水管理・国土保全

  

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最上川の自然環境

自然豊かな山形県内を貫く一級河川

最上川は、内陸部に広がる水田地帯を悠々と流れ、豊かな自然環境と良好な河川景観を有しており、山形県と福島県の県境の西吾妻山を源に、奥羽山脈と出羽丘陵、越後山脈に挟まれた米沢盆地・山形盆地を抜けて北上、新庄盆地で進路を西に変えて最上峡を抜け、庄内平野を経て注ぐ、延長229kmの流路がすべて山形県内を貫く一級河川です。流域はブナ・スギ・ヨシ等の豊かな植生を有し、オジロワシ(鳥類)やメダカ(魚介類)などの稀少な動植物が多様に生存しています。

流域の地質は凝灰岩類が多くを占め、吾妻・蔵王・舟形・神室・鳥海・月山山系を源流とする河川の源流付近は安山岩が、朝日・飯豊山系を源流とする河川の源流付近では花崗岩が多く分布しており、最上川が現在の形になったのは今からおよそ100万年前といわれています。

最上川の歴史や自然にふれあう水辺空間を創出させ、更なる観光交流ネットワークの拠点整備を形成するため、沿川自治体や地域の皆様と連携・協働により河川環境整備を実施しています。

長井市では、「水と緑と花」をコンセプトとしたまちづくりを実施するとともに、「かわ」と「まち」をつなぐフットパス(散策路)等を整備し、まち歩きやイベント等に利活用してきました。さらに、「まちづくり交付金」や「まちづくり基金」等を活用したコミュニティ歩道や案内板の整備、NPO等と連携した河川空間への花畑の創出など、積極的な整備や活動も実施しています。今後は、舟運時代の川港として栄えた歴史を活かしたまちづくりを計画しており、この計画と水辺が一体となった良好な空間を創出し、観光振興を支援します。


まさに秘境、火焔(ひのほえ)の滝(米沢市)


長井フットパス(長井市河井山狭窄部)



最上川上流部の自然

源流から米沢盆地に至る最上流部は、ブナをはじめとする原生林が残り、瀬や淵を繰り返す流れにはイワナやカジカ等、清流に生息する魚種が多く、自然あふれる渓流域となっています。また、米沢、山形盆地付近は、川幅が広くなり砂洲(さす)を伴い流れが蛇行しています。高水敷(こうすいじき)の利用としては農耕地が多く、それ以外は豊かな植生で覆われています。



米沢盆地を蛇行して流れる最上川(左岸:川西町、右岸:南陽市)


ビューポイントの一つ「玉ノ井」(朝日町)



最上川中流部の自然
中流部は、河岸段丘の底部を流れ川幅が狭くなっています。中でも、周辺の滝や河床の岩盤の露出とミズナラやカエデ、スギ等の植生が雄大な景観をつくりだしている最上峡(戸沢村)は、四季を通じ舟下りの観光地としても名高く、松尾芭蕉の句にも謳われるなど最上川を代表する渓谷を形成しています。このほか、大淀狭窄部(村山市)には舟運時代における引綱の跡が残る自然河岸や三難所(碁点・三ヶ瀬・隼)として名高い岩河床の急流区間が残されています。

また、村山野川(東根市)では、河川敷地内の海老鶴沼周辺に約80種類の鳥類が確認され、また、モツゴ、ギンブナなどの魚類や、エゾノキヌヤナギなどの植生なども確認されており、良好な水辺空間が形成されています。


最上峡(戸沢村)


村山野川と県内有数の探鳥地「海老鶴沼」(東根市)



最上川下流部の自然

庄内平野を流れる下流部では、 河床勾配も緩く川幅も広くなり、高水敷にはヨシやオギ等が密生し、水辺にはオオヨシキリやヒヨドリといった水鳥のほかハクチョウ等の冬鳥の飛来も多く、多くの鳥類の生息域となっています。特に両羽橋に近接する最上川スワンパークに飛来する約1万羽のハクチョウは全国的に有名であり、地域住民に親しまれています。

また、最上川流域においては、国指定の天然記念物であるオジロワシ(鳥類)や、絶滅のおそれのある野生生物として環境省のレッドリストに掲載されている、メダカ(魚介類)、モノアラガイ(底生動物)などが確認されるなど、稀少な動植物が多く生存しています。


最上川スワンパーク(酒田市)


出羽大橋右岸から望む夕日(酒田市)




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