審議会等の情報
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河川審議会について
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I.はじめに
我が国は、梅雨、台風、降雪等様々な降雨形態を有することに加え、急峻な山地、複雑な地形、多種多様な地質などにより、諸外国に比べても著しく多様性に富んだ多くの河川を有している。この山地と河川が山紫水明と言われる我が国の景観と風土を醸成してきた。また、この列島の住民は、有史以前から幾十世代にも渡って、洪水と隣り合わせの土地(氾濫原)に生活の場所と糧を得てきており、こうした長年の川とのつき合いの中で、先人達は長期的な展望の下に、川を管理し、利用する智恵を育んできたのである。 第二次大戦後になって、国土の荒廃に加えて大型台風の来襲が相次ぎ、これらに早急に対応する必要があったこと、経済復興の基礎として国土基盤の早期の整備が求められたこと等により、治水施設の整備が急速に進められた。これらの事業の工法はもっぱらコンクリート等を多用した近代工法であり、上記のような我が国の風土との調和の中で工夫された伝統工法は次第に用いられなくなった。そのため、伝統技術を有する職人の減少や伝統工法に関する資料や道具の散逸が生じ、伝統技術の衰退はいよいよ著しくなった。 しかし、近年にいたって川をめぐる情勢に大きな変化が生じてきた。住民が再び川との触れ合いを求めるようになり、生物の生息生育環境としての川の重要性が見直されるようになったのである。一方、阪神淡路大震災の経験と反省を踏まえて、想定を超えるような災害に当たっても、その被害を最小限にすべき対応が求められるようになった。 |
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