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河川局

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第9回河川整備基本方針検討小委員会
(議事録)

平成16年3月17日


2.議事
石狩川水系河川整備基本方針について

(委員長) 本日は、委員の皆様には御多用中のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、議事次第に沿いまして、石狩川水系の河川整備基本方針について審議をいただきたいと思います。
 事務局から説明をお願いいたします。
(事務局) 御説明させていただきます河川計画課長の○○でございます。座ってさせていただきます。
 きょうは盛りだくさんの資料をお配りして大変申しわけございませんが、状況としましては、4枚目ぐらいの紙に資料の目次というのがございました。その中で資料の1、2は全般的なお話でございますが、資料3は「石狩川水系の特徴と課題」というので、少し画像を使いましたものと資料で用意しましたもので、なるべく簡潔にお話をさせていただきます。
 その後に、実はこの前の委員会でも御議論がございました河川整備基本方針と河川整備計画の書き方といいますか、これがある程度、河川整備基本方針も20ぐらいできてきているところでございますので、もう一回きちんと見てみようということで、そのことも意識いたしまして、資料4として幾つか基本方針と整備計画についての対比したものを用意してございます。石狩川につきまして、特に、ここでの比較ということでございますが、少し全国的なことも意識いたしまして、ここをモデルケースとして本日は御議論をお願いしたいと思っております。あとは、時間の関係等で後日の審議を中心にさせていただきたいと思っております。
 最初に、ちょっと画像をごらんいただきたいと思います。皆さん御案内かと思いますが、石狩川は北海道の面積の6分の1、人口の2分の1がこの流域の中に入っている、北海道のまさに中心的な川でございます。
 幾つかの支川がございまして、今出ています雨竜川でございますとか、空知川ですとか、幾春別川、それからだんだん下りまして夕張川、それから千歳川。このぐらいまで低平地がございます。それから、ちょっと変わった河川ですが、少し急峻なところに豊平川という川がありまして、札幌市の中を流れている川でございます。
 石狩川というのは、もともと――今見ていただきますのが、明治8年の地図ですが――非常にたくさんの蛇行をしてございました。黄色いところが、泥炭地帯でございますけれども、そういう特徴を持っている中で、非常に地盤が悪いということで、堤防をつくりましても、それが壊れましたり、施工機械なんかもそれによって被害を受けていたところです。
 今、明治37年の浸水の地図が出ております。それから捷水路。これまでは、捷水路というか、蛇行をカットいたしまして、水位を下げることによりまして、周りの湿地帯を使える土地にしていくと、当初農地が中心でございますが、そういった歴史がございます。
 明治30年は、このような湿地、農地の状況でしたが、昭和30年はかなりの部分が農地になり、札幌その他のところでは市街地になっています、それが現在に至りまして、さらに市街地の拡大がなされてきているという状況でございます。
 流域内の人口は、今見ていただきますようなことで、増加をしてきております。
 最近では、特に昭和56年の洪水が過去の中でも一番大きいでものでございましたが、ご覧のような被害も出てございます。
 上流から見てみますと、一番上流の方、源流の方には大雪ダムというダムがございまして、これは洪水や水道用水、発電その他の多目的ダムでございますが、こちらからだんだん下流へ下りまして、景勝地でございます層雲峡を下ります。
 この山合いの渓谷を下りますと、上川盆地に入ってまいります。上川盆地の中心は旭川市でございます。このあたりぐらいから、そういう市街地の多くが広がってございまして、ここに牛朱別川とか流れていますが、この辺の水害等の関係もありまして、つい最近、永山新川という放水路をつくって、牛朱別川の水を石狩川に安全に流すということの対策が行われてきているところです。昭和45年の浸水した場所が青く塗ったところでございます。これをさらに上川盆地において、幾つかの川を合流いたしまして渓谷部に入ってまいります。
 ここは上川地域の基準点、伊納でございます。この下が神居古潭という神の住む場所ということで、古くからアイヌの聖地と言われるところがこの渓谷にございます。観光地にもなっております。
 この渓谷を下りますと、これから石狩平野の非常に広大な土地の中をずっと流れていきます。先ほど言いましたが、昔はたくさん蛇行していた河川でその跡の旧川が少し見えます。一つは人工的に水を下げてきた治水事業によるものもございますが、自然に曲がり過ぎてつながってしまうということもたくさん見られております。
 大きな支川で雨竜川というのがございますが、この一番上流の方に朱鞠内湖、人工の湖としては一番大きな湖でございます。昭和63年には、この雨竜川のところでも、青で見ていただくようなところで浸水被害が出たりしております。
 こういうふうには、一つは溢れますものと周りの水がはけないというところで、全体的にうっすらと広がるような浸水がこのあたりは多うございます。
 ここも雨竜川の捷水路ということで、本川をショートカットしまして全体の水位を下げる、早く洪水を流すというような方法が取られてきてございます。
 これから下がりますと滝川市に入っていきます。ここはちょうど空知川の合流点でございますが、このあたりの交通その他の要所でございます。そこに入ってきて、空知川というのは、上流の方から金山ダムとか、滝里ダムというものがございます。金山ダムは古くからのものですが、滝里ダムの方は最近つくられました。これらが洪水の調節、それから水源の確保に役立たせています。また、付近は、幾つかのこういう土地を利用しまして遊水池、ダムではなくて、平地のところで水をためるというような事業も砂川その他で行われております。
 たくさん見ていただきますと昔の蛇行河川の跡が残ってございます。これらが今、いわゆる三日月湖というものになってございます。
 今見ていただいていますのは、三日月湖ではございませんが、湿地とか沼もございまして、野鳥の飛来地になっています。
 昭和56年には、石狩本川から千歳川のあたりが非常に大きな水害を及ぼしておりまして、今の青で塗りましたようなところが大きな被害を受けてございます。
 さらに下りますと、幾春別川が合流してまいります。それから夕張川の合流付近で、昭和56年のときは、写真で見ていただいていますような、全川あちこちオーバーフローして、越流して破堤する、堤防が壊れ、さらに溢れるということが起きておりました。これは堤防を強くするという一つの課題にもなってございます。
 さらに下がってまいりますと、江別市の方に入ってございますが、ここには千歳川という川が、これは後でまた詳しく説明いたしますが、これは川の勾配、高さと左側が距離でございます。非常にゆるい川でございますので、上流の方までゆったりとして流れています。その分、石狩川本川の水が高いと流れ出ないというのがありまして、昭和56年の水害のときも、今ごらんいただいているような、あちこちで大変な被害を受けております。
 この千歳川の合流から下、石狩大橋というのがございます。ここは石狩川の全体の基準点、ここで一つの計画の中心的なポイントとして見てございます。下りましたところから、左側から豊平川という川が流れ込んでおります。見ていただきますように、札幌のちょうど真ん中を通過するという川でございます。上流には定山渓ダム、豊平峡ダムというのがございます。川の勾配で見ていただきますように、札幌市街地でも相当急峻な場所でございます。この二つのダムは、札幌市の90数%の水はこのダムでまかなわれております。
 急峻な河川でございますから、昭和56年のときも、先ほどのほかの川と違って、三角の波が出るような非常に強烈なエネルギーで、このような周りをえぐっていくような被害、ちょっとほかの河川と違う形の被害が多く発生してございます。
 また、豊平川の下流の方にいきますと、石狩川本川と同じように、ゆったりとした流れになってきてございます。
 札幌駅大通り公園がこの辺にあります。この辺はサケの遡上が見られ、特に今のような勾配もありますので、産卵床に良好な粒径や湧水のある場所に、赤で書きましたところでサケの産卵床が見られ、こういう大都市の中にあるという珍しいところでございます。当然こういうたくさんの人が住んでいるところですから、川の利用も春夏秋冬いろいろな使われ方がして、親しまれてきているところでございます。
 豊平川が石狩川と合流いたしました下流には、昔の石狩川が流れておりました、最初の放水路をつくったところでありますが、昭和56年の洪水では、この辺も水がはけなくて困っておりました。「バラトガワ」と読みます。これは、石狩川放水路と茨戸川から北の方に洪水をはいています。また、この辺は低平地、湿地でございますので、ミズバショウの群生があったり、いろんな貴重な自然の宝庫でもございます。
 雑駁な説明でございますが、石狩川の大体の状況を画像でごらんいただきました。
 お手元の資料で横長のA3の紙がございます。資料3でございます。資料3は、1枚目は、後で振り返らせていただきたいと思いますが、後ろのA3でたくさんビジュアルに書いていますやつのまとめをすると、こういう課題が石狩川ではあるのかなというものを列挙してございます。
