航空

国空航第833号

国空航第833号

平成15年11月28日

社団法人全日本航空事業連合会会長殿

国土交通省航空局技術部運航課長

 

回転翼航空機による木材搬出作業の安全確保について


 

平成15年11月28日、航空・鉄道事故調査委員会は、平成14年11月5日奈良県吉野郡川上村において木材運搬のため木材の吊り荷作業中に発生した中日本航空株式会社所属ユーロコプター式AS350B3型の航空事故調査報告書を公表した。
同報告書によると、本事故は、同機が木材の搬出作業において2本の木材を吊り上げる際、同機に下方向の過大な衝撃が加わったことに加えて、機長が急激にコレクテチィブ・ピッチ・レバーを更に上方に引いてしまったため、同機が大きくバランスを崩し、高度に余裕もなかったことから回復が困難な状態に陥ったことが原因と推定し、下方向に過大な衝撃が加わったことについては、2本の木材を吊り上げる際に、1本の木材が他の1本の木材に乗り上げたまま吊り上げられ、途中で前者の木材が滑ったことによると推定している。
また、本事故では、木材にワイヤーを巻き付ける方法や作業前の打合せに関し、当該社の「木材搬出ハンドブック」に定められた事項が必ずしも遵守されておらず、また、その記載内容にも改善の余地があったと考えられることから、同種事例の再発防止のための対策についての所見が併記されている。
回転翼航空機の物資輸送の安全確保については、これまでも運航手順の遵守、安全意識の徹底等を行うよう指導を行ってきているところであるが、かかる事故の再発を防止するため、貴会傘下の関係事業者に対し、同報告書の所見の趣旨を踏まえ、下記の措置を講じるよう周知徹底されたい。

 


 

1.回転翼航空機により木材搬出作業等を行う運航者にあっては、木材にワイヤーを巻き付ける方法や作業前の打合せ等について、作業の実状に即して安全が確保されるよう手順等の再確認を実施し、必要に応じて注意事項等を具体的に社内のハンドブックや作業手順書等に反映させること。

2.上記について、作業に携わるすべての者に対し周知徹底するとともに、基本的な手順の励行と安全意識の向上を図ること。



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