3D都市モデルを活用した建物振動シミュレーションシステムの開発 v3.0
| 実施事業者 | 一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会 / 株式会社日建設計総合研究所 / 株式会社MIERUNE |
|---|---|
| 実施協力 | 株式会社日建設計 |
| 実施場所 | 静岡県静岡市 / 埼玉県戸田市(市域スケール) |
| 実施期間 | 2025年12月〜2026年1月 |

3D都市モデルとWebGISを使い、ノンエンジニアでも簡単に建物振動シミュレーションを実行・可視化できるシステムを開発した。地震による建物被害予測から、道路閉塞や仮設住宅数などのデータを活用し、事前防災対策を支援する。
本プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、我が国が地震多発国であり、能登半島地震等を踏まえて建物倒壊による道路閉塞や仮設住宅需要の想定など、事前防災・事前復興の検討が喫緊の課題であることが出発点である。
建物振動シミュレーションは、被害を詳細に特定し減災に有用ではあるが、従来は高負荷な処理と専門知識が必要であったため、地方公共団体の外部リソース依存と機動的なデータ活用の妨げとなっている。
この課題を解決に向け、特別な知識や専用環境なしに、地方公共団体の職員がWeb上で簡易に実行・可視化できる建物振動シミュレーションシステムの構築が不可欠である。これによって、効果的な対策推進を強力に支援する。
本プロジェクトでは、2024年度に「建物振動シミュレーションシステム」の機能強化を達成した。Webアプリの完全API化によりノンエンジニアでも利用しやすくなり、ダッシュボード実装でエリア比較による防災対策の優先順位付けを可能にした。また、シミュレーション対象を木造建築にも拡大し、UI/UX改良とDIAS連携でデータ解析の一気通貫化を実現した。一方で、地震による建物被害のみならず、道路閉塞率や仮設住宅数算出などのミクロな被害予測機能の強化が課題である。加えて、内閣府想定を上回る精度に対する論拠を提示のためのシミュレーションロジックの精度検証が不可欠である。そのうえで、大規模計算の時間短縮と、一般的なクラウド環境で動作するポータビリティの確保が求められている。