 1ページをお開きいただきまして、A3の1枚目でございます。ざっと画像で見ていただきましたように、石狩川流域は、北海道における社会、経済、文化のまさに基盤といっておかしくない川でございます。先ほども見ていただきました、広大な低平地、泥炭地を、水位を下げて周りが使える土地にするというのが石狩川の歴史でございます。それによって、川の延長は60キロぐらい短くはなってございます。その分、洪水が速やかに流れるような手法が取られてきてございます。
 ちょっと右の方を見ていただきますと、先ほどありましたような土地の利用が、湿地帯が青いので塗ってあります。黄色が農地、赤が市街地でございます。明治30年ごろと現在を比較してごらんいただけるかと思います。具体の数字も右下に御用意をさせていただいております。
 1枚おめくりいただきたいと思います。今度は洪水の被害についてのレビューをまとめております。左上から、小さい絵で恐縮でございますが、明治37年に非常に大きな洪水がございました。このところで、地図の中の赤いところに――凡例の字が小さくて恐縮ですが――、赤い方は外水、本川の水が周りに溢れ出たときの被害。それから、これもちょっと見づらいかもしれませんが、薄いブルーで書いてあり見づらいんですが、これが本川の中へ周りの水をポンプではこうといたしましてもはけませんで、水がつくという、内水で起きております。
 明治37年、昭和37年、それから昭和50年と、こういう大きな洪水がありました。近年では昭和56年が戦後最大の洪水ということになっておりますが、被害を受けている範囲もございますけれど、被害を受けている範囲はやはり低い低平地というのが、そのまま正直に出てきているのと、被害の形態が、先ほど申し上げました外水という、本川から溢れるものから、内水がはけないというものに大体の部分は変わってございます。
 右側にございます豊平川は、先ほど来申し上げているような急流河川ですから、急流河川用の対策というので、ちょっと別種の対策になりますが、そういうことが必要になってございますが、その他は、今のような低平地での水を一生懸命はこうという対策が中心になります。
 一番下には昭和56年、たくさんの被害を受けていますものを幾つか並べております。一番下の方、先ほど画像にもございましたが、オーバーフローしまして堤防が壊れているところがございます。こういうのは、単に堤防の大きさがどうだとかというだけじゃなくて、下に書いてございますが、もともと泥炭の特徴的な軟弱地盤だというので、堤防そのものの強さを地盤も含めましてきちんと考えておかないといけないというので、後で出てきますが、石狩川特有の堤防のつくり方をしたりしております。
 真ん中の茨戸川の都市型の水害対策という課題が、札幌市周辺その他で出てきております。それから内水対策は全川にわたってでございますが、水がはけないというので、こういう水のつかり方が出ております。
 千歳川は、ほかの対策はいろいろ進んでいる中で、治水対策のやり方をどうしようかという難しい場所でもありましたのですが、ここの治水対策をどうするかというのが一つの課題になっております。
 また1枚おめくりいただきたいと思います。洪水の流量につきまして、後日まとまった説明の中でと思いますが、概要だけ触れさせていただきます。現在、工事実施基本計画というもので、もとの法律でつくられましたものが昭和57年に、先ほど来お話し申し上げております昭和56年の大きな洪水を受けまして見直しております。
 諸元が下の緑の四角い枠にございますけれども、計画の規模が、本川は150年に1回ぐらいの洪水、主要支川については150分の1から100分の1。そのときの3日間の計画降雨量は260ミリでございますが、先ほど来の昭和56年の雨量は284ミリでございますので、計画降雨量よりも、雨量だけ見れば大きゅうございます。これも含めて検討はしてありますが、当然、雨の降り方で左右されますので、それも含んで、実際ありましたようなものを大体ターゲットにしている。基本高水1万8000トンというのが先ほどの石狩大橋です。
 それから、今の計画としては、今の降雨が150年に1回、それから実績の降雨も大体そのぐらいあるというようなことでありますが、もう一個、流量でも検証をしております。これのみで決めているのじゃなくて、流量においても検証してみますと、幾つかの予測手法というか、確率を評価する手法がございますが、これでありますと1万4500から1万8100ですから、この流量を確率的に見ても、この間に入っている妥当な線かなと。
 それから、検証の2というのは、小さな字で大変恐縮ですが、実際ありました昭和56年の雨が、実際ありました昭和41年のときの山が湿潤状態――山の保水機能というのが話題に出ますが、山も最初はためますけれども、全部満杯になりまして飽和いたしますと、全部降った雨は流れますので、そういう状況の違いがございます。昭和41年は、満杯になっているところへ洪水がきております。実際の現象として、山がどのぐらい水をためている状況か、その後、降っている雨はどうかというのでありますと、1万9000トンぐらいは普通に発生しておかしくないという検証もしてみてございます。
 それから、1枚おめくりいただきますと、そういうふうな計画のもとに、今どこまで大体整備されているものかなという概要をごらんいただきたいと思います。真ん中の大きな絵の――見づらいかもしれなくて恐縮ですが−−。堤防ができておりますのが、黒と紫とか紺色ですね。
 ちょっと見づらいかもしれませんが、石狩川本川ですと、雨竜川の合流点よりちょっと上流ぐらいまでができている感じになります。それから、この中で特に黒く塗ってあるところは、丘陵堤といいまして、先ほど来お話ししております軟弱な地盤でございますので、非常に幅の広い、ゆったりとした堤防で、地盤に対しても耐えられるような格好の堤防にしてございます。これが丘陵堤といっているものでございます。これが大体途中までできているのが、ちょっと色がわかりづらいところがあるかもしれませんが、見えるかと思います。
 その他、上流のダムがありましたり、川の中は浚渫とか掘削というので河道の流量をふやしている。それから、幾つか右上にございますように、捷水路とか新水路、新川というのがありますが、先ほど画像でも見ていただきましたように、流れにくいところをつなげて流しやすくしてあげるようなもの、それから左には、ダム以外にも、砂川遊水池とか放水路、そういったもので全体の機能を確保してきているというのが現状でございます。
 1枚おめくりいただきますと、若干繰り返しの部分になりますが、治水計画としては、左上にあります表のように、石狩大橋というところで1万8000トンの高水が予想される中で、上流の方で、ダムでございますとか先ほど来の遊水池とかでためまして、それを1万4000トンまで下げる。それに合った河道をつくる。
 それから、その下にあります緩傾斜の堤防、丘陵堤とありますが、非常に地盤の悪いところでございます。右の上に小さな絵がありますが、普通はグレーの堤防だと見ていただきまして、左側が河川側、右側が市街地側でございますが、左側の方は縦1に対して横10ぐらいの勾配です。市街地の方は縦1に対して横5ぐらいの勾配で、地盤に対応できるような工夫をしております。豊平川は非常に急流ですので、そういう対策として、床止め工とか護岸という、ある程度川を固めておかないといけないことがございます。そういう対策をしております。
 それから、右の方は、千歳川放水路が実は今回の河川整備基本方針の中で話題にせざるを得ませんで、その辺の御紹介をしております。といいますのは、現在の工事実施基本計画では、千歳川の上流までいきましても洪水時の水位が海抜9.5メートルで、周辺の地盤が6メートルという非常に低い低平地が広がっております。
 これは真ん中上の絵であります青矢印で書いてありますが、昔はこのあたりの水は南側へ流れていた。太平洋側に流れていた。もっと昔は全部つながっていたんですけれども、流れていたものが、左側にございます幾つかの火山の噴火で遮断されて無理やり北の方へ流れていくことで、その無理がいろんな洪水の原因になっている。それではというので、真ん中にございます千歳川放水路により、昔の自然に近い方に流してやろうというので、放水路で流そうとしたわけでありますが、これにつきましては、治水上の機能としては非常に効果が高こうございますが、放流先の漁業の方で様々な御心配その他、一部環境の問題もあって、この手法を取れないということになってございます。
 ということで今回は、右の方にピンクのように書いてございますけれども、千歳川周辺に遊水池を整備し、日ごろは田んぼに使ったり、右の写真のようにビオトープにやったりしておりますが、これが洪水のときには水をためるものとして、結構たくさんつくらないといけないのかもしれませんが、そういうものと、堤防を強化して、結果、千歳川の水は石狩川の方へ、量を減らして、かつ安全に流れるようにしようというものに変えてはどうかというものになっております。
 右の方に、小さな絵で恐縮ですが、千歳川の堤防は貧弱でございます。それから、地盤も全体的に悪うございますので、変更案、9.45メートルというのがあります。昔はこの水位が洪水の計画の水位でございましたけれども、これは何とか解消しないといけないということで、先ほどの放水路で南側へはきまして、水位を7.5メーターまで下げようというのが現在の工事実施基本計画、現在の河川の計画になっております。
 今回の河川整備基本方針をつくるに当たりまして、この辺、今ピンクで申し上げたような手法を取ろうとしますと、前の9.45メートルまで戻さないといけないというのがございます。河川整備基本方針の方は、水位その他につきましても記述をするということが法令上決まっておりますので、この辺の手法の変更が一つ大きく入ってございます。その分、長い説明になりましたが、ポイントですのでお話をしております。
