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3.地球温暖化に伴う気候変動の実態と予測、観測・監視の現状
 
(1)歴史的な経緯
 地球は、古来より、氷期、間氷期などの激しい気候変動を繰り返し、それに伴い、海水面も大きく変動し、種の絶滅等の歴史的変動を繰り返してきた。
 我が国においては、今から約6500〜5000年前の縄文海進時に海面が陸地に入り込み、地殻変動の影響等もあって、複雑な海岸線をもつ入り江が誕生するなどした。当時は現在より海面が2〜3m高い位置にあったことが明らかとなっている(図3.1 関東平野における貝塚の分布からみた縄文海進時の陸と海の分布図)。海が後退して以降は、低平地において稲作を中心とした文明が発達するとともに、沿岸域を中心に大きく産業が発達してきた。
 しかしながら、18世紀の産業革命以降の産業の発達に伴い、大気中の二酸化炭素濃度は大きく上昇し、これにより、少なくとも過去1千年には経験したことのない急速な平均気温の上昇に直面している。
 
(2)近年における気温、海水面の変化
 20世紀は、気温の上昇が過去1000年のどの世紀よりも大きかった可能性が高い。世界平均では、20世紀に地上気温が0.6±0.2℃上昇したと言われている(図3.2 過去140年の地球の地上気温の変動)
 我が国においても都市化の影響が比較的少ない15地点の年平均地上気温は、過去100年で約1度の割合で上昇している(図3.3 日本の年平均気温と平年比の経年変化)
 また、潮位計データによると、気温上昇に対応して、海面は世界平均で20世紀に0.1〜0.2m上昇している(図3.4 世界の主要地域での海面水位の経年変化)
 一方で、東アジア・東南アジアを含む日本周辺の過去の海面水位の変化は地域によって異なり、均一な方向性は示していない(図3.5 1951-1990年の東アジアの海面変化)
 
(3)気候変動予測の現状
 世界の気候変動については、IPCCにおいて、1990年より5年毎に評価報告書が作成され、将来の気候変動の予測等がなされている。IPCCの第3次評価報告書によると、このうち1990年〜2100年の間では、全地球平均で1.4℃〜5.8℃の気温上昇、9cm〜88cmの海面上昇が起きると予測されている(図3.6 気候変動予測)
 このように予測に幅があり、不確実性が高いのは、予測の根拠となる社会情勢の変化等による排出シナリオやGCM(大循環モデル)などの気候モデルそのものの不確実性が高いためである。排出シナリオについては、今後の社会経済活動の動向を十分に踏まえる必要があり、気候モデルについては技術的に精度を高めていく必要がある。
 なお、日本の気候変動については、各研究機関が、現在全球気候モデルを詳細化



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