実現したい価値・目指す世界
我が国は環太平洋変動帯に位置する世界有数の地震多発国であり、令和6年能登半島地震(2024年1月、M7.6、最大震度7)のような大規模地震の発生を前提とした、事前防災と事前復興の検討の重要性が増している。特に、建物倒壊が引き起こす道路閉塞や応急仮設住宅の必要戸数など、都市機能への影響を事前に想定し、減災につなげることが求められる。建物振動シミュレーションは、従来の被害想定手法と比較して、被害が大きくなる地域を空間的に詳細に特定し、都市スケールでの対策を検討するために非常に有用である。しかし、従来の3Dモデルを用いた大規模なシミュレーションは、高負荷な処理を前提としており、その実施には専用環境に加え、専門知識やノウハウが必要であった。このため、地方公共団体がシミュレーションを実施する際には、業務委託や共同研究といった外部リソースへの依存が避けられず、地方公共団体のニーズに応じた柔軟なシミュレーションの利用や、様々な政策検討シーンでの機動的なデータ活用が大きな課題となっていた。したがって、この課題を解決するためには、高負荷な処理を伴う建物振動シミュレーションを、特別な専門知識や専用環境なしに地方公共団体の職員がweb上で簡易に実行・可視化できるシステムの構築が不可欠となる。これにより、地震多発国における効果的な事前防災・事前復興対策の推進を強力に支援する。
2024年度の「建物振動シミュレーションシステム」は、前年度からの課題であったWebアプリケーション内での完全API化を実現し、システム利用の敷居を下げることで、ノンエンジニアでもより扱いやすくするための機能強化を達成した。また、特定エリアの被害予測結果を集計・比較可能なダッシュボードを実装したことで、エリア間の比較検討が可能になり、立ち会い実証においても地域ごとの防災対策の優先順位付けに役立つことが確認された。さらに、小規模な木造建築を対象としたシミュレーション機能を追加することで、予測対象の建物を拡張した。Webアプリ側では、各課の業務フローに即したUI/UXの改良を実施し利便性を向上させたうえで、DIASとの自動連携を可能にすることで、データ解析を一気通貫でスムーズに行う体制を実現した。一方で、システムへの期待値が高まるにつれて、今後の実用化に向けた課題も明確になった。特に、緊急輸送路沿いの建物個別シミュレーションに基づく道路閉塞率の算定や、応急仮設住宅の必要戸数の算出など、よりミクロな被害状況予測機能の実装が強く求められた。加えて、本システムが採用する地震シミュレーションロジックの精度検証は不可欠であり、内閣府の被災想定を上回る精度が得られていることを、第三者への説明責任を果たすための明確な論拠(科学的・技術的根拠)の提示が求められている。さらに、Webアプリと計算処理の最適化に関しても課題があり、市域レベルの大規模なシミュレーションにおける計算時間の短縮や、特定の環境に依存せず一般的なクラウド環境で動作可能にするための建物振動シミュレーションの組み込み(ポータビリティの確保)が求められている。
本プロジェクトは、2024年度に開発したシステムを基盤としつつも、従来の「高度な地震防災シミュレーションと計画立案における地域間格差」を解消することを最大の目的とする。この課題解決のアプローチとして、専門知識や複雑な設定を要していた地震シミュレーションをWeb上で完結させ、各地方公共団体が保有するデータをベースに実行できるようにすることで、防災計画策定の専門的なハードルを劇的に下げる。これにより、客観的なデータに基づいた現実的な防災計画の策定を、全国の地方公共団体が迅速に行える体制を構築し、「机上の空論」ではない防災アクションへの反映を目指す。システム開発のスコープとして、基盤となる地震シミュレータの精度検証を確実に行うことに加え、防災計画の実行に不可欠な具体的な指標を自動で算出する機能に重点を置く。具体的には、緊急輸送路沿いの建物個別シミュレーションに基づき、道路の維持管理計画に直結する道路閉塞率を算定する機能、生活再建計画の基礎となる応急仮設住宅の必要戸数を算出する機能開発を行う。これらの算出結果は、すべて直感的に理解できるダッシュボード上で確認できるようにする。さらに、3D都市モデルを保有する地域においては、同環境下で分析が可能な機能を実装することで、システムが特定の地域に限定されることなく、日本各地の防災計画へ汎用的に展開できる仕組みの構築を目指す。
本プロジェクトが目指す社会は、高度なシミュレーション技術を、地方公共団体が自らの業務で機動的に活用できるようになることである。その上で、二つの主要な価値を実現する必要があると考えている。一つは、地方公共団体の業務効率化・高度化と内製化である。従来の建物被害シミュレーションは専門知識や高負荷な環境が必要で、外部委託に頼らざるを得なかった。しかし、本システムでは、Web上で簡易に地震動の設定と被害シミュレーションの実行、そして結果の面的な可視化やダウンロードを可能にする環境を提供する。これにより、これまで大規模地震の被害想定検討が困難だった職員でも手軽に解析が可能になり、外部依存からの脱却を実現する。解析から施策検討への活用までをワンストップで支援することで、地方公共団体の業務の効率化と高度化を推進する。もう一つは、都市スケールでの効果的な事前防災・事前復興対策の確立である。本システムの利用を通じて、地方公共団体職員は都市スケールで俯瞰的な視点を持ち、大きな被害が予測されるエリアを即座に特定できるようになることで、事前の防災検討や対策立案の精度が向上する。さらに、単一の行政界に留まらず、行政界を跨ぐ広域的な防災対策への活用も可能とする。これによって将来的には、大規模地震後の復旧・復興フェイズを見据え、緊急輸送道路と建物倒壊の関係性(道路封鎖の可能性)、避難所配置のあり方、災害廃棄物処理計画などの検討へ活用・展開することで、安全でレジリエントなまちづくりに貢献する。