 その次のページをごらんいただきたいと思いますが、今度は水利用の方でございます。非常に大きな川でございます。それから、豊富な水資源といいますか、冬にたくさん雪としてたまりまして、ゆったりと雪解けで流れるというのがあります。ちょっと小さいですが、左側の表を見ていただきますと、幾つかの灌漑用水で858立方メートル、それから上水道用水で19立方メートル、工業用水で28立方メートル、こういうような使われ方をしております。結構良質で豊富な水がありますので、これをきちんと維持し、一部足りないところについてはその対策をしていくというのが基本かと思っております。
 下の方には、水田の稲の7割もここで生産、それから上の真ん中では、水力発電の北海道の4割はここでやっておりますというようなことがございます。
 右の方は、真ん中の地図の各場所で水質がどうなっているかというものです。ちょっと見ていただきますと、小さい表示で大変恐縮でございますが、上流の上川あたりですね、これも環境基準が、3.0mg/lというのが下のグラフで点々点々と書いてありますが、これより一応下回っておりますので、環境基準は達成している。それから、石狩大橋のところは真ん中の絵で、これもかなり良好になっております。
 ただ、一番下流の都市部の方になってきますと、特に茨戸川その他では非常に悪うございます。これにつきまして、これまで浚渫をやったりしていますし、今後、浄化する水を導水するというような計画もございます。
 1枚おめくりいただきまして、今度は自然環境と河川利用でございます。非常に広大なところの、ゆったりとした大きなダイナミックな自然がございますところの川でございます。その中で、本州その他の川と違う部分もありまして、左上から見ますと、連続した河畔林というか、川沿いの緑のボリュームも非常にたくさん残ってございます。これもうまく保全していくこととしています。
 その下には石狩川の旧川群の保全活用。たくさんの三日月湖がございます。これは一つの生物生息空間としても重要ですので、川とか三日月湖のネットワークとしてちゃんと効果が発揮できるような工夫が要るんだろうと思います。また、渡り鳥の沼、それから非常に広大な河川敷がございます。北海道開拓の歴史の中で、治水対策として河川敷も非常に広いものがございます。この部分にハマナスがありましたり、湿地帯のところにはミズバショウがあったり、そういった状況でございます。当然サケにつきましては、北海道でございますので、非常にたくさんのサケが上がってくる川でもございます。
 右の方は、オレンジで書きましたものは人の利用でございますが、それぞれ地域の方々がカヌーでございますとか、非常に広い河川敷、旧川の三日月湖をうまく利用するとか、いろんなことをしておられます。NPOなんかの参加も多うございまして、全国のNPOの中でも最初のころからおやりになっている人たちが、このあたりでは活躍をされております。それから、高水敷は花火、市民マラソンその他、いろいろな利用が土地土地で行われている状況にあります。
 以上でございます。
(委員長) ありがとうございました。
 石狩川の特徴や課題の紹介がございましたが、ただいまの説明に御意見、御質問などございましたら御発言をお願いいたします。
 地元の学識経験として御参加いただいています○○委員から、何か発言がありましたらお願いしたいと思います。
(委員) 特に質問ということではないんですが、よろしいんでしょうか。
(委員長) ええ。御意見をどうぞ。
(委員) 今いろいろ御説明をしていただきました。地元に住んでいる立場から、意見というよりも御紹介をさせていただきたいと思います。
 広大な河川敷であるだけに、多様な活用がなされております。ことし、「市民と歩むまちづくり川づくり」という調査をやりました。まちづくり・川づくりの基本構想をつくろうという作業をやっておりまして、まちづくり川づくり協議会という、市民の皆さんを含めて協議会をつくって、幾つかの分科会をつくって、議論をさせていただきました。
 石狩川に育てられた流域の市町村としては、川からまちづくりを考えていくということを考えなくてはいけないのではないかというのが基本になって、こういうことをやっております。その中で幾つかの整理をやっておりますが、カタカナでわかりづらいんですが、リバー・インテリジェント制度と、川をよく知って、川を舞台に行動できる、そういう資格を自治体が付与して、そういう指導者を育成しようと。
 そのためには、一つは石狩川の治水のメカニズムだとか、石狩川の川の歴史だとか、そういうものもよく知る。それから、川と陸から、河川班と陸上班とで班をつくって、川をよく知る。三つ目は、川で活動するためのプログラムをつくっていく。特に子供たちが、危なさも楽しさもよくわかるというプログラムをつくっていく。そういうテキストをつくって、講習会をよくやって、川を舞台に楽しむ、まちづくりに結びつけていく。そういうことをやろうというふうに思っております。石狩川は、そういう意味では、いい川だと実は思っております。
 それと、広大な河川空間があるだけに、多様な活用がなされております。あちこちでゴルフ場があったり、グライダーの滑空施設がありましたり、広大な敷地利用がなされている。先ほど河跡湖、三日月湖がありましたけれども、これも随分利用されております。
 そこで、素人の発想でありますけれども、こういう三日月湖等を利用して洪水時に水をためることができるような仕組みにならないんだろうか。排水機場もありますけれども、ここに小さなポンドとかつくって水をためようなことも同時に考えて、最近は気象予測も随分進んでいるようでありますから、雨が降るぞということになったら予備排水する。そして、ためられるようにしておいたらどうだろうか。
 雨が降って内水氾濫、先ほど内水氾濫の話がありましたけれども、低平地なだけに、内水の氾濫というのは極めて大きな問題になってくる。しかも堤防がしっかりできればできるほど、ある意味では問題になってくる。そういうものを解消するためには、内水が出てきたから、さあ排水するということではなくて、気象予報と十分連携の中に、1日、2日前ぐらいに予備排水をしてためられるようにしておく。そういう仕組みもつくっていくと、排水機場とか排水ポンプ車の機能がより一層高まっていくのではないか。そうすることによって、この周辺が実は利用できるようになっていくというふうに思っております。
 去年、実はカヌーをつくって川を下ろうという事業をやりました。4日間でカヌーができます。親子でつくります。そして、5日目は、この三日月湖でカヌー操船の安全上の訓練をやります。6日目には石狩川を下ります。石狩川を下るときには、石狩川の植物だとか石狩川にすんでいる生物だとか、そういうことが勉強できるし、よく知って、指導していただける指導者の方にも乗ってもらって、ここはこうだ、あそこはこうだと説明をしていただく生涯学習の場にも実はしております。
 そういう意味では、この河跡湖というのは極めて多様な使い方がなされる。先ほど申し上げたようなことも一つ考えられるのではないかと思っているところであります。
 それから、石狩川は北海道遺産に指定をされております。北海道遺産である石狩川をどういうふうにうまく使っていくかという意味では、先ほど御提案申し上げたようなことを促進するための活動拠点である、例えばサポートセンター的なものの機能整備というのも極めて効果があるのではないかと思っておりますし、そういう意味では、既に「NPO水環境北海道」なんていうNPOができ上がったりなんかしまして、極めて活発に活動されておりますけれども、今問題になるのは、こういう活動家が活動する拠点がどこかということが、これからも求められていくのではないかと思っております。
 先ほど来、泥炭地域ということでございますが、越流をして破堤をするというのが50年、56年というふうにありましたし、特に、500万年ぐらい前、石狩川流域がほとんど海だったんですね。したがって、低平地ということであり、今でも河床から化石がどんどん出るというところであります。海の牛、海牛の化石が出たり、あるいはタカハシホタテという、今のホタテ貝の3倍もあるような化石がどんどん出る。
 そういう生涯学習の場ではありますが、低平地という特殊なことがありますので、千歳川流域は特に大変な課題を抱えていることでありますので、ぜひしっかりとした計画をつくって実行をお願い申し上げたいと思います。
 ちょっと関係のないことも申し上げましたけれども。
(委員長) ありがとうございました。
 河川工学の方から、○○委員。
(委員) 詳細な御説明をいただきましたので余り追加することもないんですが、石狩川の特徴といいましょうか、一つには、計画的に治水なり流域開発が進められたという、国内においては極めて希有な例ではないんだろうか。北海道の場合は、ほかにもございますけれども、基本的にそういうことではないか。
 先ほども御紹介がありましたように、ショートカットをすることによって水位を下げた。川の立場からはそうでございますが、流域という立場から見ますと、泥炭地の農業開発、水位が下がることによって、基本的にはドライになるといいんですが、そのまま放っておきますと、硫酸が下から上がってきて農地として適さなくなる。こういう例はほかにも、外国にもたくさんございます。日本でうまくいきましたのは、客土を盛んにやられた、また、そういう土が周辺にあったと、そういうことが石狩平野を今のような豊かな農地に変える源であったんだろうと、そんなふうに思います。
 しかし、戦前のあれでございますから、なかなか計画どおり進みませんで、ようやくこの石狩川で連続した堤防が――もちろん高さは暫定でありますが――できたのが昭和40年代後半であります。その後の治水の進展もありまして、現在ではほぼ春の融雪出水はほとんど被害が出ないようになりました。これが今までの治水の成果であろうと思います。
