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河川局

Topics 記者発表

6.まとめ

 平成12年冬期及び平成12年秋期に行った調査結果から以下のことがわかった。

(1)

水質・底質調査結果

  • 水質の全国調査結果では、検出範囲0.021〜5.0pg-TEQ/Lであり、環境省の調査結果(「平成11年度公共用水域等のダイオキシン類調査結果について」)とほぼ同程度の値であった。また、5河川7地点においては、環境基準値1pg-TEQ/Lを超える値を示した。
  • 底質の全国調査結果では、検出範囲0.038〜48pg-TEQ/g(dry)であり、湖沼、河川湛水部等で相対的に高い値を示す地点が多かった。
  • 水質、底質とも12年冬期と12年秋期の同一地点の測定結果を比較をすると、河川順流部や湛水部では、比較的大きな変動が見られた。
  • 縦断調査の水質結果においては、上流部から下流部にかけての濃度変動が小さい河川、濃度が変動する河川があり、明確な傾向は見られなかった。
  • 縦断調査の底質結果は、流速が遅くなりシルト・粘土分が堆積しやすい河川湛水部等で相対的に高い値を示したが、上下流方向でのダイオキシン類濃度には明確な傾向は見られなかった。底質中のダイオキシン類濃度は、底質の性状にも影響されると考えられる。したがって、底質調査では底質の性状も合わせて測定する必要がある。
  • 全国の直轄河川、湖沼の実態を把握するためには、2回の調査結果ではばらつき変動が大きく、検出傾向の把握のために継続してデータの蓄積が必要と考えられる。
(2)

形態把握調査

  • 河川水中のダイオキシン類については、かなりの程度が懸濁物質に存在していることが示唆された。
  • 底質においては、ダイオキシン類がシルト・粘土により多く含有されるほか、細砂として区分されるものにも含まれる場所もあり、また、ダイオキシン類と有機物との間の相関が示唆された。
(3)

詳細調査
1)水質時間変動調査

  • 綾瀬川においては、ダイオキシン類濃度が大きく変動していた。懸濁物質(SS)が同様の変動を示しており、ダイオキシン類を含む底泥が人為又は潮の干満により舞い上がり、影響していることが示唆された。また、利根川順流域及び堰上流の地点では時間的な濃度変動が小さいことが確認された。しかしながら、今回の調査数が少なく、他の河川でも濃度変動があるか確認する必要がある。
2)底質水平分布調査
  • 高濃度のダイオキシン類が検出された場合の汚染範囲を解明するための調査を行う際の基礎資料として行った水平分布調査では、河川におけるダイオキシン類濃度が大きくばらつく傾向が見られた。
  • 霞ケ浦においては、流入河川近傍では比較的濃度が低かったが、湖全体では比較的平面的に一様な分布を示していた。
3)底質鉛直分布調査
  • 綾瀬川は、11km地点の下層で高い値を示した他は、上下層に明確な傾向は見られなかった。11km地点の下層での高い値は底質の性状によるものが大きいと考えられる。
  • 利根川、淀川では、上下層での差に特段の差異は見られなかった。
  • 霞ケ浦は、上層が高く、中層、下層が低い傾向にあった。
4)底質のダイオキシン濃度と一般項目の相関に関する考察
  • 一定区域における底質のダイオキシン類濃度は、TOC、強熱減量、粒度組成、の一般項目との間に高い相関が認められた。


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