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ダイオキシン類濃度
<溶存性及び非溶存性ダイオキシン類濃度>
ダイオキシン類のTEQ値(毒性当量)の計算は、測定値がND(不検出)の場合、検出下限値の1/2として計算しているため、測定したすべての異性体の濃度がNDでもTEQ値は0.069pg-TEQ/L(溶存性と非溶存性を合わせると0.14pg-TEQ/L)となる。
ダイオキシン類測定値が低い場合は、このND計算値が影響し、TEQ値が同じような値になるため、溶存性ダイオキシン類と非溶存性ダイオキシン類濃度との関係については評価ができない。また、低い濃度のダイオキシン類の異性体組成を見ると、溶存性、非溶存性ともに高い頻度で検出されている異性体(7,8塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンやCo-PCB:#118、#105、#77等)以外は検出されないか検出下限値付近の値が多く、検討を行なうには信頼性が乏しい。そのため、今回の検討には溶存性ダイオキシン類と非溶存性ダイオキシン類がある程度検出され、両者の合計が0.2pg-TEQ/L以上になったものについて評価した。
ダイオキシン類の濃度範囲別における各因子の数値を表-5.3.2に、また、調査地点別ダイオキシン類濃度を図-5.3.1に示した。
今回の形態把握調査地点で総ダイオキシン類濃度が0.2pg-TEQ/Lを超えたのは、河川順流域4地点、河川堪水域2地点、河川感潮域3地点、汽水域4地点、湖の淡水域2地点、の合計15地点であった。溶存性及び非溶存性ダイオキシン類濃度を比較すると、濃度が高い試料については、非溶存性ダイオキシン類濃度が高く、ダイオキシン類は水試料中では大部分が0.5μm以上の懸濁物質に含まれて存在していることが示唆された。ただし、一部では溶存性のダイオキシン類が存在する試料もみられた。
溶存性ダイオキシン類は全体的に低濃度であったが、やや高い値を示す地点においては、TEQ濃度への寄与が大きい4,5,6塩素のジベンゾゾフランの検出が見られた。
非溶存体ダイオキシン類については高濃度検出地点においては、低濃度地点に比べ4,5,6塩素のジベンゾフラン、ジベンゾ-パラ-ジオキシンの検出及び濃度の増加が見られた。
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