 それに対して、先ほど御紹介もありましたけれども、これは全国的にそうだろうと思いますが、内水問題が顕在化してきた。内水問題というのは、河川の外水対策と同じようなレベルでできる性格になってないように思いますので、今後、これは全国的な話題でしょうけれども、どんなふうに対応していくのか、安全度をどのぐらいに設定し、どのように次第に上げていくのかという、そういう議論が石狩川を含めて必要なんだろうと思っております。
 それから、今、滝川の市長さんから三日月湖のお話も出ました。これは河川を考える上でもそうですけれども、一本の河道という、あるいはその周辺部だけを考えたのでは、今後の治水はなかなか成り立たない、河川整備は成り立たないと思います。勢い流域と連携をしてというようなお話になります。その第一の接点が、今お話のような三日月湖だろうと思います。ここは非常に多様な使われ方をしておりますし、自然的にも、あるいは生物的にも非常に豊かな場所でありますから、余り軽々に遊水池等にすると、ほかから矢が飛んでくるかなというふうに思っております。
 それから、近年、明治以降と言った方がいいんでしょうか、川の利用の一つの形態としての舟運というのが途絶えてきておりますけれども、石狩川でも明治期までは上流の方まで平底の船が上ってございました。最近は、物流という観点では恐らくないと思いますが、観光等を含めまして、これを復活させようという動きも出ております。これに対応して、河川の整備をまた別な目でやっていく必要があるのかなと。
 先ほど御紹介のありました基準点あたり、中流といいますか、下流の基準点あたりまでですと、水深も深こうございますから、楽々と上がれますが、それ以降になりますと、よほど澪筋をきちっと読まないと、すぐ底をすってしまうということがございますので、河川整備そのものの方向とも関連をする話かなと、そんなふうに思います。
 それから、この概要で一つだけ注文がございます。どうしても、石狩川といいますと、下流の方に目が向きます。この資料でも下流で、例えば2枚目あたりで赤く塗ったのがだんだんよくなってきたと。これはこれで本当にそのとおりでありますし、治水の成果だと思いますが、先ほど牛朱別の分水路の御紹介も、永山新川ですか、ございましたけれども、上流にも同じような悩みを抱えているわけでありまして、その辺が若干書き切れていないかなと、御紹介いただけてなかったかなと、そんな感想を持ちました。
 とりあえず、以上でございます。
(委員長) そのほか御意見がございましたらどうぞ。
 ○○委員。
(委員) わからないので教えていただきたいんですが、5ページの真ん中付近、堤防整備率から工事中洪水調整施設まで書いてありますが、下の二つの施設、8施設、4施設で、こういう書き方をするんですか。治水容量がこれだけのボリューム分を用意できましたという書き方をして、紹介するんでしょうか。
 といいますのは、洪水ですから、水が流れるということが大事で、ダムとか遊水池等でため込むという考え方で書いていると思います。理解できないわけじゃないんですけれども、これだけ見ていると、本当に2万立方米を用意して、それからこうだというのではどういうことを考えて、こういう数字が出ているのかというのがわかりづらいと思います。何か補足をしていただければありがたいんですが。
(委員長) はい、どうぞ。
(事務局) 今のページは、整備状況として、整備率として書いたわけではないというので、お許しをいただきたいと思います。8施設できている、4施設できているということだけ書いておこうかなと、どのぐらいの大きさのダムができたかという程度のものでございます。
 ちなみに、○○委員が今おっしゃられていることは、例えば、これもそういう示し方がいいのかどうかわかりませんが、その次のページの左上の表でございますけれども、例えば石狩大橋の1万8000立方メートルという基本高水に対しまして、ダムだとか、遊水池の調整が4000立方メートル、残り1万4000立方メートルが河道でとなっています。4000立方メートルの上流でのダムカットといいますか、調節いたしますうち、現状は、できましたダムで大体――いろんな波形で当然違いますが――1600立方メートルぐらいだそうです。それから、事業中のもので500立方メートルぐらい。これは一つのケースでございますので、厳密じゃない部分ありますが、そのぐらいになっております。
 そうしますと、1900立方メートルぐらいが残っている感じになりますが、これの多くは、本川の上流部での遊水池で少し検討がなされているものと、その他のダム等がございます。
 このようなことが今御指摘のようなことでとは思いますが、先ほどのものは単に状況だけというのでお許しいただきたいと思います。
(委員長) ありがとうございました。
 事務局に質問みたいになりますが、ここで例えば基本高水のピーク流量、先ほどさらっと説明がありましたけれども、根拠となる説明はいずれかの場でもう一回お願いする場があるんですか。
(事務局) 次回のお話を申し上げて恐縮ですが、できましたら、今回、特に書きぶりのお話等がございますので、なるべく石狩川の状況をつかんで、次回にその辺の細かいところを説明いたします。
(委員長) わかりました。
 もう一つは、千歳川の放水路の説明もさらっとありましたけれども、こういう計画に直さざるを得ないというか、社会的状況みたいなものも、またちょっとお聞かせ願えればいいと思います。
(事務局) 次回でよろしくお願いいたします。
(委員長) わかりました。

河川整備基本方針の記載の考え方について

(委員長) お聞きすれば、まだいろいろ御議論はあると思いますが、前回までのこの委員会で、河川整備基本方針と河川整備計画との書きぶり、河川整備基本方針に少し詳しく書き過ぎではないか、一体河川整備計画はどういうふうに書くんだというようなお話がありましたので、事務局からその辺も含めて、河川整備基本方針の記載の考え方について説明をお願いしたいと思います。それらの説明を聞いた上で、ただいまの議論も含めて御審議願いたいと思いますので、よろしくお願いします。
(事務局) 引き続き、お話をさせていただきます。
 資料4−1と4−3をお話ししたいと思います。4−1の方をごらんいただきたいと思います。
 4−1の方には、左側が河川整備基本方針、右側が河川整備計画ということで、どういう役割か、そういうことを踏まえれば、どういうことを書くべきかというのを、これはもともと法律制定時の一つのことの若干の復習みたいで大変申しわけございませんが、書かせていただいております。
 まずは役割目的でございますが、河川整備基本方針の方は、治水安全度の全国バランスなんかを考慮いたしまして、達成すべき長期的な河川の整備の目標を定めることになっております。右の河川整備計画との関係もございますが、長期的な整備、これは河川の計画に限りませんが、具体的にどこまでの事業で、どうだというものは、ある程度近未来的でないとわからないといいますか、20年後とか何とかでないとわからないというのがありまして、ここでは基本目標を定めるというのがこれの役目だと思います。
 ということがございまして、水系全体、それから例えば上流でダムなんかでためましたときも、実際下流の町のところでは、その川がどうかというのが重要ですので、そういう河川の主要区間というものでどんな水準、例えば安全度の水準とか、どんな川にしていくのかという骨格を定めると、そういう役目かと思っております。
 右の方へいきますと、河川整備計画を参考に書いてございますが、河川整備計画は河川整備基本方針に定めました目標を達成するためのいろいろな整備のうち、当面実施させる具体整備についてのアクションプログラムの役目を果たしているわけでございます。先ほどの河川整備基本方針では目標ですが、具体的にどうするかということは、ある程度近い将来というか、すごい近いところで見る。これはほかの整備でも同じでございます。そういう意味で、この具体整備というところが大事でございますので、これをうまく効果的にやろうといたします関係上、新しい河川法の中では市町村、住民等の御意見をお伺いして、それを反映する仕組みというものもここには強く求めているわけでございます。
 そういうことから考えますと、ここでは当然、河川整備計画でも全国バランスが必要でございますが、河川の整備と保全の――ここの「具体的な」というのが大事でございます――具体的な実施内容というのが定まっている必要があるのかなというものでございます。
 こう書きましたのは、後ろにもございますけれども、従前の事例からいいますと、河川整備計画も何か河川整備基本方針と余り変わらないといいますか、そこも抽象的で余り具体的でないものも結構ございましたり、逆に河川整備基本方針の方でもそんなところまで書かなくてもいいではないのかというのが、その辺の位置関係が多分はっきりしてなくて、若干混乱している面があるかと思います。
 「具体的に記載すべき事項」というところに移りますが、そういうことを踏まえますと、河川整備基本方針の方は、河川整備を行う背景、そういうバックグラウンドですね、それから河川整備の目標、水準、その実現に向けてどういうふうな対象・方針かというようなことを記載するのかと思います。
 それから、特に河川ごとの特徴的な事柄はというのは、今のはうまく書けてない面があるかもしれませんが、どんな川にしていくのかという方向が見えるように、後で実際の書いたものを見ていただくとわかるんですが、ほとんど、どの川も同じことを書いている感じになることもあったり、この川をどうするかというためには、その川の特徴をうまくとらえてというところが極めて大事かなというので、アンダーラインを引いてございます。
 あとは、まず治水でございます。そういうことを含めて治水の目標としておりますが、実際の基本的な事項として何かといったときに、沿川の地域社会の土地利用だとか、例えば計画高水位という水の高さもございます。これがどうかによって、周りの土地の利用の高さのいろんな秩序が変わってきましたりするので、そういう基本的なものにつきましては河川整備基本方針の中で定めるように、法令でも、かつ具体的に内容としてもなっております。
