深夜・早朝時間帯以外における更なる国際線の増便に向けた、これからの羽田空港を考えていきます。
羽田空港の発着回数を更に増やすためには、
滑走路の使い方と飛行経路を見直す必要があります。
現在のように、東京湾上空に飛行経路を設定し、海側から到着、海側へ出発する方法では、1時間当たりの発着回数は現行の80回から82回までしか増やすことはできません。
東京湾上空は大変混雑しています。
仮に滑走路を新しく作ったとしても、滑走路の使い方を見直し、飛行経路を適切に設定しなければ便数を増やすことはできません。また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を念頭におけば、新たな施設の整備を行うよりも、今ある施設を賢く使う方法を考える必要があります。
便数を増やすためには、騒音・安全に留意して滑走路を最も効率的な方法で使うことが必要です。そして、滑走路の使い方に合わせ、地上の障害物や、航空機同士の間隔等を考慮し、国際的なルールに従って飛行経路を設定しなければなりません。
航空機が空港に離着陸するためには、
安全のために定められた国際的なルールがあります。
航空機が安全に離着陸するためには、風に向かって飛ぶ必要があります。
このため、滑走路の使い方は、空港周辺の風向きによって決まります。
空にも地上と同様に航空機が飛行すべき「みち」(飛行経路)があります。
空港に離着陸する航空機は、高い建築物などの地上の障害物等と十分な間隔が確保された飛行経路を飛行する必要があります。
特に着陸の際には、航空機は電波により自分の位置を確認しながら、国際基準により定められた一定の角度(3度)で滑走路に向かって直進しながら降下します。
航空機は高速で飛行するため、航空機同士が十分な間隔を確保する必要があります。水平方向(距離)、垂直方向(高度)にどの程度の間隔を確保する必要があるかは、国際基準により定められています。
一つの滑走路は、一度に一機の航空機しか使用することができません。また、航空機は、突風などにより途中で着陸を取りやめ再び上昇する場合があるため、他の滑走路に着陸する航空機との間隔にも注意をする必要があります。