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河川局

Topics 記者発表

5調査結果

5-1水質調査結果

1)調査結果
 全国の一級河川109水系(平成12年冬期調査 172地点、平成12年秋期調査 245地点)において実施した水質測定結果を表-5.1.1図-5.1.3及び図-5.1.4に、濃度分布図を図-5.1.1図-5.1.2に示した。また、2回の調査結果の関係を示す散布図を図-5.1.5に、変動幅のヒストグラムを図-5.1.6に、ダイオキシン類濃度と一般項目の関係を示す散布図を図-5.1.7に、縦断調査結果を図-5.1.8〜5.1.13に示した。
  平成12年冬期調査では、平均値が0.28pg-TEQ/Lで、検出範囲は0.021〜5.0pg-TEQ/Lであった。濃度分布は0.2pg-TEQ/L未満の濃度が最も多く、全検体の約6割を占めていた。
  平成12年秋期調査は、平均値が0.19pg-TEQ/Lで、検出範囲は0.069〜1.7pg-TEQ/Lであった。濃度分布は0.2pg-TEQ/L未満が最も多く、全検体の8割弱を占めていた。
  水質の環境基準の値(1pg-TEQ/L)を超えた地点は、平成12年冬期調査で 4河川6 地点(綾瀬川3地点1.1〜5.0pg-TEQ/L、庄内川1地点1.8pg-TEQ/L、信濃川1地点1.6pg-TEQ/L、大和川1地点1.2pg-TEQ/L)、平成12年秋期調査で 2河川4地点(綾瀬川3地点1.2〜1.7pg-TEQ/L、関川1地点1.7pg-TEQ/L)であった。
  代表-12河川で実施した縦断調査の結果は、上流から下流にかけてほぼ一定のダイオキシン類濃度を示す河川、下流で濃度が高くなる河川の他、懸濁物質の変動等により濃度が変動する河川があり、明確な傾向はつかめなかった。

2)考察
 水質の全国実態調査結果では、比較的低い濃度であったものの、平成12年冬期調査と平成12年秋期調査と合わせて5河川7地点においては、環境基準値 1pg-TEQ/Lを超える値を示した。また、平均値で見ると、平成11年度に環境省が実施した環境省の調査結果(「平成11年度公共用水域等のダイオキシン類調査結果について」)と比較して、同等の値であった。
  今回の調査において全国の水質濃度の傾向は把握できたものの(図-5.1.1図-5.1.2参照)、個々の河川、湖沼の調査地点においては、平成12年冬期調査と平成12年秋期調査において、同一地点の測定値に差異が認められた(図-5.1.5参照)。表-5.1.2から同一地点での2回の測定値の差は<0.01〜3.8pg-TEQ/Lで、感潮域で濃度差の大きな地点がみられた。2回の調査の地点ごとの濃度の比注)では、2倍以上変動した地点数の割合は、河川順流部、河川湛水部および湖沼が約4割から5割で、河川感潮域が約2割であった。(図-5.1.6参照)。
  全国の直轄河川、湖沼の実態を把握するためには、2回の調査結果ではデータの蓄積が不十分なため、継続して全国調査の実施が必要と考えられる。
  また、全国データで比較すると、ダイオキシン類濃度とSS、VSS、TOCとの間には明確な相関は認められなかった(図-5.1.7参照)。
  代表-12河川で実施した縦断調査結果においては、上下流部におけるダイオキシン類の値の差が小さい河川、上下流部で濃度変化が見られる河川があり、流下方向での濃度の傾向は明確にはわからなかった。また、平成12年冬期、12年秋期調査の同一地点での比較では、濃度及び縦断方向でのダイオキシン類濃度の傾向が異なる河川が見られた(図-5.1.8〜5.1.13参照)。
  縦断方向でのダイオキシン類濃度の傾向を把握するには、継続してデータの蓄積を実施する必要が有ると考えられる。


表- 5.1.1 水質調査結果
  測定数 平均値
pg-TEQ/L
中央値
pg-TEQ/L
検出範囲
pg-TEQ/L
平成12年冬期調査 172 0.28 0.15 0.021〜5.0
平成12年秋期調査 245 0.19 0.11 0.069〜1.7
(参考)
平成11年度
環境省調査結果
568 0.24 - 0.054〜14

表- 5.1.2 同一地点における水質濃度差による比較(平成12年冬期と12年秋期との差)
  差の最大値
pg-TEQ/L
差の最小値
pg-TEQ/L
平均値
pg-TEQ/L
河川(順流部) 1.2 <0.01 0.13
河川(感潮域) 3.8(1.2) 0.02 0.50(0.25)
河川(湛水域) 0.55 0.03 0.16
湖沼 1.4 0.01 0.22
感潮域の()内の数値は、綾瀬川(槐戸橋)の値(3.8)を除いた場合の集計値


図-5.1.1
図-5.1.1 ダイオキシン類濃度ヒストグラム(平成12年冬期調査 水質)

図-5.1.2
図-5.1.2 ダイオキシン類濃度ヒストグラム(平成12年秋期調査 水質)

図-5.1.3
図−5.1.3 平成12年冬期の水質ダイオキシン類濃度(PCDDs+PCDF+Co-PCBs)

図-5.1.4
図−5.1.4 平成12年秋期の水質ダイオキシン類濃度(PCDDs+PCDF+Co-PCBs)


図-5.1.5
図-5.1.5 H12年冬期調査、H12年秋期調査散布図(水質)

図-5.1.6
図-5.1.6
注) 平成12年冬期と平成12年秋期のデータで、小さいほうのデータを分母として計算した。

図-5.1.7
図-5.1.7 散布図(ダイオキシン類濃度とSS、VSS、TOC平成12年秋期調査 水質)


図-5.1.8
図-5.1.8 縦断調査結果(水質 石狩川、阿武隈川)


図-5.1.9
図-5.1.9  断調査結果(水質 利根川、綾瀬川)


図-5.1.10
図-5.1.10 縦断調査結果(水質 荒川、多摩川)


図-5.1.11
図-5.1.11 縦断調査結果(水質 信濃川、庄内川)


図-5.1.12
図-5.1.12 縦断調査結果(水質 淀川、太田川)


図-5.1.13
図-5.1.13 縦断調査結果(水質 重信川、筑後川)

注) 平成12年冬期と平成12年秋期のデータで、小さいほうのデータを分母として計算した。



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