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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第4回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成14年11月15日


2.議事
河川整備基本方針について
(天塩川水系、富士川水系、大淀川水系)

(委員長)  本日は、委員の皆様には、御多用中のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  それでは、議事に入ります。前回は天塩川水系、富士川水系、大淀川水系の3水系の特徴と課題につきまして審議いただきましたが、幾つか宿題が残されておりましたので、まずはその点について事務局から説明をお願いいたします。
(事務局) ○○でございます。  前回の小委員会で幾つか宿題をいただいたわけでございます。それをまとめましたものがお手元の資料1でございます。全体にかかわる問題、各個別水系にかかわる問題、合わせまして九つの論点につきまして、その説明をいたしたいと思います。よろしくお願いします。  まず、1点目の「全般に関する事項」で、「これまで河川整備基本方針を策定した河川の人口や資産と計画規模との関係を整理すべき」ということでございます。次の資料2をごらんください。2枚つづりでございます。  ここに、これまでに河川整備基本方針を策定済みの13水系と今回対象としております3水系の治水安全度、計画降雨量、流域面積、流域内人口、想定氾濫区域内の面積・人口・資産・人口密度、流域内の主な都市と人口という形で整理させていただいております。  前回問題になりましたのは、大淀川は、現在の工事実施基本計画は70分の1なのになぜ今回の河川整備基本方針で 150分の1にするのか、それが全国的に見てバランスがとれているのかどうか、そのようなお話であったと記憶しております。  資料2を見ていただきますと、河川整備基本方針で治水安全度が 150分の1になっておりますのが、上から4番目の最上川、真ん中ほどの豊川、一つ飛びまして斐伊川、また一つ飛びまして白川、それから今回御審議いただいております最後の2行の富士川と大淀川で、多摩川が 200分の1、その他の水系は 100分の1という形になってございます。   150分の1水系で大淀川の位置づけを見てみますと、流域内人口、想定氾濫区域内面積、想定氾濫区域内の人口・資産・人口密度等を見まして、想定氾濫区域内の面積が72km2 と若干小さいと考えられる部分もございますけれども、流域内の主要な都市といたしまして県庁所在地の宮崎市、県の第二の都市の都城市も抱えているということで、他の指標につきましては今まで策定済みの 150分の1の河川と遜色がないと考えられますので、大淀川につきまして、今回 150分の1の水系としたいと考えているところでございます。  続きまして、資料1に戻っていただきまして、これも全般にかかわることでございますが、「各河川の現在の整備状況をわかりやすくすべき」ということで、どこまで堤防ができているのか、ダムなり排水機場がどれだけできているのかということでございます。  天塩川を例にとって申し上げますと、資料が飛びまして申しわけございませんが、資料6−1「基本高水等に関する資料」でございます。  これの12ページをお開きください。今回から新たに「河川管理施設等の整備の現状」ということで、堤防の完成堤防、暫定堤防、未施工区間、堤防不要区間といった区分けでおのおのの延長を示しますとともに、洪水調節施設として、ダム等の完成施設、事業中施設、今後必要となる洪水調節施設、それから内水排除等の排水機場で、河川管理施設あるいは許可工作物といった区分で各水系お示ししております。  それとともに、数字だけではどういう地先が完成堤防なのか、暫定堤防なのか、若干不明な部分がありますので、大きい地図としては袋の中に参考資料1−1から1−3に各水系の管内図がございます。それをもう少し縮小したものといたしまして、A3判の二つ折りでこの管内図を縮小した図面をつけてございます。ここで、先ほどの天塩川でございますと、資料6−1の12ページに対応いたしまして、完成堤防を黒の実線、暫定堤防を黒の破線、無堤(未施工区間)を緑の実線でお示ししております。  次に、今の管内図とも関係いたしまして、個別水系の問題点で、天塩川水系で「旧川毎の管理体制を整備すべき」という御意見がございました。大きいものでも小さいものでも結構なわけですが、管内図を見ていただきますと、河川改修によって、あるいは自然に捷水路ができた区間を示しております。現在の管理区分ごとに、捷水路によってできた旧川で現在河川に指定されているものをブルーのハッチつきでかいてございます。捷水路による旧川で現在は河川に指定されていないところはブルーの箱抜きでかいてございます。自然に短絡された旧川で現在河川になっているものはだいだい色のハッチがけになっております。自然短絡による旧川で河川区域になっていないのがだいだい色の箱抜きでかいてございます。  天塩川水系は、自然短絡も含めまして全体で二十数カ所ショートカットを行っております。人工的に行いましたショートカット、捷水路につきまして、従来は地元市町村と調整しながら河川区域を外して、いわゆる廃川処理をいたしましてやっているのが多ございます。この図面で申しますとブルーの箱抜きでございます。ただし、そうはいっても地元の市町村が廃川を受けない、廃川を要望しないというところは河川区域のままで、この図で言いますとブルーのハッチがけということになっております。  今後の河川管理の方針といたしましては、ショートカットをしてもできるだけ旧川は残して河川として管理していくという方向でございます。当時は、旧川敷と新しくショートカットする区間の用地を交換した方が経済的だという経済性な観点から、どちらかというとショートカットした旧川は廃川処理して払い下げるという方向でございましたが、現在の行政的には、できるだけ旧川を残していく、そういう方向で進めておるところでございます。  なお、天塩川につきましても、現在法河川となっている旧川の箇所につきまして、河川環境保全上の観点から水質等の調査を行って適正に対応していきたいと考えております。 続きまして、論点の4番目、天塩川水系のサロベツ川の治水対策について、放水路の案を検討対象から外した理由についてでございます。これにつきましては、資料3−1「支川サロベツ川の治水対策について」をごらんください。  1枚めくっていただきまして、左側の図がサロベツ川の流域の土地利用と浸水の実績でございます。緑の一点鎖線で囲った区域が国立公園区域になっております。だいだい色のハッチの部分が農地・牧草地として利用されている部分、だいだい色の塗りつぶしが家屋等がある部分でございます。こういう中で、昭和50年9月、56年8月という洪水では、特に56年8月洪水では一部家屋のところまで浸水が来ているということでございます。  このサロベツ川の治水対策を考えるに当たって、従来から大きく三つの方式が考えられております。それが右上の絵でございます。  まず、「放水路方式」と申しますのは、サロベツ川と天塩川の合流点に水門をつくりまして天塩川からサロベツ川への逆流を防止いたしますとともに、サロベツ川からの流量は放水路をつくって日本海に直接放流するという対策でございます。これだけでは浸水が防げませんので、赤でぐねぐねと「洪水防御堤」というものがかいてございますけれども、高さ1m程度の堤防を、人家あるいは農地・牧草地として利用されている範囲のところを守るというところで計画するものでございます。  他の案といたしまして考えられておりますのが、真ん中の図で「水門+防御堤方式」でございます。これは先ほどの放水路方式から放水路を除外した案でございます。天塩川からの逆流はサロベツ水門で防ぐとともに、サロベツ川の水位は洪水防御堤で防ぐということでございますが、放水路がございませんので、当然堤防の高さは高くなりまして、放水路案ですと堤防は1m程度でいいわけでございますが、真ん中の案ですと2m程度の堤防が必要になるという解析でございます。  3番目の案が「バック堤方式」という案で、一番右端でございます。これはサロベツ川と天塩川の合流点には何もつくらずに、天塩川からサロベツ川への逆流を全部許して、バック堤で人家、農地・牧草地への氾濫を防ぐという案でございます。こうしますとバック堤の高さが高くなりまして、高さ4〜5m程度の堤防が要るということでございます。  この三つの案につきまして治水上の効果、周辺への影響を比較いたしましたのが右下の案でございます。「対策の効果」ということで、「上流」と書いてございますが、これは地図で申しますと開運橋から上流の区間でございます。