 利水につきましては、各種用水の利用のあり方が水系全体に影響を及ぼすということもございますので、水利秩序を形成する基本量でございます正常流量というのを書いて、それから、どういうものにするかという基本事項を書いている。
 環境につきましては、同じような意味でございますけれども、河川環境につきましては特に広域的、長期的にきちんととらえておく必要があるというので、将来の絵姿といいますか、そういうものをここでかくということかと思います。
 社会的、自然的特性に応じた類型区分ごとにというのは、前回の御意見の中にもありましたが、上流・中流・下流と分けるという意味ではございませんが、そこの自然的条件が、非常に狭隘な山のところの自然と、例えば都市の中の平野の状況だとか、それぞれ特性もいろんなものが違ってきますので、そういう特性とか類型に区分して、この川の部分はこうするんだということがこの環境の中で見えるようにしておく必要があるというので、その基本的な考え方を書くのかなというものでございます。
 一方、戻りますが、河川整備計画の方はというので、これの方は細かくは御説明申し上げませんが、具体的にどうかというのはわかることが必要でございますので、計画期間、目標、それから下の方に書いてございますが、定性的ではなくて具体的な場所、それから、施設としてはどんなものをつくるのかということがわかるようにということが、先ほどのこの計画の担っている役割からすると大事かと思われますので、そういうことを書こう。
 次のページにいきまして、おおまかな実施の時期とか施工手順、これらも既に書いてはおるんですけれども、非常に濃淡があったり、とらえ方が若干あやふやになっている面がございます。その後、良好な河川環境の保存のための区域の設定とか、適切な河川管理を実施するために必要な方策、それから具体的な河川管理の体制とか、そういったソフトも含めて、実際どういう川にするというのをここで具体的な格好で書いてございます。
 当然でございますが、先ほど仕組みの中で住民の御意見を聞くというのが新しい法律の中で入ってございます。そのためには、関係住民の理解と協力ということからすれば、その内容もそういう方にわかるような形の工夫も要るかとは思っております。
 次のページ以降は、それに従いまして項目をざらざらと書いてございますので、お話の方は別途、資料の4−3というA3の大きいものをごらんいただきたいと思います。資料の4−3で「石狩川水系河川整備基本方針(案)と石狩川河川整備計画(想定案)の比較表」。これは、ここの御議論のために整理したものですので、これでガチガチに河川整備計画をこのように決めるということではございません。御議論のためのものであると思って、ごらんをいただきたいと思っております。
 1枚開いていただきますと、左側に河川整備基本方針の本文、これはフルサイズで全文を書いているつもりでございます。右側の河川整備計画は、どちらかというと、記載事項としてはこういうことを書くんだというところはそのとおりですが、記載内容につきましては全部を書いてございません。一部の例示的なものを入れているというふうに御理解いただきたいと思っております。
 これは(2)から始まっておりますように、(1)は背景のところでございますので省略をさせていただいております。河川整備基本方針なんかで、最初に背景のところを書いてございますが、そこは抜かしております。
 (2)のところからでございますが、最初は全体的な概要を書いている部分になってございます。こういう中に、アンダーラインでありますように、「段階的な整備を進めるに当たっての目標を明確にし、河川の総合的な保全と利用を図る」というようなことを、これを整備計画の後、実際の具体の当面の事業としては、対象期間とか計画の目標をどうするのかということを定めるものにつながっているのかとは思います。右側のようなことが、これは概略のイメージでございますが、書かれるのかなと思います。これはイントロですので、余りあれかと思います。
 次のページ、2ページでございます。ここは「災害の発生の防止と軽減」という、ここからだんだん具体論に入ってまいります。河川整備基本方針の中では、「流域内の洪水調節施設により調節を行う」ということが本文に書かれまして、この場所には書いておりませんが、この後ろに基本的な事項というので、基本高水だとか、計画高水流量だとか、ああいう具体の流量を書きましょうとか、これは別な項目のところに出てきますが、そういうものが河川整備基本方針でございます。
 これに対して河川整備計画としては、具体の内容を書くというようなことで、右側のように、記載事項というのは、メニューとしてそういうことですが、例えば夕張シューパロダムのところなんかにつきましては、それがどういうダムで、どんな内容、機能、その他につきまして書いている。現在でも、濃淡はあるのでございますけれども、そういう書き方をしております。
 もう1枚めくっていただきますと、今度は「堤防の浚渫、拡築、及び浚渫、掘削による河道増大」とか、浚渫により「河積の確保にあたっては、河道の維持、河岸等の良好な河川環境に配慮しつつ行う」と、これが河川整備基本方針として、書いてはどうかと考えております。今までもある程度こういう書き方をさせていただいています。
 河川整備計画では、当面の計画としての具体内容として、どこでどんなふうな川になるかということを平面や縦断、横断の図等々も、それから将来のパースもつくりまして、文章も含めて皆様にもわかるような格好で、どこからどこではというふうなこと、これもちょっと濃淡がございますが、こういうものを書いてございます。
 その次のページは、今度は、先ほど来出ております緩傾斜堤防の整備を行うというのが、緩傾斜堤防というのは方法論かもしれませんが、地盤が軟弱であるため、それを踏まえた堤防対策をやるというのが基本方針でございまして、具体的にはどんなものかというのが、こういう区間ではという区間も示し、こんな形の、こういう規模を持った堤防をやるんだということを、いずれも、かつある程度、いつまでというようなことも含めて――いつまでというのは、いろいろ予算制約があったり書けない部分もございますが、手順といいますか、どういうふうにやっていくかということも書くというのが、河川整備計画としてあるべき格好かなと思います。
 ずっと同じようなのが続いているのでサッサッとごらんいただきたいと思いますが、その次のページでは、例えば堤防、先ほどの札幌市内の豊平川なんかでは、急流河川の浸食対策みたいなものが必要なわけですが、そういうことをこの川での特徴からするんだというのを河川整備基本方針の方に書きますと、それの具体的な事業メニュー、それから、場所等を河川整備計画の方で書く。こういう形が続いてあります。
 その次の6ページには内水対策として、低平地でこうだから、ここではそういうのが必要であって、特にどういうところではというのは河川整備基本方針で書かれますと、その具体的な、当面やるものとしては、こういうところでこうするんだというのが、その次のページになったりしております。
 同じようなものが続いておりますが、全般的に見ますと、これは河川整備基本方針というよりは河川整備計画の話題になりますが、河川工事なんかのハードは、結構しっかり今でも書いている感じがございます。若干いろいろなところで濃淡はあるんですけれど。ただ、どういうふうにその川を、管理というか、維持していくというか、機能を発揮させていくというようなことについては、余りこれまで書かれていない。そのためにはソフトも必要というか、ハード・アンド・ソフトみたいなことも余り触れられてないというのが、現在の河川整備計画なんかの書かれ方かなとは思います。
 それから、河川整備基本方針の方は、今のようにある程度そこの特徴をとらえて、だから、こういうふうな川にするというふうな方針がよく見えるような格好になるべく工夫してということかと思います。今回御用意しているのは、何カ月も前から皆さん、現地も含めてやっているものですから、そういうふうに十分見えてない部分もあるかもしれませんが、方針としてはそうしておくんだろうなと思われます。
 ずっと続きますのでサーッとおめくりいただきまして、14ページからは、今度は水の利用、河川の適正な利用、及び流水の正常な機能の維持というところに入ってまいります。河川整備基本方針では、左側のような文章で、いろんな水の確保のため――これは場所によりましてこの辺は書きぶりは当然変わりますが――、流水の正常な機能の維持をやっていく。そのための体制等々ということであります。
 それから、これも洪水のときと同じように、この部分ではございませんが、方針としては後ろの方に、具体的な正常流量としてどのぐらいのものを確保すべきかというものが書かれるというようになっております。あわせて、河川整備計画では、どの川のどういうところで、どんなふうにというのが右の方に幾つか書いてございますが、ここは具体の事業等も含めて書かれたりしております。
 その次のページは「河川環境の整備と保全」。ここが従前から河川整備基本方針の中でかなり話題になったところでございます。本文の方、左側の「河川環境の整備と保全」とございますが、最初の「河川環境の整備と保全」に関しては、「石狩川流域が開拓時代からの治水事業によって、一大農業地帯に変貌し、数多くの旧川が云々」、これらで非常に広い高水敷が一つの特徴であったり、またサケ等の遡上とか産卵というような川底の状況であったり、どちらかというと、最初はバックグラウンドみたいなものを書かせていただいて、だからそういうことを踏まえてというので、これはわかりづらいんですが、下の方に「動植物の生息地、生育地の保全については、広い河道内において多様な生態系が生息できる空間の保全、形成に努めるとともに、地域と連携しながら、背後の流域に残る旧川、湿地、緑地等の自然」の方のネットワークをつくるんだということが方針でございまして、これの後ろに、1枚おめくりいただきますと、これは分けてあるのでちょっと誤解があるかもしれませんが、次の16ページには、このまま文章が続いて、先ほどの全体のバックグラウンドを踏まえて、自然のネットワーク、次には魚類なんかのところにつきまして、「海域と河川との一連となった生息・生育環境の保全、形成」というふうに、また次のページには河畔林とか水際線の話というものを書いてございます。
