航空

国空航第352号

国空航第352号
平成18年7月28日

 

 社団法人 全日本航空事業連合会会長 殿 

   

             国土交通省航空局技術部運航課長  



有視界飛行方式により飛行する航空機の異常接近防止対策について

                            

 平成18年7月28日、航空・鉄道事故調査委員会は、平成17年11月16日訓練のため計器飛行方式により鹿屋飛行場に進入中の海上自衛隊所属JN6903機YS-11TA型と写真撮影のため鹿屋飛行場の進入経路付近を有視界飛行方式によりホバリング飛行中の個人所属JA333V機ロビンソン式R44型の異常接近に係る航空重大インシデント調査報告書を公表した。

 同報告書によると、本重大インシデントは、海上自衛隊所属機が個人所属機を視認するのが遅れたこと、個人所属機が海上自衛隊所属機を視認できない状態で飛行していたことが、両機が接近した原因と推定している。さらに同報告書では、同種事例の再発防止のための対策についての所見が述べられている。

 当局では、これまでも有視界飛行方式により飛行する航空機の異常接近防止対策について、「IFR機とVFR機との異常接近防止について」(平成9年6月19日付け空航第459号)により、周知徹底を要請してきたところであるが、トランスポンダーの使用や通信設定が、自機の存在を関係航空交通機関及び飛行中の関係航空機に知らせる上で有効であることから、今後、かかる事例の再発防止のため、有視界飛行方式により飛行する航空機の操縦者にあっては、下記事項に留意し一層の運航の安全確保に努めるよう、貴会傘下の関係事業者に周知徹底されたい。




1.ATCトランスポンダーを搭載している場合は、航空交通の輻輳する空域を飛行する場合のみならず、飛行中は、ATCトランスポンダーの常時発信に努めること。


2.進入管制区を飛行する場合のみならず、出発・進入経路等を通過する場合は、関係管制機関と無線電話により適切な通信設定を行い、自機の位置、高度等運航情報の連絡に努めるとともに他機の動向を把握するために、無線通信の聴取に努めること。



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