このあたりから上流は天塩川の背水の影響、バックの影響を受けませんので、3案とも差異はございません。開運橋から天塩川合流点までの区間につきまして「下流」と申しておりますが、河川の湛水時間、サロベツ川の高い水位の継続時間でございますが、当然放水路案の方が小さくて、天塩川の背水を直接導き入れます背水提案ですと長くなるわけでございます。それとともに、「内水への効果」と書いてございますが、家屋あるいは農地・牧草地等の区域の内水を排除するための効果といたしましては、放水路案の方がサロベツ川の水位が低うございますので内水の効果は大きくて、背水提案の方にいきますとサロベツ川の水位が高うございますので、大きなポンプが要るということでございます。  一方、対策による周辺への影響につきまして、周辺の地下水分断による湿原への影響につきましては、放水路方式ですと新たにサロベツ川から日本海に向けて放水路を掘ります関係上、湿原への影響が懸念されます。それとともに、洪水の放水を日本海に行うわけですから、濁水による海域・漁場への影響があるということでございます。  このような案を比較いたしまして、放水路案につきましては、従来の工事実施基本計画では検討の対象としておりましたけれども、今回の河川整備基本方針案では検討の対象から外したいと考えております。  具体的には後ほどまた御説明いたしますが、資料5−1の6ページに新旧の対比表がございます。まず、現在の工事実施基本計画では、最下の2行でございますが、「また、内水被害の著しいサロベツ川等の地域においては、放水路を含めて内水対策を検討の上、実施する。」ということで、具体的には、今説明しました三つの方式案の中からいいものを選ぶということでございました。今回御提案しております天塩川水系河川整備基本方針案では、下から4行目からでございます。「サロベツ川においては、地域の土地利用、湿原環境の保全等を考慮した治水対策を実施する」ということでございまして、放水路方式は除くということでございますが、具体的に先ほどの洪水防御堤なりバック堤をこのような形でつくるかどうかにつきましては、資料3−1に戻っていただきまして、延々とこういう長い堤防をつくるのか、あるいは一番下の右端にございますように、土地利用に応じて家屋の部分だけを輪中堤あるいは宅地かさ上げのような形で守っていくのかにつきましては、河川整備計画の段階で地元の意見もよく聞いて判断していきたいと考えております。 以上がサロベツ川の治水対策についてでございます。  次の問題でございます。天塩川の管理延長が非常に長うございます。幹川流路延長で 256kmございます。こういう中で出水時の水防をどうするのかということでございます。  確かに、延長が 256kmある中で、天塩川沿川の市町村の水防団員数は 1,260人でございます。ですから 256kmすべてを守ろうとするととても手が足りないということになりますので、今回、御指摘を踏まえまして、もう一度先ほどの資料5−1の「天塩川水系河川整備基本方針(案)」の7ページの上から2行目からでございます。「天塩川は、延長が長いことから背後地の状況を考慮し、重要水防箇所等を重点的かつ円滑に水防が行えるよう努める」ということで、背後地の重要性もかんがみまして水防の重点箇所をやっていくというふうにしたいと考えております。  以上が天塩川に関して主に御意見をいただいた論点でございます。  続きまして富士川についてでございます。「流域の土砂管理について整備をすべき」という御意見をいただいております。資料3−2「富士川水系の関係資料」をごらんください。1枚めくっていただきまして、2ページからが土砂動態を絵にした部分でございます。  まず、2ページが昭和41年から平成10年までの河床変動、砂利採取、海岸侵食、あるいは砂防ダム、発電ダム等にたまった土砂の量を整理した部分でございます。  2ページの左の上から2番目の図、「期間土砂変動量」というものが万m3 単位で書いてございます。各区分ごとに基準が違うので詳しく御説明いたしますが、期間土砂変動量の中で「富士川」と書いてある部分で、赤で− 4,626万m3 というものがございます。これが昭和41年から平成10年までの河床の変動量でございます。その下に黒字で 3,909万m3 と書いてございますが、これはその期間における土砂採取量でございます。ですから富士川の釜無川合流点、笛吹川合流点から下流におきましては、昭和41年から平成10年までに約 4,600万m3 の河床低下があって、そのうち砂利採取量は約 3,900万m3 であるということでございます。以下、釜無川、笛吹川についても同じ記述でございます。  それと、釜無川の上の方に「釜無川上流域堆砂量」、あるいは富士川の横に「早川上流域堆砂量」というものがございます。おのおの 512万m3 、 1,891万m3 でございますが、これにつきましては砂防ダム、発電ダムに堆砂された土砂の量でございます。釜無川上流、早川上流、両方合わせますと約 2,400万m3 堆砂しております。  それとともに、下の方の海岸のところを見ていただきますと、蒲原海岸と富士海岸でございます。富士海岸で御説明いたしますと、赤の− 1,016万m3 というものが海岸の侵食量でございます。その下の黒の76万m3 というものがその期間における養浜量でございます。ですからマクロに見ますと、富士川全体で41年から平成10年までに河床低下が、本川だけで申しまして約 4,600万m3 、砂利採取量が 3,900万m3 、海岸侵食が蒲原、富士海岸合わせまして約 1,100万m3 、上流の発電ダム、砂防ダムの堆砂量が約 2,400万m3 、そのような状況になっております。  これを年代別に見たものが次のページからでございまして、3ページが昭和41年から昭和50年にかけての変動量でございます。この間、先ほどの砂利採取量、昭和41年以降 3,900万m3 と言いましたが、昭和41年から昭和50年が砂利採取が最も多い時期でございまして、富士川本川で約 2,200万m3 の砂利採取が行われております。河床低下が約 2,800万m3 、富士海岸の侵食が約 1,400万m3 というふうに大きな値になっております。  4ページをめくっていただきますと、昭和51年から昭和60年にかけてでございます。この間は前の10カ年に比べて砂利採取量を半減いたしております。富士川ではこの間、砂利採取量が 約1,000万m3 となっております。河床低下量も約 1,400万m3 と半減しております。海岸につきましては富士海岸で−6万m3 ということで、ほぼ平衡状態になっているということでございます。ただし、この期間に昭和57年の大洪水が起こっております。  大洪水による突発的な河床変動につきましては、飛びますが、7ページでございます。昭和57年8月洪水による、ここでは「m3 」であらわせませんで河床の堆積・浸食傾向で書いてございます。ピンク系の色が堆積でございまして、ほぼ全川にわたって河床が堆積しております。特に早川で、赤でございますから平均的に+1mから+1m50の堆積がございます。こういうものも含めまして昭和51年から昭和60年におけるトータルを見たものが先ほどの4ページでございます。  もう一度戻っていただきまして、5ページでございます。昭和61年から平成5年でございます。この期間におきましても砂利採取量をその前の10年間に比べまして半減させております。富士川で砂利採取量が約 500万m3 でございます。河床低下も前の10年間に比べてさらに小さくなってきております。  最後、6ページでございますが、平成6年から平成10年にかけてでございます。さらに砂利採取量が減りまして、富士川では約 200万m3 でございます。海岸につきまして、富士海岸を見ていただきますと黒字の 458万m3 ということで、堆積傾向になってきているということでございます。  ざっと概観してみますと、砂利採取を多く行った時期に河床低下と海岸侵食が起こっておりますけれども、その後砂利採取量を少なくするにつれて河床低下や海岸侵食はおさまりつつある、海岸につきましては若干の堆積傾向にあるというのが現状ではないかと思われます。ただし、昭和57年の出水のようなことがございますと一気に堆積傾向になるという状況でございます。  今後の方向といたしまして、出水時の土砂災害を防ぐ砂防事業につきましては、平常時は土砂が流れる透過型の砂防堰堤にするということとあわせまして、河道の砂利採取も堆積箇所に限定して、河床を維持しながら河積を徐々に必要な部分拡大していく。そういう方向をとりながら海岸への土砂供給の確保に努めていきたいと考えております。  富士川につきましては以上でございます。  次に大淀川についてでございます。3点ございます。資料3−3をごらんください。  