我が国は、豊かな自然に恵まれている一方で、急峻な地形、脆弱な地質、台風や集中豪雨等に見舞われやすい厳しい自然条件におかれ、台風等による豪雨、地震、火山噴火等により、土石流、がけ崩れ等の土砂災害が起きやすい環境にあります。
これまで、国土交通省では、社会資本整備重点計画を策定し、計画的に土砂災害対策施設の整備を実施するとともに、土砂災害防止法による警戒避難体制の整備や安全な土地利用への誘導等のソフト対策を推進してきましたが、人口減少、少子高齢化、厳しい財政状況といった制約の中、戦略的な取り組みが必要となっています。
一方、近年では、平成20年6月の岩手・宮城内陸地震による大規模な河道閉塞(天然ダム)の発生、平成23年1月からの霧島山新燃岳における噴火活動の活発化など、大規模な土砂災害による甚大な被害が懸念される事態が発生しており、さらに、平成23年3月の東日本大震災では、津波等により未曾有の被害が生じたことから、今後の大規模土砂災害対策のあり方について改めて検討する必要性が高まっております。
これらの諸情勢を踏まえ、今後の自然現象や社会情勢の変化がもたらす諸課題に適切に対応する社会資本整備の目指すべき姿の実現に向けた施策や、土砂災害に強い国土づくり・国土保全、大規模土砂災害への対応等に係る今後の基本的施策の立案に資するため、「今後の土砂災害対策を考える会」を開催しご意見をいただくこととしました。