 それぞれが、15、16、17ページに、河川整備計画の中ではそれを、右側のはいい例かもしれませんが、ここまで全部書けてないかもしれませんけれども、どういうところにどんなものがあって、どういうふうなものに配慮をしていったりなんかしていくかということも右の方で書いております。16ページ、17ページなんかもそれぞれ、例えば17ページなんかも、緑の対応の仕方につきまして書いているわけです。
 別途御用意しております資料4−4というのがございます。最上川の河川整備基本方針と河川整備計画につきまして、似たような作業をしたものでございます。ちょっと分厚いのでまたごらんいただきたいと思いますが、7ページ、8ページあたりをごらんいただきますと、今の環境あたりの書きぶりが、これまでつくりましたのではどうなっていますかというところをごらんいただけるかと思います。
 資料4−4の7ページをごらんいただきたいと思います。例えば左側の方にあると、一般的な感じに書いてありますが、また右側の方も似ている。特に工事といいますか、整備なんかあるところは、例えば桜堤というようなところが書いてあるんですが、8ページなんか見ていただくと非常によくわかるんでございますが、河川整備基本方針と河川整備計画というのは、言葉の量は多いんでございますけれども、両方とも非常に抽象的な言葉で、ほとんど余り変わらないのかなという感じがちょっと見て取れます。
 この辺、何でもかんでも細かく書けばいいということではないんですけれども、どういう機能分担かというか、それぞれの先ほどの本来の役割からいたしますと、河川整備基本方針の方は、基本的には方針でございますが、なるべく川の特徴をとらえて、その川のところでどういうふうなものにしないといけないかという方向が読んで取れるように、地域の特性だとか十分踏まえた格好のことをなるべくきちんとそういうことを書くんだろう。それが具体のものにつきまして、どうだというのを河川整備計画の方で書くという。こういう役割分担をうまくしていけば、全体として、全体の目的は達成されていくのかなというように考えてございます。
 後ろの方にはまたさらさらっと、先ほどの石狩川の対比を見ていただきますと、環境学習でありますとか、水質汚濁等についてとか、似たようなことがずっと見て取れます。河川整備基本方針の左だけで見ますと非常に小さい文章に見えますが、全部通しで今までごらんいただいたりしているほかの河川整備基本方針よりは、大体同じぐらいか、平均値よりは書いてあるぐらいということかとは思います。
 恐縮ですが、サーッとおめくりいただきますと、イメージとしてはおつかみいただけるかとは思います。とりあえず、時間の関係もございますので、ここで区切らせていただければと思っております。
(委員長) ありがとうございました。
 事務局より河川整備基本方針の記載の考え方について、河川整備計画での記載内容との関係を踏まえて説明がございました。これを踏まえまして、また石狩川全体の説明もあわせまして御議論いただければありがたいと思います。順次、御発言ください。
(委員) 資料4−1の河川整備基本方針と河川整備計画の1ページ目ですが、基本方針はこれでよろしいとしても、整備計画の中の4行目にある、「効果的な河川整備となるよう市町村や住民等の意見を反映する仕組みとなっている」と書いてあります。もちろん市町村や住民の意見を反映する仕組みというのは効果的であるんですが、効果的なという意味はそれだけじゃなくて、もっともっといろいろあると思うんですよ。治水事業でも環境に関する事業でも、住民の意見を聞くことだけが効果的なんじゃなくて、この辺の解釈が十分でないと整備計画のときには十分に反映されてないところが出る可能性がある。やれるところからやるという従前の方法が今なお残ってないとは言えません。この効果的な河川整備という河川法を改正したときの意図をどう考えるのかというのはもう少し書く必要があると思います。市町村や住民等の意見を反映する仕組みだけではないんじゃないかと私は思っています。そこのところが1点目です。
 2点目は、字句の問題なんですが、資料4−1の4ページ目の(2)です。「河川の整備の基本となるべき事項」のところに、「基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項」と書いてあります。一方法律の方は、資料4−2の3ページは「河道及び洪水調節ダムへの配分に関する事項」となっています。これまでは洪水調節施設できているんですが、法律の文言は洪水調節ダムになっています。砂防もダムを使わなくなり、治水もダムを使わないように意識的に変えているように感じなくもないので、この辺は法律で洪水調節ダムとになっているのを、洪水調節施設という言葉を今後用いるのかどうか。これについて御検討をお願いしたい。
 最初に2点だけいたします。
(委員長) これは事務局から御意見を聞いた方がいいでしょうかね。
(事務局) 資料4−1は、言いわけから先に言いますと、ちょっと短目に書いておりますので、全部解説的にきちんと書きますと、もっと長くなると思います。ここでそう書きましたのは、先ほどの特に役割分担の中で具体的なものというものが書かれること、かつそれが記述としてはわかりやすいものであることとかのことで、幾つかありますところの中心的なというか、非常に特徴的な――改正の中でもここが特徴の一つであったことは事実でございますが――ところの住民等の云々というところを書いてございます。「など」とか、いろいろ言葉の配慮が必要だったかもしれませんが、そういう意味でございます。全体的に先生がおっしゃるようなことを否定しているわけでは当然ございますので、そのとおりだと思います。
 もう一つのダムの方は、正直なところ、私の気持ちとしては、法文そのものがそう直っている方がいいような気がいたしますが、実際の問題、ダムだけではなくて、石狩川で残っているものの大半は遊水池でカットする方が多かったり、いろいろあるわけでございますから、そこはダムだけにしているのも変なのかもしれないと思います。
 本来は洪水調節ダムということで、法令上は遊水池なんかも読んでいるというのが法令解釈上のことかとは思いますけれど、普通だと直っている方がいいのかなとは思いますが、そんなことでよろしゅうございましょうか。
(委員) 洪水調節施設でも構わないとは思いますけれども、法律がそうなっていないものですから、そこのところはいいんですかという質問です。
(委員長) いずれは法律を直すというつもりで……。
(委員) それであれば、それで結構でございます。
(委員長) ほかに御意見ありますか。
 どうぞ、○○先生。
(委員) 今、○○先生がおっしゃったのにちょっと関連はするんですが、整備基本方針の方では、基本高水、それから配分、洪水調節施設等々とあって、今度、河川整備計画の3ページの「河川整備計画の目標に関する事項」のところには、黒ポツの4つ目の「治水安全度のバランスを考慮した対象洪水流量」という言葉が出ておりますね。
 そうすると、僕もダムがかりのときに、結構このあたりのことが関係するのでお聞きするのですが。対象洪水流量というのはバランスを考えて、基本高水よりも、ものによってはサイズが小さい、そういうようなイメージで見るのか。
 基本高水というのと、ときどき戦後最大規模の対象洪水流量という。整備基本方針に沿って河川整備計画をということなので、対象洪水流量がいきなり基本高水になるということにはなり得ないのか、あるいはちょっとサイズの小さい形のものを整備計画のところでは目標にするというふうに読んでしまうのか。
 そのあたりが、言葉は違うんだけれども、サイズの問題としてどういうふうにとらえておけばいいのかなというのを、基本方針と整備計画の時間概念として、このあたりの文言のとらえ方を少しお聞きしたいなと思って御質問させていただいた次第です。
 さっきおっしゃったダムがかりということを余り意識しなければというふうには思ったりするんですけども。
(事務局) よろしゅうございますでしょうか。お話しさせていただきます。
 基本的な位置関係から言えば、長期的な目標が河川整備基本方針でございますので、それよりは以下であるということは当然かと思います。それから、ものの趣旨から言って、ほかの経済計画であろうが、ほかの施設計画も、やはり具体的な達成ができるところですね、20年だとか30年、それを一つの行政プランにしていることがごく一般的で、その役目を河川整備計画が担っているといたしますと、二、三十年の間ぐらいにやるべきものを書いている。
 ただ、ちょっとここに誤解があるのかもしれませんけれども、二、三十年の間にできるものというのと、やるべきものというのがあって、河川の場合、全国的な治水安全度のバランスというのが非常に重要な基礎的なものとして、大東水害の判決にもありますので、二、三十年の間にどういう世界にまで達成させていくかという、これは全国的な話ですが、この場合のときも、ある川だけ急に200分の1かなんかまでというのは、一般的には起こり得ないんだろうと思いますが、何かの事情であったり、それから施設の具体のことになりますと、じわっと上がるというか、例えばダムなんかですと、そこで急に上がるというのがありますので、最低限確保する安全度だとかは一定の全国的なバランスは取っているけれども、たまたま事業の手順として、どこかの川はスッといってしまうとか、そんなことは当然あるんだろうと思いますし、それをわざわざいかないようにするということもない。そういう位置関係かなとは思います。