まず、水質の関係でございます。上流域の水質汚濁が下流域で改善されている点について、その原因が希釈なのか、河道の浄化なのかということでございます。  資料3−1の1ページに大淀川の水質の現状を書いてございます。平成11年度のBODの75%値と、かんがい期1/10渇水流量を書いてございます。上流の志比田橋ではBODで 2.8mg/lでございましたものが、下流の宮崎市のすぐ上流の相生橋ですとBODで 1.1mg/lに改善されている。この原因でございます。  もう少し詳しく解析しなければなりませんが、水質の現状だけから申しますと、相生橋の流量が1/10渇水流量で38m3 /sでございます。一方、志比田橋につきましては3m3 /sでございます。この間で流量が約35m3 /sふえております。ふえている流量の各支川の水質を見ますと、岩瀬川につきましてはBODが 2.5mg/lと若干悪うございますが、その他の支川の水質につきましてはBODが1mg/lあるいはそれ未満ということで、かなりの部分が途中からの流入河川の希釈だと想定されます。ただし、河道内の浄化の効果につきましては、もう少し詳しく流量の関係、流域からの汚濁負荷の関係も調べなければなりません。河道の浄化効果も期待されると思いますが、その辺は今後調査していきたいと考えております。  次に、大淀川水系の治水対策につきまして、今回、基本高水のピーク流量 9,700m3 /sを計画高水流量 8,700m3 /sにする。その手段があるのか実現性について整理すべきという御意見でございました。  2ページからでございます。まず、大淀川につきましては、基準点にきくダムといたしまして三つの既設ダムがございます。次の3ページを見ていただきますと、岩瀬ダム、綾南ダム、綾北ダムの三つの多目的ダムがございます。これらは現在の70分の1の工事実施基本計画対応で 500m3 /sカットできる効果を持っておりますが、今度 150分の1に上げますと雨が大きくなりますので容量が足りません。既設3ダムを現在の操作の方法のままでやりますと 9,700m3 /sを 9,550m3 /sまでしかカットできません。そこで、既設3ダムの操作ルールを見直して大きな洪水にきくようにいたしますと、 9,300m3 /sまで既設3ダムでカットできることになります。そうしますと 8,700m3 /sまであと 600m3 /sの調節が必要なわけですが、それにつきまして、8ページから「考えられる洪水調節施設の例」ということで、幾つかの案を考えております。  一つは既設ダムのかさ上げでございます。地形・地質的にかさ上げ可能な既設ダム、Aダム、Bダムにつきまして、5mかさ上げした場合、10mかさ上げした場合の基準点での洪水調節効果を試算いたしております。例えば5mかさ上げした場合、Aダムですと 250m3 /sのカット効果があるということでございます。  もう一つの方法といたしまして、既設ダムの発電容量を洪水調節容量に振りかえるということをC、D、E、F、Gの5ダムについて検討いたしております。おのおの振りかえられる容量に限りがありますので、ここに書いたような効果がございます。  三つ目の案といたしまして新規のダムをつくるということで、地質条件等からダム建設が可能なサイトで新規ダムをつくるということにいたしますと、H地点ではおおむね60m級のダムをつくれば 600m3 /sのカットができるということでございます。  4番目の案として、遊水地を考えまして、自然の地形を利用して遊水地をつくるといたしますと、本川で12カ所 904ha使いますと 145m3 /s の効果があるということでございます。  我々が今考えておりますのは、既設ダムの再開発、既設ダムの容量変更、新規ダム、遊水地、これらの中で、河川整備計画の段階で地域の意見を聞いて適当な組み合わせをしたいと考えておりますが、今回の河川整備基本方針レベルで概略検討いたしまして、これらのどれかを組み合わせればさらに 600m3 /s の洪水調節はできると考えております。  次に、大淀川で「内水被害の発生しやすい地域での開発行為について、その状況を整理すべき」ということで、宮崎市と都城市につきまして、過去からの開発の進行の状況と内水域の状況を9ページから整理いたしております。  まず、9ページが大正6年当時、大淀川の本格的な河川改修がなされる以前の宮崎市の周辺の状況でございます。赤で太く囲った部分が平成13年の市街化区域界、ブルーっぽく囲っている部分が内水浸水の常襲区域、黄色の部分がその当時の宅地でございます。  大正6年当時を見ますと、まだ宮崎市も非常に小そうございまして、高いところに市街地が立地しておって、内水のところには黄色の宅地は余り立地していないということでございます。それが昭和28年になりますと若干黄色の宅地が拡大して、内水の常襲地帯にもそろそろ市街化が進んできているという状況でございます。  11ページ、昭和56年当時を見ますと、大淀川の堤防際の内水区域まで宅地化が進行したということでございます。平成14年になりますと、川側にはもう市街化が拡大できなくて、今度は山側に市街地が拡大していっている、そのような状況でございます。  次に、都城市についても同様に大正6年から見ておりますが、宮崎市とほぼ同じ傾向でございます。大正6年当時は標高の高いところに市街地があって、河川沿いは市街地がございませんでしたが、昭和29年あたりからそろそろ内水域にも宅地が進出してきて、15ページ、昭和57年では内水域のかなりの部分が宅地化されているということでございます。昭和57年から平成6年の間、昭和63年に都城市は都市計画の線引き、市街化区域と市街化調整区域を分ける線引きを廃止しております。その間でどのように市街化が変わったかということでございますが、線引きを廃止したからといって、余り大きく市街地が拡大してきている状況にはないように思います。一部河川沿いで工業団地という形で、昭和61年、線引き廃止が昭和63年ですから、その前に開発された地域が拡大している部分もございます。  このような状況でございまして、既に内水域の宅地化がかなり進んできているということで、今後我々の対応といたしまして、河川整備基本方針の策定に合わせまして、浸水想定区域図の公表、浸水実績図の公表、内水による浸水想定区域の危険性の公表など、浸水しやすい地域の情報に努めてまいりたいと考えております。  それとあわせまして、今回の河川整備基本方針での内水排除の考え方でございます。資料3−3の17ページからごらんください。  17ページで、今説明しました宮崎市付近、都城市付近の内水流域を肌色で塗ってございます。今回の大淀川の河川整備基本方針では、内水域の安全度を30分の1、30年確率程度で床上浸水が防止されるという内水のポンプの排水量を見込んでおります。それが18ページでございます。  大淀川沿川で合計で計画想定ポンプ規模、475m3 /s を見込んでおります。このうち平成10年3月時点の完成ポンプが67.5m3 /s、実施計画済みのポンプが34m3 /sということで、 100m3 /s程度は計画あるいは既設になっているということでございます。  475m3 /sの内水排除ポンプができたといたしますとどうなるかということが次からの絵にかいてございます。  19ページは飛ばしまして20ページでございますが、平成9年9月洪水で見ますと、これらのポンプが設置されますと、平成9年当時あった床上・床下浸水戸数はすべて解消されるということでございますが、21ページ、都城市の部分では一部床下浸水が残るということでございます。それとともに、22ページ、平成2年洪水では、大分下流域の雨が多かった関係上、これらポンプを設置しても、内水はかなり解消されますが、まだ部分的に床上・床下浸水戸数が残るということでございます。こういう排水機場の整備とあわせまして流域での内水の対策も行っていきたいと考えております。  以上が前回御質問等をいただいたことへの御回答でございます。よろしくお願いします。
(委員長)  ただいま事務局から前回の宿題事項につきまして説明いただきました。この件につきまして御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。
(委員)  富士川で土砂採取を規制したら海岸侵食等もかなり抑えられたという話がありましたね。かなり敏感にきいてくるんだなと思うんですが、建設材料としての土砂採取をそういうふうに抑える事について、土砂採取の側からの要請みたいなものはどうなんでしょうか。そういうふうに抑えられる状況にあるのかどうか、その分が海砂の採取に回っているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