検証や実証に用いた方法・データ・技術・機材
本プロジェクトでは、3D都市モデルを活用し、地震発生時における建物の倒壊可能性を可視化するシステムを構築した。従来の地域防災計画では、広域的な被害想定が中心であり、道路単位や建物単位での詳細なリスク評価が困難であった。本システムはこの課題に対応し、地方公共団体職員や防災担当者が具体的な対策立案に活用できる情報を提供する。具体的には、以下の3つの主要機能を実装した。第一に、建物単位の倒壊リスクを3D都市モデル上で視覚的に把握できる機能である。これにより、危険度の高い建物を特定し、耐震化の優先順位付けが可能となった。第二に、被災後に必要となる仮設住宅の戸数をエリア単位で集計する機能である。これにより、応急対応計画の立案に直結する情報が得られる。第三に、建物倒壊により発生する道路閉塞の可能性を各道路区間で確認できる機能である。これにより、緊急輸送路の選定や避難経路の見直しが可能となる。なお、仮設住宅戸数の推計には建築研究所の米野氏による2021年の研究データを、道路閉塞の評価には内閣府防災による南海トラフ地震の被害予測手法を参照しており、学術的・行政的に信頼性の高い手法を採用した。

本システムは、Webブラウザ上で地震シミュレーションの実行予約から結果の閲覧までを一貫して完結できる構成となっている。特別なソフトウェアのインストールは不要であり、通常のPCでも動作するよう設計しているため、地方公共団体職員でも容易に利用できる。
システムのデータフローは次の通りである。まず、ユーザーはWebインターフェース上で分析対象エリアを250mメッシュ単位で選択する。複数メッシュの同時選択が可能であり、広範囲の分析にも対応している。次に、建築基準法の構造計算で用いられる3種類の地震波形(遠方海溝型、近郊海溝型、直下型)から想定する地震タイプを選択する。これらの入力情報は、バックエンドで稼働するIntegrated Earthquake System(IES)に送信される。IESは、3D都市モデルから取得した建物属性(構造・建築年代・階数)と入力された地震動を用いて、建物単位の被害程度を解析する。さらに、国土地理院のベクトルタイルデータから道路幅員情報を取得し、道路閉塞リスクを算出する。これらの計算結果は、地図上での可視化とダッシュボードでの集計結果の表示という2つの形式で出力される。地図上では、建物倒壊数や道路閉塞率が色分けやヒートマップで表現され、視覚的に危険度の高いエリアを把握できる。ダッシュボードでは、エリアごとの被害概要(全壊棟数、半壊棟数、仮設住宅必要戸数、閉塞道路本数など)を集計し、グラフや表形式で表示する。これにより、地方公共団体職員でも予約から結果確認まで一気通貫で操作できる設計となっている。

地震動のシミュレーションにおいては、都道府県・エリアを指定したうえで、シミュレーションを行う場所を選択する。選択する単位は250mメッシュであり、任意の地域を選ぶことが可能となっている。これは既往研究における地域防災計画の標準的な解像度に準拠したものである。また、複数のメッシュを同時に選択することもできるため、広範囲の分析にも対応している建物データに関しては、3D都市モデルを活用し、建物構造・建築年代・階数等の属性情報を取得している。この3D都市モデルは全国の主要都市をカバーしており、LOD1(建物形状)以上のデータが整備されている地域が対象である。