 正直、河川整備計画につきまして、これからつくっている段階のものが多うございますが、全国的なバランスもそこでは議論がされてしかるべきかなと思っております。
(委員長) そのほかに御意見ありましょうか。
(委員) 今回、最上川と石狩川というのは、石狩川についてはあくまで想定案ということですが、こういう資料は、整備基本方針を議論すると最後どうなるかというのは前から興味あったものですから、大変ありがとうございました。こういう議論をしたのがこういう結果になるんだというのがわかりました。
 きょうの資料で伺いたいのは、資料4−1の比較対照表でございますが、これは従来からあって、例えば何らかの通知のような形でつくられているものなんでしょうか。つまり性格ですね。資料4−2は、あくまで法律そのものをただわかりやすいように書いたものですが。
(事務局) 普通は、法令を出しますと、法令解釈用には通知文は出しますが、多分それだけではちょっと足りないのかもしれません。そういうものも含めまして、例えば解説をつくったり、そういったところにはもうちょっと詳しく書いてございます。そこから少しつまんだような感じになってはおります。
(委員) 法律の運用の解説のそういうものがおありだということ、そのエッセンスだというふうに理解しましたので、これ自体は、事務局の皆様の御判断で適時、いろいろ補充したり改定したりしていいものであると、つまり、法律の解説であるということでよろしいわけですよね。この資料4−1の性格…… (事務局) そうですね。
(委員) そのもとの資料というのも。
(事務局) はい。
(委員) 以上でわかりました。
 それで、資料4−4につきましては既に策定が終わったものですので、機会があればこういう資料もいろいろ見せていただくと大変わかりやすくていいなと思いましたが、問題は資料4−3、今回は議論のためにつくられたと思うんですけれども、これを拝見していきますと、もともと河川整備基本方針を議論する際に、当然ながら地元と事務局ではかなりのいろんな検討経緯が過去おありたと思いまして、ただ、当然ながら整備基本方針が定められた後でなければ議論できないものも相当あると思いますけれども、こういう形の資料のつくり方をするのは、我々の河川工学と事務局のような皆さんのプロではない委員にとっては非常にわかりやすいんですが、こういうつくり方を最初から、例えば毎回、今後つくるというのは事務局としてはありがたくないということなのか、今回検討対象としてあくまでやってみたと。
 ただ、いろんな数字は入ってないんですが、非常に地域の状況がよくわかりまして、資料4−3そのものは議論のためには大変わかりやすい資料だなというのが率直な感想です。それでちょっと伺いたかったんです。
 つまり、資料4−3をつくることについては、それほど……。もちろん、時間的な労力は別としまして、審議上、さほど支障ないということでしたら、むしろつけてやった方が議論の進捗にはいいのかなというのが率直な印象でございますが、これはあくまで今回限りということなのか。
(事務局) とりあえず今回限りのつもりでつくりましたものですが。
 それで、最初に画像のあとに御説明をさせていただきました「特徴と課題」と書いてあるところを、もう少し丁寧なものにした方がいいということかもしれませんが、これと同じような機能を果たしているとものかとは思います。
 というのは、現地の作業からいきますと、河川整備基本方針がありまして、それを河川踏まえて整備計画という手順で作業をしていきます。ある程度イメージを渡してはいますので、先ほど「特徴と課題」と申し上げたのは、そういうところで少し工夫はさせていただこうと思います。石狩川もこれ以外の項目はまだ書けてないとか、ここまでいろんなものがまだできていないという状況であり、一つは代表例、代表例を各項目の中で先発して整理してもらったりしているところはございます。今後の資料の工夫の中で、なるべく先生の意には添うものとは思いますが、同じようにするというのは、なかなか難しいかと思います。
(委員) 承知しました。
(委員長) どうぞ、○○委員。
(委員) 4−1の利水のところで、2ページと3ページにわたりますでしょうか、お伺いいたします。
 基本量である正常流量を規定するという3ページの整備計画の方では「期間中に確保する正常流量」というふうな、これを決めるということかなと思いますが。
 ダムのある場合はこういう書き方で十分なんですが、ダムのない川もありますよね。私もいろんな小さな川の基本方針みたいなものを見させていただいていますが、そのときに、ダムのないような川でも、こういうふうに書けと言われるものですから、みんなこういうふうに書いてくるわけです。それじゃ、意味がないんじゃないか。あるいは、そういうふうに書くと、整備計画の段階では、これは導水するのかとかダムをつくるのかと変な勘ぐりを受けるよというふうに冗談交じりに申し上げておりますが、この辺の書き方も状況に応じてもう少し工夫があっていいんじゃないかなという気がいたしております。それが第1点でございます。
 それから、環境の方にいきまして、これは4−3でございましょうか、後ろの方にいろんな事例を例示していただきまして、これで本当によくわかるんでございますけれども、環境をどういうふうに具体にあらわしていくか、非常にむずかしいところではあると思いますが、この書き方を見させていただくと、極めてオンサイトな書き方ですね。これはこれで必要かとは思いますけれども、整備計画の段階であっても、もう少し大ぐくりな議論のできるプランが必要なんじゃないだろうか。むしろ、そっちが整備計画の中で先行してつくられるべきではないだろうか。
 より具体に、どこでやるとオンサイトの話になったときには、もう一段、今度は住民との対話の中で事業計画というような形でお示ししながら、こんなふうにやっていきますと。そういうもう一段下のレベルの話が上に上がってきてやせんかなというような印象を持ちましたんですが、いかがでございましょうか。
(事務局) よく飲み込めてないところがあるかもしれませんが、オンサイトなお話として河川整備基本方針の方に書き過ぎているということではないんですよね。本来、河川整備計画レベルみたいな詰めをやりまして、オンサイトのことの議論がありまして、それらがある種、集約されてといいますか、それで河川整備基本方針のところにそれらが出てくるんじゃないかということでございますね。
(委員) そうですね。整備方針をつくり上げる段階で、こういう議論もあるんだとは思うんですが、整備計画の中に書くときでさえも、こんなオンサイトではなしに、もう少し大ぐくりな議論が必要なのではないだろうかという趣旨でございます。
(事務局) はい。
(委員) もちろん、それを格上げして、基本方針の中にそんなことが書ければいいんですが、書いてしまいますと、基本方針ですから、社会情勢が変わったりなんかしますと、また変えなきゃいけませんね。そこのときまで、方針まで変えるというのはちょっとあれでしょうから、やはり整備計画に渡しておくものだろう。でも、この事例ではちょっと細か過ぎるんじゃないだろうかということです。
(事務局) わかりました。きょういただいた御意見で、またいろいろ工夫をさせていただいたところで、次回のところで、またぜひお願いしたいと思っております。
(委員長) 私も御意見を申し上げたいんですけれども。17ページのこの図や写真を見ていて、木の伐採個所まで特定しているんですけれど、この治水面と整合が図られた管理なのかな。この図を見ると、堤防のところはむき出しになっていて、水流のところに立ち木が残っていて、実際の洪水時になると、この川が分流して堤防が赤裸で激流に洗われるんじゃないか。むしろ残すのは堤防側じゃないかなという気がするんですけど。きょうは環境の専門家がおられないので、どっちがいいのか。
 川でも、水辺の植生をとっておきたいというお気持ちもあるでしょうし、地下水が低いところとか高水敷が高くなったところとか、植生も違うんだろうと思うんですね。これらは環境の人たちとも相談しながら、石狩川なら許されるのかもしれんけれども、豊平川でこんなことをやったら堤防がふっとんじゃうんじゃないかという気がするんですね。
 だから、迂闊にこれを錦の御旗にするのはちょっとまずいんじゃないかなという気がします。それより、今おっしゃっているのを体すれば、こういうところは人工利用も含めて許される地域とか、ここは絶対原生自然を保全しておくべき地域とか、そういう基本的なところで、細かい伐採位置まで決めるのはちょっと気になるんですけどね。これは私の意見ですけど。
(委員) 1点よろしいですか。
 資料4−1の比較のところの最後の5ページ、河川基本方針の記載例です。記載例として石狩川水系について書いてあります。川によって違うことは十分承知した上で、こういうことは考えなくていいのかということで質問したいと思うんです。
 すなわち、今回の河川基本方針をつくるに当たっては、総合的な保全と利用に関する基本方針というのが、大事なことだろうと思うんです。もちろん、個別には維持管理の問題とか環境問題とか、個別に議論べきことはあるんですが、総合的に保全と利用を考えるという基本方針をどういうふうに書くのかということが大切と思うんです。
 例えば3番目と下から4番目は、総合を一応意識して書いています。すなわち「浚渫、掘削による河積の確保に当たっては、河道の維持、河岸等の良好な河川環境等に配慮し」となっていますし、下の方では「良好な河川環境を形成している河畔林や水際については治水面と整合を図りつつ、保全・整備に努める」と、これはこれで結構だと思うんですけれども、これを見ていますと、ほかのものも、全部書くかどうかは別にしまして、そこは非常に大事なんだと思っているんですよ。