(事務局)  今データを持っておりませんので、印象的なところも含めて恐縮でございますが、砂利採取をさせてほしいという要望は非常に強うございますが、全国的に河床が下がり過ぎて護岸などの構造物にも障害を生ずるということで、それぞれの地域でどんどん採取量を減らしてきていまして、ゼロというところがほとんどになってきているのではないかと思います。したがって、もちろん採取する側には採取させてほしいという思いはありますけれども、実績としてこれだけ減らすことができたというところがあろうかと思います。  そういうことで川砂利が全国的に非常に少なくなってきておりますから、おっしゃるように海砂ですとか陸(おか)砂利というところに行っておりますが、御案内のとおり、瀬戸内海は環境の関係で海砂採取を禁止し、そろそろゼロになるはずでございます。そういうことで、総体としては陸(おか)砂利の方に流れているというのが今の状況というふうに承知しております。
(委員長)  よろしゅうございますか。
(委員)  結構です。
(委員長)  そのほかにございますか。  ○○委員は前回出席かないませんでしたが、今回出席していただきました。特に内水問題と都市計画の問題。綾委員は宮崎市の出身ということもあって、どう考えるのか一度御意見を伺いたいということでございましたが、地元市長としてお考えのことがあったらお願いしたいと思います。
(委員)  欠席したものですから前回の議事録を読ませていただいたんですが、宮崎のことにつきましてかなりの議論をいただいたということで感謝しております。あの中で、浸水被害地の都市計画といいますか、開発行為についての発言もございまして、大変耳が痛く聞いたわけです。  今、浸水地帯になっていますところは従来から市街化区域に入っていたわけですが、昔はそういうところに確かに家は建てていなかったんですけれど、宮崎市が県内で一番人口増の多い都市ということで、今ではそういったところがほとんど埋まってしまったということです。  加えまして、そういった低地も家が建つんですが、市の方針もありまして、山林、里山を開発したところも結構ございます。もちろん一時貯留のための調整池もつくるわけですけれど、実質それですべてカバーできなかったのか、低いところは宅地開発が入る、里山は削って開発が行われるということで、二重の意味で家屋の浸水被害が出るようなことを結果としては行ってしまったということで反省もしているわけです。近年、その対応ということで、市のつくっている大学等はグラウンドに一時貯留の施設をつくるとか、昨年ですか、初めて、これ以上開発を入れてはいけないということで、宅地開発が入った里山を2億 5,000万で買い取りをしたとか、下水道事業で雨水幹線並びに雨水排水ポンプ場の建設に取り組んでいるとか、いろいろ対策は講じているところです。しかし、広範な浸水地帯に相当の家屋が広がっている現状で、そのツケを内水排除に頼るのかと言われたら返す言葉がないのですが、抜本的には内水排除をやらざるを得ない河川が四つ五つございます。
(委員長)  ありがとうございました。  そのほかに御意見ございますでしょうか。
(委員)  何か私が無秩序な市街地開発を攻撃したように聞こえてしまって、ちょっと……。そんなつもりはございません。実態として全国的に至るところで起こっておるわけでありますし、都市河川問題は大部分がそれに起因すると思っておりますので、大淀川に限ったことではないと存じております。  先ほどの御説明なんですが、河川の現況につきまして非常に詳細な資料を出していただいて、ありがとうございました。おかげさまで随分よくわかるようになりました。  ついでですので一つ質問したいんですが、大淀川の水質の資料をいただきましたけれど、これですぐ計算できるのは負荷量ですね。この場で計算できちゃうんですけれど、その際に、前に申し上げたかどうか記憶がないんですが、都市近郊の河川はワースト幾つとか、例えば鶴見川がどうしたとか言われておりますけれど、BODというのはかなりいいかげんなものでありまして、有機物による汚染をはかるのが本当の姿であります。ですから有機物だけのBODで川の汚れを見るべきなんですが、今、国交省さんがおはかりのものは全BODといいまして、アンモニア分が硝酸に変わるときの酸素の必要量も一緒にはかっているはずなんです。そういうものをN−BODというんですが、T−BODをCとNとに分けていただくと、何を手を打てばいいかという姿がもうちょっとはっきりすると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。これではちょっとわからない。CとNとが分かれれば非常にはっきりすると思っておりますので、よろしくお願いします。
(事務局)  ○○先生のおっしゃるように、かなりの都市河川において、BODの問題、どういう形のものかということが課題になってきているわけですが、全部の川ではかっているわけではないわけですけれども、おっしゃるようにC由来、N由来という形ではかっているところもございまして、その中で特に鶴見川においては、硝酸性窒素というのは大きな問題になってきているというところまでわかっておりますが、今後さらにこういう勉強をしていきたいと思っております。
(委員)  大淀川の内水排除のポンプの御説明をいただきました。この資料によりますと 500m3 /s近いものを目指してこれから整備していくということでございますが、浸水実績図と比べてみますと、市街化区域内ももちろんでございますけれども、少し外れた農地にも相当浸水実績がある。そうしますと、都市内は30分の1でもその程度かなとは思いますが、現実問題として上流域の畑地に近いようなところをこれでできるんだろうか。そうすると規模想定そのものも妥当なのかなというふうに思ったんですけれど、いかがでしょうか。
(委員長)  これは農地も30分の1で計算しているということですか。
(事務局)  ここに今お示しして塗っているところでございますが、現実に家屋等が入っておりまして、田畑だけのところをここは示しておりません。
(委員)  そうなんですか。例えば下流地区の、どの例でもよろしいんですけれども……。
(委員長)  12ページ。
(委員)  19、20あたりがそうなんでしょうかね。20ですね。その中で合流点から上の方は、いわゆる市街化区域から外れているように私は思うのでありますが。
(事務局)  市街化区域からは外れております。
(委員)  ここは農地ではないんですか。
(事務局)  はい。確かに農地と家屋が混合しているところでありますけれども、考え方としては、住宅を内水から守るということで、その地域についての計画を立てております。農地だけのところについては今は考えておりません。
(委員)  そういうところでも30分の1でいけるんですか。
(事務局)  計画としてそのような見込みで行っているということで考えております。
(委員)  ありがとうございます。
(委員長)  30分の1で排水するということですか。
(事務局)  農地だけのところを排水することは想定しておりません。
(委員長)  −ということですね。都市については30分の1で排水する量を計画高水流量に見込んでいると。
(事務局)  30分の1で床上浸水しない程度の規模を見込んでいると……。
(事務局)  それは川に対する負荷として見込んでいるということです。
(事務局)  本川に入ってくる量として見込んでいるのであって、それで内水排除をやるかどうかは、もう少し詳細に各事業者が調査してやるということになります。  先ほどの19ページですと図面が小さ過ぎますので、同じ資料の12ページに戻っていただきますと、全部がないのですが、ここでブルーの線で囲ったところが19ページの部分に重なる部分があるわけですが、田んぼと住家が混在しているところの住家の床上浸水を防ぐという規模を考えているということでございます。
(委員長)  よろしゅうございますか。
(委員)  はい。
(委員)  30分の1というのは本川流量に対する影響ですか。浸水地域に対する30分の1の確率で床上浸水を防ぐ、こういう意味でしょうか。そうすると 150年に一度のときはどうなるんでしょうかという質問です。
(事務局)  いわゆる内水域に30分の1規模相当の雨が降ったときに床上浸水を防ぐということでございます。
(委員)   150年では浸水する。
(事務局)  降雨の継続時間のとり方と、合流の下で、雨の降る時差、到達時間の時差がございますので、 150分の1のものが降ったときに内水域が浸水するか、しないかというのは、パターンによって異なってきます。
