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河川局

パートナーシップによる河川管理に関する提言




1.目的―今なぜパートナーシップなのか


 これまでの河川管理は、頻発する洪水や渇水に対して早急に対策を行う必要に迫られたため、効率の良い画一的な手法が優先され行われてきた。その結果、地域で育まれてきた川の個性や文化が損なわれてしまうことが多かった。また、水質等の河川環境の悪化により、地域の人々は川と触れあうことが少なくなり、精神的にも地域と川の関係が疎遠となった。

 今後は、地域の人々が川に誇りと親しみを持つことができるよう、河川特性、地域の歴史・文化を踏まえた河川管理を行い、川と地域の人々とのかかわりを再構築する必要がある。

 一方、国民の生活、意識の多様化の中で、川へのかかわりやニーズも多様化したが、これまで行ってきた河川管理は、それらのニーズに十分対応できたとは言いがたい。今後は、市民としての多様な視点で、これまで行われてきた河川管理の内容や方法、役割分担をとらえ直し、様々なニーズに対して柔軟かつ機敏に、良質な河川管理を行うことが必要である。

 これまでは、河川事業において、市民との合意形成が必ずしも十分でないまま事業が行われ、市民と行政との対立が生じていることもある。これからの河川管理にあたっては、それぞれの河川、地域の状況をきめ細かく把握し、情報を適切に公開し、双方理解が得られるまで十分に対話し、合意形成を図ることがきわめて重要である。

 こうした河川をとりまく情勢が変化するなか、平成9年には河川法が改正され、河川環境の保全と整備がその目的に位置づけられるとともに、河川整備計画の策定において地域の意見を聞くこととなった。
 良好な河川環境の実現のためには、それぞれの河川、地域の状況にきめ細かく対応していくことが不可欠であり、これらを河川管理者だけで実施することには限界がある。今後は、健全な水循環の回復も視野に入れ、市民、関係自治体、河川管理者とが日ごろから十分なコミュニケーションを図り、緊密な連携・協調に努め、協力関係を築き、具体的に行動することが求められる。

 本提言は、このような川をとりまく社会状況や市民、行政の取り組みを背景として、各主体が適切なパートナーシップに基づき、それぞれの河川の特徴や地域性を踏まえた、河川管理に取り組んで行くための提案を行うものである。



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