 先ほど滝川の市長さんが言われたような今後沼沢地とか三日月湖をどう使うかなんていうのは、言うまでもなく、こういうことに入ってくるわけで、私はこの総合的な保全と利用というのを、基本方針の中ではしつこく基本的な考え方を書いて、あとは個別のそれ以下に出てくる災害の発生の防止または軽減とか、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持、河川環境の整備と保全、そこでそれぞれのことは書くんですが、総合的な保全と利用に関する基本方針の考え方が、やはりずっと整備計画にも効くだろうし、いろんなところに関係してくると思いますので、ここのところはこういう箇条書きの書き方がいいのかなということに若干疑問を感じています。何かその辺はお考えがあれば教えていただきたいと思います。
(事務局) 書き方というか、先生がまさにおっしゃるとおり、前段で各面にわたりますことをなるべくしっかりと書こうとするのは、そのとおりかと思っています。まだそういう工夫ができてない分があるかもしれませんが……。
(委員) これもそうですね。ほかにも……。
(事務局) そうですね。これは石狩川の例でもありますし、それから、各項目が必ずしも全部みんなに連関していないといけないわけではないと思うんですけれども、また工夫をしたもので、次回させていただきたいと思います。
(委員) ちょっと内水にこだわるわけでないんですが。公共下水道がどんどん整備をされてまいりました。片一方で、例えば排水機場が整備されている。排水機場の排水能力が、公共下水道の整備が進むことによって、能力が足りなくなってきているという部分もある。こういうのを見直さなくてはいけないのかなという感じがしているんです。そういうことがどこかの段階で考えられる方向になって基本方針ができ上がっていくということになっていくのかどうか。こういうレベルで、ちょっと細かな話なんですが。
 先ほど流域湿潤という話がありました。その能力をどれくらいに見るのかというのが、1万9000立米という表現もありますけれども、石狩川で300万人流域にいますから、1人1本3000万本の植樹をしようではないかという目標を立てて、ささやかな運動が始まったりしておりますけれども、どこかで植樹等により水をためるという考え方が、例えば基本方針の中に出てくるとか、その言葉にひっかりそうなことがですね。
 あるいは、そこそこの都市が石狩川流域にありますから、山水を町の中に引き込まないと、そういう方法も何か考えられそうだなあと。特に石狩川平野は穀倉地帯でありまして、水路が発達したりしておりますから、何とかうまくいけば、山水を農業用水路だとか小河川を通じて町の中に引っ張り込んでこないって、そういう方法論も考えられるのかなと素人的には思っております。こういうものがどこかの総括的な表現の中に入っていくことになるのかどうか、ちょっとお伺いしたいというふうに思います。
(事務局) この流域とか中でどういうことが課題になっていて、その特徴の中に、おっしゃられるような話があれば、何らかの書き方をしまして、できればそれに対する方向性みたいなのを書いておいて、具体の方法論をどうしていこうかにつきましては、先ほどの河川整備計画の方できちんと書いておくという、そういう形がよろしいのかなと思います。いただいた御意見も含めて、石狩川のものとしてはきちんと考えたいと思います。
(委員長) 次の機会に流量の問題とかを議論する中で、今の下水の排水量がふえた影響というのはどうカウントするのか、石狩川ぐらいでは余りカウントしないんだろうけれども、都市河川では大分カウントするようになりましたね。それらも含めて丁寧に説明していただけますか。
 時間がきびしくなりましたけれども、○○先生、御意見ございますか。
(委員) 結構です。
(委員長) いいですか。
 ○○先生はいかがでしょうか。
 萩原先生、いいですか。
 ○○委員は……。
(委員) 資料4−3のことなんですけれども、これがあると非常にあるとわかりやすい。石狩川に限るという説明がございましたけれども、ないものねだりになるかもしれませんが、これがあると基本方針の理解といいますか、基本方針がどういう位置づけになっているかというのがわかりやすいものですから、ないものねだりになるかもしれませんが、次回以降もよろしくということでございます。
(委員長) そうすると、整備計画案を極力準備する努力をするけれども、常に準備するするのは困難である。たまたま石狩川だったから一生懸命準備したということですか。
(事務局) 二つあると思います。
 一つは、石狩川におきましても想定案と書いてございますように、河川整備計画として取るべき手続きだとか、いろんな方に御意見を伺ったり、そういうことも別途の話でございますから、ここはわかっていただくために用意しているものなので、だから、そういうものだということと、御趣旨を踏まえれば、先ほどほかの先生方からもありましたように、私どもの説明のこういう別途の資料の中で、特徴とか課題の中で、おっしゃられるようなことがうまく見えるような工夫はさせていただきたいと思っております。
(委員長) きょうの「特徴と課題」、3項目に大別して御説明いただきましたね。資料3、「大流域における治水対策」と「北海道を支える水利用」「豊かな自然環境と盛んな河川利用」に大別して、石狩川の特徴を御説明をいただいたわけですが、まずはこういう骨格で整備基本方針を事務局に書いてもらってよろしゅうございますか。もしつけ加えることがあれば、別途、事務局に御連絡いただきたいと思います。
 それから流量の関係ですね。基本高水のピーク流量と正常な機能の維持流量ですか、これをどう決めているのかというのは、きょう資料はあるんですが、次回説明ということで後回しにいたしましたが、基本的には工事実施基本計画で定められた流量を承継するということですか。
(事務局) 厳密に言いますと、概略で基本高水の方はそのとおりでございます。正常流量の方は、最近の検討の中のものでお話をさせていただきたいと思います。
(委員長) そうですか。そうすると、今までは決めてあったんですか。決めてなかった……。
(事務局) 厳密に言いますと、下流の点だけは記述がございまして、上流の方は記述がなかったものを、今回検討いたしました結果で決定しようかと考えています。
(委員長) はい、わかりました。
 お時間がありましたら、きょうは説明は求めませんでしたけれども、資料6と7ですか、これは次回説明をもう一回求めるわけですけれども、ちょっとごらんいただいておいて、基本的には、今お話ししましたように、6は現工事実施基本計画をそのまま承継していく。それから、7については基準点を追加して定めましたということで、次回、丁寧に御説明いただきますが、基本の指標でございますので、この委員会の責任において決めることになりますので、できれば、ごらんいただいておくとありがたいと思います。
 それで、この「特徴と課題」に応じまして次回、それから、基本指標をそういう前提で御説明をいただくということになります。
 それから、河川整備基本方針と整備計画との関係については、ここで議論がありましたけれども、皆さん、これを二つに分けるということは、それぞれ難しい問題を抱えながら、しかし、背後には整備計画というのはこんなイメージでやっているということで御理解いただいたといいますか、水系ごとに今後、工夫を重ねながら進めていくということで、ここの場では整備基本方針を御議論いただくと。
 折りに触れて、整備計画との関係が微妙なときは御質問いただきながら、あるいは追加資料をいただくということで、今後進めていってよろしゅうございますでしょうか。

[「異議なし」の声あり]

(委員長) そうですか。
 それでは、きょうの予定した議題は、ちょっと時間が余りましたけれども、何か追加で御発言があればお願いいたします。
(委員) きょうの映像を見て私、初めてわかったと言ったら恥ずかしい話なんですが、私は道産子で石狩川について大分知っていたつもりだったんですが、ちょっと教えていただきたいんです。
 昭和40年代と50年代と60年代の三つの洪水が出て、氾濫地域が出たんですが、昭和40年代は、どっちかというと、相当上の方で、50年代は中・下流部がワッとやられて、60年代は雨竜川筋がやられている。すなわち、中流から上。
 あれは何が違ってああいう氾濫形態になったのか。今度の計画の中では、そういうものを恐らく網羅していると思うんですが、私はきょう初めてそれを見せていただいてびっくりしたんですが、教えていただきたいと思います。
(事務局) 別途、お話をさせていただきます。
 先ほど御説明させていただきました資料でもわかるんですが、まず雨量が結構違いまして、それから、降雨の分布も違うと思うんですが、資料も整えて別途、お話しさせていただきます。
(委員長) また整理していただく。
 本日、資料としては、「石狩川水系河川整備基本方針」の本文とその骨子、基本高水等に関する資料など、数多くの資料が用意されておりましたが、時間の都合でその紹介まで至りませんでした。
 次回は、本日の議論を踏まえ本文について審議していただくこととなりますが、本日配付された資料も含め、お気づきの点がありましたら、次回以降の議論にも反映できるよう、あらかじめ事務局まで御連絡くださいますようお願いいたします。
 事務局におかれては、本日の議論や委員の追加意見を踏まえて、本文案に必要な修正を加え、次回改めて紹介するようお願いいたします。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般公開することといたします。
 本日の議題は以上でございます。





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