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河川局

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河川審議会について


2.総合的な土砂管理の基本理念


2.1 土砂管理の目標

 時間的・空間的な拡がりをもった土砂移動の場(「流砂系」)において、それぞれの河川・海岸の特性を踏まえて、国土マネジメントの一環として適切な土砂管理を行なうこと。すなわち、土砂の移動による災害を防止し、生態系、景観等の河川・海岸環境を保全するとともに、河川・海岸を適正に利活用することにより、豊かで活力ある社会を実現することを目標とする。


2.2 土砂管理の視点

(1)
場の連続性

 土砂が山腹斜面から渓流に入り、河道を移動して、海へ入る過程において、土砂災害や河川災害、貯水池の堆砂、河床低下、河口閉塞等の災害がそれぞれの領域で発生する。従って土砂管理の場としては、最上流部の山腹斜面から海岸の漂砂域までの土砂移動が起こる領域全体(「流砂系」)を捉える必要がある。また、この場合、上流から下流方向の縦方向の連続性や流域といった面的な広がり、あるいは海岸の沿岸方向の連続性等を考慮する必要がある。

(2)
時間の連続性

 大規模な洪水時において生産された土砂は、全部が一度に海まで移動するものではなく、それらはその後の中小出水を含む出水によっても不連続的に下流へ移動する。したがって、土砂管理は洪水時の土砂移動だけでなく、その後の平常時の土砂移動も対象とすべきである。また、平常時の土砂移動によって河床形態等が変化するため河川及び海岸の利用、生態系及び景観などの観点からも平常時の土砂移動も含めて土砂管理すべきである。

(3)
土砂の量と質

 河床を形成している土砂の粒径は一般的には上流ほど粗く、下流へ行くほど細かくなるが、実際には上流から河口までのほとんどの領域で様々な粒径が混在する。そしてその粒径分布や水量等に適した生態系や利用形態が存在する。したがって、望ましい河川の姿を維持していくためには、土砂の量的な管理のみならず、河道の形態や粒径等の質も考慮した管理を行っていくべきである。

(4)
水との関連

 土砂は不連続的に移動するものの、その移動外力は水である。例えば、ダムが築造され、ダム下流の流量がコントロールされると、土砂移動もそれに伴い規制されることがある。したがって、土砂移動の量と質は河川の水量と関連していることから、土砂管理は水量の管理と共に検討する必要がある。





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