想定する地震動については、1968年十勝沖地震、1973年東北沖地震、1995年阪神淡路大震災の3タイプから選択可能である。これらを選定した理由は、1968年十勝沖地震が長周期地震の代表例、1973年東北沖地震が近年の海溝型地震の代表例、1995年阪神淡路大震災が直下型地震の代表例として、それぞれの地震特性に応じた被害想定を検討できるためである。これらの地震動をIntegrated Earthquake System(以後、IESと呼ぶ)に入力し、PLATEAUから取得した3D都市モデルの建物構造・建築年代・建物高さを考慮して分析を行う。そのうえで、最大層間変形角の値を算出する。最大層間変形角は地震動によって建物が最大でどの程度変形するかという指標であり、この値と建物構造(木造・非木造)に応じた閾値を適用し、全壊・半壊の判定を行う。本シミュレーションの精度検証として、熊本地震の地震動を入力したうえで益城町を対象に再現性の検証を行った。内閣府防災が公表している木造・非木造の被害関数による推計結果と比較検証を行った結果、同等の精度を確認できた。加えて、個別建物の被害状況を個別で確認できるようになった。以上のことから地震発生時の被害想定として妥当な精度と考えられる。道路閉塞率の算出には、建物の被害情報に加えて道路の幅員情報が必要となる。本プロジェクトでは国土地理院が提供するベクトルタイルデータを用いて道路幅員を算出した。このデータは全国の道路網をカバーしており、主要道路から生活道路まで幅広く整備されている。幅員に応じた閉塞率パラメータ(3m未満、3-5.5m、5.5m以上の3区分)を設定し、道路中央線から一定の距離(道路幅員に応じて10~50mで設定可能)における建物の棟数・全壊数・半壊数を計算した。閉塞可能性の算出には、内閣府防災が南海トラフ地震被害想定で用いた手法を参考に、簡易的な確率論的評価を行っている。道路沿いの建物倒壊数と道路幅員から閉塞確率を算出し、各道路区間を地図上で色分け表示することで、緊急輸送路や避難経路の評価に活用できる。

仮設住宅の必要戸数については、メッシュごとに建物被害を集約したうえで、国立研究開発法人建築研究所の米野氏が発表した単回帰式(仮設住宅必要戸数=α×全壊棟数+β×半壊棟数+定数項)を適用している。この式は、過去の大規模地震における実際の仮設住宅建設実績をもとに導出されたものであり、全壊建物からの避難世帯と半壊建物からの避難世帯の比率が適切に反映されている。定数項については、メッシュ単位で集計した場合には、基準人口の影響により過剰計上されることが懸念されたため除外し、係数項のみを活用した。他方、エリア全体での集計時には定数項を加えることで、より精度の高い推計が可能となる。最終的に、メッシュ単位での計算結果を地図上で可視化するとともに、別途作成したダッシュボードにおける集計結果の表示に活用した。

ダッシュボードでは、エリア全体の仮設住宅必要戸数の合計値、各メッシュの内訳などをグラフや表形式で表示する。これにより、応急仮設住宅の用地確保や建設計画の立案に必要な定量的情報を提供できる。これらの結果を活用することで、建物の倒壊情報のみならず道路ネットワークの寸断リスクや応急仮設住宅需要という複合的な視点から地震災害対策を検討することが可能となった。地図上では3つの指標(建物倒壊、道路閉塞、仮設住宅)を重ね合わせて表示することもでき、総合的なリスク評価が可能となる。
検証で得られたデータ・結果・課題
今回の検証においては、2つの地方公共団体(戸田市:3人、静岡市:4人)の職員7人を対象に、本ツールの操作体験とアンケート調査を実施した。集計機能の表示やダッシュボードの使い勝手、ツールの実務への活用可能性や導入可能性の2点を対象とした。
ツールの機能に関しては、おおむね高い評価を得られた。ダッシュボードへの反映時間はおおむね2秒程度で閲覧できるようになり、集計時間がかかる道路閉塞率においても10秒程度で閲覧できるようになっているため、使い勝手として約60%の方に良いという評価を、残りの約40%に関してはやや良いという評価を得られ、不満はみられなかった。
システムの有用性に関しては、シミュレーション結果・道路閉塞率・応急仮設住宅の3つの観点からアンケートを行った。その結果、シミュレーションでは約40%、道路閉塞率では約60%、応急仮設については約30%が業務などに利活用することができるとの回答を得た。特に、今年度追加した道路閉塞率に関しては避難訓練や物資運搬時の判断などへの活用が期待できるという意見を得ることができ、防災分野における応用可能性が非常に高いことが窺える。一方で、応急仮設については市町村で主導することが難しいという現状も見えてきており、他のツールとの差別化についても検討が必要であることが確認できた。システムの導入可能性に関してもヒアリングを行ったものの、前向きに検討できるという回答は約30%にとどまった。現状においても非常に有用性が高い一方で、地震の影響で発生する関連災害の分析(津波・液状化)などに関する情報についても付随して把握したいという要望も強く、総合的な防災という観点では必ずしも十分な状況ではなかった。また、地方公共団体の庁内GISに搭載したいというニーズもあり、分析結果をGISデータとして出力できるようにして欲しいという要望等、他の都市データなどとの重畳・分析を見据えて、多様なツールとの連携方法についても強化をする必要がある。


