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V.河川伝統技術の保存・活用に当たっての基本的考え方


 このように、河川伝統技術は今日的観点からいろいろなヒントを与えてくれるものと考えられる。古くなったから、あるいは手間がかかるから、材料の入手が困難であるからといって、簡単に取り壊したり、放棄したりするのではなく、もう一度見つめ直し、その考え方を時代時代に合わせてどううまく取り入れられるかを考えることが重要である。そうした観点から、以下に保存・活用に当たっての基本的考え方を示す。

 1.人、モノ、智恵の保存

     河川伝統技術については、技能を有する「人」、道具や水屋といった「モノ」、職人に伝わる口伝、地域の伝承や祭事・行事等様々な形で残されている。一方、それらの背景にある知識や考え方等の「智恵」も、着眼すべき重要な要素である。「智恵」の中には記録だけによっては保存することが困難なもの、あるいは現状では「智恵」が十分くみ取れず今後の研究に判断を委ねざるを得ないもの等がある。「人」や「モノ」を残していくことにより、「智恵」の理解を助けることにもなる。従って、河川伝統技術を保存していくためには、「人」、「モノ」、「智恵」を残していくことが重要であり、それぞれの特性に応じた保存の方策を考えていくことが必要である。

 2.現代の社会状況に合わせた活用

     河川伝統技術については現代においても、そのまま活用できるものも多くあるが、河川伝統技術が前提としている社会的な背景や制度等が変化しているため、必ずしもそのまま使えないものもある。この場合、河川伝統技術に込められた智恵や考え方を現代に合わせ、工夫していくことが重要である。また、河川伝統技術を活用する場合には、現代技術と同様に安全性、効率性、費用負担といった課題に留意することも必要である。

 3.地域の主体的な参加による保存・活用

     河川伝統技術は、今日の河川管理者である国、県等の領域だけにあるものでなく、むしろ地域や住民の側に多く含まれており、両者が連携して地域の河川伝統技術となっているものもある。従って、河川伝統技術の保存・活用に当たっては、河川管理者の手によるだけではなく、地域や住民の主体的参加と協力を得ることが重要である。





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