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ニューズレター「新時代」 第9号(平成11年12月)

国会等移転審議会の審議が最終段階へ

国会等移転審議会では、移転先候補地の選定に向けて、候補となる各地域の総合評価を行っています。これは、地震、交通アクセスなど16の項目ごとに専門家が各地域を評価するとともに、審議会の各委員が項目間の重みづけ(重要度の差の設定)を行い、両者を総合するという数理的手法を用いるものです。その評価対象とする地域として、本年9月に、調査対象地域の中から下図のように一部重複を含む10の地域を設定しました。

審議会では、この数理的手法による総合評価の結果を重要な資料としながらも、ただこれだけに頼ることなく、各地域の持つ長所・短所の把握など多角的・多面的な検討を加えた上で、候補地の選定を行っています。
現在、議論は、どの候補地を選ぶか、何ヶ所を選ぶかなど最終段階に入っています。

調査対象地域(平成10年1月)と総合評価の対象地域(平成11年9月)の地図

首都機能移転に関する国民の意見

国会等移転審議会では、首都機能移転に関する国民意見の動向について整理を行いました。ここではその概要をご紹介します。また、国土庁では、ホームページ上に「意見交換スペース」を開設したり、電子メール、郵便等で国民から寄せられた意見等のうち代表的なものを整理・公表するなど、国民的な議論が行われるよう様々な取組を行っています。(国土庁ホームページ(末尾を参照)でもご覧になれます)

1.政府調査(単位:%)
調査主体 賛成 反対
1)総理府(世論調査):平成9年1月 54.5 21.0
 候補地 56.0 19.8
 東京都 45.9 32.0
 その他 54.5 20.1
2)国会等移転審議会(公聴会出席者調査):平成11年1月〜6月 75 22
 候補地 90 8
 東京都 58 38
 その他 69 28
3)国土庁(シンポジウム出席者調査):平成11年10月 67.4 28.2
 首都圏 56.4 38.2
 東京都 60.6 34.7
4)国土庁:平成10年3月 (パソコン通信調査) 74.8 19.7
4)国土庁:平成10年3月 (郵送調査) 72.5 17.1
2.その他主体による調査(単位:%)
調査主体 賛成 反対
1)産経新聞社(首都圏):平成11年10月 38.6 58.0
2)日経BP社(日経ビジネス読者等):平成11年9月 61 39
3)読売新聞社(東京都):平成11年7月 22.5 64.3
4)朝日新聞社(全国):平成11年4月 71.2 24.3
5)毎日新聞社(東京都)平成11年3月 43 46
6)東京大学大学院(全国):平成10年12月 75.2 14.6
 候補地 86.2 9.5
 東京都 62.7 25.4
 非候補地 71.9 14.9
7)日本経済新聞社(首都圏・近畿圏):平成8年12月 44.2 16.3
 東京都 39 21
 他の首都圏 49 17
 近畿圏 44 8
8)東京新聞社(首都圏):平成8年10月
※賛成は「賛成」、※※反対は「現状のままでよい」と応えた割合
30 51※※
9)日本経済新聞社(民間企業):平成8年6月
※賛成は「必要」、※※反対は「必要ない」と応えた割合
87.2 7.3※※
10)NHK(8県、東京都):平成8年6月
8県平均(宮城、福島、茨城、栃木、静岡、三重、岐阜、愛知)

※賛成のうち、36.1%は「自県に来てほしい」、31.0%は「自県に来てほしくない」
67.1 13.9
10)NHK(8県、東京都):平成8年6月
東京都
30.0 41.0
11)読売新聞社(全国知事):平成8年5月 68.1 14.9
12)東京商工会議所(東商会員企業):平成8年4月
※賛成は「実施すべき」、※※反対は「実施すべきではない」と応えた割合
47.1 9.5※※

首都機能移転に係る主要論点(2)