参加ユーザーからのコメント
・立地適正化計画の中で地震分析を行っているところであるので、プラスアルファのところでより精度上げるためには使用できそう。
・本システムが他と比べて、安い、正確、早い、わかりやすい、等のストロングポイントがあれば取り入れやすいかもしれない。
・耐震化率の把握や耐震化の補助制度の利活用に有用と考えられる。
・物資を運び入れる際の学校の入り口周辺などでこのようなことが分かるとありがたい。トラックによる運び入れ等の検討が行うことが可能になる。
・電柱などのデータについても入っていると道路閉塞に関してはより具体的になってくると考えている。
・応急仮設住宅に関しては現在調査が入っていたりして過渡期に入っているため、参考になりそう。
今後の展望
本実証実験では、既往の被害関数による分析(内閣府)と比べて、より解像度を上げて解析することができ、特に道路閉塞率を道路区間単位で詳細に示せるようになったことは高い有用性を示している。従来手法では広域メッシュ単位での被害想定が中心だが、本システムでは250mメッシュと道路区間といった単位での評価により、具体的な対策立案に直結する情報を提供できるようになった。防災関連においては、物資の供給網の検討、避難所周辺の物資搬入の検討などに活用できるという意見を得られた。特に、緊急輸送道路の選定において、複数の代替ルートの閉塞リスクを比較評価できる点が高く評価された。また、避難所ごとに周辺道路の閉塞リスクを把握することで、物資搬入が困難になる可能性のある避難所を事前に特定し、備蓄計画の見直しや代替輸送手段の検討が可能となった。また、情報開示を行うという観点でも、建物1棟1棟よりも道路区間での閉塞率という形で示す方が、より開示しやすいという意見をいただいた。そのため、建物単位での被害想定は個人情報保護やプライバシーの観点から公開が難しい場合が想定されるが、道路区間での閉塞率という公共インフラの観点での情報提供は、市民に向けた説明においても受け入れられやすく、リスクコミュニケーションツールとしての有効性が確認された。一方で、地震による建物倒壊のみの場合は、複合的な視点で捉えることが難しいため、他の防災情報(ハザード情報)と重ねる必要性があるなどの課題も浮き彫りになった。具体的には、津波浸水想定、液状化リスク、土砂災害危険箇所、火災延焼シミュレーション等との連携が求められることが多いことが分かった。また、庁内GISでデータを重畳したいという要望などもあり、計算結果をGeoJSONやShapefile形式のデータとして出力する機能などもニーズがあることが分かった。本実証で得られた知見と明らかになった課題を踏まえて、今後以下のような対応方向性が想定される。
データ出力機能の強化と庁内GIS連携の検討:地方公共団体から要望のあったGeoJSON・Shapefile形式での計算結果出力機能を実装し、既存の庁内GISとのデータ連携を可能にする。これにより、各地方公共団体が独自の被災想定や都市計画をたてるために、本システムの分析結果を応用する環境を整備する。
地方公共団体への展開:今後は、3D都市モデルを整備された都市であればどこでもシミュレーションを実施できるようシミュレーション環境の整備を行う。本シミュレーションには、建物構造と建築年のデータが最低限必要であり、双方のデータが揃っている都市を優先的に対応すること、また、上記のデータが不足する都市においても標準的な仮定値を適用することで分析できる機能の追加が重要。3D都市モデルが整備された地方公共団体から委託を受けて分析等を行う民間事業者とも連携することで、地域防災計画等の策定において活用されるツールとなることが期待される。
リスクコミュニケーションツールとしての応用:実証で確認された「道路区間単位での情報開示のしやすさ」という特性を活かし、住民向けワークショップや地域防災計画の説明会での活用を促進する。建物単位の被害想定に比べて公開しやすい特性を活かし、市民の防災意識向上と行政への信頼構築を両立させるリスクコミュニケーションにも活用する。