(事務局)  30分の1で内水の方を設計するということは、ポンプの容量が30分の1相当ということになりますね。だから雨がたくさん降った場合でも少ない場合でも、ポンプが稼働して最大30分の1相当のポンプ能力の水が河川に負荷としてかかってきます。それを 150分の1とかいう川の方の立場では、内水排除による負荷量、入ってくる量をそういうふうに見込むわけです。それで川全体の外水の計画を立てるんですが、内水は内水で、 150分の1という高い目標を立てるのではなくて、30分の1程度の雨に対して、しかも床下浸水は許容しますが床上浸水は防ごうという規模でポンプを設計しようということなのですね。
(委員)  ありがとうございます。
(委員)  先ほど、都城で市街化調整区域と市街化区域の線を外したけれど余り変化がなかったという報告がございましたね。非常におもしろい例なので、ほかにもこういう例があったらお聞きしたいんですが、一般的に、そういう線を外しても余り急激に変わらないものなのかどうか。もちろん都市の勢いとか、都市の人口増の割合とか、都市化の変化のぐあいとか、地域によって違うかとは思うんですが、ほかにそういう例もあって、例えばこういう線引きを外した場合にはどれぐらいのタイムスケールで変わっていくかというのがわかっていたら教えてください。
(事務局)  まず、昭和63年の線引き廃止は、線引きを廃止しても市街化がむやみやたらに広がらないところについては線引きを廃止しよう。そういう趣旨で線引きが廃止されたというふうに記憶しておりまして、市街化拡大の圧力が強いところは市街化区域の変更などでやっていって、そういう圧力がなくて、言葉は悪いですが、地方都市で田園と住家が混在している中で市街化区域という線があることが地域の障害になっている、外しても無秩序に市街化は進展していかない、そういうところを線引き廃止したというふうに記憶していますので、都城のほかにどこがあったかは、調べてお答えしたいと思います。
(委員)  今の線引きのことですが、甲府盆地でも、今度都市計画法が改正になりまして、線引きを外してほしいという意見がございます。線引き制度も従来のように全く開発を抑えるという制度から変わってまいりましたので、白地と調整区域の間、いわゆる非線引き白地と線引きの白地の部分との間に余り差がなくなってまいりました。逆に言うともう少し厳しい規制もできるようになってまいりましたので、今後の行政の対応次第で開発規制の誘導の仕方が流域についてはできるのではないかと考えておりますが、現在のところは、将来の人口増がそれほど起こらないということもございますので、開発の圧力はそれほど高くないだろうというふうには見ております。  以上でございます。
(委員長)  それでは、まだいろいろ御質問があると思いますが、また次の段階でお願いすることにしまして、河川整備基本方針の本文の案を事務局で作成していただいておりますので、御審議をお願いしたいと思います。
(事務局)  それでは、まず、資料4をごらんください。「各水系の特徴と課題」ということで、前回御説明いたしておりますので、これを横に置いていただきつつ、天塩川から順番に河川整備基本方針につきまして説明してまいりたいと思います。  資料5−1が、天塩川水系工事実施基本計画と河川整備基本方針の案の対比表でございます。  目次がございまして、大きく1番が「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」ということで、「流域及び河川の概要」、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」がございます。2番として「河川の整備の基本となるべき事項」といたしまして、「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項」、「主要な地点における計画高水流量に関する事項」、「主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項」、「主要な地点における流水の正常な機能の維持をするために必要な流量に関する事項」という構成に基本方針はなっております。  めくっていただきまして、1ページからが本文でございます。  まず、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」ということで、 (1)で「流域及び河川の概要」ということで書いてございます。  2ページに移っていただきまして、特徴的な部分に下線を入れさせていただいておりますけれども、中ほど、「河川周辺には治水事業として実施した捷水路工事による多くの旧川(三日月湖)が残されており、これを活用した美深町の親水公園では、昭和の初期まで天塩川に数多く遡上していたチョウザメの増殖研究が行われている」とか、「カヌーポートが設置され、多くのカヌーイストたちに利用されている」という河川利用の特徴を書いてございます。  2ページの下の方から3ページにかけてでございますが、サロベツ川についてでございます。「利尻・礼文・サロベツ国立公園内のサロベツ川一帯は、ミズゴケ類によって形成された高層湿原を含む貴重な泥炭性植生を有しており、エゾカンゾウなどが咲き誇る原生花園には多くの観光客が訪れている」ということでサロベツ川のことについて述べております。  3ページの真ん中あたりでございますが、天塩川の名前の由来と、天塩川独特の、「テッシ」と申しますが、川の岩が梁のような形で河床内に出ている。その特徴をここで記載してございます。  3ページの下からは治水事業の従来からの経緯を書いてございます。  4ページに移りまして、中ほどから下が、河川水の利用の状況、水質の状況を書いてございます。  5ページに移りまして、河川の利用状況でございます。先ほどと若干ダブりますが、最後の方で、この川の特徴でございます「河口から 158kmにわたり堰等の横断工作物が設置されていないことから」ということで、カヌー等に多く利用されているという趣旨を書いてございます。  6ページに入りまして、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」でございます。  先ほど前回の宿題のときに御説明いたしましたサロベツ川についてでございますが、下の方の下線でございます。「サロベツ川においては、地域の土地利用、湿原環境の保全等を考慮した治水対策を実施する」ということで、前回からの「放水路を含めて」という「放水路」を外しております。  7ページに移りまして、上の方でございます。これも先ほどの宿題にございました延長の長い区間における水防の考え方でございますが、「背後地の状況を考慮し、重要水防箇所等を重点的かつ円滑に水防が行えるよう努める」ということを書いてございます。  同じく7ページの下の方でございます。河川環境の整備と保全に関してでございます。「天塩川を特徴づけるテッシやサロベツ湿原等の優れた自然環境の保全、天塩川らしい景観を構成する河畔林の連続性の確保、サケ・マスを始めとする魚類等の生息環境の保全、中下流部に点在する旧川における河川環境の保全に努める。」ということで、天塩川を特徴づける要素を保全していくということを書いてございます。  8ページに移りまして、河川の利用に関する部分でございますが、上の方で、「カヌー等の河川利用による、天塩川を軸とした縦断的な地域連携の支援を図る」ということが書いてございます。  8ページの下の方でございますが、維持管理に関する関係でございます。これも、延長が長いということで多くの樋門、内水排除施設等の河川管理施設を有しますから、「常にその機能が発揮できるように巡視・点検・補修」を行うということと、「操作の確実性を確保しつつ高度化・効率化を図る」ということを書いてございます。  9ページからが「河川整備の基本となるべき事項」で、1番が「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項」でございます。  表で見ていただいた方がよくわかると思います。10ページが各地点の基本高水のピーク流量、洪水調節施設による調節流量、河道への配分流量でございます。  工事実施基本計画の流量につきまして前回御説明申し上げましたけれども、流量確率での妥当性のチェックと実績降雨・洪水での妥当性のチェックを行いまして、おのおの妥当と判断されましたので、天塩川につきましては、基本高水、河道への配分流量は前回の値を踏襲したいと考えております。  11ページが計画高水流量に関する事項でございます。  13ページが「主要な地点における計画高水位及び川幅一覧表」でございます。ここで、同じ地点でございますが、計画高水位が10cm変わっております。これは測量のもととなります一級水準点の変動によるものでございまして、計画高水位を変えたということではございません。  14ページが流水の正常な機能を維持するための流量ということでございます。利水の現況、動植物の保護、景観等を考慮し20m3 /s とするということで、前回と同様でございます。  