国会等移転審議会では、各種の論点ごとに、審議会や公聴会、各種シンポジウム、マスコミ等で提起された主な意見を整理しました。(国土庁ホームページ(末尾を参照)でもご覧になれます)
ここでは、前号に引き続き、その一部を要約してご紹介します。

1.総論(歴史観等)(続き)
積極論 慎重論

移転先は、21世紀の我が国を象徴する都市となる

  • 自然との共生や環境負荷の小さな都市など、21世紀の都市像やライフスタイルを世界にアピールすべき。
  • 欧米文明に追いつき追い越す拠点としてつくられた従来型の首都である東京の役割は終わった。
  • 京都や奈良で日本の心を学び、東京で日本の近代化の歴史や経緯を体感し、移転先の新都市で21世紀の日本が世界に対して果たすべき役割を学ぶことになれば素晴らしい。

移転の発想は古く時代錯誤

  • 情報化の進展で、首都の持つ地理的意味は薄れてくる。インターネット時代に物理的な都市所在地を問題にするのは時代錯誤。
  • ハコモノづくり中心の移転は古い発想で、地方分権、規制緩和や成熟時代への対応こそ急がれる課題。
2.具体的な意義と効果
(1)災害対応力の強化
積極論 慎重論

政治・行政と経済の中枢を分離することにより、リスク分散が図られる。

  • 東京は直下型地震が何時起こってもおかしくはなく、その際、政府を始め金融・経済、大企業など国の中枢機能が大打撃を受ける。移転によって政治・行政と経済のヘッドクォーターが同時被災することを免れ、国際スケールで予想される深刻な危機を最小限にとどめることができる。
  • 東京が被災した場合には、新都市が危機管理・復旧の司令塔として機能し、救助活動・災害復旧を迅速に行うことができる。東京では要員の参集も容易ではなく、十分な危機管理的対応を行うことは困難。

東京圏の防災性の向上が期待できる。

  • 東京の防災対策は避けて通れない緊急課題だが、抜本的な防災構造化には長い時間と費用がかかる。
  • 移転跡地の活用により、移転を契機に東京の防災性が向上するものと期待できる。

移転より機能の二元化を行うべき

  • 今やるべきことは、機能の二元化。東京に大地震があっても即応できる体制を整えなければならない。一挙に首都機能を移転しようと言う発想は古い。展都・重都によるリスクの分散と情報バックアップ体制の整備が優先されるべき。
  • 安全保障上、政治機能が民間機能と一体の方がよい。
  • 霞が関、永田町は最も耐震性のよいところ。直下型地震の被害範囲は20〜30キロ圏であり、応急対策は可能。

移転より東京の災害対応力を強化すべき

  • 何十年かかるか分からない移転に期待するより、緊急対応として東京の危機管理対策を講ずるべき。
  • 木造住宅密集地における防災まちづくりを重点的に進めるべき。

トピックス

「オンライン講演会」を開催しています

前号でもご紹介しましたが、国土庁の首都機能移転ホームページにおいて、学界、経済界等各界の有識者を講師にお招きして講演会を開催していますので、是非ご覧下さい。
http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/online.html
「オンライン講演会」を講師とテーマは以下のとおりで、今後も毎月数名の方に御講演いただく予定です。

<11月>
諸井虔氏((株)太平洋セメント取締役相談役)
テーマ:「防災第一に小規模で素早い移転を」

島田晴雄氏(慶應義塾大学経済学部教授)
テーマ:「新都建設で新しい時代を開く」

グレゴリー・クラーク氏(多摩大学学長)
テーマ:「バランスのとれた発展と首都機能移転」

<12月>
石井威望氏(東京大学名誉教授)
テーマ:「ネット世代が活躍できる新首都を」

月尾嘉男氏(東京大学教授)
テーマ:「環境と情報の時代の首都:現行議論の時代錯誤」

政府における最近の主な動向

<政府関連>
平成11年 11月26日
第27回国会等移転審議会
11月30日
第28回国会等移転審議会
12月8日
第29回国会等移転審議会

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