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河川局

    3)通日調査
      平成11年12月に、多摩川及びその支川の浅川において3日間(平日48時間、休日24時間)の通日調査を実施した。
       1日の測定値の変動を日平均値に対する最大変動幅の割合((日最大値−日平均値)/日平均値)でみると、ビスフェノールAについて多摩川関戸橋地点で30%、浅川新井橋地点で140%、17βエストラジオールについて多摩川拝島橋地点で70%、多摩川関戸橋地点で40%、浅川新井橋地点で30%の変動があり、これらの物質の濃度に経時変動があること、平日と休日ではその状況に差があること等の可能性が示唆された。なお、BODやSS等の一般的な水質項目と調査対象物質の相関はあまりみられなかった

 図−2 多摩川関戸橋地点における通日調査結果
採水日時


    4)下水道調査
       多摩川及び淀川の主な下水処理場9カ所の流入下水と放流水について、基本調査対象物質に係わる水質調査を行った。
       平成11年度調査の結果、下水道の放流水については、ノニルフェノール、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ビスフェノールAの4化学物質と人畜由来ホルモンが定量下限値以上で測定された(ノニルフェノール及びフタル酸ジ−2−エチルヘキシルは秋期不検出。アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルは夏期不検出。)。また、流入下水については、調査対象物質すべてが定量下限値以上で測定された(フタル酸ブチルベンジルは夏期不検出)。

表−2 流入下水及び放流水における基本調査対象物質測定結果
(定量下限値以上が検出された処理場数/調査処理場数)

物 質 名 10年度 11年度
前期 後期 夏期 秋期
流入 放流 流入 放流 流入 放流 流入 放流
4-t-オクチルフェノール 5/10 0/10 5/10 0/10 4/9 0/9 4/9 0/9
ノニルフェノール 10/10 7/10 10/10 9/10 9/9 4/9 9/9 0/9
フルタ酸ジ-2-エチルヘキシル 10/10 5/10 10/10 7/10 9/9 2/9 9/9 0/9
フルタ酸ブチルベンジル 3/10 0/10 3/10 0/10 0/9 0/9 2/9 0/9
フルタ酸ジ-n-ブチル 10/10 0/10 10/10 0/10 9/9 0/9 9/9 0/9
アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル 10/10 8/10 10/10 1/10 9/9 0/9 9/9 1/9
ビスフェノールA 10/10 9/10 10/10 6/10 9/9 4/9 9/9 5/9
人畜由来ホルモン 10/10 10/10 10/10 10/10 9/9 9/9 9/9 9/9

注1) H10年度前期の流入水の分析は、試行分析として実施したものである。
注2) 放流水分析方法については、H10年度前期とH10年度後期、H11年度とで分析方法が異なる。

       流入下水と放流水の濃度を比較するとすると、放流水の方が大幅に低くなっており、下水処理場は、放流先の水域に対して、内分泌かく乱作用が疑われている化学物質等を削減していることをあらためて確認した。
図−3 流入下水と放流水の濃度比較
(平成11年度夏期・秋期、中央値)
ND:検出下限値未満
注):表−2の平成11年度調査において、放流水中に定量下限値以上で検出された物質について図示している

 (2)ダイオキシン類調査
     平成11年8月末から10月中旬にかけて、一級河川36水系72地点において水質調査、29水系48地点において底質調査を実施した。
     調査結果は、水質について、平均値0.16pg-TEQ /L、中央値0.10pg-TEQ /L、検出範囲0.040〜0.96pg-TEQ /L、底質について、平均値4.5pg-TEQ /g、中央値0.53pg-TEQ /g、検出範囲0.070〜34pg-TEQ /gであり、いずれの数値も平成10年度に環境庁が実施したダイオキシン類緊急全国一斉調査の結果と比較して低いレベルであった。
pg(ピコグラム):一兆分の一グラム
TEQ:毒性当量(ダイオキシン類の各同族体の毒性を、2、3、7、8−TCDDに換算して合計したもの。)

表−3 水質調査結果
測定数 平均値
pg-TEQ/L
中央値
pg-TEQ/L
検出範囲
pg-TEQ/L
1回目 72 0.16 0.096 0.065〜0.96
2回目
40 0.18 0.12 0.040〜0.80
全体 112 0.16 0.10 0.040〜0.96
(参考) H10環境庁調査結果 204 0.50 0.26 0.065〜13
※水質に係る環境基準は、1pg-TEQ/L

表−4 底質調査結果
   測定数 平均値
pg-TEQ/g
中央値
pg-TEQ/g
検出範囲
pg-TEQ/g
底質調査 48 4.5 0.53 0.07〜34
(参考)H10環境庁調査結果
205 8.3 1.4 0.1〜260
※底質に係る環境基準は未設定

資料−1(pdfファイル)
平成11年度 水環境における内分泌攪乱物質に関する実態調査結果



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