以上が天塩川の河川整備基本方針の主要な部分でございます。  次に富士川についてでございます。同じく資料4の2ページ目に「富士川水系の特徴と課題」がございまして、資料5−2が本文でございます。  ページを2枚めくっていただきまして、1ページから富士川水系の「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」の「流域及び河川の概要」の部分でございます。  1ページの下の方でございます。「流域の西側を(中略)大断層糸魚川〜静岡構造線が走っている。このため、流域は極めてもろい地質構造になっており、崩壊地が多く、豪雨とともに崩壊土砂が河道に流出し、流れの緩やかな所に堆積している。」。構造線が走っていて地質がもろいという特徴を書いてございます。  3ページに移りまして、急流河川で昔から水害に悩まされてきたということを書いて、独自の信玄堤や万力林、雁堤といった伝統的、歴史的な治水工法がなされてきているということを書いてございます。  4ページからが近代に入ってからの富士川水系の治水事業でございますが、真ん中ほどに昭和57年8月洪水の話を新たに追加してございます。堤防の洗掘、内水、無堤地区の浸水等があるとともに、東海道本線富士川鉄橋等の橋梁の流失も発生して、崩壊土砂が河道に流出し、著しく堆積したということを書いてございます。  5ページが河川水の利用でございます。二つ線を引いておりますが、「中流部の発電用水は、富士川水系に戻らず直接駿河湾に注いでいる。」といったことや、「天井川を形成している上流部では、渇水時において河川水が伏没し瀬切れを起こしている。」といった状況を書いてございます。  6ページに移っていただきまして、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」でございます。  真ん中ほどのことでございますけれども、まず、先ほどの土砂管理に関しまして、「出水時における流域からの土砂流出が顕著であるという河川特性を踏まえ、砂防事業とあいまって土砂流出量の抑制及び河道の安定のための適切な対策を実施していく」ということを書いてございます。それと、治水対策を行う上の富士川固有の伝統治水工法の活用を図っていくということをその下の方の下線で書いてございます。  7ページに移っていただきまして、河川水の利用に関してでございます。先ほどの瀬切れ等を起こしている、あるいは発電用水がバイパスされたまま海に行っているということもございますので、「河川水及び河川水と関連の深い地下水の調査・研究を継続して行い、富士川の水量の実態を明らかにし、(中略)流水の適正な利用が図られるよう努める。」ということを書いてございます。  8ページに移りまして、河川環境の整備と保全に関して等でございますけれども、先ほどの信玄堤、万力林、雁堤等に代表される伝統的治水施設を後世に継承していくということを書いてございます。  9ページに移りまして、河川の維持管理についてでございます。ここでも、上の方の線でございますけれども、「雁堤等の伝統的治水施設を含む堤防、樋管等の河川管理施設については、常に良好な状況に保持しその機能を確保するよう維持修繕に努め」るということを書いてございます。  雁堤につきましては、昔、富士川はそのあたりで、扇状地でございますので流路があちこち行っておったわけでございます。雁堤で流路を固定いたしまして今の富士川の河道になったわけでございますが、雁堤が切れますと今の富士川の東側は非常に大きな水害をこうむる。それを防ぐために古郡三代が苦心してつくった堤防でございます。昭和57年洪水でもその堤防のあたりまで出水があったということも含めて、これらの伝統的治水施設が現在も河川管理施設の機能を発揮いたしておりますので、良好な状態を保持していきたいということでございます。  下の方は土砂管理の話でございます。「海岸への土砂供給の確保の観点も含めて安定した河道の維持に努めるとともに、上流から海岸までの総合的な土砂管理の観点から(中略)土砂移動に関する調査・研究に取り組む」ということを書いてございます。  10ページからが「河川整備の基本となるべき事項」でございます。  まず、「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項」でございます。富士川につきましても、前回御説明いたしましたが、現在の工事実施基本計画の流量の妥当性を検証いたしまして、新しい河川整備基本方針でもその値を踏襲したいと考えております。ということで、10ページ、11ページ、12ページ。12ページも、同じ地点でございますが、水準点等が変動したことで計画高水位は若干数字的に変わっておりますが、実態上は変わっておりません。  13ページ、流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関する事項でございます。先ほどの発電バイパスの問題、河川水の伏没等の問題もございますので、「流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、河川及び流域における諸調査を踏まえ、水循環機構の実態を明らかにしたうえで決定する」ようにしたいと考えております。  以上が富士川水系でございます。  次に大淀川水系についてでございます。同じく資料4の3枚目が「大淀川水系の特徴と課題」でございます。資料5−3が本文でございます。  1ページからが「流域及び河川の概要」でございます。  2ページに移っていただきまして、下流部の特徴でございますけれども、「瀬や淵が交互に見られアユの産卵場が多数存在している」ということや、「汽水域ではコアマモ群落が分布して、その周辺に国内固有種のアカメが生息している」とか、「河口付近ではアカウミガメの産卵が見られる」という大淀川の特徴を書いてございます。  2ページの中段から下にかけては治水事業の沿革を書いておりますが、3ページに移っていただきまして、近年の出水を追記いたしております。下線が引いてございますが、「昭和57年8月、平成5年8月、平成9年9月という、計画高水流量と同程度またはそれ以上の洪水が発生して甚大な被害が頻発している」ということを記述いたしております。  3ページの下から4ページの上にかけまして、水質の関係で、上流地域と下流地域が一体となった水質浄化への取り組みということで、「大淀川サミット」が行われているということを書いてございます。  そして4ページの河川の利用状況で、中段あたりでございますが、宮崎市では「観光宮崎」のシンボルになっている橘公園を初めとして公園が整備されているということ、それから、先ほどの「大淀川サミット」と関連いたしますが、「『大淀川をきれにいする統一条例』が制定され、河川浄化と河川愛護の推進に務めている」ということが書かれております。  4ページの中段から下が「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」でございます。  5ページに移っていただきまして、中段あたりでございます。先ほど御説明いたしました内水対策の考え方でございますが、「近年多発している内水被害においては関係機関と連携を諮りながら対策を進めていく。」と記述してございます。  5ページの下の方からが河川水の利用に関してでございます。  6ページに移りまして、河川環境の整備と保全に関してでございます。線が引いてございますけれども、「照葉樹林帯の中にある大淀川流域の良好な自然環境、「観光宮崎」のシンボル的な河川である大淀川を次世代に引き継げるように保全・復元に努める」ということと、魚の関係で、「スズキが中流淡水域まで遡上している川の連続性、アカメやそれらの稚魚の生息の場となっている河口部のコアマモ群落、アカウミガメの産卵場となっている河口部の砂浜、ミサゴ、サギ等多くの鳥類が生息しタブノキ等の河畔林で囲まれた丸島、アユの生息環境となっている瀬・淵の保全に努める」ということを書いてございます。  中段ほどでは、流域との関係で「大淀川サミット」のことを書いてございます。  8ページに移りまして、「河川の整備の基本となるべき事項」でございます。「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設の配分に関する事項」で、前回の工事実施基本計画は安全度70分の1で、基本高水のピーク流量 7,500m3 /sでございましたが、大淀川の持つ流域内の人口・資産等の重要性と近年発生している大きな洪水にかんがみまして、安全度を 150分の1に引き上げて、基本高水のピーク流量は 9,700m3 /s。そのうちダム等で 1,000m3 /sを調節いたしまして、河道への配分流量を 8,700m3 /sにするということでございます。  計画高水流量につきましては図で見ていただいた方がいいかと思います。10ページが計画高水流量でございます。下流の基準点柏田で 8,700m3 /s、上流都城市の方の岳下で 1,000m3 /sの計画高水流量でございます。  12ページは計画高水位でございます。大淀川におきましても、基本的に洪水時の計画高水位を上げないということで計画高水位を設定しております。ここでまた、同地点であるのに数字が少しずつ前計画と変わっているのは水準点の変動のせいでございまして、計画高水位を上げているということではございません。  次に13ページでございます。主要な地点における流水の正常な機能を確保するための流量でございます。高岡地点で過去33年間の平均渇水流量が34m3 /sという実態も踏まえ、動植物の生息・生育及び漁業の観点から必要流量をおおむね26m3 /sにしたいということでございます。  なお、動植物、漁業につきましては、先ほど特徴でも述べましたスズキが淡水域まで遡上してきている。そのスズキの遡上等に必要な流量ということでおおむね26m3 /sを定めております。  以上でございます。
