を含んだ「開発」を行います。

マネジメント

地域ニーズを踏まえ、まちの価値を高めるような事業を実施し、民間投資が継続的に行われるよう、まちの維持管理を進めます。

公益性

まちづくりとしての公益性を持ち、市民に役に立つ成果を提供します。

企業性

組織運営に財政的な基盤を持ち、企業経営の意識を持って事業を実施します。

地域密着性

中心市街地において、生活空間の質を高める、地域に根ざしたビジネスを創出し、地域の人材を育成します。

   →リンク集 まちづくり会社

中心市街地整備推 進機構への期待

公益法人やNPO法人がまちづくりに積極的に取り組む場合には、中心市街地整備推進機構としての指定を受け、まちづくり会社と同様に、中心市街地のまちづ くりの事業推進主体として重要な役割を担うことが期待されます。

   →リンク集 中心 市街地 整備推進機構

まちづくり会社の 活動事例:1 (株)飯田まちづくりカンパニー


まちづくりのプロセス

「生活の再生」を目指す居住機能 中心のまちづくり

「商都飯田」の空洞化と高齢化

長野県飯田市はかつて「商都飯田」として栄えた城下町でしたが、昭和50 年代頃から人口の流出や高齢化が著しく進み、さらに郊外の大型店の影響で市中心部の商圏が縮小し、店が減って商店街組合などの組織化も出来なくなりまし た。








まちづくり会社が、地権者と協働で居住・生活機能を核とした再開発を実施

このような中で飯田の商業者たちの勉強会から生まれたまちづくり会社「飯田まちづくりカンパニー」は「住み残る」をまちづくりのコンセ プトのひとつとして、居住機能や生活機能の再生を柱とした再開発事業を地権者と協働で実施しました。



トップヒルズ本町
トップヒルズ本町
(住宅やスーパー、公共施設が入った複合ビル)
アシストホームりんご
アシストホームりんご
(高齢者向け共同住宅)
飯田のりんご並木
飯田のりんご並木
(歩車共存の公園道路)
自立したまちづくりを目指して

現在、飯田まちづくりカンパニーは商業者や市民と連携しながら、高齢者向けの賃貸住宅など様々な再開発事業のプロデュースや、地域再生 のためのファンドの設立など、自立したまちづくりを進めています。





まちづくり会社の 活動事例:2 高松丸亀町まちづくり株式会社

まちの将来像を共有し、中心市街地のタウンマネジメントを 主導

高松丸亀壱番街
高松丸亀壱番街
(高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業)

商店街生誕400 年祭を期に再開発計画を立案

高松市丸亀町の丸亀商店街は高松随一の繁華街ですが、昭和60年代頃から郊外の大型店等の影響で売上が落ち始め、これに危機感を抱いた 商店街振興組合の人々が、将来の500年祭も出来るようにと再開発計画を考え始めました。













まちの将来像を共有し、再開発事業の進め方を検討

再開発計画では、商店街の業種の偏りを是正して不合理な土地利用を改善し、新たな業種の導入を促進するために、土地の所有と利用を分離 することなどが課題とされ、その方策として定期借地権制度の活用が提案されました。 まちの人々は、さらにまちの将来像や再開発事業の進め方を検討するためのワークショップを積み重ね、皆で考えた将来イメージを実現するための再開発に取り 組みました。


まちの人々とともに中心市街地のタウンマネジメントに取り組む

まちの人々は、再開発事業を進める中で、土地の所有と利用を分離する仕組みとして「高松丸亀町まちづくり株式会社」を設立。まちづくり 会社は再開発事業をプロデュースし、平成19 年3月に商業施設と住宅、コミュニティ施設が複合した「高松丸亀壱番街(高松丸亀町商店街A 街区第一種市街地再開発事業)」が竣工しました。 そして現在、高松丸亀町まちづくり株式会社は、まちの人々とともに高松市の中心市街地再生を目指して、まちの将来像の具体化方策 「高松丸亀町タウンマ ネージメント・プログラム」に基づいて、新たな再開発に取り組んでいます。