(委員長)  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局の説明を含めまして、御質問あるいは御意見を賜りたいと思います。
(委員)  天塩川についてですけれども、資料5−1、14ページでございます。この中で、流水の正常な機能を維持するため必要な流量20m3 /sということでございます。これに付随しまして、測定地点においてこの数字は妥当だと思います。しかしながら、先ほど特徴と課題の中でありました岩尾内ダムは昭和46年にできたダムでございます。そのダムのある朝日町から士別までの間におきまして、ダムからの放水ですね。流量の正常な機能を維持するための水がございません。そのために完全な渇水状態にある。発電が起きた段階においてやっと水が出てくるという現状がございます。ですから、美深橋地点における20m3 /sのほかに、岩尾内ダムの管理にあります、そちらの方におきましても最低の維持流量というものを示していただければと思います。  次に、天塩川の高水の問題も一つお願いしたいと思います。  高水の問題につきまして、資料6−1。飛びますけれども、わかりやすい方でお願いいたします。8ページ、「高水処理計画」というところでございます。ここに3案出ております。1引堤案、2河道掘削案、3までございます。この部分におきまして、「天塩川の水系の特徴と課題」というところで、サンルダム、平成5年着手という部分でございますけれども、先般行っております天塩川流域懇談会の中で、サンルダムに対する住民の意見が十分にくまれていないというような部分がございます。その部分につきまして先送りしているというのがございまして、これから計画段階で具体的に意見を聞いていこうというような状況がございます。そういうものに対応するためにも、高水処理計画、この3案では不足ではないかと思います。例えば遊水地案、岩尾内ダムによる対策等いろいろ考えられるかと思います。住民の意見を聞いていきますと、サクラマスの対策等かなり難しい部分が結構出てきますので、その辺の対策としまして、高水処理計画、この3案では不足ではないかと思います。  以上でございます。
(委員長)  ただいまの御質問といいますか、御要望かな。事務局から御意見がありましたらお願いします。
(事務局)  まず、流水の正常な機能の維持のところの地点の記載でございますけれども、我々といたしましては、既存の流量資料が十分得られている地点、全体の利水あるいは環境に大きくかかわる地点を選んでおります。ただし、ダム下流の無水区間−確かに岩尾内ダムは発電の35m3 /s を通じて利水補給もやっていたかと思いますが、下流の無水区間等の解消につきましては、これまた個別の発電水利権あるいはダムの利水放流のやり方等の中で検討していきたいと考えております。  それから、高水処理計画の比較代替案が引堤、河道掘削、堤防かさ上げしかないではないかということでございます。確かにサンルダムの位置づけは、この河川整備基本方針が決まりましたら、今度は現地の河川整備計画の段階で地域の住民の意見も聞いて決定されることになります。そういう関係で河川整備基本方針本文では「サンルダム」という名前は出ておりませんが、資料6−1の中で、いかにもサンルダムを前提としたような代替案の書き方になっているということは、御指摘を踏まえまして検討していきたいと思っております。
(委員)  お願いいたします。
(委員長)  よろしゅうございますか。
(委員)  はい。
(委員長)  そのほかにございますか。
(委員)  関連してお伺いいたしたいと思いますが、まず、書きぶりのことで申しわけないですが、最初の14ページ。○○委員も御指摘になりましたが、環境流量の説明の中に、従前は「流水の清潔の保持、漁業等」という、今案ではこの部分が落ちておりますが、この辺の書きぶりがどうしてこんなふうになるのか、御説明いただけたらと思います。  それから、今のサンルダムの話でございます。「サンルダム」の文言は6ページと9ページに2カ所出てきております。今の御説明ですと流域委員会で地元で協議してということでございますが、既に着工しているダムということを考えますと、もう少し踏み込んだ記載があってもいいのかなという気もいたします。  それからサロベツに関連して、6ページの一番下のところで、「放水路」を落とすという御説明は十分にわかりましたが、一番下の在来の文章には、「放水路も含めて内水対策を検討の上、実施する」となっております。新しい案では別立てになっておりまして、「必要に応じ内水対策等を」という文言ですけれども、これはサロベツ川に限らず全域というふうに私には読み取れる文章でございますが、そう理解してよろしゅうございましょうか。
(事務局)  まず、資料7−1「天塩川水系河川整備基本方針 流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する資料」の11ページをごらんください。  正常流量の検討総括表ということで、八つの項目につきまして必要流量を算定しております。そのうち、細かく言いますと19.7m3 /s、おおむね20m3 /sが決定になったわけでございますが、決定の根拠となりましたのが動植物の保護、景観ということで、それを書いてございます。流水の清潔の保持上必要な流量は18m3 /sということで、その中に入っているということで、表現上では「景観等」の「等」に入っているという理解でございます。  それから6ページの内水対策の表現でございますが、改行いたしております。下から2行目でございます。「併せて、必要に応じ内水対策を実施するとともに」というのはサロベツ川のみにかかわる話ではございませんで、上の段落の天塩川全体にかかってくる内容でございます。  それから、本文にサンルダムが出ているではないかという御指摘ですが、現行の工事実施基本計画では出ておりますが、新しい河川整備基本方針では記述してございません。
(委員)  それは承知してございますが……。
(事務局)  実際もう建設に入っているから載せるべきではないかと。
(委員)  そうでございますね。もちろん地元とのいろいろな協議はこれからも継続されるはずでございますけれども、既に着工しているダムについても、まだここには書き込まない方がよろしいという御判断でございましょうか。
(事務局)  他の水系もそうでございますけれども、河川整備基本方針では、完成したものは記述いたしますけれども、事業中、計画中のものは河川整備計画の中で位置づけるという整理にしております。
(委員)  はい。
(委員長)  そのほかにございますでしょうか。
(委員)  全般に非常によくできて、川の個性が生かされる基本計画になっていると思うんですが、天塩川についてはいろいろあります。一つは、サロベツ湿原というのは環境の面での一番のキーワードだと思うんですけれど、放水路計画をやめるという消極的な方策は考えられているんですが、天塩川の河川整備計画の中でサロベツ湿原の保全のためにどういうことができるかという視点が考えられないかというのが希望です。  もう一点は、天塩川でもう一つ我々にとって非常に興味深いのは旧河川です。旧川が、本川から切れて残っている。これの保全を図るということをおっしゃっているんですけれど、切れてしまった旧川は、ほうっておけば、水質の悪化であるとか、遷移が進んで埋まってしまいます。そういう意味ではある程度手を入れる、あるいは本川と再びつなぐということを考えることも含めた、保全じゃないですね、再生に近いようなことを考えないと残っていかないものだと思うんですが、その2点はどうお考えでしょうかということです。天塩川についてはそれだけでございます。
(事務局)  まず、サロベツ湿原でございますが、7ページには「サロベツ湿原等の優れた自然環境の保全」と書かれておりまして、「保全」という言葉の広さになるかもしれませんが、河川整備基本方針のレベルでそこまで具体的には書けないわけですが、今後必要性に応じて、サロベツ湿原が今どう乾陸化してきているのか等さまざまな調査の結果ですね。上流の負荷の問題なのか、土砂の流入の問題なのか、あるいは土地利用の問題なのか。さまざま検討した結果、保全の具体策が例えば整備計画の中で議論されるかもしれませんし、その後の具体的な事業で対応されるかもしれませんが、そういったものもすべて含んだ形で「保全」という言葉でさせていただいているというふうに御理解いただければと思います。  もう一つの旧川の方も同じ立場でございまして、「保全」という言葉は非常に広い言葉でありますが、おっしゃるように水質の問題、埋没問題、いろいろ出るかと思います。さらには、積極的にどう河川管理に生かしていくかという意味でも、今後河川整備計画の中で、水質保全のために役立つ面もあるかもしれませんし、あるいは遊水効果も、ある意味では量に表現できないものであるかもしれないし、自然環境としての価値もあるかもしれない。そういったことを含めて総合的に天塩川全体の河川管理にどういう効果があるか。そこも含めて河川整備計画レベルで議論がもちろんできますし、その後の管理の中でいろいろな方策はあると思いますが、河川整備基本方針では「保全」と書いておけば、今後それに引き続いていくと、こういうふうに考えているところでございます。
(委員)  そういう御理解があるということで結構だと思います。ただ、旧川もサロベツ湿原も含めて、洪水などによる一定程度の撹乱というものが広い意味での「保全」の中に含まれていることを、これは全く蛇足だと思いますけれども、御理解いただきたいと思います。
(委員長)  そのほかに。天塩川以外でも御発言をお願いします。  ○○委員はせっかく資料もお持ちですし、大淀川についてのお考え等ございましたら、御意見を発表していただければありがたいと思います。
(委員)  大淀川について特徴的なのは、流域の16市町村で「大淀川サミット」というものをつくりまして、一時期、大淀川のBODですか、いろいろ議論がありましたが、河川浄化を流域全体で考えるということで取り組んでいるのは全国でも珍しいケースだと思います。それぞれの市町村で取り組むべきこともあるんですが、資料としてお配りいたしましたのは、宮崎市としてはこのような、国土交通省さんに「水辺の楽校」の建設に対してご協力をいただいたりしたものですから、市といたしましても大淀川学習館というものを拡充増設しまして、週5日制になったものですから、子供たちの生涯学習の場として、大淀川を教材にして環境を考えるということで、ユニークな取り組みをいたしているところでございます。
(委員長)  ○○委員、この前幾つか御注文がありましたけれど、いかがでございましょうか。
(委員)  大変対応されていて、私としては申し上げることはありません。
(委員長)  天塩川の管理と富士川の土砂の問題、大淀川の内水の問題等いろいろ御指摘がありましたけれど。
(委員)  これで結構だと思います。
(委員)  これも既に書いていただいているのですが、大淀川水系のアカメでございます。これはラテス(Lates)、アカメ属という魚で、スズキの特殊なグループです。世界的な分布を見ますと、たしかアフリカの五大湖、オーストラリア周辺、それから南米の一部にいたはずです。一番北にいるアカメが我々日本の目の前に触れるアカメで、これは典型的なゴンドワナ大陸の遺物である魚なわけです。そういう意味で生物進化史的に言いますとかなり重要なグループで、しかもそれの北限の生物だとお考えいただきたい。しかも日本国内でも非常に分布域が限られておりますので、これのいる大淀川と、多いのは四国の仁淀川。ここの地域のアカメの保護はなんとしてもやっていただきたい。これは宮崎市の御協力がないとできません。  ちなみに、アカメという魚は非常においしい魚で、日本国内でなかなか食べることはできないんですが、ふえたときにはぜひ日本のアカメを食べたいと思っております。(笑声)
(委員)  富士川の利水の関係で、5ページに利水の紹介がありまして、13ページに維持流量の関係が書いてあるんですが、質問は、旧計画では上水道用水及び工業用水のことが書いてあるんですが、新の方は農水と発電用水だけの記述になっております。一方、13ページを見ますと、ここには水道用水、工業用水の水利権量が書いてあるんですが、5ページで何で水道用水、工業用水が落ちてしまったのでしょうかという質問です。
(事務局)  特に落としたという他意はないんですが、富士川の特徴である上流部の扇状地における取水状況であるとか、中下流部における発電であるとか、そういった特徴的なところを書いたことでございます。
(委員)  あっても差し支えないですよね。
(委員長)  これはどうしましょうか。
(事務局)  書いても差し支えないので、現状というところでございますので、具体的には「水利用の現状」というのが参考資料2−2「富士川水系の流域及び河川の概要」にございます。その5−1ページをあけていただきますと「水利用の現状」がございまして、その下にそういった実態が書いてありますが、特に差し支えないものでございます。
(委員)  計画書になくていいのかなという意味です。
(委員長)  仕上がりのときは、ちょっと研究してください。
(事務局)  検討して修文させていただきます。
(委員長)  ○○委員、御意見を賜りたいと思いますが。
(委員)  前回質問したことはすべてよくわかりましたので、これで結構です。
(委員長)  先ほどもありましたサロベツ川の「撹乱」というものをどの程度に河川関係の技術屋さんは考えたらいいのかなと。とにかくできるだけ洪水を氾濫させないというのが、湿原に限っては降った雨がたまるのは当然として、本川の水も場合によってはあちらにあふれていくことも確保するというか、そのくらいまでは「撹乱」の中に考えていいのかどうか。
(委員)  そうだと思いますね。先ほど御説明があったんですが、何というんですかね、長いぐにゃぐにゃという堤。高い場合には3mにもなるような、ああいう堤をやるだけではなくて、地域と話し合って、輪中にするとか、かさ上げするとか計画の段階でそこも考えたいと言っていたので、そのときに○○さんの御意見を反映させていただいたらいいんじゃないでしょうか。
(委員長)  ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、まとめさせていただきたいと思いますが、きょうは事務局から一挙に御説明があったものですから詳細な点については落ちもあろうかと思います。本日の御議論を踏まえて、また、それぞれお持ち帰りの節はさらに詳細に、それらを点検した上で事務局に御意見を寄せていただいて、御意見の中で抜本的に考え直さなければいけない場合は別として、その都度、あるいは持ち回りで皆さんと御相談もさせていただきたいと思いますが、本日の議論を踏まえて私と事務局において河川整備基本方針案を取りまとめて、なおかつ各委員に御確認をいただいた上で河川分科会に御報告したいと思います。  この件につきまして私に御一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。               〔「異議なし」の声あり〕
(委員長)  ありがとうございます。  それでは、そのようにさせていただきます。  各委員には、本議題につきまして、限られた時間の中で熱心な御審議、御議論をいただき、また、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。特に審議対象の3水系の関係委員として御参加いただきました○○委員、○○委員、○○委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。各河川の実情を踏まえて貴重な御意見、御助言をいただきまして、ありがとうございました。  他の委員の方々には、また別の水系の審議の際に御参加いただくことになりますが、よろしくお願いいたします。  最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の御確認を得た上、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することといたします。  本日の議題は以上でございます。
(事務局)  ありがとうございました。





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